辻村深月のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
1つの物語を「恋」と「友情」2つの視点から読むのはとても面白かったです。
盲目的に夢中になれるというのは素晴らしくもあり、それと同時に醜く恐ろしいものでもあるということを知りました。
私にとって、依存・盲目・執着で最初に連想されるものといえばやはり恋愛なのですが、友情というものも拗らせてしまえば恋愛に匹敵するほど恐ろしいものに変わってしまうのかと驚きました。
「恋人」「親友」という特別感のある立場に固執し、徐々に狂っていく人間の姿が繊細に描かれており
読み応えのある内容でした。辻村深月先生の文才がひしひしと伝わってきました。
『友情』の章の途中から結末を想像していたのですが、その上をいく -
Posted by ブクログ
辻村深月作品では好みの方だなと思えた作品。
まずは上巻。
学校での居場所をなくし、家に閉じこもっていた安西こころの目の前で、
ある日突然部屋の鏡が光り始めた。
輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような建物。
そこには狼の面をつけた少女・オオカミさまが待ち受け、
こころを含め、似た境遇の7人の少年少女が集められていた。
城の中にいられるのは日本時間の午前9時から午後5時まで。
そして翌年の3月30日までの間の期間。
その間に城に隠された鍵と願いの部屋を見つけだした1人だけが
1つだけ願いを叶えられるという。
城にいられる間なら家との行き来は自由。
鍵を探すも良し、ダラダラ過ごすも良し。
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Posted by ブクログ
ネタバレ幹永舞と鼓動チカラの正体とか、全員で環を助けるシーンとかはとても良かった。
エピローグも、締めとしてとても良い。
ただ、詰め込みすぎに感じる。
これは辻村深月さんの初期作品ほぼ全てに言えるけど。
ほぼ全員のエピソードをその人主観で丁寧に。それはすごいんだけど、主軸がわかりにくくなるし、長くなる。
既出の話に再度触れるため、引用。それが多いのも毎回長長編になる要因じゃなかろうか。
今回は登場人物にあまり心惹かれなかった。
環もスーも加々美も黒木さんも好きじゃない。特にスーはすごく嫌い。
チヨダコーキは好きだった。
「チヨダ・コーキはいつか、抜ける。」
この言葉の意味が最初全然わからなかった