辻村深月のレビュー一覧
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闇ハラ…闇ハラスメント。周りの人間に闇を押し付け、死に追いやること。
闇祓…その闇を祓うこと。
同じ読みの対極的な言葉。この対立構図が物語の根幹。ここで言う闇は、フィクションではありながら、現実で起こりうる人間が生み出す闇、それらを多少過激にした程度でリアリティのあるもの。敢えて言えば人怖系のホラーに分類されるのであろうが、この作品の怖さは、人間関係、人間社会というものに根差しており、人単体というより、概念的なものに根源がある。つまり、根絶は不可能で、誰にでも巻き込まれる可能性を孕んだもの。何のせいとか何が悪いとかではない、そんな理不尽に見えて実は自然の摂理のような、新感覚のホラージャンル。 -
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ネタバレ上巻に引き続き再読です。
自殺者が河野ではなくあすなだったこと、それを解決するためのプランが高校生らしからぬ計画だしここまで協力してくれるメンバーって集まるものなのか、、、と疑問だったけれどそれも最後まで読んで納得。
他の作品の例に漏れず、「凍りのくじら」の理帆子や郁也、多恵さんまで出てきて嬉しいななんて思ってたら。最後に明かされた椿の名前にものすごい衝撃。秀人・椿・天木・友春の4人が「僕のメジャースプーン」のあの4人だったなんて!っていう衝撃と、色々なことに対しての納得感がハンパない。秀人と椿の熟練夫婦のような空気感、天木の秀人に対する性格診断、友春を損な役回りでも協力されられる天木と秀人と -
Posted by ブクログ
下巻は東京會舘が新館になってからの短編集。「金環のお祝い」と「あの日の一夜に寄せて」が好き。金婚式の老婦人が長く連れ添った夫を思い出しながらロッシニを食べる話と、東日本大震災の時に東京會舘に一時避難した老婦人の話。どちらも夫婦愛を感じられる話でよかった。「あの日の一夜に寄せて」では東京會舘のクッキングスクールの話もメインになっていて、その内容も面白かった。最後に夫がカレーを作っていてくれたのもとても好き。
どの話も東京會舘のスタッフが気配りに溢れているところが好きだ。東京會舘のような高級感あふれる施設のスタッフの、ホスピタリティに溢れている描写がとても好き。