辻村深月のレビュー一覧

  • 琥珀の夏

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    ネタバレ

    大好きな作家の一人辻村深月さんの作品。
    夏なので、夏っぽいのを読んでみた。

    カルト的な団体の〈ミライの学校〉の跡地から白骨遺体が見つかった。
    ミライ学校にいたこともある、弁護士の法子は、当時中の良かったミカではないかと頭をよぎる。
    色々と調べていくに当たり、辿り着いた真相とは。

    ミライの学校で行われているようなことは、ある意味ではきっと正しくて必要なこと。
    でもそれがまかり間違うと宗教のようにも思えてしまう。
    ミライの学校で行われていた「問答」のようなことを作品を通して行われているようにも思えた。

    幼い頃の気持ちを代弁しているようで、あの頃僕はどういうことを考えていたのだろうとふと昔を思

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    2025年07月24日
  • 図書室で暮らしたい

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    バタやんさんのポッドキャストの影響で読んでみた!子育てネタが微笑ましく、とくに保育園の連絡帳の話が好きだった。京極夏彦さんのサイン会に行く日のことが詳細に書かれていて、とても素敵だった。

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    2025年07月23日
  • 闇祓

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    山田章博さんによる文庫版の装画が良い。
    ポストカードの要の方がかっこいい。

    話が通じない相手と相対したときのストレスと疲労感。
    こう言えば伝わるかもと試行錯誤しても、無駄に終わる徒労感。
    いくら言葉を交わしても、どこにも着地せず、ただただ削られる。
    分かり合うよりも、自分がおかしかったと諦めて、相手に染まる方が楽なんですよね…

    可能であれば、とっとと距離を置いて、関わらないのが一番。
    現実にも祓ってくれる人がいればいいのに。

    実写ドラマ化しそうと思ったら、映画化決定!とのこと。

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    2025年07月22日
  • 冷たい校舎の時は止まる(下)

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    辻村深月のメフィスト賞受賞作、デビュー作。
    大学時代にこの長編を、このクオリティで書き上げたのは圧巻の一言。
    今の作風に通じるような多重の伏線や心理描写も見事。

    閉ざされた世界に集められた男女が限られた時間で謎を解こうとするスタイルは、鏡の孤城の前身作品のように感じた。

    ただ、終盤の展開はあまり好きじゃなかった。
    すげぇ!と思うことは多かったけど、シンプルに登場人物の好き嫌いの問題。

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    2025年07月21日
  • スロウハイツの神様(上)

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    濃い人たちが集まるシェアハウスなのね。家主のお眼鏡にかなわないと入居できないのなら、ある程度の雰囲気は保てそうで、住んでいる人は案外快適なのかも!?

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    2025年07月19日
  • 鍵のない夢を見る

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    初めての辻村深月先生。
    5つの主人公全員、ずれてる。
    読み進めるほど「ん?」という違和感が積まれていく。「なんだその考え方。どうしてそういう思考になるんだ」ともやもやしつつ、女性独特の渦を巻くような黒い暗い感情がわかってしまう気持ち悪さ。読んでて暗い気分になるが、彼女らに感じる違和感がクセになる。

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    2025年07月18日
  • はじめての

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    YOASOBIの曲を聞いてから、本を読みました。
    曲のフレーズとして聞いたことある言葉が、物語の至るところに散らばっていて楽しく読むことができました。

    YOASOBIがどれだけ本のフレーズを拾って、歌詞に入れ込んでるのかが分かりました!

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    2025年07月14日
  • 島はぼくらと

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    過疎化を活性化させるボランティアについて興味深い内容でした。

    しがらみのある大人の世界を、それらがまだ理解できない高校生目線から捉え、大人たちの影響を受けながら成長していく過程がよく描けていました。
    スロウハイツの神様を先に読むとより楽しめる内容になっていました。

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    2025年07月12日
  • 琥珀の夏

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    スラスラと読み進められたのですが、感想を書くとなるとなんて書いたらいいのか迷います。
    読み終わって直ぐに思ったのは、美夏の子どもたちの未来。暗い終わり方では無かったことが救いです。

    子どもの時に思っていたこと、感じていたことを大人になってから改めて読み解くと、思っていた人と違ったり、大人の事情が絡み合っていることを思い知ることがあります。その感情の描写がとてもリアルでした。
    子どもたちの未来はやっぱり大人の存在が大きく影響してくる。裏切られた、思っていた人と違っていたと思われないような大人とはどのような人なのだろう、と考えさせられる。

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    2025年07月09日
  • 太陽の坐る場所

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    ネタバレ

    高校を卒業して10年、毎年続けていたクラス会もメンバーが固定化している。女優になったキョウコと、昔女王様として振る舞っていた響子、それを取り巻く人たちが語り手となって進む。みんな表と裏があるのが現実で。ただ、語り手となった人が次々と退場していくことに何か意味があるのかと思ったが、最後まで明示はされなかったのが不完全燃焼感。

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    2025年07月09日
  • 家族シアター

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    家族との関係性が描かれた短編集。私自身、弟がいることもあって兄弟姉妹の話は特に共感した。近すぎて嫌になったりもするけど、やっぱり家族で、大切な存在だからこそ、家族が嫌な思いをするのは見ていられない気持ちがよくわかる。家族ってやっぱり大切だと思う。

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    2025年07月06日
  • 鍵のない夢を見る

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    短編集なこともあり読みやすかったです。
    全体的に暗い話が多く、客観的に読んでいる状態では「痛い」と言われるような主人公たちです。他者には自分の常識に則って批判的であるのに、自分のことは度外視で客観的に捉えられていない、そんな痛さです。
    他に選択肢いっぱいあるでしょと思いながら読んでしまうのですが、実際自分の身に起きたらと考えると、これしかないと思い込んでしまうその気持ちがわからなくもないところがうすら怖く感じます。

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    2025年07月06日
  • 冷たい校舎の時は止まる(上)

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    辻村深月といえば、鏡の孤城やツナグの印象が強い。優しい物語を描いてくれる人。しかし蓋を開いてみればミステリー(ホラー)。キーとなる人物が登場しない構成も不気味さを増している。鏡の孤城のように優しさのある最後があるといいな、と淡い希望を胸に下巻に臨む。

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    2025年07月05日
  • 家族シアター

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    家族としてあるあるな関係性の揺らぎが言語化されていた印象。
    「妹という祝福」一時期私には普段から一緒にいるような友達がいなくて、よく妹の学年の教室まで遊びに行ってた。同級生と遊ばない姉の事を当時はどう思ってたのかな、友達から何か言われてなかったかな、小学生だから何も考えてなかったのかな、とかチクリとする思い出が呼び起こされたりした。今も親友以上に仲良しの妹なので、もう笑い話の域だが。
    「タマシイム・マシン」私に子供はいないけど感動した。いつか子供ができたら、与えられた以上の愛を注いで、大切にしたい。

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    2025年07月02日
  • ツナグ 想い人の心得(新潮文庫)

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    ネタバレ

    友人にすすめられて手に取った辻村深月さんの『ツナグ』。最初はファンタジーのような設定に戸惑いましたが、読み進めるうちに、この作品が描く人間関係の深さに引き込まれていきました。

    もし亡くなった人に一度だけ会えるとしたら、私は誰を選ぶだろう。
    『ツナグ』を読み終えたあと、自然とそんなことを考えてしまいました。

    この物語は、“死者に一度だけ会える”という特別な機会を仲介する「使者(ツナグ)」をめぐる連作短編集です。一つひとつのエピソードが丁寧に描かれていて、どれも心を揺さぶられました。

    「会いたい」という気持ちには、いろんな形があるんだと気づかされます。感謝を伝えたい人、謝りたい人、答えを求め

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    2025年07月01日
  • V.T.R.

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    辻村作品デビュー作から順番に読むチャレンジ実施中。

    作中の架空の作品。
    装丁が凝ってる。

    短い作品ながらも、どんでん返しが用意されている。

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    2025年06月30日
  • 鍵のない夢を見る

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    泥棒、放火、逃亡者、殺人、誘拐にまつわる短編5篇。

    不穏な空気が支配する。
    その空気の中で主人公が自分の幸せを見出していく。

    主人公の生々しい心の動き、対話する相手との駆け引きが矢継ぎ早に迫ってくる。

    著者の見事な表現力に魅了される。

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    2025年06月28日
  • 鍵のない夢を見る

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    女性ってこんなに焦って生きているの?これを読む女性はこの人たちをどう思うの?これ、面白いの?と色々考えてしまった。

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    2025年06月27日
  • 青空と逃げる

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    ネタバレ

    新幹線で新潟に行く道すがら購入。
    父親が犯罪者扱いされて、逃げ回る物語。高知、大分、各所の人の温かさが感じられる。
    父親にも、息子にも秘密があって、読後感は良い。
    逃げてもいい気持ちにはなるが、逃げるのにも勇気が必要。

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    2025年06月26日
  • オーダーメイド殺人クラブ

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    初めて辻村深月さんの本読んだ。
    どんな本を書く人なのか何も知らない状態で読み進めていって、登場人物が中学生の男女だったから中学生特有の、思春期特有の、人間関係の面倒さやスクールカーストみたいなのがリアルに書かれていて、懐かしさを感じつつ、面倒さを思い出しにイライラしながら読んでた笑笑。自分もそうだったけど、思春期で周りのもの全てに怒りを感じてるアンの気持ちに共感しつつも、グロいものとか過激なものを好きな気持ちに気味悪さを感じて、これどういう結末なん?って常に思いながら読み進めていってた。周りに敏感で、常に自分がどう思われているのかが気になる女子・アンと、常に何を考えているのかわからない、自分の

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    2025年06月26日