辻村深月のレビュー一覧
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ネタバレ上巻に引き続き再読です。
自殺者が河野ではなくあすなだったこと、それを解決するためのプランが高校生らしからぬ計画だしここまで協力してくれるメンバーって集まるものなのか、、、と疑問だったけれどそれも最後まで読んで納得。
他の作品の例に漏れず、「凍りのくじら」の理帆子や郁也、多恵さんまで出てきて嬉しいななんて思ってたら。最後に明かされた椿の名前にものすごい衝撃。秀人・椿・天木・友春の4人が「僕のメジャースプーン」のあの4人だったなんて!っていう衝撃と、色々なことに対しての納得感がハンパない。秀人と椿の熟練夫婦のような空気感、天木の秀人に対する性格診断、友春を損な役回りでも協力されられる天木と秀人と -
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下巻は東京會舘が新館になってからの短編集。「金環のお祝い」と「あの日の一夜に寄せて」が好き。金婚式の老婦人が長く連れ添った夫を思い出しながらロッシニを食べる話と、東日本大震災の時に東京會舘に一時避難した老婦人の話。どちらも夫婦愛を感じられる話でよかった。「あの日の一夜に寄せて」では東京會舘のクッキングスクールの話もメインになっていて、その内容も面白かった。最後に夫がカレーを作っていてくれたのもとても好き。
どの話も東京會舘のスタッフが気配りに溢れているところが好きだ。東京會舘のような高級感あふれる施設のスタッフの、ホスピタリティに溢れている描写がとても好き。 -
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・"全ての娘は自分の母親に等しく傷つけられている"。仲の良い母娘、深い感傷をしない母娘、母娘としての関係性は様々だ。
自分の母には無いものを持っている他人の母は羨ましく見えるものだ。
しかし実際はどの娘も母に傷つけられているのではないか。
そんなことを考えさせられる。
・第2章の終盤では思いもよらぬ事件の真相が明らかに。タイトル・プロローグの伏線回収もお見事。
・1度は希望を失ったようなチエミだが、希望さえ感じられるような結末だ。
・チエミの様にもの凄く頼れる人がいてもその人のみとなると受け入れられなかった時の逃げ場が無くなるので何人かいた方がいいのではないかと感じた。
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Posted by ブクログ
長い長い物語でした。
クラスメートに馴染めないノリコ。
ある歳の夏休み、特に仲良しではなかったクラスメートのユイちゃん親子に誘われ『ミライの学校』の夏合宿に参加することになる。
子どもだったノリコにはそこが宗教的団体の施設であることなど知る由もなく、ただただ両親と離れ、年上のお兄さんやお姉さん、優しい大人たちと過ごすことになる刺激的な夏休みの数日。
美しい水源を持つ団体は綺麗な水を売ることを生業として保たれていた。
自然豊かな森、綺麗な水、穢れない大人たち、両親と離れ暮らす子どもたち。
そこは子どもたちの自主性を尊重し〝問答〟という名の考えることを育む子育てが行われていた。
3度の夏休み