辻村深月のレビュー一覧
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辻村深月さん20代の頃の作品
ある高校の同級生の今の物語を、過去の出来事を
5人の登場人物の視点から描きます。
各章のタイトルが個人名ではなく、出席番号なのも意味があります。登場人物の名前も意味を持たせてあったり?
辻村さんのいろんな仕掛けが読者である僕を惑わせすぎた感がある。理解を追いつかせるのがやっとだった。
それでも繊細に突き刺してくるところが辻村深月だった。
この読書に息を切らせたのは辻村さんの若さじゃなくて、きっと自分の衰えなのだろうとは思う。
だけどやりようはあるよな、と思えたのも事実。
もう少しさりげなく安らぎを手に入れる、その術を知らない。のがキョウコをはじめとする登場人物だとしたら、いま持ってるものでやるしかない、その気分を手に入れつつあるのが自分なのだろう。
それって、だいたい砂みたいに手のひらから零れていくやつだけど。
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Posted by ブクログ
5章に分かれた文藝春秋別冊の連載をまとめた本。
こんなストーリーを毎月連載で書けるのか、すごい。
高校3年のクラスメイトで毎年開かれるクラス会。ずっと欠席を続けている、今や人気女優になったキョウコをなんとかクラス会に呼ぼうと、元同級生たちで画策する。それぞれが高校時代のカーストや今の立場に葛藤を抱え、見栄を張り、互いに意識し合っている。
自分の高校時代とは全く違うけれど、それでも女子同士のヒリヒリする雰囲気などは容易に想像できる。あぁ私もこうだった、と思うと息苦しくなるほど。
事件も殺人もないけど、ミステリーのような謎解きの衝撃は心地よかった。ただそこに至るまでの謎の提示や人物像が曖昧で、謎解きの爽快感が少なく、困惑や混乱が大きくなってしまった。 -
Posted by ブクログ
過去作品のスピンオフ。そう明記はされてないけど、同じ人たちが出てくる。
ロードムービーのレビューにも書いたけど、明記してファン向けにするか、読んでなくても誰でも差異なく楽しめる作品にした方がいいと思う。
・しあわせのこみち ◯
「冷たい校舎の時は止まる」より。
清水あやめがT大に進学したストーリー。鷹野も登場。
清水と田辺の、絵と映像に関する会話はハッとさせられた。生活感。
一見すると傲慢な田辺の発言や思考、よくわかる。でも共感されづらいんじゃないかな。攻めましたね辻村さん。
冷たい校舎を読んでなくても特に影響ない作品でした。一点、鷹野のレコーダーを除けば。
・アスファルト ◼️
「冷たい校舎の時は止まる」より。
藤本昭彦が卒業旅行でベルリンにいるシーンから。
純小説チック。あまり好きではなかった。
あの子、彼女、とか示唆的な代名詞が多くて、誰のことなのか混乱する。
深月が好きじゃないから、彼女を聖女のように崇める書き方が引っかかってしまう。
・チハラトーコの物語 ◯
「スロウハイツの神様」より。赤羽環も出てくるし、「太陽の坐る場所」も少しからむ。
面白かった!
特に、重森とのシーン、磯山ミオのシーンはかなり良かった。
スロウハイツ読んでないと、環との箇所は唐突感あるだろうな。
・樹氷の街 ◎
「名前探しの放課後」より、天木、秀人、椿。
そして「凍りのクジラ」より、松永郁也と理帆子。
ピアノの描写がとても美しい。
辻村深月さんは女子学生のごたごたばかりで飽き飽きしかけてたけど、この作品はうまく昇華されてるように感じた。
・冷たい光の通学路 ●
「冷たい校舎の時は止まる」より。
読んでないと意味不明。 -
Posted by ブクログ
「スロウハイツの神様」からのスピンオフ。
作家チヨダ・コーキの作中作「V.T.R」が約200ページの単独小説として文庫化。
カバーには著者チヨダ・コーキとして書かれ、解説はスロウハイツの主人公、赤羽環が脚本家として書いている。王子千晴の名前も。
これ、辻村さん楽しかっただろうなー。
他人の作品として書くのって、文体も発想も別物になる。それがちゃんと成り立ってる。
ただ、軽口のティーの脳内発言は鼻につく。ライトノベルみたい。と思ったけどチヨダコーキがラノベ作家なんだから、これでいいのだ。
ラストはさすが。
でもそこまでがちょい退屈ではあったかな。
環の解説も、響く。良い。