辻村深月のレビュー一覧
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『スロウハイツの神様』のスピンオフ作品。本編で登場するチヨダ・コーキのデビュー作で、17歳の時に書かれたという設定だからか、荒削り感をあえて出したような作風に感じた。
物語は主人公ティーが、元恋人アールの情報を探りながら迫っていくお話で、二人ともマーダーという国から殺人を公認されている闇稼業を生業としている。どこかディストピアな世界観が、コーキのダークな部分を醸し出していて興味深い。ティーのアップテンポな行動や思考のノリで進行し、ラストはしっかりとミステリー感を味わえた。
作中作ということで、装丁も凝った作りになっているし、解説も赤羽環という演出の効いたこだわりが嬉しい。しかも環の解説のチ -
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ネタバレこの本に含まれる下記3作品のうち、最初の2点は中学生の進研ゼミの教材として含まれていたもののよううです。よって他の辻村深月作品とは趣きを異にしています。
「約束の場所、約束の時間」
未来から喘息治療のため、タイムスリップしてきた悠と朋彦の友情の話し。2人はゲームを縁にして、仲良しになる。悠は雨の日、裏山で崩れた廃墟に潰されそうになった朋彦と美晴を助け、その代わりに未来に戻ることになってしまう。朋彦は、未来の悠の喘息治療のため今からやれることをやろうと決意する。
「サクラ咲く」
中1のマチは引っ込み思案の女の子。本が大好きで、図書室に毎日通っている。ある日図書室の本から誰かの「サクラチル」と -
匿名
購入済みなんとも言えない
登場人物たちの気もちがどれもわかる感じがしました。特にタイトルの意味がわかった時、チエママが最期に思ったであろう気もちを想像すると、自分の母親も同じなのかなぁと思い、なんだか胸がしめつけられました。
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初めての辻村作品。これだけ売れている作家とあって、文章力や構成力は申し分ありません。心の繊細な機微に感情を揺さぶられたり、大人のずるさに心を痛めたり、没入できる箇所がたくさんありました。
ただ、一方で、常長に感じられるところもあり、六百頁超えは長かった。百頁くらい削ってほしかったかな。
ミライの学校の活動にのめり込み、自分の娘をないがしろにするミカの両親。あることが原因で、やっと両親と対面したミカが「何かがあったら、この人たちは、会いに来てくれたのか。いい子にしてたら、会えるんじゃなくて、何か、問題を起こせばよかったのか」と抱いた心情は本当に切なかった。