辻村深月のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
感想
前に読んだけど、今回も覇権じゃなくて派遣アニメだと思いこんじゃっていた。
あらすじ
短編集。
1話目は伝説のアニメ監督王子が若い頃、録音スタッフの五條に助けられた話。
2話目はアニメを観たことがない小学生が初めてアニメを観る。
3話目は、ブルトの企画の逢坂が、伝説の造形師の鞠野と出会う話。
4話目は国民的な子供のためのアニメキャラのニイ太の監督を有名な斎藤瞳がやることになった。プロデューサーの和山は斎藤がニイ太を観たことがないことに驚きつつも、原作者の左近寺と向き合い、成功に導く。
5話目は、アニメ関係者の結婚式で悩む作画クリエーター。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ人物の内面をここまで細かく解像して描けるのか、と感じた作品でした。
特に、人が自分では善良だと思っている部分の中にも、無意識の傲慢さや自己都合が入り込んでいるという描き方が印象に残った。物語の中盤までは先が読めず、かなり引き込まれた。
一方で、読み終わったあとの人物評価には少し引っかかりも残った。
架は、自分自身の傲慢さや未熟さと向き合い、それを省みる方向へ進んでいく。
しかし真実については、善良さや傷つきやすさの陰にある自分本位さや傲慢さが、最後まで十分には掘り下げられなかったように感じた。
むしろ「もっと自分本位に生きてもいい」という方向に肯定されていくため、二人の成長の描かれ方には、少し非対称さを感じた。
終盤には素直に感動した部分もある。
ただ、真実に対しては最後まで「この人はかなり自分本位なのではないか」という感覚が消えず、そこを作品がどこまで意図的に描いていたのかは考えさせられた。
タイトルどおり、傲慢と善良は単純な反対語ではなく、同じ人間の中に同居するものなのだと思う。
善良であることが、そのまま他者への理解や謙虚さを意味するわけではない。
その曖昧さを人物を通してここまで描き切った点は、とても面白かった。