辻村深月のレビュー一覧
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1回目 ⭐︎⭐︎⭐︎
2回目 ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
このような本なんだと思う。
下巻に向かって点という点を蒔いて、下巻でそれを全て摘んでいく。その点がかなり淡々と置かれているから、正直1回目は読むのが大変でした。登場人物一人一人を丁寧に描くことでキャラクターに愛着を持たせる意もあるのかもしれませんが、にしても少し長すぎるかなという印象。
辻村先生の本は何度かチャレンジしたものの、途中で読む手が止まり積読へ…という流れだったので、辻村すごろくの最初のこの本だけはなんとしてでも読もうと気合を入れて読みました。上巻最後の最後で面白くなり、下巻は一気読みしました。 -
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Posted by ブクログ
人の黒い部分が見えるヒトコワ短編集。
記憶って怖いなって思った。
言った本人たちは、記憶が薄れてその記憶を勝手に改ざんしてるかもしれないけど、言われた当事者たちはずっと心の奥の傷として深く刻まれてる。
わたしも学生の頃に同級生や先生の言われた一言で傷ついて今でも忘れられないことがあるけど、その一言でわたしはその人たちが嫌な存在として残るし、そういう人としてしか見ることができない。いい印象なんて残らない。
記憶にも会話にも歪みがでて、人は都合よく記憶を変える。
そんな誰にでもあり得るような話たち。
その部分があまりにも繊細に書かれてるから読んでいてあまり気持ちよく読めなかった。
けど、人と人 -
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亜紗は茨城県立砂浦第三高校の二年生。顧問の綿引先生のもと、天文部で活動している。コロナ禍で部活動が次々と制限され、楽しみにしていた合宿も中止になる中、望遠鏡で星を捉えるスピードを競う「スターキャッチコンテスト」も今年は開催できないだろうと悩んでいた。真宙は渋谷区立ひばり森中学の一年生。27人しかいない新入生のうち、唯一の男子であることにショックを受け、「長引け、コロナ」と日々念じている。円華は長崎県五島列島の旅館の娘。高校三年生で、吹奏楽部。旅館に他県からのお客が泊っていることで親友から距離を置かれ、やりきれない思いを抱えている時に、クラスメイトに天文台に誘われる――。
コロナ禍で一番被害を -
Posted by ブクログ
こわっ(笑)パッとしない子なんて読んでいて気持ち悪くて。
で、同じく、早穂とゆかりも。
私自身がどの立場で生きてきたか考えると、パッとしないままパッとせずにきたので、そんな怖がることもないんだけど(笑)
それぞれの、立場で記憶が違う。
それと、これは幼少の時から気をつけているが、なるべく「自分が嫌なことは人には言わない」と、言うことだけど、この「自分が嫌なこと」の観点がそれぞれ違う。だから怖い。
だけどさあ(笑)
佑やゆかりのように、先生や早穂を追い詰める?
かなりな地位にいて、今が幸せでないのかと思ってしまうんだけど。
なんて思う私もいろいろ間違ってる。 -
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ちゃんとみんな、同じ世界で生きてた...!
アキが生きててくれてよかった。おばあちゃんの友達の強引さ、大人が引っ張ってってくれる大切さ、今は親ガチャとか言葉があるけど、やっぱり1番近くにいる大人って子供にとってすごく大事だと思った。たとえ親子ではなくても。
でも生きられたのはこころのおかげで、本当に最後、勇気を振り絞って目の前にあることをせいっぱい頑張ってよかった。城のみんなのおかげで、友達もできて、こころ個人が成長できてた。大人になると1年ってあっという間だけど、子供の1年ってすごく長いから、本当に辛かっただろうな。でも、ちゃんと自分の気持ちを話せるようになって偉かった。
東條さんは引っ越し -
Posted by ブクログ
ネタバレ最初なんか難しいかもって思ったけど読み進めてくうちに人間関係の構図が見えてきて、読めば読むほど面白かった。
さすが辻村深月さんって感じの人間の感情とかヒエラルキーとか心のうちで考えてる暗い部分とかの表現が綿密ですごく引き込まれた。
響子とキョウコが同一人物じゃないとわかった時の衝撃と倫子でリンちゃんかと思ってたのになんか謎の違和感があって、実際違う人物だったのもすごすぎて面白かった、、
前に読んだ食堂かたつむりの主人公が倫子でりんこ読みだったからめちゃくちゃ騙された(笑)
フリガナがなくてともこなのかりんこなのかと思ってたけどみつこっていう読み方もあるんだと初めて知った。