辻村深月のレビュー一覧

  • 琥珀の夏

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    子供の頃の、クラスで1人になるのを恐れていた気持ちを思い出す。辻村深月の青春モノは、いつも忘れていたような子供の頃の痛みや苦しみを、本当に丁寧に思い出させる。心情の言語化が素晴らしい。そして面白かった。
    宗教的団体『ミライの学校』の敷地跡から子供の白骨死体が見つかる。弁護士の法子はその遺体が、子供の頃に友達だったミカではないかと不安になる。法子も小学校時代、夏合宿でミカと共にそこに居たのだ。
    『ミライの学校』はカルト集団だったのか。そこで生まれ育ち、今もその中で生活する人々はどんな暮らしをしているのか。
    シゲルやミカの生活を垣間見ると、カルト集団内部で育つ子供たちがその後どんな人生を送るのか、そういう事を具体的に想像できてなかったことに気づく。良い、悪いでは分けられない、それぞれの想いがあることが分かる。

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    2026年04月02日
  • 琥珀の夏

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    ネタバレ

    一見理想的に見える『ミライの学校』は、大人たちの理想に巻き込まれ、犠牲となった子供たちの生活だったのか、と恐ろしさを感じた。

    今、問題となっている時事とも深く関係があると思い、とても興味深く読めました。

    ミカやノリコの心情の変化が丁寧に描写されていて引き込まれました。

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    2026年04月01日
  • あなたの言葉を

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    ネタバレ

    「毎日小学生新聞」の連載をまとめた一冊。
    著者の綴る言葉はどこまでも優しく、読者一人ひとりがおそらく著者の寄り添いを感じられる。

    「周りと違っても大丈夫」「時にはネガティブな感情を抱いてもいい」。
    大人がいつの間にか学んだ、自分自身を含む人間の複雑さに対して、著者は優しく共感し、その奥底の気持ちの素晴らしさを解いてくれる。

    子供ならではの真っ直ぐさを讃え、多角的な視点を持つ大切さを説きながらも、自分の『好き』や『心地よさ』を何より大切にしていいよとそっと背中を押す。

    迷い、悩み、戸惑いながら成長していくであろう子どもにお守りとして手渡したい一冊。

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    2026年03月31日
  • はじめての

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    音楽と文学がつながる瞬間を4回楽しめる!
    中でも色違いのトランプは圧巻。
    小説〜音楽〜MVと目と耳と心で楽しむ世の遊びを!

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    2026年03月29日
  • 島はぼくらと

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    ネタバレ

    今更高校生の話もと思いながら読んだのですが、裏切られました!もっと色々な側面で考えることの出来る内容で引き込まれる本です。そんな上手い偶然は現実にはないだろうと思いつつ、細かい伏線回収もありそれもまた魅力的です。
    初の辻村深月さんだってので、他もぜひ読みたくなりました。

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    2026年03月25日
  • 琥珀の夏

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    とにかく先が気になって、空き時間を全部使って一気に読んでしまった!わかりやすく悪質なカルト団体ではなかったところがより複雑な気持ちにさせられる…記憶を消してもう一度読みたい。本当に面白かった。

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    2026年03月25日
  • 冷たい校舎の時は止まる(上)

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    ネタバレ

    前半は、高校生一人ひとりの心の奥深くまで描写してあり、面白くてどんどん読み進めました。ラストシーンの意味がわからなくて。でも、時間軸のズレ方でそれもあるのかなあという解釈もあるのか、または、あり得ないと思われることも実はあるのかなあと、ちょっとモヤッと解釈し、でも、なんだか いつでもやり直せるのかなと、明るい気持ちにもなりました。とても読みやすく、そして、考えさせられる本で、大満足です。

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    2026年03月24日
  • オーダーメイド殺人クラブ

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    読みながら、気がつけば自分も中学二年生に戻っていた。アンの言動に傷つき苛立ち、徳川に共感し、ときにはあの頃の恥を思い出し。
    中学二年生という、どんなことも大事件で、コメディだった時期。
    これ以上何を書いても蛇足になりそうな、余韻に包まれている。
    これは紛れもなく青春小説だ。

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    2026年03月21日
  • 東京會舘とわたし 下 新館

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    下巻では思わず涙ぐんでしまった。
    どのお話も素敵で、思い出が建物と共にあることが素敵だったし、思い出深い大切な建物に自分はまだ巡り合っていないことが惜しく感じた。特に東日本大震災のお話にはグッときてしまった。
    建物とそこで働くひとたちに流れる伝統や歴史がきちんと紡がれて、今なお愛される建物であることが素晴らしいと思った。東京會舘はとても遠い存在で自分には到底行くことのできない場所と思っていたけれど、ちょっと行く勇気が出てまたぜひ行ってみたいと思った。

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    2026年03月20日
  • 家族シアター

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    家族の日常が溢れている作品。姉と妹の物語。孫と祖父の物語。最後に凍りのクジラ以来、ドラえもんの道具がでてくる話。中でも孫と祖父の話は泣ける。越してくる長男夫婦の子が新しい学校に馴染めるか、お友達は出来るかと心配する祖父。孫の通う学校に竹とんぼ作りの講師として呼ばれた祖父。孫娘の前でカッコいいところを見せて距離が縮まるも、孫の友達のお誕生日会で問題が発生。孫の成長を直に感じる幸せ。心温まる物語。人としっかりと向き合うことの大切さを思い起こさせてくれた。ありがとう。

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    2026年03月20日
  • 東京會舘とわたし 上 旧館

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    東京會舘のプティガトーが美味しくて種類が多くてわくわくして食べたことを思い出したが、こんなに気持ちのこもった素敵な品が他にもたくさんあり、ひとの強い想いから生まれたものだと知り感動した。
    かつてから、東京會舘を思う先人たちの想いが紡がれて今があると思うと感慨深く、とても好きになった。
    それにしても鉄板焼きディナーに行った際には、格式高くて緊張してしまったので、庶民の社交場とはいえやはり特別感のある素敵な場所だなぁと思う。

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    2026年03月15日
  • 水底フェスタ

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    少年と年上の女性の恋愛小説仕立てです。孤立した地域共同体の平穏な状態を保つために、暗黙の了解が存在するという恐怖が描かれていました。

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    2026年03月15日
  • 名前探しの放課後(下)

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    ネタバレ

    最後の最後までどんでん返しがある面白い作品。

    「ぼくのメジャースプーン」とつながりがあるということを忘れて読んでいたので、最後の最後でいろんなことがつながって鳥肌が立つような思いをした。

    今のところ発見しているのは以下のこと。また読み返したいと思う。

    ・秀人=「ぼく」、椿=「ふみちゃん」
    ・作中(下巻p281)に出てくる「白髪まじりの男性」は「先生」
    ・椿から秀人の印象「穏やかに暮らせるように、秀人は努力してる。そうしようと必死なの」(下巻p269)は能力を示唆
    ・秀人から椿の印象「歪んだからこそ、正方形のようになった」は「ふみちゃん」の過去を示唆
    ・あすなと椿が連弾する際に、椿は問題なく演奏できる。「ふみちゃん」はピアノが上手
    ・天木が椿の人望を認めている。「ふみちゃん」はみんなに慕われている。
    ・秀人はいつかに「ゲーム」を持ち掛けた。その責任感から協力している。
    ・クリスマスの日に店で演奏する松永郁也は、前作の発表会の際に「ふみちゃん」のひとつ前の順番だったピアノが上手な子

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    2026年03月13日
  • あなたの言葉を

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    ネタバレ

    「毎日小学生新聞」で連載していた辻村さんの記事をまとめたもの。
    言葉に対する愛情と優しさが深く伝わってくる。
    変だと思われたくない気持ちからクラスの雰囲気に合わせていつしか自分の感情がわからなくなったり、無意識に周りの傾向に沿った感想を述べたりすることはだれにでもある。
    大人はいつも「周りの意見なんて気にしないでありのままでいいんだよ」と言うかもしれないけど、大人だって日常的に同調圧力に流されている。
    辻村さんはそうやって周りに合わせることを否定しない。
    ただ、みんなが言ってることと自分の考えが違うからといって自分の考えを押しつぶすことはしないでほしい。
    その時に湧いた感情をぞんざいに扱わず、はっきりと認識して大切に留めておく。
    いつか、思わぬ場面で自分を助けてくれる材料になるかもしれない。

    この本に込められた辻村さんの子どもに対するメッセージ一つ一つが温かい。
    子どもからのお悩み相談にも、断定的に道を提示するのではなく、優しく導いてくれる感じが良い。
    大人になってからもこの考え方を忘れないでいたいな、と思うような内容ばかりだった。

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    2026年03月12日
  • 家族シアター

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    煩わしく感じることもたくさんあるけど大切な家族の中で起こるちょっとしたごたごたがテーマの短編集。登場人物の誰かに自分が重なってほろっと泣けてしまうお話しだった。

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    2026年03月11日
  • 冷たい校舎の時は止まる(上)

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    学校に飛び込められた主人公達が脱出するために頑張る話
    クローズドサークル、ミステリ、ホラー好きなら絶対好き

    思ったより怖い。人が消えてくシーンが怖い

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    2026年03月09日
  • あなたの言葉を

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    辻村さんが大人であることを、疑うほど、彼女の言葉は、私に自然と染み込んできました。
    一見、無駄に思われがちな好みや、頑固さが実は、将来の私を形作ることも教えてくれました。ありのままの自分を大切にしようと思えます。作家になりたい人は特に、辻村さんの幼少期にどんな感性をもっていたのか知れるのでお薦めです。でも、本当に大切なことは身のまわりにある物の中で、はっとしたものがあれば、心に留めておいた方がいいということです。この本を読んで和んでみてください。

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    2026年03月07日
  • 名前探しの放課後(下)

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    上下巻で800ページを超える長編作品。
    辻村深月作品はページ数が多くて、上下巻に跨るものが多いですが、どの作品も非常に読みやすく、今回も例外なくスラスラと読めました。

    この作品はミステリでもあり、SFでもあり、青春ものでもある。
    こんなにてんこ盛りなのに、それを感じさせない物語。
    さすがです…。

    失敗を恐れず、さらには失敗することが分かっていても挑戦する、その勇気は相当なものだと思います。
    自分は実際、そんなことができないと思う…。
    そんな、一歩を踏み出す勇気をこの作品の登場人物からもらったような気がしました。
    一言でいうと、「優しい物語」でした。

    ネタバレギリギリですが、この作品を読む前に、『凍りのくじら』『ぼくのメジャースプーン』を読むべきです。
    終盤で鳥肌が立ちまくりますので…。

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    2026年03月06日
  • 水底フェスタ

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    ネタバレ

    世界一好きな作家、辻村深月さん。
    多数のヒット作を生み出し続けている作家さんですが、この「水底フェスタ」はあまり目立っていなかったので、気になって読んでみました。

    •高校生の広海視点で物語が進んでいきますが、広海からみた由貴美のもつ、美貌と大人の女性の魅力がとにかく凄くて、正体が分からない女の虜になってしまいます。
    しかし、閉鎖された村のネットワークにより、次第に広海と由貴美の関係性が住民たちにバレていきます。
    •由貴美とは離れろと言う住民から聞く話と、実際に会って由貴美から聞く話の中で、広海は
    「誰を信じればいいのか?」
    「生まれ育った村を守るため復讐を阻止するべきなのか?」
    「それとも悪しき風習を持つ村を変えるために由貴美の復讐を手伝うべきなのか?」
    正解がどんどん分からなくなります。
    (広海のお父さんは村の村長なので、由貴美は村長の息子の自分を利用しようとしてるだけ?と常に勘繰ってしまいます)
    •物語が進む中で、村が持つ悍ましい風習や負の歴史がどんどん明らかになります。
    村が、読み始めた時に見えてきたものとは全く違う景色になり、最早ホラー作品よりも怖かったです。
    •衝撃の真実に次ぐ衝撃の真実のオンパレードで、ヒイヒイ言いながらもページを捲る手が止まりませんでした…
    •切ない、怖い、悲しい、絶望、読んでいる間色んな感情が襲い続けてきました

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    2026年03月04日
  • ツナグ 想い人の心得(新潮文庫)

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    続編も素敵な内容だったことは記憶ある。もう1回読み直したい。
    現世にツナグがあったらお母さんに会いたいな、でも人生で1回しか使えないんだもんね、そうなったら将来もしもお父さんがなくなったときに、私は今でもお世話になってるお父さんに使いたいとおもうかな、、

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    2026年03月02日