辻村深月のレビュー一覧
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直木賞と吉川英治文学新人賞の候補作品。
素晴らしかった。
「傲慢と善良」の前身となる作品と言えますね。
幼なじみが仲の良かった母を刺し殺して逃亡した。神宮寺みずほは地元の友人や関わりのあった人たちに話を聞き、彼女の行方を追う。
山梨県の田舎社会での、女性たちの価値観の描き方がとてもリアル。
みずほと政美の会話、すごく好き。ヒリヒリする。
ありさとの応酬も、映像が目に浮かぶ。
そんな知人友人との接触を通して、最初は好きでも嫌いでもなかったみずほは「好きかわからないけど理解できる」になった。
チエミに対しては、かなり嫌悪感を持っていたけど、印象が変わっていったのも、さすが辻村さん。
謎め -
Posted by ブクログ
ネタバレ辻村深月と角田春子の歪んだ関係性に強いイライラを感じながら読み進めましたが、その感情こそが、この物語の悲劇(自殺とホスト)の核心だったのだと最後に納得しました。
登場人物たちの抱える「闇」や、ドロドロとした人間関係には嫌悪感すら覚えます。大人の視点で見れば「適当にあしらって、表面を取り繕えばいいだけなのに」と思うことばかりです。
けれど彼らは、それぞれの難しい境遇ゆえに、曖昧な「グレーゾーン」に耐えることができません。0か100かでしか人と関われない不器用さが、痛々しく描かれています。
逃げ場のない校舎で、自分自身と向き合わざるを得なかった彼らの姿は、読み手に重たい余韻を残します。 -
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これはかなり面白かった。
初期の辻村深月お得意の、地方が舞台の学生ミステリー。自殺する同級生を探して止めるって、「冷たい校舎の時は止まる」に設定が似過ぎてる。しかも、またもや400ページ超えの上下と、かなり長い。
正直、読む前はやや辟易した。だがそれはすぐに裏切られた。
3ヶ月前にタイムスリップって、短過ぎて斬新。
仲間に打ち明けるシーンの、主人公いつかの描き方がとてもリアル。
他の人物も、スクールカーストの各層の人々の解像度が相変わらず高くて舌を巻く。
何より、じわじわと判明していくストーリー展開が無理なく自然で(少しだけ急展開だけど、ドラマチックと言える範囲)、ページをめくる手がとまら -
Posted by ブクログ
デビュー作からあなたは辻村深月だったのね。
出版は2004年。奇しくも恩田陸『夜のピクニック』と同年だ。この2冊、全く別のアプローチで同じ2025年に読めたのが面白い。今年の6月は融や貴子と夜道を歩き、12月には鷹野や深月と冬の校舎を彷徨う。
同じ年に発売された2冊と同じ年に出会うこの偶然はとても素敵だ。
感情を揺さぶりつつもどこか優しい彼女の世界観が好きだ。
デビュー作から目を覆いたくなる痛みやあたたかな優しさで僕のバランスが崩れたところに鮮やかに最高のパンチを打ち込んでくる。こんなにも綺麗に揺さぶられ、驚かされ、感動させられちゃって、全く悔しいったらありゃしない。最高だ。
まだま -
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辻村深月さんの作品
琥珀の夏
楽しみマックスで読み進めましたが、すぐに
少し苦手な内容かも?となり不安に思いながら
読み進めていきました。
物語は大人達の理想のもとで暮らしている
子供達の想いがずっとせつない色彩で
流れる時間でした。
ミカちゃんのさみしさを受け止めながら・・
ノンコちゃん達の絆を大切に想いながら・・・
そしてうまく感情をあらわせない子供達に
心をうたれて、シゲルくんやヒサちゃんが
強くみせた理由と強がりながら傷つけた心の
時間は息をすることもつらい思いでした。
大人になった
美夏さんと法子さんの想いも凄く伝わって
心が激しく揺れていきました。
どんな想いで、 -
Posted by ブクログ
やはりツナグは、辻村さんらしい作品だ。
大切な人の死というショッキングな出来事について語りつつも、最後は温かく希望の見える終わり方で締められている。読者も含めて誰もが経験する出来事だからかもしれない。
毎回尊敬するのは、連作短編という短さで登場人物それぞれのケースについて深く掘り下げて、しっかりと着地していること。
時々うまく行き過ぎてご都合主義的な展開に感じることもあるが、すべて使者に繋がることと同じ「ご縁」によるものだと思えば、本作においては不思議な力が働いたのかもと納得してしまう。
前作の7年後、使者としても社会人としても成長した歩美。
本作を読み終えてから前作を思い出すと、あの頃