辻村深月のレビュー一覧

  • ツナグ 想い人の心得(新潮文庫)

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    ネタバレ

     前作に引き続き、とても感動した作品だった。続きということもあり、物語のつながりを感じながら読むことができて、とても面白かった。

     特に印象に残ったのは、「一人娘の心得」と「歴史研究の心得」の章。それぞれの人物の想いや選択が丁寧に描かれており、1巻目とまた違う面白さがあって、印象に残った。また、主人公・歩美の成長にも感動し、さらに新しく登場した杏奈もすごく好きになった。はっきりとした性格で、自分の軸を持っているところが魅力的だと思う。

     そして、この作品を通して新たな気づきもあった。それは、「必ずしも死者と再会しなくてもよいのではないか」という考え方である。

    「死者に会うことは、誰かの死

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    2026年04月13日
  • あなたの言葉を

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    愛読書は?という問いには「星の王子様」と答えています。
    冒頭、サン・テグジュペリは「大人はみな子供だった。しかし、それを覚えている大人は少ない」ということを書いています。この言葉が星の王子様の大きな魅力になっているとずっと思ってきました。
    ここに、かつて自分が子供だったことを大切にしている作家に会いました。
    これまで辻村さんの小説を読んできて、その根底にある人間を信じる気持ち、と言いましょうか、本当の優しさ、やはり信頼かな、そういうものを感じてきましたが、その基になっていることが書かれているのがこの本だと思います。
    もしも、この先、辻村美月という作家を研究する人が現れたとしたら、この本は第一級

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    2026年04月13日
  • スロウハイツの神様(上)

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    クリエイターの卵が登場する小説というだけで、読む前からワクワクが止まらなかった一冊。
    チヨダコーキの特異なのに愛のあるキャラクターに引き込まれ、一瞬で読み終えてしまった。なぜ辻村深月は人の心情を言語化するのがこれほど上手いのか。。正確ピンポイント過ぎて惚れ惚れしてしまう。。

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    2026年04月12日
  • サクラ咲く

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    中学と高校を舞台にしたSF(少し不思議)も入った青春短編小説が3作
    忘れかけていたあの頃の気持ちを思い出すような温かい気持ちになれる作品達に作中の人物達の今後も見守りたいという気持ちになる
    現役の中学生や高校生に読んでもらいたい
    そしてその親となった大人にも読んで思い出してもらいたい
    素敵な作品でした

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    2026年04月12日
  • ぼくのメジャースプーン

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    小学生の少年が負うにはあまりにも重すぎる業。
    スパイダーマンでベンおじさんの「大いなる力には、大いなる責任が伴う」みたいな言葉を感じる作品だった。多感な時期である小学生にとって、大きすぎる事件、大きすぎる力、大きすぎる好きな人の存在、どれもが考えさせられる材料として揃っていた。読んでいて胸が苦しくなったり、考えさせられたり、感情がぐちゃぐちゃになったけど、手が止まらない感じ。
    あまりに面白いから、出会う全ての先輩、後輩、同期へ紹介しているぐらい笑
    本当に読んでほしいな。

    二回ぐらい泣きました。

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    2026年04月12日
  • 鍵のない夢を見る

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    女性を主人公にした5つの短編集。直木賞受賞作ということで読んでみた。
    1話、2話と何となく読んで3話目、ラストでそういうことだったのかと鳥肌が立った。4話、そして特に5話は、心が苦しくなるような感覚を覚えつつ読んだ。ありふれた設定の中で主人公が葛藤する姿の描き方が素晴らしいと思った。

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    2026年04月11日
  • 東京會舘とわたし 下 新館

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    大正十一年、社交の殿堂として丸の内に創業した東京會舘を舞台に、訪れる客や従業員にまつわるお話し。
    時代の背景とともに描かれるエピソードがどれも素晴らしかったです。
    章立てされていますが、少しずつお話が続いていて、それぞれ登場人物のその後も垣間見える内容となっています。特に心に残った作品は『あの日の一夜に寄せて』で、東日本大震災のときの東京會舘の対応に感動しました。辻村さんの作品は重ためな作品が好きですが、さわやかなこの作品も最高でした。

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    2026年04月11日
  • 名前探しの放課後(下)

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    辻村作品を読んでみようと腰を据えて、
    子どもたちは夜と遊ぶ、凍りのくじら、ぼくのメジャースプーン、そして名前探しの放課後の順で読んだ。
    ここにたどり着くために、ここまで読んだんだ!と清々しい気持ち

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    2026年04月10日
  • この夏の星を見る 下

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    コロナ禍を描いた数ある小説の中で、これは傑作の部類に入ると思います。
    喉元過ぎれば熱さを忘れるとはよくいいますが、今ではコロナ禍の恐ろしさや窮屈さは過去のものになり、すっかり薄れた感がありますが、ページをめくるたびにそれらが主人公の感情と共にまざまざと思い出されました。
    かつ、ストーリーも秀逸で中高生の心情をリアルに綴りながら、主人公たちが抱える天体観測にまつわるエピソードを興味深く描いています。

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    2026年04月10日
  • 琥珀の夏

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    オカルトとか集団心理とか新興宗教とか、エンタメ満載の設定。優しい風景とちょっと寒気が漂う場面が言ったり来たりしているうちに、険悪なムードへ。なんかもやっとするけど、どこがもやっとするのか。その感じは、気持ち悪いもやっとでは無かったかな。

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    2026年04月09日
  • 小説集 筋肉少女帯小説化計画

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    辻村深月のがファン小説として破格の5000万点を叩き出しており、他のも悪くはないが可哀想であった。でも筋少に限らず世のアルバムは2曲目に一番の強カードをぶつけるからね。仕方ない。
    オーケンの歌詞を小説に落とし込むと、自ずから頭の弱い女をあてがわれたサブカル陰キャが主人公になりがちで、筋少は過去のものだから愛せるんだなとよく分かった

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    2026年04月09日
  • スロウハイツの神様(上)

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    登録は上巻ですが、もちろん上下纏めての感想文ってことで(^ ^

    いや、何と言うか、こんなに「笑かし」も「外連味」もなく、ストレートに人の気持ちを描き切る作品は、本当に久しぶりに読んだ感じ。何の根拠もなく、もっと「面白要素」がある本かと思って読み始めたのですが、どこまで行っても「大マジ」(^ ^; いやもちろん、それが悪いわけでも何でもないですが(^ ^;

    ストーリーは、梁山泊的なシェアハウスに集う若きクリエーターたちの群像劇、って感じ。それぞれの登場人物に、みなそれなりの山あり谷ありのストーリーがあり、その良い面も悪い面も、しょーもない依怙地な姿なども丁寧に描いていく。その中で、それぞれの

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    2026年04月08日
  • 冷たい校舎の時は止まる(下)

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    こんな分厚いのにすぐ読みおわる
    『HERO』すごく感動したとてもいい
    本当におもしろかったまだ読んでない人すぐ読んで欲しい

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    2026年04月07日
  • この夏の星を見る 下

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    すごくいい。人と人との繋がりを強く感じるし、なによりも夜空を見上げてみたくなる。
    私にも望遠鏡つくれるかな、いつかチャレンジしてみたいなと思いました。

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    2026年04月05日
  • はじめての

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    「初めて」何かをした日、その時の気持ちって覚えてますか?

    初めて
    恋した日
    家出した日
    容疑者になった日
    告白した日
    が収録されてます。

    個人的には「家出した日」の「ユーレイ」が最後の展開が綺麗で好きです。

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    2026年04月05日
  • スロウハイツの神様(下)

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    これまで読んだ本の中でもトップクラスに好きな本でした。
    こんなに気持ちのよい読後感を味わったのは初めてかもしれません。
    上巻だけでも楽しかったですが、下巻を読み終えてもう一度上巻を読みたくなりました。

    記憶を消してもう一度読みたい本として紹介されていた意味がよくわかりました。
    未読の方は事前知識を何も入れずに読んでほしいです。

    時系列が入り混じりながら話が展開されますが、特に混乱することもなくスラスラ読めるのが不思議でした。

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    2026年04月05日
  • 水底フェスタ

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    終盤の展開がまるで読めなかった。一つの村に潜む悪を暴く、と書けばハードボイルド的な作風を彷彿とさせるが、どこかきな臭い。その悪を暴く側が十二分に怪しすぎるからだ。
    痛々しい経験、特に思い込みに関しては男女ともに青春時代に経験するのではないだろうか。それがこうも展開されてしまうとは。この結末には天を仰ぎたくなった。
    イヤミス、と言われればそうなのだろうが、一口にイヤミスとはくくれない。単に読み終えて、ズンと嫌な気持ちになって沈む、そういった形式だけのお話から本作は頭二つ分抜き出ている。

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    2026年04月04日
  • スロウハイツの神様(下)

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    下巻の面白さは半端ない。
    上巻の丁寧な描写があっての、下巻の怒涛の展開。頁をめくる手が止まらない。引き込まれる。大好きな作品。

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    2026年04月04日
  • 名前探しの放課後(下)

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    ネタバレ

    ぼくのメジャースプーンを先に読んでおいて良かった。途中から誰が本当の自殺者だったのか、みんなの気配りからこの人がどうなるのかなんとなく予想がついて、ふんふんやっぱりねと思いながら読んでいたら思わぬところにいろんな要素が詰まっていて驚き、、。河野と友春の演技力の高さは一体、、。そしてこれが能力によるものだったことは想定もしてなかった。主人公をあえて「ぼく」とすることで次の作品での驚きにつなげてしまうって凄すぎる〜(><)それにしてもふみちゃんが元気そうで良かったな!
    郁也も多恵さんもまだ元気でよかった!
    こうもいろんな人が出てくると、なんか聞いたことある、、知り合いだったっけ、、?(現実)となっ

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    2026年04月03日
  • はじめての

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    いろんな初めてが詰められたアンソロジー。

    YOASOBIの歌にもなってるので、読みやすい人はいるかと思いますが、以前「想うた」の感想でも書きましたが、歌詞を物語に、物語を歌詞にするのはめちゃくちゃ大変だということです。歌詞にしても短編にしても、そこへの解像度が作者と一致しないと、自己満足になってしまう。広く言えば、創作の世界とは自己満足になるわけだが、異なるアートをリンクさせようとすると、リンクさせる側の自己満足は喪失する。我流を押し通せば非難されるし、かといって落とし込むだけであれば、したためる必要がない。料理と同じだ。サンプリングしたものがイタリアンで、和洋折衷に拵えたものがナポリタンで

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    2026年04月02日