辻村深月のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
何度息苦しくなり、やりきれなさに涙しそうになったかわからない。人物一人一人、それは誘拐犯でさえもその心の内を余すことなく描き出す。自分がその人物になったかのごとく気持ちを重ね、苦しくなる。
SNS、マスコミのおぞましさ。表層的な情報に踊らされ、悪びれもせずに根も葉もない噂が広がっていく。罪の意識のないその言葉が人を傷つける。
世間を掴みきれていない子供への寄り添い方。子供の目の前に立ち上がる現実の苦しさ、それへの向き合いにまた息が詰まる。
それでも最後には作者の「言葉」への「祈り」のようなものを感じた。後世に残る傑作小説。
沢山の人が読んで、この世界が少しだけ良くなれば、と思う。 -
Posted by ブクログ
話題になっている最新作の中ですこぶるレビューが良く、かがみの孤城が本当に好きな自分として、同じ辻村深月さんの作品だということで手に取った。
帯や紹介文から見て、ミステリーっぽさを感じていたが、中身はノンフィクションものを時系列や視点を変えながら、それぞれの主人公格の心情を描いている作品。
ミステリー要素は軸にはなっているがメインではなく、とにかく人の業と感情を揺さぶられる作品。
上巻では特に「噂」という要素にフォーカスがあたる。
所謂都会ではない地方社会の中で起きたセンセーショナルな事件と、同時期に起きたもう1つの未解決事件の2つにおいて、世間の人がいろいろな噂をし始める。SNSなんて一切 -
Posted by ブクログ
ネタバレすごく面白かった
噛み合わない会話には、噛み合わなかった過去があり、事実の真実の乖離がすごく感じられた。
私にとっては些細なこと。ある人にとっては深い傷を負うこと。
この作品で、自分の「ある過去」を振り返ることも多々あった。この本では、何が正しかったかは一つも明記されていないような気がする。
人は他人を分かろうとする心はあっても、結局は自分視点からしか想像できない。
私自身、本作品での過去に苦しめた側の人生だったのではないかと思う。きっと無意識のうちに誰かを傷つけてしまっていたのだろう。
「向こうが気まずいだろう」と今まで考えていたものは、「自分が何かしたという自覚がある。」というゆか -
Posted by ブクログ
よかった。引き込まれた。
思春期のころの、ザリザリした気持ちや、不安定な友人たちとの関係、小さなことを何倍も大きく感じて思い悩んだり、あからさまなイジワルをされて唖然としたり。
好きなあの人の気配をずっと気にして過ごしたり、嫉妬されたり、優越感を感じて逆に罪悪感を持ったり。あの頃はいろんな気持ちが入り乱れて、いつも持て余していたな。
でも、試験や受験で区切られて、刻々と時間は過ぎていったから、なんだか思い出すと甘く切ないよね。
知らないことも多かった分、世界はきらめきに満ちていたかもしれない。
そんな思春期特有の気持ちを思い出せたというのは、特別な読後感だった。辻村深月さん、すごくうまいと思