辻村深月のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
辻村深月の新刊が出る度に私の中の「辻村深月」を追って手にとってしまう。
それは、主にミステリーなのだが、
世にメスをいれるヒューマンドラマだと
「私が求めてるのはこの辻村深月じゃない!」
と勝手にガッカリしている。
私の中の辻村深月は『冷たい校舎の時は止まる』で、内容の驚きもそうだが何より、
小説で温度を感じたことが初めての体験だった。
なんて冷たく、なんて暖かいんだ、と。
今回の「嘘つきジェンガ」で私は感動した。
一気に読んだ。
沢山の生活音や匂い、荒い呼吸が聞こえてきた。
久々に、辻村深月でしか体験できない小説を読めた。
これだから辻村深月は。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ辻村美月先生の本の中では短い内容だったので一気読み。個人的にとても良かった。
良かった理由として、私も蘭花や茉莉絵のような経験をしたことがあり、めちゃくちゃ共感できたことが挙げられる。
自分が本当に恋している、この人以外考えられないとなると、周りが何を言っても頭の中にその意見が入ってこない。
私も周囲の友人に別れた方が良い、と言われたが、何となくその理由が理解できたとしても、その時は「この人がいない生活なんて考えられない」と思ってしまう。恋というのは、病気だと思う。
結局その人とはあるきっかけで別れて別の人と付き合うことになったが、今思い返してもなぜその人に執着していたのか分からない。全く -
Posted by ブクログ
なかなかビターな辻村深月。
その鋭さはいつも通りだが、『かがみの孤城』や『冷たい校舎の時は止まる』とは異なる雰囲気だ。
当初、本作に書かれたエピソードの大半がやりすぎでわざとらしく感じ、いまいちピンとこなかった。彼女にはもっと素敵な物語があるのになぜ本作が直木賞受賞作なのかと。
「これは時代のせいだ!」と思っていたが、読み終えてみると、どうやら本作は少し軸のズレた女性たちの物語であって、それを許容できなかったからかもしれない。
つまり、これらを理解する鍵を持っていなかったのではないか。まさに「鍵のない夢」を見せられたのではないか。
自分はそれなりに良識があり、多様性を受け入れる価値観 -
Posted by ブクログ
ネタバレ辻村深月と角田春子の歪んだ関係性に強いイライラを感じながら読み進めましたが、その感情こそが、この物語の悲劇(自殺とホスト)の核心だったのだと最後に納得しました。
登場人物たちの抱える「闇」や、ドロドロとした人間関係には嫌悪感すら覚えます。大人の視点で見れば「適当にあしらって、表面を取り繕えばいいだけなのに」と思うことばかりです。
けれど彼らは、それぞれの難しい境遇ゆえに、曖昧な「グレーゾーン」に耐えることができません。0か100かでしか人と関われない不器用さが、痛々しく描かれています。
逃げ場のない校舎で、自分自身と向き合わざるを得なかった彼らの姿は、読み手に重たい余韻を残します。 -
Posted by ブクログ
学校での居場所をなくし、家にとじこもっていた“こころ”は、部屋の鏡をくぐり抜けた先にある城に通うようになる。
そこで出会ったのは、境遇の似た仲間たち。
7人それぞれの事情が少しずつ明らかになるなか、城の終わりの日が刻々と近づいてくる。
鍵は見つかるのか、果たしてこの中の誰の願いが叶うのか。
ラストには驚きと大きな感動が待つ。
********************************************************
ジーンときた。
最後の最後まで一体どうなるんやろと思って読んでたけど、まさか、この世界を作り上げてる人がこんなに身近にいた人やったなんて。
しかも、 -
Posted by ブクログ
盲目的な恋の最中にいた蘭花の目線はよくある恋愛の一部始終という感覚だったけど、ずっと嘲笑されてきて人間不信な留利絵から見ると友情も十分盲目になって人に執着してしまうものなのだと感じた。留利絵の蘭花に対する独占欲とか、どんなに献身的に支えても結局は男の元に行ってしまうのだと悟って呆れるところとか少しわかる気がした。高校時代に、あまり理解できない行動をする友達がいたなぁと思い出した。黒幕は留利絵なのか、茂実なのか、茂実を操っていた女だったのか…。美波が一番世渡り上手でさっぱりしてて生きやすそう。想像以上の結末で恐ろしかった。留利絵のように被害妄想が強くて、異性から認めてもらえなかったトラウマを持ち
-
Posted by ブクログ
これはかなり面白かった。
初期の辻村深月お得意の、地方が舞台の学生ミステリー。自殺する同級生を探して止めるって、「冷たい校舎の時は止まる」に設定が似過ぎてる。しかも、またもや400ページ超えの上下と、かなり長い。
正直、読む前はやや辟易した。だがそれはすぐに裏切られた。
3ヶ月前にタイムスリップって、短過ぎて斬新。
仲間に打ち明けるシーンの、主人公いつかの描き方がとてもリアル。
他の人物も、スクールカーストの各層の人々の解像度が相変わらず高くて舌を巻く。
何より、じわじわと判明していくストーリー展開が無理なく自然で(少しだけ急展開だけど、ドラマチックと言える範囲)、ページをめくる手がとまら