辻村深月のレビュー一覧
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辻村深月さんの直木賞受賞作。5編の短編小説集。結論、非常に面白かった。面白いんだけど、どんよりとした読後感。5編すべて犯罪モノではあるが、どの犯罪も日常のすぐ隣にあるような気がして、それが怖い。普通の人がほんのちょっと。ほんのちょっとだけ「普通」の白線の外に足がズレてしまった時に陥る犯罪。そんな日常と紙一重、誰もが可能性がある犯罪。そのリアリティが怖かった。
「石蕗南地区の放火」の大林の勘違いの正義感には笙子同様大きな嫌悪感を抱いたが、一方で大林に対する共感も自分にはあって、非常に辛い。「仁志野町の泥棒」の静かな描写の中にある緊迫感、「芹葉大学の夢と殺人」の未玖の雄大への偽りない気持ちなど。 -
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『読み終わった後、きっとみんな
夜空を見上げたくなる作品』
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コロナ禍の2020年が舞台。
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『どうして月がずっとついてくるのか』
幼い頃にあるラジオに送った質問をきっかけに天文部に入ることになった茨城の高校生亜紗
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コロナ禍の中の五島、実家の旅館経営が原因で自分の居場所に悩む長崎の高校生円華
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男女共学の学校へ入学したはずが、色んな偶然が重なって学年にたった1人の男の子としての生活が始まった東京の中学生真宙。
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茨城、長崎、東京の中高生が色んな縁で繋がり、
そして“スターキャッチコンテスト"をオンラインで開催する。
手作りの望遠鏡をそれぞれの地でかまえる。
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『読み終わった後、きっとみんな
夜空を見上げたくなる作品』
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コロナ禍の2020年が舞台。
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『どうして月がずっとついてくるのか』
幼い頃にあるラジオに送った質問をきっかけに天文部に入ることになった茨城の高校生亜紗
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コロナ禍の中の五島、実家の旅館経営が原因で自分の居場所に悩む長崎の高校生円華
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男女共学の学校へ入学したはずが、色んな偶然が重なって学年にたった1人の男の子としての生活が始まった東京の中学生真宙。
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茨城、長崎、東京の中高生が色んな縁で繋がり、
そして“スターキャッチコンテスト"をオンラインで開催する。
手作りの望遠鏡をそれぞれの地でかまえる。
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ネタバレ私はこの作品を読んだ当時、主人公のこころと同じ中学1年生・そして不登校でした。別室登校をしながら空いた時間にこの小説を読み、ラストの曇天返しで声をあげて泣きました。
私も小6の時にいじめを経験していますが、いじめに逢った側は親に中々そのことを言えず、ずっと一人で抱えがちです。またこころが母親に「お腹痛い」という場面や「行かないんじゃない、行けないの」と思う場面は、不登校児者の想いをそのまま汲み取ってくれたような筆致で、読んでいて胸が締め付けられました。
他にも語りたいことは山ほどありますが、私は喜多島先生がこころに向かって言った「だって、こころちゃんは毎日戦っているでしょう?」の一文 -
Posted by ブクログ
・人間の解像度が鬼高え。今で言う闇バイトに友人を誘うような、犯罪に片足を突っ込んでいる自分を賢いと思っているような浅い人間の雰囲気とか、母がお金を騙し取られたと知った息子の、ちょっとニヤニヤしながらも落ち着いて話を聞いてあげる感じとか。「あー、この感じ!いる!」となる。普段、わざわざ気にも留めていないような、細かな所作、言い回しからその人間が表されるような、かゆーい所に手が届く絶妙なところを描いてくる。虚構のはずなのに、現実世界よりも人が生っぽいとすら思える。
・3編のどれとも、自分には経験したことのない話で、登場人物たちは皆自分とはかなり違う世界観で生きている人のはずなのに、読んでいて自