辻村深月のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
楽しみにしていた上下巻。
期待を裏切らない始まりは、人の曖昧な記憶からで…
1994年7月13日のL県デパート受付嬢誘拐殺人事件のこと。
そして現在、4年の担任教師となった佐村美冬が欠席した少年の家に行ったことで、祖父の不躾な物言いに尋常じゃないものを感じる。
その地の出身でもなく、教師2年目の美冬が昔の誘拐事件を知る事もなく、ただその少年の家が関係していたという疑惑が拭えなくなった…。
次々と昔の事件のことがわかりつつ、今まさに何かが起きようとしている…
子どもたちが関係しているのは…
過去とも繋がっているのか…
ページを捲る手が早くなる。
どうなるのか…と心配が尽きないのは少年 -
Posted by ブクログ
傲慢と善良。読み始める前と後で、言葉の重みが大きく変わる。愚かである自分は、これまでの人生傲慢であることを自覚出来ずに生きてきたのであろう。いや、そもそも傲慢でない人間なんていないのではないか。それは意思ではなく本能として人体に組み込まれているのではないだろうか。そういった説得力が、本書では力強く帯びているように感じられる。
あらすじを見たとき、失踪した婚約者を追いかける男性を「傲慢」、失踪した女性を「善良」として物語が展開されるのかな、と軽く考えて読み始めた。失踪した彼女を追跡していくうちに、その意味するものが違うと徐々に明らかになっていく。一歩ずつ、知っていると思っていた彼女の知らない面を -
Posted by ブクログ
ネタバレすっごくリアルで、つい自身の状況に当てはめて読み進めてしまった。
そんなつもりはなくても、いつの間にか「自分に相応しい人」を選んで関わってしまう。相手の、自分に向けられたごく一部の情報だけを見て、アリかナシかを判断してしまう。まさにアプリで相手を探している時の自分だった。傲慢だとは思いつつ、人から”いい人”と言われる人を恋愛対象として見られないことに罪悪感を覚える。これが私の善良の部分、?(なんてお相手に失礼すぎて言えないけど、、)
人は善良で傲慢で、でもその全てをひっくるめて人間らしいと思えるような、軽やかで柔軟な大人になりたいなぁと思った。
(内容はヘビーだったからこそ、感想はライトに、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ
婚活する二人の男女を視点に、物語を通して
人間の傲慢さと善良さ
を見事に抽出!
これ以上ないという相手に巡り会えたにも関わらず、結婚を想像できず別れてしまった経験を持ちながら、婚活するときは自分は選ぶ側であり、ピンとこないという理由でなかなか結婚に踏み出せずにいた、架の傲慢さ
自分の意思がなく、周りの意思に従って振る舞い、自分のためすら嘘をつけない清廉潔白な、真実の善良さ
そして物語が進むと、この構図は一転
特に、初めは架が傲慢ポジションで真実が善良ポジションとしてスタートしていくが、真実の失踪をきっかけに
真実の傲慢さと架の善良さ
がジワジワと炙り出されてい