辻村深月のレビュー一覧

  • 鍵のない夢を見る

    Posted by ブクログ

    辻村深月さんの直木賞受賞作。5編の短編小説集。結論、非常に面白かった。面白いんだけど、どんよりとした読後感。5編すべて犯罪モノではあるが、どの犯罪も日常のすぐ隣にあるような気がして、それが怖い。普通の人がほんのちょっと。ほんのちょっとだけ「普通」の白線の外に足がズレてしまった時に陥る犯罪。そんな日常と紙一重、誰もが可能性がある犯罪。そのリアリティが怖かった。

    「石蕗南地区の放火」の大林の勘違いの正義感には笙子同様大きな嫌悪感を抱いたが、一方で大林に対する共感も自分にはあって、非常に辛い。「仁志野町の泥棒」の静かな描写の中にある緊迫感、「芹葉大学の夢と殺人」の未玖の雄大への偽りない気持ちなど。

    0
    2026年05月05日
  • この夏の星を見る 下

    Posted by ブクログ


    『読み終わった後、きっとみんな
    夜空を見上げたくなる作品』
    .
    コロナ禍の2020年が舞台。
    .
    .
    『どうして月がずっとついてくるのか』
    幼い頃にあるラジオに送った質問をきっかけに天文部に入ることになった茨城の高校生亜紗
    .
    コロナ禍の中の五島、実家の旅館経営が原因で自分の居場所に悩む長崎の高校生円華
    .
    男女共学の学校へ入学したはずが、色んな偶然が重なって学年にたった1人の男の子としての生活が始まった東京の中学生真宙。
    .
    .
    茨城、長崎、東京の中高生が色んな縁で繋がり、
    そして“スターキャッチコンテスト"をオンラインで開催する。

    手作りの望遠鏡をそれぞれの地でかまえる。

    0
    2026年05月04日
  • 噛みあわない会話と、ある過去について

    Posted by ブクログ

    文庫版の解説を臨床心理士の東畑開人さんが書かれている。
    解説によって、この物語がぐっと深さを増す。
    噛み合わない会話を噛み合わせる。
    面倒だけど、それでも大切だと思わされる。

    0
    2026年05月04日
  • 青空と逃げる

    Posted by ブクログ

    傲慢と善良を読んでからこちらを読んだ。そこに出てきた親子の話。2人が抱える事情は人の生死も絡んで重たい物だったけれど、各地を転々とする2人が出会った人たちとの心温まる関わりや、自然の描写の美しさで読後感はさわやかだった。大変な状況の中でも子供がいるとこんなに強くなれるのか‥子供を持つ私もそうだろうかと考えてしまった。親の頑張る姿だけでなく力の成長も胸を打つ作品だった。

    0
    2026年05月04日
  • 冷たい校舎の時は止まる(下)

    Posted by ブクログ

    非現実的なお話だったが、続きが気になり一気に読んだ。色々な立場の人の複雑な感情やエピソードを、よく思いつき、表現できるなぁと感心した。

    0
    2026年05月03日
  • この夏の星を見る 上

    Posted by ブクログ


    『読み終わった後、きっとみんな
    夜空を見上げたくなる作品』
    .
    コロナ禍の2020年が舞台。
    .
    .
    『どうして月がずっとついてくるのか』
    幼い頃にあるラジオに送った質問をきっかけに天文部に入ることになった茨城の高校生亜紗
    .
    コロナ禍の中の五島、実家の旅館経営が原因で自分の居場所に悩む長崎の高校生円華
    .
    男女共学の学校へ入学したはずが、色んな偶然が重なって学年にたった1人の男の子としての生活が始まった東京の中学生真宙。
    .
    .
    茨城、長崎、東京の中高生が色んな縁で繋がり、
    そして“スターキャッチコンテスト"をオンラインで開催する。

    手作りの望遠鏡をそれぞれの地でかまえる。

    0
    2026年05月03日
  • ツナグ(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    死者ともう一度だけ会える。どうしようもない永遠の別離を超えれちゃう話なんだもんな。みんな泣くよな。少しズルいなってくらい。

    0
    2026年05月03日
  • ツナグ(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    原作を読みたくて手に取った1冊。

    『生者のために死者はいるのか』

    私がこの本を通して感じたことは、やはりこれからを生きていくのは生者であり、だからこそ死者は生者のためにいてほしいという、エゴ全開の考えに至りました。

    この本を読んだ人はもしツナグを通して会うとしたら誰だろうと考えたと思います。

    私も考えましたが、それはこれからにとっておこうと思います。

    0
    2026年05月03日
  • 冷たい校舎の時は止まる(上)

    Posted by ブクログ


    ミステリーが読みたくて、検索したらヒットしたので、なんとなく購入しました
    面白かったら良いな〜と思っていた程度で、あんまり期待はしていなかったのですが、すごく面白くて、上下巻いっきに読んでしまいました
    登場人物達も個性的で大好きです
    青春ミステリーの中では一番好きな作品になるんじゃないかなってくらい、面白い作品でした

    0
    2026年05月03日
  • 凍りのくじら

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    SFという言葉が表すように、もしかして?と疑っていたことがそのまま的中した。展開としてはわかりやすい。けれどそれ以上に父の深い深い愛情を感じて、なんだか泣けてくるような、暖かい気持ちになるような、そんな話であった。
    冒頭の、光に照らされたことがある、がまさかそんな風に働いてくるなんて…
    辻村作品は、誰かのための献身の優しさの話が多いから、読んでいて心地よい気分になるのが多くて好きだなと思う

    0
    2026年05月02日
  • ツナグ(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    死んでしまった人にもう一度会えるなら。

    使者(つなぐ)は仲介人として、生者と死者を再会させることができる。ただし生者と死者それぞれ一生に一度だけ。とても感動したし、話の展開の順番が良かった。現実逃避をするのではなく、現実としっかり向き合うこと、伝えたいことがあるなら、しっかり言葉にして伝えることの大切さに気づかされました。失ってからではもう遅い。今を大切に。

    0
    2026年05月02日
  • かがみの孤城

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    すごい面白かった上下巻ともすぐに読み進めて読み終わってしまった。
    ファンタジー系はあまり好まないから読んでこなかったのに、あの設定だからこそ面白かった。ちゃらんぽらんしてそうなアキが性暴力を受けていて鏡が助ける場面は心に残った。
    登場人物みんなそれぞれが何かを抱えてる。共通点が同じ中学だと知って、助け合えるってなってから始業式で会う約束をしたのに、誰も互いに会えなかった。マサムネはそれを落ち込まずになぜかって考えたのはすごいと思った。

    0
    2026年05月01日
  • かがみの孤城

    Posted by ブクログ

    最初はクソガキたちだと思っていたが、読み進めていくと親子関係や友人関係、不器用さなどそれぞれにとって生きづらい環境ができてしまっていると思った。また生きづらい中でもプレゼントを用意したり協力し合ったり成長の過程が読むごとに伝わってきた。
    最後は予想外だらけですごかった。伏線がきれいに回収されていき美しい物語だった。
    喜多嶋先生の伏線はびっくりを通りこして感動した。
    オオカミさまもまさかで、全然気づかなかった。
    子どもに読んでほしい作品だが、大人でないと気づけないようなものだった。

    0
    2026年05月01日
  • かがみの孤城

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     私はこの作品を読んだ当時、主人公のこころと同じ中学1年生・そして不登校でした。別室登校をしながら空いた時間にこの小説を読み、ラストの曇天返しで声をあげて泣きました。

     私も小6の時にいじめを経験していますが、いじめに逢った側は親に中々そのことを言えず、ずっと一人で抱えがちです。またこころが母親に「お腹痛い」という場面や「行かないんじゃない、行けないの」と思う場面は、不登校児者の想いをそのまま汲み取ってくれたような筆致で、読んでいて胸が締め付けられました。

     他にも語りたいことは山ほどありますが、私は喜多島先生がこころに向かって言った「だって、こころちゃんは毎日戦っているでしょう?」の一文

    0
    2026年04月30日
  • 噓つきジェンガ

    Posted by ブクログ

    ・人間の解像度が鬼高え。今で言う闇バイトに友人を誘うような、犯罪に片足を突っ込んでいる自分を賢いと思っているような浅い人間の雰囲気とか、母がお金を騙し取られたと知った息子の、ちょっとニヤニヤしながらも落ち着いて話を聞いてあげる感じとか。「あー、この感じ!いる!」となる。普段、わざわざ気にも留めていないような、細かな所作、言い回しからその人間が表されるような、かゆーい所に手が届く絶妙なところを描いてくる。虚構のはずなのに、現実世界よりも人が生っぽいとすら思える。


    ・3編のどれとも、自分には経験したことのない話で、登場人物たちは皆自分とはかなり違う世界観で生きている人のはずなのに、読んでいて自

    0
    2026年04月28日
  • かがみの孤城 下

    Posted by ブクログ

    素敵な物語でした。思春期の繊細さ、友達の大切さ。子どもの頃の世界は小さかったけど毎日真剣に悩んでた事を沢山思いだしながら読めました。様々な伏線に感動して、久々に読んで楽しかったと心から感じました。

    0
    2026年04月27日
  • 噛みあわない会話と、ある過去について

    Posted by ブクログ

    おすすめされて手に取った1冊。

    噛み合わない会話というものは幽霊のような怖さがあるなと感じた作品でした。

    ホラーとはまた違った恐ろしさがあったので、ぜひ味わってみてほしいです。

    0
    2026年04月27日
  • ツナグ 想い人の心得(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    『ツナグ 想い人の心得』は、前作以上に「再会のその先」を描いた作品だった。死者と会うことはゴールではなく、その後の人生にどう向き合うかが問われる。再会によって救われるだけでなく、新たな迷いや痛みが生まれる描写が現実的で印象に残った。また、ツナグとして成長していく歩美の姿から、人の想いをつなぐことの責任の重さを感じた。読後には、「大切なことは生きているうちに伝えるべきだ」という強いメッセージが残る作品だった。

    0
    2026年04月27日
  • ツナグ(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    私の大好きな本。
    『ツナグ』は、「大切な人にもう一度会えたら幸せになれるのか」という問いに対して、単純な肯定を与えない作品だった。再会は救いであると同時に、新たな痛みや後悔を生むこともある。その現実的な描写が印象に残った。また、それぞれの物語が最終的にツナグ自身の成長へとつながっていく構成も巧みで、人と人との関係の重みや、“想いを伝えることの大切さ”を強く感じさせられた。読後には、誰かに会いたいという気持ちと同時に、「今を大切にしたい」という感情が残る作品だった。

    0
    2026年04月27日
  • 噛みあわない会話と、ある過去について

    Posted by ブクログ

    あとがきの書評まで含めて傑作。確かにこれは幽霊であり、ホラーなのだ。聖域に立ち入ったのかもしれない。禁忌を犯したのかもしれない。好奇心に似た微かな悪意があったのかもしれない。でも、ちょっとやりすぎっていうか、わたしだけが悪いわけじゃないし、どうしてここまでされないといけないの?……「痛快譚の舞台裏」では終わらない、"理屈の通った"理不尽で滅多刺しにされる恐怖。

    0
    2026年04月26日