辻村深月のレビュー一覧

  • かがみの孤城 下

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    学校での居場所をなくし、家にとじこもっていた“こころ”は、部屋の鏡をくぐり抜けた先にある城に通うようになる。

    そこで出会ったのは、境遇の似た仲間たち。
    7人それぞれの事情が少しずつ明らかになるなか、城の終わりの日が刻々と近づいてくる。

    鍵は見つかるのか、果たしてこの中の誰の願いが叶うのか。
    ラストには驚きと大きな感動が待つ。

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    ジーンときた。
    最後の最後まで一体どうなるんやろと思って読んでたけど、まさか、この世界を作り上げてる人がこんなに身近にいた人やったなんて。

    しかも、

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    2025年12月21日
  • 噓つきジェンガ

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    一つの間違いで簡単に未来って変わるんだなー。なんか子どもとの距離が今後の私の課題になりそう。
    めちゃめちゃ刺さる作品でした。

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    2025年12月21日
  • 盲目的な恋と友情(新潮文庫)

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    盲目的な恋の最中にいた蘭花の目線はよくある恋愛の一部始終という感覚だったけど、ずっと嘲笑されてきて人間不信な留利絵から見ると友情も十分盲目になって人に執着してしまうものなのだと感じた。留利絵の蘭花に対する独占欲とか、どんなに献身的に支えても結局は男の元に行ってしまうのだと悟って呆れるところとか少しわかる気がした。高校時代に、あまり理解できない行動をする友達がいたなぁと思い出した。黒幕は留利絵なのか、茂実なのか、茂実を操っていた女だったのか…。美波が一番世渡り上手でさっぱりしてて生きやすそう。想像以上の結末で恐ろしかった。留利絵のように被害妄想が強くて、異性から認めてもらえなかったトラウマを持ち

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    2025年12月21日
  • 名前探しの放課後(上)

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    これはかなり面白かった。
    初期の辻村深月お得意の、地方が舞台の学生ミステリー。自殺する同級生を探して止めるって、「冷たい校舎の時は止まる」に設定が似過ぎてる。しかも、またもや400ページ超えの上下と、かなり長い。
    正直、読む前はやや辟易した。だがそれはすぐに裏切られた。

    3ヶ月前にタイムスリップって、短過ぎて斬新。
    仲間に打ち明けるシーンの、主人公いつかの描き方がとてもリアル。
    他の人物も、スクールカーストの各層の人々の解像度が相変わらず高くて舌を巻く。

    何より、じわじわと判明していくストーリー展開が無理なく自然で(少しだけ急展開だけど、ドラマチックと言える範囲)、ページをめくる手がとまら

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    2025年12月21日
  • 傲慢と善良

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    ただただいつの間にか考えさせられていた。

    婚活についていくつか共感できる点もあり、かと思えば中盤の反転に驚きと共感できない部分もあった。
    しかし、そこは主眼ではなく結局自分だったらどうかと考えた際に結局誰かの意思を頼りに生きているという点は変わりないと思った。
    それと同時に主人公らと同様に間違いを冒しながらもいずれは芯を持って あるいは 持てるような経験をして生きていきたいと思えた。

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    2025年12月21日
  • 冷たい校舎の時は止まる(下)

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    デビュー作からあなたは辻村深月だったのね。

    出版は2004年。奇しくも恩田陸『夜のピクニック』と同年だ。この2冊、全く別のアプローチで同じ2025年に読めたのが面白い。今年の6月は融や貴子と夜道を歩き、12月には鷹野や深月と冬の校舎を彷徨う。

    同じ年に発売された2冊と同じ年に出会うこの偶然はとても素敵だ。

    感情を揺さぶりつつもどこか優しい彼女の世界観が好きだ。

    デビュー作から目を覆いたくなる痛みやあたたかな優しさで僕のバランスが崩れたところに鮮やかに最高のパンチを打ち込んでくる。こんなにも綺麗に揺さぶられ、驚かされ、感動させられちゃって、全く悔しいったらありゃしない。最高だ。

    まだま

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    2025年12月20日
  • 傲慢と善良

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    面白かった!
    人間が持つ傲慢さとかいわゆる善良に生きてる人たちの悪意のない悪意??とでも言うのか、怖さ。

    登場人物があーいるいる、すぐそこに、
    なんだったらこれって自分なのでは?!とえぐられる感じ。

    架目線と真実目線で描かれていて、正直架目線ではそこまで結婚したかったん?って思ったんだけど
    真実目線になったらずいぶん違う???と思ったのが気になった。

    けどヨシノさんや早苗親子が出てきて
    おおーーってなった。

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    2025年12月20日
  • 傲慢と善良

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    アプリを使ったり街コンに参加したこともある身として、婚活に付きまとう傲慢さには覚えがあって、心を見透かされたような気分になった。私も色んな相手を自分の価値に置き換えて見ていたと思う。
    パートナーがいて結婚も考えてる。相手は私を何点の相手として見るんだろう。70点だと言われたら私はどうするんだろう。でも100点の相手なんてそもそもいなくて、どう向き合って受け入れ合っていくかが大事なんだと改めて思う。
    架視点ではミステリー的な楽しみ方もできて、真実視点では今まで自分の意志を持たずに生きてきた一人の女性の自立を見られて面白かった。心に残ったのはジャネットの「あなたがそうしたい、と強く思わないのだった

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    2025年12月21日
  • かがみの孤城

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    オチが予想できても面白かった。辻村さんの描く心理描写は自分にも思い当たることが多々あってすごく刺さる。

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    2025年12月20日
  • 朝が来る

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    ネタバレ

    読んでいて、様々な場面で感情が動かされる作品でした。
    辻村さんの作品は本当に感情の言語化が素晴らしいと思いました。
    辻村さんの作品は他にも何冊か呼んだことありますが、特に思春期女性の複雑で繊細な心理描写がリアルすぎていつも物語にのめり込み、人生を追体験した感覚になります。

    また、この物語を通して人間は他者が想像するような綺麗な軌道を描きながら人生を歩むものではなく、その人の生きている中での体験や、それによる感情の変化などで人生は大きく軌道を変えながら歩んでいくんだなと実感しました。
    ひかりちゃんの行動は確かに常識から外れた行動を何度か取ってたりしましたが、辻村さんの丁寧な心理描写でひかりちゃ

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    2025年12月21日
  • 凍りのくじら

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    ネタバレ

    不思議な空気感をまといながら進んでいく中、ドラえもんの話を使って描写されていくのが面白い。
    周りの人物とともに起きるトラブルという風を受けて、理帆子が成長していく様が素敵。
    お母さんのお父さんに向けたラブレターは泣いた。

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    2025年12月20日
  • 傲慢と善良

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    ネタバレ

    恋愛小説、ミステリー小説、であるが、自分の普段の行動について考えさせられるものだった。

    人を選ぶときは自分が思ってる自分の点数と相応しいものを選ぶ。自分自身を高く見積もっている。人は傲慢だ。

    アプリで出会うということに対する劣等感、居残りであるという社会のイメージへのモヤモヤ。

    結婚はタイミング。男性側の考えに対して、そんな待てないよ、と感じる。私も結婚を急いで考えているからかもしれない。

    親から自由にさせられず育った人。その中の子供は決められていることが幸せだと思う。そこへの違和感。そして外の世界に出たとき、いざという時にもまた親を頼ってしまう。自分で行動できない子を育ててしまう。そ

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    2025年12月20日
  • 朝が来る

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    痛い。胸が痛い。
    そう思いながら読んでいたところ、最後の、
    あの瞬間で、どっと涙が出てきた。
    声を上げながら泣いてしまった。

    どう間違えてしまったのだろう。
    どこから間違えてしまったのだろう。
    何を選べば良かったのだろう。

    苦しくて、苦しくて、
    でも必死にもがいて生きてきたひかり。
    朝斗の産みの親であるひかり。
    どんな過去があるのだろうと思っていたが、
    とても辛くて苦しい日々だった。

    両親2人ともが教師であり、お堅く、
    ひかりは家の中が窮屈に感じていた。
    特にお母さんは、お母さんらしくしているだけに見えた。子供をしっかり育ててる自分が偉いとでも思っているような、そんな感じ。
    本音で喋れな

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    2025年12月18日
  • かがみの孤城

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    辻村深月さんの作品を初めて読みました。
    終盤のシーンがとても印象深いです。
    学生のうちに読めてよかった作品です。

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    2025年12月18日
  • 凍りのくじら

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    人間なんてみんな、“少し・不完全”なんだろうなあ。みんな不器用で、情けなくて、でもそれぞれ守りたいものがあって、譲れないことがある。光のない暗闇があるからこそ、光に気づける。人間を愛おしいと思った。

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    2025年12月18日
  • 傲慢と善良

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    途中めちゃくちゃ重たいし、人間の残酷な心理も結構はっきり書いてあるし。
    婚活してる友達には読んでみて欲しい気持ちもあるけど、私は絶対薦めれないと震えながら読んでた。

    でもとても面白いし考えさせられる。

    石母田のおばあちゃんがとても素敵

    解説に大好き朝井先生が出てきますが
    文章の捏ねくり方が辻村先生と違い過ぎて
    作家さんの個性って凄いなと思いました。
    解説までぜひ読んで欲しい。

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    2025年12月18日
  • かがみの孤城

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    ネタバレ

    大人のための児童文学です。
    とても素晴らしい作品でお酒を飲みながら泣いて読みました。
    中学生が抱える心の辛さ、生きづらさをうまく描いてるかと思いました。
    先生視点での目線と当人の目線でのとらえ方の違いを心が感じた時の辛さには心を痛みました。
    かがみの孤城に集まった子供たちがどんな境遇を抱えて生きてきたのかを分かるたびにつらくなりましたが、あの7人で過ごした1年間は記憶が消えたとしても一生の生きる道しるべになるものだと思いました。
    ミステリとしてもファンタジーだとしてもどれも一級品に面白い内容だと感じた。
    オオカミ様の正体、7人が集められた関係性、〇〇の正体など伏線のちりばめ方もすごいと思った。

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    2025年12月18日
  • 朝が来る

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    ある日突然、「子どもを返して」と言われたら…。

    産みの親と育ての親それぞれの視点で
    丁寧に描かれている本書。
    とにかく読みやすくて、感情移入してしまいました。

    中学生で妊娠した産みの親と
    長年の不妊治療の末、養子縁組をして
    子を育てることに決めた育ての親。
    不妊治療をしてきた過程や中学生にして出産を経験する事柄も細かく書かれているので、現実味のあるお話でした。

    特にもう一度産みの親と育ての親が会う場面に
    ドキドキさせられて最後まで一気読みでした!

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    2025年12月17日
  • 朝が来る

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    すごく読み応えのある本。不妊治療経験者として、出産経験のある者として、娘を持つ母として、沢山の人物に感情移入してしまった。長い不妊治療を経て初めて自分の子供と出会った時の気持ちも思い出し、「朝が来たと感じた」というのはとても的確な表現だと感じた。ひかりの人生は衝撃的。浅はかで自業自得の妊娠だと思っていたけれど、子供と別れる場面では涙が堪えられなかった。最後はどうなるかと思ったが、2人の母親とその間には子供というとても切ないけれど美しい場面で終わって良かった。

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    2025年12月17日
  • かがみの孤城

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    私も、中学のころ学校で居場所がなくなった時があった。それもあってか、序盤から物語にグイグイ引き込まれていく。そして、後半になると、なんとなく「城」の本質が見えてくる。7人の主人公たちがそのことに気づかないのが歯痒くも、見守るような感情に。そして、終盤。張られた伏線が勢いよく拾われ、感情移入しまくった気持ちに怒涛の揺さぶりをかけられる。勢いそのままに、感動の結末へ。この物語は、青春モノなのか、ファンタジーなのか。いや、ミステリーのようにも思える。不思議な、それでいて温かく、爽快な作品だった。もし、これからの人生で強く惹きつけられるような人に出会ったら、自分から声をかけてみようと思う。

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    2025年12月17日