辻村深月のレビュー一覧
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『2020年のロマンス詐欺』
『五年目の受験詐欺』
『あの人のサロン詐欺』
『詐欺』という言葉と辻村深月のジャンルの広さに身構えて読み始めました。
どれも読後は強張った肩の力が抜ける感覚を覚えている。
やはり人は1人では生きてはいけないと思わせてくれました。
解説の一穂ミチのいう『深月の一刺し』はよくわかる。
何気ない言葉が心に刺さって離さない。
お気に入りは『あの人のサロン詐欺』かな。
『五年目の受験詐欺』も思わぬ方向へいって楽しめた。
『2020年のロマンス詐欺』の
"だけど 、人は目的や理由がなくやりたいことがあってもいい。"
刺さりました。
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Posted by ブクログ
登場人物の表情や内側で思っている気持ちの描写がリアルで怖かったし鳥肌がたちました。
自分でも無意識のうちに、悪気なく相手が嫌な気持ちになることを言ってしまっている気がします。
後から発言を後悔することもあるけれど、たぶん何気なく言っていることの方が多いんだと思います。
そして自分も過去に言われたことの内容や嫌なことをされた人も行動も言語も今でもハッキリ覚えてます。
過去の失言は今からは変えることはできません。
この本を読んで人に対しての言葉遣いや自分の発言を
気をつけようと思いました。
この本怖いな感じたのは自分にも当てはまる部分があったからだと思います。読んでいて息がしにくかったです。
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Posted by ブクログ
友人に勧められて、普段は小説は読まないが読み始めた。正確には、オーディオブックで聴いた。
文章はとても読みやすく、最初はSFチックなストーリーの物語がゆっくり進行していく感じ。いじめられっ子の主人公が、似た境遇の子どもたちに出会う。
こんなにもリアルに中学生の心情を描けるものかと、作者の洞察力に脱帽。
ありきたりかもしれないが、人は一人では生きていけないことを思い知らされる。
そして物語の終盤では、様々なことが怒涛のように繋がっていき、先が気になり過ぎて一気に読み進めてしまった。鳥肌が止まらず、ただただ涙がこぼれた。
他の方のレビューにあるように、伏線回収が美しかった。全てを読み終わって、今 -
Posted by ブクログ
やはりツナグは、辻村さんらしい作品だ。
大切な人の死というショッキングな出来事について語りつつも、最後は温かく希望の見える終わり方で締められている。読者も含めて誰もが経験する出来事だからかもしれない。
毎回尊敬するのは、連作短編という短さで登場人物それぞれのケースについて深く掘り下げて、しっかりと着地していること。
時々うまく行き過ぎてご都合主義的な展開に感じることもあるが、すべて使者に繋がることと同じ「ご縁」によるものだと思えば、本作においては不思議な力が働いたのかもと納得してしまう。
前作の7年後、使者としても社会人としても成長した歩美。
本作を読み終えてから前作を思い出すと、あの頃 -
Posted by ブクログ
今年の読書の中で、辻村深月に再び出会えたことが一番嬉しい。
心を揺さぶられてガードが下がった剥き出しの心に仕掛けられたギミックが発動するのが堪らない。「うおおおおお!」って思いながらスッと物語が終わる。言語化できない。僕を「うおおおおお!」ってさせる力がてきめんにあるんだ。
かつて7年前にタバコくさい喫茶店で貪るように読んだ『かがみの孤城』もこの感覚だった。
3作全て面白かった。題材のチョイスも秀逸で、伏線を巻いておいて、人間関係の仄暗いところを見せつつ、最後は感情にガツンとくる。癖になっちまうよ...
2025年も残りわずかだけど、年内は彼女の深い沼にハマろうと思う。 -
Posted by ブクログ
(上)に続きそれぞれの学校で中学生と高校生がスターキャッチコンテストに向けて話が進んでいきました。
5年位前の出来事ですがコロナ禍では人と接触するのも気が気ではなく、世界中でかなり大きな影響があった事を思い出しました。
自分はその頃から社会人で働いていましたが学生達は部活の大会や修学旅行、文化祭等のイベントも制限されて学生時代の思い出を沢山作りたい時期にパンデミックが起きてしまい楽しみにしていた学生達にとっては悔やまれると思います…
ですがこの物語ではコロナ禍だからこそオンラインでスターキャッチコンテストを行い、各学校でリモートで会話してお互いの事を知る事ができて仲良くなれたのかなと。
星座や