辻村深月のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
上巻では、それぞれの登場人物の細かい性格や生活が描かれ、彼らの共同生活の様子が書かれていた。それぞれの立場によるイザコザや、恋愛感情による不協和音を繊細に描き、クリエーターをベースに人間を表現する作品なのではないのか思った。
しかし、下巻からはまた違う印象を受けた。登場人物たちが仕事に対し考えを深めていき、成長して行く様子や、恋愛で失敗してもめげずに、生きていく姿からとても力を感じた。また、話の中心である千代田コーキに関する伏線が最後の章ですべて回収されるのが気持ちよかった。赤羽環ついても、彼女の辛い過去から立ち上がり頑張り続ける姿が悩みを持つ読み手にはすごく良い印象を与えると思う。
千代田コ -
Posted by ブクログ
ネタバレ下巻を読んで、最後にかけての展開と伏線回収がすごいなと思った。物語の中で感じていた違和感が終盤で一気につながり、「時代が違う」ということは予想できたが、それ以上に思いもよらない展開もあった。
それぞれの「つらさ」や「弱さ」が否定されるのではなく、受け入れられたうえで前に進んでいく形になっていたことにも感動した。「逃げてもいい」「居場所は一つではない」というメッセージは個人に向けてではなく、一人一人を救おうとかけた言葉だった。
鏡の中の城という非日常と、学校や家庭といった現実が、最初は分断されていたが、最後には一つにつながっていく構成で印象的だった。ファンタジーの世界が現実から目を背けるた -
Posted by ブクログ
ネタバレあらすじを知らずに読み始めたため、想像していた以上に現実的で重いテーマが描かれている作品だと感じた。ファンタジー要素のある物語だが、不登校の中学生の心情がリアルに描かれていて、読んでいて胸が苦しくなる場面も多かった。
特に印象的だったのは、主人公のこころが周囲の何気ない言葉によって少しずつ追い詰められていく場面である。悪気のない言葉であっても、受け取る側にとっては大きな負担になることがあり、その積み重ねによって人を孤立させてしまうなと感じた。また、本来安心できるはずの家という場所でさえ、辛い記憶や逃げ場の無さから、完全には心が休まらない様子が描かれていた点も印象に残った。
ただ、同 -
Posted by ブクログ
ネタバレ全組訳アリの問題カップルたち、その新郎新婦たちの異質な結婚式を準オムニバス形式でテンポよく描かれ、どの組も先行きが気になり一気に読み切った。
男を奪った態度悪い女や、胸糞悪い浮気男がそれぞれ改心したものよ報われた形になったのは若干モヤつく点ではあったが、エピローグに描かれた「何事も
成功しないことがない大安吉日」という言葉を見て、
「本日は大安なり」という全体にかかるこのタイトルこそがこの結末に向けた伏線だったのかと納得させられた。
辻村作品ならではの他作品からの登場人物、狐塚らがナイスアシストする点も唸らせるポイントだった。 -
Posted by ブクログ
凄いです…凄すぎました…
もう、読み終えて、最後はもう嗚咽に近い感じでボロボロ泣いてしまいました。
主人公は中学生。アラフォーの私には感情移入できるかな?なんて気持ちで読み始めました。
辻村深月さんの本は「傲慢と善良」しか読んだ事が無かったので、途中から、そっかファンタジーなんだと気づきふーんと驚く。
辻村さんの文章は読みやすく、前半はいったんミステリー要素の部分は棚上げされた感じでそれぞれの主人公たちの人間関係や繊細な心理描写に感心しながら、どんどん物語に惹き込まれていく。
そして後半に入り、それまでの伏線が一気に回収!!もう震えながら、心臓ドキドキしながら一気に読みました。一緒に泣きな