辻村深月のレビュー一覧
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デビュー作からあなたは辻村深月だったのね。
出版は2004年。奇しくも恩田陸『夜のピクニック』と同年だ。この2冊、全く別のアプローチで同じ2025年に読めたのが面白い。今年の6月は融や貴子と夜道を歩き、12月には鷹野や深月と冬の校舎を彷徨う。
同じ年に発売された2冊と同じ年に出会うこの偶然はとても素敵だ。
感情を揺さぶりつつもどこか優しい彼女の世界観が好きだ。
デビュー作から目を覆いたくなる痛みやあたたかな優しさで僕のバランスが崩れたところに鮮やかに最高のパンチを打ち込んでくる。こんなにも綺麗に揺さぶられ、驚かされ、感動させられちゃって、全く悔しいったらありゃしない。最高だ。
まだま -
Posted by ブクログ
ネタバレ読んでいて、様々な場面で感情が動かされる作品でした。
辻村さんの作品は本当に感情の言語化が素晴らしいと思いました。
辻村さんの作品は他にも何冊か呼んだことありますが、特に思春期女性の複雑で繊細な心理描写がリアルすぎていつも物語にのめり込み、人生を追体験した感覚になります。
また、この物語を通して人間は他者が想像するような綺麗な軌道を描きながら人生を歩むものではなく、その人の生きている中での体験や、それによる感情の変化などで人生は大きく軌道を変えながら歩んでいくんだなと実感しました。
ひかりちゃんの行動は確かに常識から外れた行動を何度か取ってたりしましたが、辻村さんの丁寧な心理描写でひかりちゃ -
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痛い。胸が痛い。
そう思いながら読んでいたところ、最後の、
あの瞬間で、どっと涙が出てきた。
声を上げながら泣いてしまった。
どう間違えてしまったのだろう。
どこから間違えてしまったのだろう。
何を選べば良かったのだろう。
苦しくて、苦しくて、
でも必死にもがいて生きてきたひかり。
朝斗の産みの親であるひかり。
どんな過去があるのだろうと思っていたが、
とても辛くて苦しい日々だった。
両親2人ともが教師であり、お堅く、
ひかりは家の中が窮屈に感じていた。
特にお母さんは、お母さんらしくしているだけに見えた。子供をしっかり育ててる自分が偉いとでも思っているような、そんな感じ。
本音で喋れな -
Posted by ブクログ
ネタバレ大人のための児童文学です。
とても素晴らしい作品でお酒を飲みながら泣いて読みました。
中学生が抱える心の辛さ、生きづらさをうまく描いてるかと思いました。
先生視点での目線と当人の目線でのとらえ方の違いを心が感じた時の辛さには心を痛みました。
かがみの孤城に集まった子供たちがどんな境遇を抱えて生きてきたのかを分かるたびにつらくなりましたが、あの7人で過ごした1年間は記憶が消えたとしても一生の生きる道しるべになるものだと思いました。
ミステリとしてもファンタジーだとしてもどれも一級品に面白い内容だと感じた。
オオカミ様の正体、7人が集められた関係性、〇〇の正体など伏線のちりばめ方もすごいと思った。 -
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私も、中学のころ学校で居場所がなくなった時があった。それもあってか、序盤から物語にグイグイ引き込まれていく。そして、後半になると、なんとなく「城」の本質が見えてくる。7人の主人公たちがそのことに気づかないのが歯痒くも、見守るような感情に。そして、終盤。張られた伏線が勢いよく拾われ、感情移入しまくった気持ちに怒涛の揺さぶりをかけられる。勢いそのままに、感動の結末へ。この物語は、青春モノなのか、ファンタジーなのか。いや、ミステリーのようにも思える。不思議な、それでいて温かく、爽快な作品だった。もし、これからの人生で強く惹きつけられるような人に出会ったら、自分から声をかけてみようと思う。
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死んでしまったらどうなるんだろう。
きっと一度は考えたことがある疑問。
けれど聞いたところで
「さあ…」と困った顔を見せるか、「ワタシが思うには…」と自分の意見を話すのかの二択になる
だが誰しも避けて通れない道なのは間違いない
今まで地球で生きてきた動物、人間、植物 すべてが経験しているのに
どうしても今 死者と話せる術はない。
「誰もが望んでいるはずなのに」だ
その望みを叶えたらどうなるだろう。
叶えたら喜ぶだろうか。悲しむだろうか。よくわからない。私には私達には到底わからない想像だ。
だけどもし、もしも死者と、
一度なくしてしまったものともう一度あえるなら…
その術にどうしてもすがっ -
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圧巻のラスト。今も強く残る余韻がすごい。
辻村深月作品で文句なし、断トツのナンバーワンだと思う。
学校での居場所をなくし、家に閉じこもっていた安西こころがやってきた城。
そこで出会った、境遇の似た仲間たち。
7人それぞれの事情が少しずつ明らかになる中、
城の終わりの日が刻々と近づいてくる。
鍵は見つかるのか、果たしてこの中の誰の願いが叶うのか。
ここまで上巻と下巻で評価が変わる作品は初めてだった。
正直、上巻を読んだ時点では普通。それ以上でもそれ以下でもない。
だが、下巻は違った。特にラストの集約は驚愕した。
上巻でわかりやすい展開が容易に想像できたが、
その遥か上を行く仰天の展開。
さす -
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ネタバレ読む前はこんな長い本、最後まで読めるか不安だった。でも、読み終わった後は面白かったー!読めて良かったって満足感高かった。
タイトルからは話の内容が想像できなかった。何となくタイトルかっこいいな〜ぐらい。
共感できるところは冒頭の夢見るとき。なんでもできる子が転入生としてやってくる。みんなその子と友達になりたがるけど、みんなの知らないところでもう友達で1番の仲良し。そんな奇跡が起こればいいと私も小学校の頃からずっと願ってた。
あとは、ウレシノの恋愛しか頭にない感じ。『あんまり女の子に免疫ないのか、ちょっと優しくされたり、仲良くなるとすぐつきあいたいってなっちゃうタイプ。ー略ードラマとか漫画とかに -
Posted by ブクログ
辻村深月さんの作品
琥珀の夏
楽しみマックスで読み進めましたが、すぐに
少し苦手な内容かも?となり不安に思いながら
読み進めていきました。
物語は大人達の理想のもとで暮らしている
子供達の想いがずっとせつない色彩で
流れる時間でした。
ミカちゃんのさみしさを受け止めながら・・
ノンコちゃん達の絆を大切に想いながら・・・
そしてうまく感情をあらわせない子供達に
心をうたれて、シゲルくんやヒサちゃんが
強くみせた理由と強がりながら傷つけた心の
時間は息をすることもつらい思いでした。
大人になった
美夏さんと法子さんの想いも凄く伝わって
心が激しく揺れていきました。
どんな想いで、 -
Posted by ブクログ
ネタバレプロローグで語られた、「その光を私は浴びたことがある」という言葉は、抽象的な表現だと思ったが、決してそうではなくそのままの意味だった。それが分かるのは、本当に最後の最後でありながら、冒頭のその言葉がそのシーンまで記憶に残されていたのは、たまたまではなかったと思う。何気ない言葉のようで、知らず知らずのうちにこころに引っ掛らせる力があったのだろう。
主人公がつらつらと語るシーンは、良くも悪くも、頭の良さが垣間見れた。人を見下すというのは、どう考えても良くない部分ではあるけれど、特別なものではない。みんな口には出さなくても、自分より下の相手を見つけて、人のダメな部分を心の奥底で馬鹿にすることで、安