辻村深月のレビュー一覧

  • あなたの言葉を
    自分がまだ幼かったあの頃の記憶を開ける鍵。
    今まで読んできたエッセイでこんなに温かい気持ちになる事はあっただろうか。

    人を傷つけることも幸福にもできる「言葉」
    読み進める度にもっと読みたいと思うと共に、寂しさを感じるほど愛おしい。

    雨のにおいにはとても共感した。
    私は雨が好きだ。いつもと違う音が...続きを読む
  • かがみの孤城
    秀逸
    辻村深月さんを初めて読んだ
    あちこちに伏線があった事に最後まで気付けなかった
    最後のどんでん返しで号泣してしまった
    主人公の女の子の心理描写にどんどん引き込まれていき心が苦しくなる
    不登校、友情、生きづらさ、子どもの残酷さ、学校の不条理
    小学校高学年~中学生の子にぜひ読んでもらいたい
  • あなたの言葉を
    子供に読んで欲しくて、本棚にさりげなく置いておいたのを、子供が寝た後にコソコソ読みました。
    親ではなかなか伝えられない、言葉に出来ないことを辻村さんが元子供と親の両方の目線で丁寧に、一緒に考えてくれています。
    辻村さんのことをますます好きになれる素敵なエッセイです。
  • 子どもたちは夜と遊ぶ(上)
    ずっとよく分からないけどめっちゃいい
    iはほんとに藍なのか??
    秋山先生が関わった昔の事件ってなに?
    月子ってなんか変で怖い
    浅葱は弱い
    浅葱の二重人格オチじゃないよね?
    恭司はなに、狐塚はなに、紫乃はなんなの
  • 東京會舘とわたし 上 旧館
    大正から昭和前半まで、空襲や震災、GHQの接収など、激動の時代を経験してきた東京會舘が紡ぐ物語。
    全体的に東京會舘の荘厳でクラシカルな雰囲気を感じられて、スーッと背筋が伸びるような厳粛な気持ちになった。

    登場人物の東京會舘への熱い想いがビンビンに伝わってきて、フィクションであることが信じられない。...続きを読む
  • ぼくのメジャースプーン
    僕のメジャースプーンとは主人公がある力を持っています。学校であった事件、校庭で飼っていたうさぎがバラバラにされる事件があって主人公の幼なじみ、ふみちゃんは、その事件のショックのせいでしゃべれなくなってしまった。
    そして、主人公がうさぎをバラバラにした犯人市川雄太に会いに行く。犯人、市川雄太はどんな罰...続きを読む
  • ぼくのメジャースプーン
    ある「力」を使って事件の犯人に会う覚悟を決めたぼく。
    犯人に会うまでの1週間、その「力」について教わることになった先生とのやりとりがとても印象に残った。

    最後、ぼくが打ち明けた秘密に対する先生の言葉に涙が出る。
  • 盲目的な恋と友情(新潮文庫)
    これぞ辻村作品といった最高の内容だった。恋
    恋はどこまでいっても恋であって他のもので補完できるものではない。どれだけ視野が狭くなろうと、客観的にそれが悪であろうと、恋であるならばそれはもうどうにも出来ない。恋だからという理由は他の何にもならない。好きだから仕方がない。小説にありがちな綺麗な結末で...続きを読む
  • この夏の星を見る
    すっごく良かった!

    コロナでいろいろ諦めなければいけなかった子どもたちについては、私も今でもモヤモヤする。
    敵の正体が分からなかったから仕方がないとはいえ、子ども時代の貴重な3年間は2度と戻ってこない。
    が、前向きに考えたら、このコロナのお陰で、変化を受け入れることに時間がかかる日本で、ICT化が...続きを読む
  • 噛みあわない会話と、ある過去について
    パッとしない子

    人の記憶は簡単に簡単に改ざんされる
    自分の思ってもない一言で
    相手はずっと心残りにしていることがあるかもしれない

    ナベちゃんのヨメ

    ナべちゃんのことを軽んじていた。
    もっというなら、舐めていた。
    友達だけど、と私は答える。
    「ナべちゃんは、ずっと誰かの「一番”になりたかったんだ...続きを読む
  • ぼくのメジャースプーン
    名前の明かされない″ぼく″がふみちゃんを救いたいお話。子供(いや、大人もかな?)が思う″復讐″とはなんなのか思わずにはいられないですね。章のタイトルが逸脱で、章の中身もタイトル通りになっていて面白い。
    動物の命と人間の命、考えさせられますね。
    先生との対話は自分自身に置き換えてみることもできますね。...続きを読む
  • 盲目的な恋と友情(新潮文庫)
    盲目的な恋と、盲目的な友情。

    相反する二つの視点から描かれる本作は、読んでいる中で鳥肌が立つような歪みを感じる。
    嫉妬、執着、狂気。選ぶ側と、選ばれる側。快楽と欲。これらが物凄い渦を巻くアンハッピーなバッドロマンス。いや、イヤミスと言ったほうが良いのかな。

    著者の作品は『傲慢と善良』『青空と逃げ...続きを読む
  • この夏の星を見る
    本当に感動したとしか言いようがないです。
    コロナで何もかもが制限されてしまった2020年。
    その中で全国各地の学生たちがたった一つだけの空を通じて行われるスターキャッチコンテストでつながるストーリー。
    特に凛久が転校してしまうので最後に全国の中学高校と開催したISSの観測。その時の辻村さんの真宙の描...続きを読む
  • 嘘つきジェンガ
    「詐欺」がテーマの短編集です。

    しかし、騙しの過程や内容を読ませるのではなく
    そこは辻村ワールドです。

    騙す方と騙される側が物語中盤で反転するような
    感覚を覚える仕上がりになっています。

    結局、人生なんてその人の考え方次第でいかよう
    にも変わるのだということを思い知らされます。

    そう、ジェン...続きを読む
  • 嘘つきジェンガ
    本当にありそうな話!
    2つ目は受験生の親ならすがる思いでお金出してしまうし、信じてしまう気持ちがわかる!
    3つ目は本当にありそう!今時、オンラインサロンで会費で稼いでるのすごいと思う。
    まさかの逮捕でバレそうになるけど、なんとか回避してその後の終わり方も満足!!
  • 嘘つきジェンガ
    すごく面白かった。特に3つ目のオンラインサロン詐欺の話が非日常すぎて読んでてドキドキした。1つ目2つ目は日常にするりと入り込んでくる感じの詐欺の話で、身近にあったらと思うとゾワッとする感じ。
  • かがみの孤城 上
    鮮やか!

    読み進むうち、凝った作りになってるな〜と感嘆する。手が止まらなかった。
    何重にも「なぜ?」の箱があって、次から次に謎が出てくる。解ける時はそうだったのか!の連続だ。

    絶望的に話が通じない人、伝わらない人、理解できない人をしっかり描いていて、この苦いものを噛み締めた感じ、辻村深月節といえ...続きを読む
  • スロウハイツの神様(上)
    スローハイツという、文学界のトキワ荘みたいな場所で起きる青春物語。
    面白かった! たくさんの伏線を全て回収して、読後感もさっぱりとしていて、自分の思う小説の楽しさが全て詰まっています。
    プロットめちゃくちゃ凝ってるんだろうな。頭の中でどう整合性を保ちながら書いているのか知りたいものです。
  • 冷たい校舎の時は止まる(上)
    再読です。
    結末とか色々分かってからもう一度読むと、やっぱり違った良さがありますね。何回でも読みたい小説です。
  • 名前探しの放課後(上)
    本のタイトルが童話になっていて、その童話との関連を探しながら読むと面白かったです。

    自殺の描写が出てくるため、そういうのが苦手な方は注意してください。

    結局、自殺するのは誰なんだろう...。
    下巻も楽しみです。