辻村深月のレビュー一覧
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個人的には人生でも上位に入るくらい好きだった。
恩田陸のネバーランドが高校時代にとても刺さったのだが、それの大人バージョンだなと個人的には感じた。あるいは容疑者Xの献身的な要素もあり。
ジャンルとしてはミステリでもあり青春群像劇とも言えるし。とはいえミステリを求めるなら多分違う(やっぱりそうね、とかこの記述ってもしかして?通りに基本的にはなる)
とはいえシェアハウスという閉じられた環境で進行していく事態は緊張感もある一方で青春の楽しさみたいなのも味わせてくれるので一気読みできるし、伏線回収で描かれるドラマは感動的で美しいなと個人的には感じた。 -
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ネタバレ最後の最後までどんでん返しがある面白い作品。
「ぼくのメジャースプーン」とつながりがあるということを忘れて読んでいたので、最後の最後でいろんなことがつながって鳥肌が立つような思いをした。
今のところ発見しているのは以下のこと。また読み返したいと思う。
・秀人=「ぼく」、椿=「ふみちゃん」
・作中(下巻p281)に出てくる「白髪まじりの男性」は「先生」
・椿から秀人の印象「穏やかに暮らせるように、秀人は努力してる。そうしようと必死なの」(下巻p269)は能力を示唆
・秀人から椿の印象「歪んだからこそ、正方形のようになった」は「ふみちゃん」の過去を示唆
・あすなと椿が連弾する際に、椿は問題な -
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一度だけ、死者と生者を再会させることができる「ツナグ」。この物語では、その不思議な役割を担う人物を通して、残された者と亡き人の想いが静かに交わされていく。
再会の場で交わされるのは、特別な言葉ばかりではない。ずっと胸に残っていた後悔や疑問、言えなかった一言。そして、読み進めるうちに、死者との再会は"残された人が気持ちを整理し、この先を生きていくために与えられた時間"ということに気づかされる。
続編(『ツナグ 想い人の心得』)では、「ツナグ」という役割を担う側の視点からも物語が描かれる。
生者と死者のあいだに立ち、数えきれない再会を見届けてきたからこそ見えてくるものがある。
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ネタバレ「毎日小学生新聞」で連載していた辻村さんの記事をまとめたもの。
言葉に対する愛情と優しさが深く伝わってくる。
変だと思われたくない気持ちからクラスの雰囲気に合わせていつしか自分の感情がわからなくなったり、無意識に周りの傾向に沿った感想を述べたりすることはだれにでもある。
大人はいつも「周りの意見なんて気にしないでありのままでいいんだよ」と言うかもしれないけど、大人だって日常的に同調圧力に流されている。
辻村さんはそうやって周りに合わせることを否定しない。
ただ、みんなが言ってることと自分の考えが違うからといって自分の考えを押しつぶすことはしないでほしい。
その時に湧いた感情をぞんざいに扱わず、 -
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家にあったのでちょっと読んでみたら、身につまされる話ばかりだった。
巻末に筆者と林真理子さんの対談が載っていたが、「石蕗南地区の放火」の主人公の女を「なんかいやぁな感じがする女性」と言っていたのが違和感だった。最後の展開も、あそこまで男が距離感無しで近づいてきていた事実があれば、そう考えてしまってもおかしくないかも。それより、どうしてこんな男しか寄ってこないのだろうという切実な悲しみに共感した。嫌な女ではなく、一歩踏み出せなかった為にいろいろと悪循環に陥る、人生を振り返った時、どこで間違えたかと考える誰にでも形を変えてあることのように思えた。
あと「君本家の誘拐」は、主人公の女が、周りに配 -
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上下巻で800ページを超える長編作品。
辻村深月作品はページ数が多くて、上下巻に跨るものが多いですが、どの作品も非常に読みやすく、今回も例外なくスラスラと読めました。
この作品はミステリでもあり、SFでもあり、青春ものでもある。
こんなにてんこ盛りなのに、それを感じさせない物語。
さすがです…。
失敗を恐れず、さらには失敗することが分かっていても挑戦する、その勇気は相当なものだと思います。
自分は実際、そんなことができないと思う…。
そんな、一歩を踏み出す勇気をこの作品の登場人物からもらったような気がしました。
一言でいうと、「優しい物語」でした。
ネタバレギリギリですが、この作品を読む