瀬尾まいこのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ中学生の駅伝を舞台とした青春小説。
襷を繋いでいく章の構成が面白くて一気読みした。
駅伝を走る男子生徒6人+陸上部顧問それぞれの魅力があって、読み終わる頃にはみんなのことが好きになる。
私の中でスポットライトが当たったのは渡部君。
頼み事を断れないジローにたいして、「俺は選んでするべきことを決めている」と言い切った場面は、
まだ中学生なのに判断軸をしっかり持っているなんて素晴らしすぎないか?!
と感心したが、彼の章を読み終えた後だと、ある事情のためどういうふうに自分を見せるか考えて行動しているのだとわかり、このセリフの印象が変わる。おばあちゃんの「中学最後になって、孝一もやっと好きなことができるんだね」というセリフは芯をついている。
とはいえ、彼の行動基準はそれだけではないはず。
物事の本質を見抜く力があり、またその本質から目を逸らさない強さと勇気がある。
周りの雰囲気に呑まれずに、「ジローが100パーセント正しいだろ?」と言う場面も私の中で拍手喝采。彼は社会人になっても、【誰が正しいか】ではなくて、【何が正しいか】で物事をきちんと見ることができる大人になるだろうなと勝手に妄想。
そしてもう一つ特筆したいのは俊介君とのやり取り。俊介君自身も避け続けているある質問をズバリするけど、それって相手が打ち明けてきても受け止めるという覚悟や度量がないと、こんな質問できない。その前に出てきた俊介君の友人修平君との対比になっているなと思った。
なんだかんだ渡部君は、短い言葉ではあるけれど、随所で仲間のこと救ってるよなと。一見わかりにくいけど、優しさトップクラスだと思う。
これは私の勝手な考察だが、両親の離婚により父母どちらにも受け入れてもらえなかった痛みと、今一緒に暮らすおばあちゃんからの愛情、どちらも知っているからこそ、状況を俯瞰して見られるし他人の気持ちや傷ついた可能性に気付けるのでは?愛されてまっすぐ育ってきた人が持ってる優しさとはまた違う、静かな優しさを渡部君は持ってるなと感じた。 -
Posted by ブクログ
4.3
思わずぶんぶーとこちらも口真似したくなってくる。
子どもをもったことはないけれど、おいでと呼んだら笑顔で走ってこられたら、それだけで子育ての辛いこととか吹き飛んでしまうんだろうなあ。
小学生時の頃になぜ親戚のおじさんやおばさんはいつも会うたびに、こちらをにこにこと見ているのだろうと思うことがありました。
きっと、私が忘れているだけで、おじさんおばさんの中にも小さい頃の私の記憶や、思い出が残っているんだろうな。
だから、私がモジモジしだす年齢になっても、モジモジしている姿さえもおじさんおばさんにとっては、大きくなったなあ、可愛いと思える姿だったのかも知れないと思いました。
たくさんの大人に可愛がってもらえて、今度は私が可愛いがってあげる番だな。きっと君が忘れてしまっても。 -
Posted by ブクログ
瀬尾まいこさんといえば、の家族の物語。
「父さんを辞める」と宣言する父。
別居している母。
真剣さを捨てて生きる兄。
そして、佐和子。
一見してみんなバラバラで、破天荒ともいえそうな家族。
でも、お互いを思い合っている様子からは、紛れもなく4人が家族であるということを感じさせられる。
この距離感、与えられた型から抜け出すことこそが、中原家の4人が、それぞれ自分を大事にしながら、家族でいるために必要なことのだとわかる。
家族は難しい。
世の中に、これ!と思われてるデフォルトの型が強すぎるから。
でももっともっと色んな形があっていい。
そう思わせてくれる作品。