瀬尾まいこのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
血のつながりのない家庭を複数わたってきた女の子の話。
「家族とは何か」ということを中心に描かれ、"血のつながりは不可欠ではない"という主張を強く感じる作品だった。
起伏の無い毎日を描いているのだけれど、読み進めていって飽きないのは主人公である彼女自身の魅力だと思う。傍から見ると、血の繋がりの無い家庭内に先入観的に特殊な生活を想像してしまうけど、実際にその中で流れいく"普通の家族の時間"のギャップや尊さにもまた惹かれるのかもしれない。
読者は自分の親子関係と比較して見たりもすると思う。子は子の目線、親は親の目線で感情移入できる作品。
読む -
Posted by ブクログ
全五編、その中でもファーストラブがよかったです。広田、好き。同じクラスの同級生(男)からデートに誘われ、デートまでもデート中もどぎまぎしている姿は容易に想像でき、かわいいなってクスッとしちゃいました。
ドッグシェア、主人公が知らないところで内村くんがポチのフンを片付けてくれてたように、普段から気が付かないところで誰かに支えてもらうというか、してもらっていることは沢山あるんだろうな。元旦那の行動に対して振り返るシーンからも、行動への感謝は忘れないようにしたいなと(その行動が私にとってプラスにはならなくとも、行動に至った思いに配慮をしたい)思いました。
デートまでの道のり、これはなんとも。 -
Posted by ブクログ
ネタバレおしまいのデート
離婚して別のところで住んでいる父と定期的に会っていたが、再婚を機に祖父と定期的に会うようになり、それももう終わるという話
新しいスタートを感じさせる最後の描写が上手いなと思った。
ランクアップ丼
高校の時に悪さをしてはご飯をご馳走してくれていた先生に就職してから毎月ご飯をご馳走し返していたら、最後を返し終わる前にガンでなくなってしまっていた、という話。
読んでいて最後には胸が詰まった。
人に奢られる時は一番安いものを頼むもの、いただきますで作った人に感謝を述べるなど、親のようにたくさんのことを教えてくれる先生。先生のその心遣いにじーんとしました。
奢ってもらっている間、先生 -
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Posted by ブクログ
瀬尾まいこさんの作品は多く読んだつもりだが1番重い内容。でもやはり最後には希望は残す終わり方をしている。
学級崩壊(学校崩壊)した中学校での凄まじいいじめを耐え抜こうとする主人公は読んでいて苦しい。
保健室、相談室、フリースクールなどの居場所の話も出てくる。しかし、なぜ被害者が教室からでなければならないのかという理不尽さもいじめの構造の複雑さを感じる。
小5で担任の恐怖政治から解放され小6で控えめな担任となり学級崩壊するという回想もあり、「あ〜、小学校の先生の闇だ。」としみじみ。
中学の不良校で先生たちも病んでいく描写も悲しくなった。
悲観的な感想ばっかだが、それでも主人公の奮闘や、唯一の友達