瀬尾まいこのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2023.11.9
「いつもなみちゃんは、僕が家に行くことをとても嫌がる。」
――「優しい時間」の1行目。ここに伏線がある。
何気なく読み始めたときは心に残らなかったが、読み返してみると、この1行目がとても重要だと気づく。たけるくんとちなみちゃんの心の動きが、ここにすでに表れている。
2度目に読むと、きっとまた違って見える。
タイトルの「優しい時間」も、まさにこの章のためにつけられたものだと思う。優しさにはタイムラグがあり、それが心に刺さった。
P95の一文。
「なんか深雪さんってイザベラに似てるね」
さなちゃんが深雪に言った言葉。
馬みたいなイザベラは意地悪だけど、ピンチのときには -
Posted by ブクログ
兄を名乗る青年が突然現れ、料理を教えてもらったり、
婚約者の実家(和菓子屋)に偵察に行ったり。瀬尾まいこさんの作品には、飄々とした雰囲気の人物がよく出てくる。今回はこの兄。カラリとした態度の奥にある素顔や、過去が明かされる場面をいつも楽しみにしている。
悩みが無さそうに見えても、誰だって何かしら辛い記憶を持っているんだなと思わせてくれるから。
最後の方、「今まで誰にも話さなかった出来事は、口にしてみると取るに足らないことに変わっていた。これぐらいの挫折は、生きていくうえでごく自然に起こることだ。ふたを閉めて自分で重苦しい記憶に変えていただけで、その時々にすてきな出会いも出来事もあった。表に出せ -
Posted by ブクログ
ネタバレ暫くは主人公の呑気さに多少イライラしつつも、水木さんの手紙には涙を抑えられなかった。私もたまに、第三者としてじいさんばあさんの話し相手になる、みたいなボランティアとかあったらやってみたいなと思うことがあるが、何にせよ、介護士というのは本当に尊い仕事である。そしてじいさんばあさんというのは、どれだけボケてたとしてもやはり人生の先輩であり、酸いも甘いも我々よりよっぽどご存知なのである。だからこそ私たちは、いつまでも愚者でいてよくて、色んなしょうもないことを経験して、自分が先輩側になった時に、若い人に少しでも人生の助言ができればそれでよいのだろうと思った。