【感想・ネタバレ】おしまいのデートのレビュー

あらすじ

中学三年生の彗子は両親の離婚後、月に一度、父の代わりに祖父と会っていた。公園でソフトクリームを食べ、海の見える岬まで軽トラを走らせるのがお決まりのコース。そんな一風変わったデートを楽しむ二人だったが、母の再婚を機に会うことをやめることになり……。表題作のほか、元不良と教師、バツイチOLと大学生、園児と保育士など、暖かくも切ない5つのデートを瑞々しく描いた短編集。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

愛を深めていく1対1の人間関係は、なにも男女や恋愛に限らない。性別、年齢、肩書き、血縁を越えて築かれるものなのだと思う。
「デート」という言葉には、やはり恋愛を前提としたイメージが強いけれど、以前友人がこう言っていたのを思い出した。

「誰かと1対1で会うときは、たとえ仕事でも“デート”だと思って出かける。そうすればいつもハッピー♪」

その言葉の意味が、この本を読んで少しわかった気がする。誰かとの関係を深めることって、すごくハッピーなことなんだ。

昔から私は、“仲良し◯人組”のようなグループよりも、マンツーマンの関係が好きだった。
たとえ複数人の集まりでも、それぞれの人と丁寧に関係を深めたいと思うタイプ。
本に登場する、恋愛ではないけれど「デート」と呼びたくなるようなやりとりを読んで、こういう関係っていいな、こんな関係性があるのも素敵だなと思った。
読み終えたあと、心がじんわり温かくなった。

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2025年07月13日

Posted by ブクログ

うう…泣かされました。号泣です。嗚咽です。

心を震わせる、涙腺を刺激するストーリー。それもわざと「泣け泣け」という感じではないんだよね。淡々と感情表現を抑えた筆致なのに泣かされる。不思議だ…。

でも、もちろん不快ではなくて。押し付けがましくないからこそ、とっても爽やかで、好みドンピシャでした。

瀬尾作品は小説はこちらが初読みなんだけど、なぜ今まで避けてきたんだろうと少し後悔するくらい。

嗚咽が我慢できないくらい号泣したのは「ランクアップ丼」です。少しネタバレすると、ちょっとネグレクトされたっぽく育った主人公の話なんだけど、母親への恨み言のようなものがほとんどない。もちろんらネグレクトは良くないことだけども、母子とは、母子家庭とは、という押し付けのない描き方で、「そういう家庭もあるんだろうな」と自然と思わされるところがすごいよね。そこにはもう善悪を超越した、ただ状況だけがある、という書き方なんだよなあ。

でね、瀬尾さんってきっと、淡々と、でも心の温かい、サラッと人に優しくできる人なんだろうなーと思う。そういう人に憧れちゃうな。自分も押し付けがましくない優しさを身につけていきたいと強く思う。

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2025年05月26日

Posted by ブクログ

各主人公たちが織りなす"おしまいのデート"の短編集。
作品のテーマと瀬尾まいこさんの優しい世界観とがものすごくマッチしています。
"おしまい"ってネガティブなイメージがありますが、本作では、どの話においても"おしまい"は区切りではあるけど、決して断ち切れているわけじゃないと思いました。
疲れちゃった時や、優しくされたい時に、この作品は刺さります。

以下、好きな短編。

▪︎おしまいのデート
学生の女の子と、父方のおじいちゃんとのデート。
おじいちゃんは離婚したお父さんの代わりに、女の子と毎月会いにデートします。
ほんの数ページ読んだだけで、主人公のこれまでの道程を感じます。
いい意味で無駄な文章が無くて、しかもその文章一つ一つが主人公のひととなりを表現させて、文章で表さないこれまでを想像させるのだから、瀬尾まいこさんは天才だと思います。

▪︎ファーストラブ
普段全くつるまない男子から、主人公(男子)がデートに誘われるお話。
これはめちゃくちゃキャッチーで最初から引き込まれました。
1日でその人への想いとか関係性とか、ガラッと変わることって中々ないですが、でもたまーにあるんですよね。
世界観や登場人物のキャラクター、物語の先の読めなさ、すべてが大好きなストーリーでした。

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2025年02月04日

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卵丼とビスコが食べたくなった。
なんだか、おいしいご飯が食べたくなる。
ふとした時に読みたくなって、そのたびに好きが大きくなる。
瀬尾まいこさんの書く世界が大好きです。
この世界の住人になれるように生きていきたい。

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2024年10月03日

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解説に、瀬尾さんの本は薬膳とありました。正に私にとって瀬尾さんの本は心の癒しを与えてくれる薬膳そのものです。
 恋愛のデートでばかりではなく、同じ目的や感謝を伝える為のデートはちょっと切なくて、でもほっこりする物ばかりでした。人との関わりを持つことで、感謝の気持ちになったり、希望が持てたりするなと思わせてくれました。

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2024年09月30日

Posted by ブクログ

なんて優しい物語たちなんだろう。
どの話も心が温かくなって日常の一コマを大切に過ごそう、と思わせてくれた。

何も形がないところからこんなに優しい物語を紡ぎ出せる瀬尾まいこさんの筆力に心から惚れぼれしました。

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2024年09月25日

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NHK FMの朗読の時間で「デートまでの道のり」を放送していたので、原作も読みたいと思っていがやっと読むことが出来た。五篇の短篇であれよあれよと言う間に読み終えてしまった、「デートまでの道のり」以外は何ともうら寂しい物語で、今流行りの源氏物語のようないとあわれな物語であった。この著者の物語の読み心地はすごく良いのだが、登場する60代の男性をすごい老人に描いており、確かに体力は落ちているが老人呼ばわりするほど老いぼれてはいない。

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2024年08月14日

購入済み

おしまいということ

デートというキーワードが織りなす短編集。デートは相手によって、その意味合いが変わってくる。よく言う、一般的なラブラブなデートを扱う訳でなく、ちょっと変化球。それぞれの関係性にほっこりした。

#胸キュン #癒やされる #泣ける

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2023年05月25日

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まさしく"上質な薬膳スープ"

さまざまなデートの短編集ですが、性別・年齢・環境の違う二人組。
切なくなったりほっこりしたり、いろいろな感情を引き出された気がします。

どれも面白かったですが、ランクアップ丼が特に好きでした。
ワンちゃんの話は、まともな食べ物あげてくれ、、と気が気じゃなくて集中できませんでした(笑)

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2025年10月22日

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優しい優しい物語。
短編集でどれもこれもおしまいのはなしだけど、未来があって素敵な余韻を残してくれる

何にでも、はじまりと終わりがあり、また始まる
私たちはそれを繰り返してるんだな

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2025年09月21日

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ランクアップ丼が特に好きです。卵丼食べたくなる。
短編なのにきちんと展開があって薄っぺらい話になってないのがすごいなと思いました。

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2025年09月12日

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てっきり恋人同士の別れの日を描いているのかと思っていたが、さまざまな組み合わせのデートが描かれた短編小説。“おしまい“なのに切ないだけじゃなく、希望や温かさをそっと残すのが瀬尾まいこならでは。どんな関係も、未来がきっとより良いものになると思わせてくれる。中高生に読ませたい作品。

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2025年08月29日

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ネタバレ

ドッグシェアが好きだ。
犬の飼育としては最悪だし、地域のルールも守ってないだろうし、おいおいって思ってた。でも本質はそこじゃなくて、足りない2人見えない2人が、ドッグシェアを通してお互いにないものを補い合い、1人では見えなかったものを見せてもらう話だ。学生側の視点は描かれていなかったが、OL同様、いろんな内省があっただろう。そういうところが読めて良かった。
それはそれとして、あらためて言うが犬の飼育としては最悪だし地域のルールも守ってないので、犬好きな人はモヤモヤの方が強く残るかも。

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2025年06月30日

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『おしまいのデート』
じいちゃんは、大事なことを教えてくれる。自分の目で見て、信じよう。
『ランクカップ丼』
三好にうえじいが、うえじいに三好がいてよかった。たまご丼の店主も。学生時代、奢ってもらう機会も多々あったけど、こんな風に返せていない。三好はえらいなぁ
『ファーストラブ』
宝田くん、いいことしてもらったからってきちんと感謝してお礼を伝えてえらいよなぁ
『ドッグシェア』
『デートまでの道のり』
本当に子どもは大人のことをみて、自分で考えて、行動している。自分の欲望のためだけでなく、人のことを考えて行動していることもある。

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2025年06月25日

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5つの短編集。どんなデートの内容なのかなと思っていたら、みんなが想像している男女のデートではなくて面白かった。
どの章もえ?もう終わり?続きは??となる終わり方だけどそれぞれ読み終わりのの後味が違くて飽きない。
最後の物語すごくほっこりした☺️

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2025年06月16日

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デートをテーマにした、ほっこりと心温まる5つの短編集。恋愛もののデートだけでなく様々な形のデートが描かれている。
ページ数が少なく、さらっと読めるので中高生にもオススメ!

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2025年03月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

【おしまいのデート】
複雑な家庭の事情でじいちゃんと会っていた彗子だがそれぞれの家庭ができつつあるために会うことを辞める決断をした。
本当はお互い会いたいと思っているだろうけど、いつもの軽口で流して正直には言わない様子が余計に寂しい気がする。
じいちゃんの新しい家族もいい人だと分かっているし、じいちゃんから見ても彗子に新しい家族ができるのは喜ばしいことだろう。
読んでいてもこの2人が会わなくなるのは切ない気がしたけれど、じいちゃんがまたなって言っていたのも、彗子の新しい家族の弟が思いやりのある優しい子だと分かってホッとした。

【ランクアップ丼】
母子家庭の三好が荒んでいた頃、何も聞かず玉子丼を一緒に食べてくれる上じいに心を開くようになる。
病気を隠して三好との約束を糧に生きようとする上じいと、それを亡くなった後に聞き、娘さんと食べた天丼。
切なくてあったかくて感動した。
これからの三好は自分の過ごした寂しい幼少期とは違う、暖かい家庭を彼女と築けると思う。

【ファーストラブ】
きっとずっと仲良くなりたかったであろう宝田が転校を隠して広田とデートする。
広田も仲良くなれて楽しくて幸せな一日を過ごせたのにあっさりと転校していく事実に納得いかない中、ちゃんと自分の気持ちを伝えられる、とても素直ないい子だと思った。
学生時代の小さな出来事だし、今後会うことももしかしたらないかもしれないけれど、お互いのいい思い出として今後の人生にずっと残ると思う。

☆瀬尾まいこさんの作品は暖かくて好きだー

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2025年02月17日

Posted by ブクログ

どの物語も暖かくてやさしい素敵なデートでした。解説の吉田伸子さんがおっしゃるように、薬膳スープみたいな物語でした

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2024年10月24日

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 全五編、その中でもファーストラブがよかったです。広田、好き。同じクラスの同級生(男)からデートに誘われ、デートまでもデート中もどぎまぎしている姿は容易に想像でき、かわいいなってクスッとしちゃいました。
 ドッグシェア、主人公が知らないところで内村くんがポチのフンを片付けてくれてたように、普段から気が付かないところで誰かに支えてもらうというか、してもらっていることは沢山あるんだろうな。元旦那の行動に対して振り返るシーンからも、行動への感謝は忘れないようにしたいなと(その行動が私にとってプラスにはならなくとも、行動に至った思いに配慮をしたい)思いました。

 デートまでの道のり、これはなんとも。うーーん。

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2024年10月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

おしまいのデート
離婚して別のところで住んでいる父と定期的に会っていたが、再婚を機に祖父と定期的に会うようになり、それももう終わるという話
新しいスタートを感じさせる最後の描写が上手いなと思った。

ランクアップ丼
高校の時に悪さをしてはご飯をご馳走してくれていた先生に就職してから毎月ご飯をご馳走し返していたら、最後を返し終わる前にガンでなくなってしまっていた、という話。
読んでいて最後には胸が詰まった。
人に奢られる時は一番安いものを頼むもの、いただきますで作った人に感謝を述べるなど、親のようにたくさんのことを教えてくれる先生。先生のその心遣いにじーんとしました。
奢ってもらっている間、先生も入院中で、玉子丼の日にはオシャレして病院を抜け出していたことや、宣告されていた余命より生きられたことなど、先生にとっても生きる意味になっていたんだろうなと思いました。

ファーストラブ
同級生の男の子とのデートの話
主人公の素敵なところと、それをわかっている相手のところがよかった。
好きな食べ物を聞いてお米だったからおにぎりをたくさん握ってきてくれるところもキュンとしました。
この後も友情が続いてほしいです。

ドッグシェア
新しい2人のこれからの先の話がとっても読みたくなりました。

デートまでの道のり
保育士さんとバツイチのお父さん、大丈夫なのかな?とハラハラして読みました。
カンちゃんが実は2人を近づけようとしていたのかな?と思いました。

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2024年10月19日

Posted by ブクログ

5つのデートの話、男女のデートの話ではなく、人との良い繋がりの話。日常の中にこんな人との繋がりがあるといいなぁと思える話でした。特に『ランクアップ丼』が好きなストーリーだった。

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2024年09月21日

Posted by ブクログ

デートをテーマにした短編5編。
デートと言っても、恋人同士のデートとは少し違う。
祖父と孫、元教え子と教師、同級生の男友達、捨て犬が縁で知り合った2人、園児と保育士。
それぞれのおしまいが描かれている。
個人的には元教え子と教師の話にグッときた。

どの話も優しい人達で温かい気持ちになる。
「生きていればどんなことにも次はある」
いい言葉だな。

2023年のナツイチで買っていたのに読むのを忘れていた。

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2024年08月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「デート」を題材に、それぞれの登場人物の想いが交差する短編集。
暖かさと切なさと儚さがゆっくりと綴られる。

食べること、美味しいことは幸せ

玉子丼や中華やビスコ、おにぎりにお弁当、食べたくなるよねえ。

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2024年08月22日

Posted by ブクログ

タイトルから想像するのは恋人の別れ際。でも、おしまいのデートは恋人だけのものじゃない。おじいちゃんと孫、元不良と教師、働くバツイチ女性と大学生。。。
切ないけど少しほっこりする短編集でした。

永遠じゃなくても、どんなに短い間でも、自分の価値観の一部になるような関係ってあるよね。

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2024年08月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 全5編の、別れを控える「おしまいのデート」を描いた物語。
 どれも、もう会えない二人を見て悲しくなるような、それでもこれからの出会いが明るいものであることを信じられるような温かい物語だった。

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2025年10月10日

Posted by ブクログ

瀬尾さんの本はケアの本と思って読む。
自分をメンテナンスしたい時とか、穏やかでいたい時にはやっぱり瀬尾まいこ。

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2025年10月10日

Posted by ブクログ

瀬尾さんらしい温かい短編集。色んな関係性の人のデートが描かれる。「おしまい」は本当の終わりという意味では無く、何か次の「始まり」に向かうための区切りのような意味で使われる。不器用な人も多いが、デート相手への好意が読み手にはまっすぐ伝わってきた。また解説では瀬尾さんの魅力を的確に捉えられており、素敵だと思った。

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2025年08月21日

Posted by ブクログ

相変わらずの読みやすさ!素晴らしいね!
ランクアップ丼のお話がちょっと悲しかったけど、それも含めて優しいお話しか載ってない、瀬尾さんらしいおしまいのデートが書かれた1冊だった!

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2025年02月25日

Posted by ブクログ

 人と人との「デート」が描かれた5編の短編集。

「デート」といっても、恋人同士だけではなく、
おじいちゃんと孫、先生と生徒、クラスメイト、捨て犬を介して偶然出会った相手、保育士さんと園児。
「おしまいのデート」
「ランクアップ丼」
「デートまでの道のり」が良かった。 

 最後、別れはあっても未来へつながる光の見える結末で、
心がほっこりする温かい作品でした。

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2025年02月03日

Posted by ブクログ

短編集で読みやすかった。
しかし、瀬尾まいこさんの作風が好きだからこそ物足りなさを感じてしまった。
1つ1つの作品が素敵だからこそ、もっと深くその作品の世界に入り込みたいと思ってしまった。

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2024年12月24日

Posted by ブクログ

おしまい=step upする為の中休み。
自分で自分を労わり新しい自分になる為の「おしまい」なのだ。生きて居ればどんな事にも次はあると「おしまいのデート」でおじいちゃんが言っていた。心に刺さったのは「ランクアップ丼」の上じい。より添ってくれる誰かが居る事がどんなに大事なのか、どんなに幸せなのか三好に伝えたかったのでしょう。でも上じいは最後の晩餐には来れなかった。生きて居なければ次は無いけど三好に上じいの気持ちは伝わったはずだ。きっと三好はもっと先に進む為のおしまいなのでしょう。

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2024年12月17日

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