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兄の死以来、人が死ぬ小説ばかりを読んで過ごす亮太。けれど高校最後の体育祭をきっかけに付き合い始めた天真爛漫な小春と過ごすうち、亮太の時間が動きはじめる。やがて家族となった二人。毎日一緒に美味しいごはんを食べ、幸せな未来を思い描いた矢先、小春の身に異変が。「神様は乗り越えられる試練しか与えない」亮太は小春を励ますが……。
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Posted by ブクログ
2026/08/15
若いときに兄を亡くした高校生の葉山と、高校の同じクラスで米袋ジャンプという競技をきっかけに話すようになった上村の2人の物語を描いた本。
クラスでもずっと浮いていて誰とも話さない根暗の極みみたいな葉山は、上村という対極的な存在の人間と交流することで色々な新しい世界に身を投じていくことになる。
2人の人生の過程が描かれるのだが、この本の中で特に大きな何かが起こる訳ではなく、まあ、人生の中でこういう苦難とかには出くわしたりするよなぁ…みたいな感じなのだけど、話がストンと落ちてきてどんどん続きのページ、先のストーリーが気になるような不思議な感じになれる。
とにかく瀬尾さんの小説は安心して読むことができ、読後感もとてもあったかい感じになれるのでオススメです。
Posted by ブクログ
「仕事が大事だとか未来だ夢だ責任だとか。だけどさ、僕はここで二十年以上働いているけど、驚いたことに今まで目の前の命より大事なものなんて見たことがない。たった一度もだよ」
「亮太、どんな時だって食べなきゃもったいない。明日、お前のほうが食べられなくなるかもしれないのに」
「神様が乗り越えられる試練しか与えないって」
「もちろん。まあ、私はずいぶんと神様に過大評価されてるけどね」
「でも、昨日本を探してる時さ、すごいわくわくしたんだ。この本読んだら小春どんな顔するだろって。そしたら、もっといろんなことを小春に教えたいと思った。読んだことのない本とか、見たことのない景色とか、食べたことのないものとか。そうそう、ケンタッキーに新しい種類のチキンが出たんだよ。それだって食べさせたいし。とにかく俺の知らないことを小春がたくさん見せてくれたように、小春が知らないものをたくさん見せたいんだ」
「でも、これだけ種類があるってことは、明日のご飯はどれをかけようか楽しみになるね」
「本来三人の子どもに注ぐはずの愛情を、イエス一人に向けるんだから。イエスは重くてうんざりするだろうし、そのせいで何回もどろどろするだろうし。しかも、子どものためにも一緒にいなきゃっていう重しもないからなあ。イエスニ回は浮気するし、そのうちはげるし太るしだらしなくなるし大変。だけど、それでも、イエスだけに気持ちを注いだっていいんじゃないかなって思う。そんなことを、手術中ひたすら考えてたんだ」
「入院して思ったんだ。会いたい人とか一緒にいて楽しい人って何人かいるけど、でも、いろんなことを平気にしてくれるのはイエスだけだって。イエスがいたから点滴なんて朝飯前になったし、あんなに恐ろしいって思ってた手術も余裕だった。なんでも大丈夫にしてくれるのはイエスだけだよ。そう思ったら十分一緒にいる意味がある」
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