瀬尾まいこのレビュー一覧
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購入済み
ホッとする作品
代表作の「そして、バトンは渡された」とやや似た親子関係の父と息子の物語である。この作家らしい軽妙な語り口でどんどん話が進んでゆく。途中でいくらか考えさせられる場面が出てくるが、基本的には人の優しさ、善良さを信じる 姿勢に変わりはない。やや食い足りないところはあるがホッとする作品である。
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Posted by ブクログ
心温まるお話。
だけど、「もし自分が優子の立場だったら…」と考えたら、一概に幸せな人生だとはいえないなーと思った。
親になってくれたのはみんないい人なのは間違いない。
それでも、家族の形態が17年間で7回も変わるのなんて自分ではとても対応しきれないし、梨花さんも世間一般的な視点から見れば、身勝手で自己中心的な毒親に見えたから。
やっぱり1番すごいのは、子である優子で、優子が親に感謝していたように、5人の親たちも優子に助けられ感謝していたのだと思う。
そういう意味では、「楽しいときは思いっきり、しんどいときもそれなりに笑っておかなきゃ。」という言葉を優子に伝え、そしてお手本として示し続けた -
ネタバレ 購入済み
面白かった。
大阪の人の人情がわかる素晴らしい作品。どこか懐かしく、ホッとできるような世界観がとてもよかった。またところどころ笑いもあり最後はちょっと泣ける。そんな素敵な作品だった。軽快な会話もリズムもどんどん読み進めていけるし、なによりシンプルに面白かった。
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Posted by ブクログ
本書の中で瀬尾まいこさんは、自身のことを大雑把、面倒くさがり、人見知りで人付き合いが悪い等と様々形容・自己分析しています。 え? 学校の先生だったのに?
そんな著者が、多くの著書(小説)で家族や親子関係の優しさ・他者との共生を温かく描き、共感を得ているのはなぜでしょう…。
初のエッセイである本書を読み、上記の訳が少し理解できたように思いました。
学生時代、教師を目指していた講師時代、採用試験に合格して正規教員の各時代に、人との関わりを中心にして、これまで支えてくれた人たちへの感謝の気持ちが溢れるように表れている気がするのです。
勝手ながら、これが多くの人を魅了する瀬尾ワールドの原点に