瀬尾まいこのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
中学生のいじめ、不登校を題材にした小説。
主人公のみちるは正義感が強く、周囲の視線や損得を気にせず、自分が正しいと思ったことに対してまっすぐに突き進む女の子。芯が通っていて自分に対して正直にまっすぐ生きていると思った。周りの目を気にせず、自分の軸で物事を判断しているからこそ、いじめをはね返し、気にしない強さを持つことが出来ているのだと思った。友達の優子は、辛い経験をしてきたからこそ、人に寄り添い、ふと心を許せるような優しさや温かさを持つことができたのだと思った。2人ともつらい経験をたくさんしてきけれど、その分強さや優しさ、人間としての深みを手に入れることができたと思った。人生辛いことがいろいろあるけど、苦しんでも必ず何か得られるものはあって、苦しんだからこそ得られたものには大きな価値がある。
瞬は自分では制御できないつらさや苦しさを抱えて、もがき苦しんでいて、助け出してあげたいと思った半面、生まれながらの環境により構築されたものは抗えないものもあると感じた。 -
購入済み
現代の生きずらさと旅立ち
保険業界に身を置いた経験から、そうだよねと思わせる書き出し。逃げることは悪くないという内容が不自然でなく無理なく表現されている。
恋愛小説ではないこともそうさせているのでしょう。一番記憶に残るのは主人公より民宿の主人です、ぜひその振る舞いを読んでお楽しみください。
著者が中学の国語教師をやっていて田舎に赴任した実体験をもとに書かれたというのも納得。
個々人と家という主体単位のとらえ方が欧米とは違うということも思い起こされ、今昭和100年、次の100年は日本人はどのように進んでゆくのでしょうか、そんなことも考えさせられました。 -
Posted by ブクログ
血のつながりのない家庭を複数わたってきた女の子の話。
「家族とは何か」ということを中心に描かれ、"血のつながりは不可欠ではない"という主張を強く感じる作品だった。
起伏の無い毎日を描いているのだけれど、読み進めていって飽きないのは主人公である彼女自身の魅力だと思う。傍から見ると、血の繋がりの無い家庭内に先入観的に特殊な生活を想像してしまうけど、実際にその中で流れいく"普通の家族の時間"のギャップや尊さにもまた惹かれるのかもしれない。
読者は自分の親子関係と比較して見たりもすると思う。子は子の目線、親は親の目線で感情移入できる作品。
読む前には「親と離れ、死なれ、おいて行かれ、、、」という口に出せば不遇な人生を送っている少女が、過酷な環境下で成長していく不憫さを思って悶えたりもした。しかし、話を見守る中で彼女がどれだけ幸せな環境で生きてきたのかということを気づかされ『自分は血のつながりのないこと、親がころころかわることは=不幸なのだ』と潜在的におもっていたのかもしれない、とはっとした。
それは自身が恵まれた家庭環境で生きさせてもらえているからこそ読んで生まれた感情かも知れない。 -
Posted by ブクログ
瀬尾まいこさんの作品は多く読んだつもりだが1番重い内容。でもやはり最後には希望は残す終わり方をしている。
学級崩壊(学校崩壊)した中学校での凄まじいいじめを耐え抜こうとする主人公は読んでいて苦しい。
保健室、相談室、フリースクールなどの居場所の話も出てくる。しかし、なぜ被害者が教室からでなければならないのかという理不尽さもいじめの構造の複雑さを感じる。
小5で担任の恐怖政治から解放され小6で控えめな担任となり学級崩壊するという回想もあり、「あ〜、小学校の先生の闇だ。」としみじみ。
中学の不良校で先生たちも病んでいく描写も悲しくなった。
悲観的な感想ばっかだが、それでも主人公の奮闘や、唯一の友達が不良にカウンセリングを試みること、サポートスタッフがなんとなくがんばる姿など、ところどころ応援したくなる内容もあった。