瀬尾まいこのレビュー一覧

  • 本屋さんのある街で

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    学生時代の4年間、本屋でバイトしていました。個人経営の本屋で、そりゃもう時給は安い。450円って、どれだけ昔やねんと思われそうですが、当時でもおかしかったはず。正月三が日はどこの店もきっちり休んでいたような時代に営業すると社長が言い出し、時給割増しするからと言われて行ったら500円でした(笑)。所持金があったのに恥ずかしくて買えないフランス書院文庫を万引きした高校生とかいたなぁと、いろんなことを思い出します。本の感想になっていないけど。どの話もなんだか切ない。こんな書店は消え去りつつある。でも、本屋のある街で過ごしたい。

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    2026年10月01日
  • 天国はまだ遠く

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    さながら現実逃避のスローライフ
    一回「死んだ」ことと、ただただのんびり生活をすることによって「生きる」ことを無意識に千鶴は選び取っている。
    大きな物語ではないし、おそらく、読み終えた先のエピローグこそ、人生の本番なのだろう。

    しかしまあ他人を気にして、自分の気持ちを押し殺すくせにわがままでがめつく、正直嫌だなあこの人、と思うけど、私と似ている感じがあるし(同族嫌悪だ)
    別のステージ(ひと・もの・場所)に移れば、うつうつもやもやが晴れていくのも今にしてはよくある話で。

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    2026年10月01日
  • 幸福な食卓

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    言葉の端々から丁寧さと登場人物の繊細さを描いているように感じた。
    佐和子が父に対して酷い言葉をかけた時の直ちゃんの言葉は衝撃だったが、頭がいいとはこのことを言うのだなと同時に思い納得した。
    優しいだけじゃない物語だが確かな包容力に包まれる作品だった。

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    2026年09月30日
  • 夜明けのすべて

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    人との出会いで少しずつ自分の思考が変化していく、行動が変化していく。知らず知らず変化した自分に気づいたタイミングで自分と向き合っていく。さらに人との繋がりに喜びを感じる。PMSとパニック障害、人物に特徴を持たせることでわかりやすく物語が進む。運命的な出会いでもなく劇的でもない緩やかに変化だけど微笑ましい展開で、藤沢さんと山添くんが距離を自然と縮めていく様子を微笑ましく見守ってしまう作品であった。ずっと『あの頃の自分に戻りたい』と思い続け、戻れないと諦めていた山添くんが、気付けば『あの頃の自分』以上に『今の自分』が好きになりつつあることに気付けるところが良かった。『輝かしいあの頃』よりも輝ける自分をほんの少しでも見いだせるのは希望だと思うし私もそうで在りたい。

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    2026年09月30日
  • 本屋さんのある街で

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    本屋さんが大好きな私のための本だぁ!と、手に取った一冊

    短編で詠みやすく、好きな作家さんばっかりで…
    とっても切ないけど優しく温かい物語達だった

    中でも一穂ミチさんの『歌うように生きて』が心に残った
    潤とリウが時を経て縁を結び直せますように…

    凪良ゆうさんの『小鳥たち』はすでに単行本で読んでいましたが、やっぱり素敵なお話…

    これからもずっと本屋さんは私の癒しの場です

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    2026年09月30日
  • 本屋さんのある街で

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    書店にまつわる短編5編。読んでから1週間経って内容はもうすでにうろ覚えだけど、5編ともみんな良かった!
    読書って内容をずっと覚えていられなくても(私の記憶力の問題かも)読んでる時が楽しくてワクワクしていればその時間を楽しめてるってことでもうじゅうぶんな気がする。
    その点でこの本は合格!
    特に一穂ミチと三浦しおんの短編が好きだった。
    三浦しおんは書店勤務があるかのように書店員の仕事内容に詳しかった。
    商店街にある小さな書店、でもしっかり固定客もついていてパートとバイトも雇える余力がある。カブで配達ついでに見守りもして(お得意さんが倒れてるのを救ったり)こんな書店が実際あったら働いてみたいなぁ。と思ったなり。

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    2026年10月01日
  • 君が夏を走らせる(新潮文庫)

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    ネタバレ

    太田くんの心の根底の温かさや、周りの環境に流されず正しくありたいと思う気持ちに感動した。また、だんだんと鈴香との時間を心待ちにし、料理まで考えて作り出す太田くんがかわいらしかった。子育てに関してはとくにトラブルが起きることもなく、本当に高校生か?と現実味が薄い話ではあったものの、だからそこ安心して読めたところもある。最後妹が生まれたあとの所、別れの描写がもう少し詳しければさらに感動したかも。

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    2026年09月28日
  • 天国はまだ遠く

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    よかったです。

    死を覚悟してたどり着いた山奥の民宿。
    自然に囲まれて、ゆっくりと流れる時間に身を任せ、自分を取り戻していく。

    やろうと思えば人はどこでも生きていけるし、死ぬほど辛い環境ならさっさと離れて遠くに行ったらいい。
    戻りたくなったらまた戻って、新しい自分で前に進めばいい。
    この作品を読んでそう思えたし、子供が大きくなってなにか辛い思いを抱えていたら、そう伝えてあげようと思いました。

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    2026年09月28日
  • 私たちの世代は

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    「泣いていても時は進む。どれだけ悲しい出来事が起きても、大事なものを失っても、止まるものは何1つないのだ。」

    目に映ったものが、そのまま止まってしまう
    目に映った世界が、全てだと思い込んでしまう

    感染症に翻弄され、
    視界と世界が狭くなっていった…

    実際、
    そうだったような気がする…

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    2026年09月29日
  • 天国はまだ遠く

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    ゆったりとした時間が流れる優しい話だった。ときどきくすりと笑ってしまった。

    瀬尾さんの作品、どれも好きだな。

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    2026年09月28日
  • そして、バトンは渡された

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    読んでる時はお腹が空くし、読み終わったら親に会いたくなった。無償の愛を捧げるって、しんどいことだと思ってたけど、生きる理由になるんだと知れた。自分よりも大切な存在があることで、自分の人生がより楽しく明るくなる。泣きながら読み終わったあとに、1ページ目に戻り読むと、また泣けてくる。

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    2026年09月28日
  • 掬えば手には

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    心がふわっとあったかくなるお話だった!
    登場人物みんな好き!

    梨木くんは相手のためを思って行動できる優しくてよく気が回る子で素敵だし、香山くんも明るくて真剣で行動力のある男の子で素敵、河野さんも昔の感謝を忘れずに今の人生をたのしんでいて素敵、大竹さんも口悪いし嫌味ったらしいけど梨木くんに心開いててちょっとかわいい、常盤さんも分かりにくいけど仕事にも過去にも向き合って偉い!

    大竹さんの更生計画上手くいくといいな、頑張れ梨木くん、北條さん!!

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    2026年09月25日
  • おしまいのデート

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    短編で読みやすく、ほっこりな一冊。
    寂しいだけじゃなく、次につながる「おしまい」になっている仕立てでよかった。
    ランクアップ丼が好きだったが、その他の話も、詳細な背景が語られず余白が多く、自分でその余白を自由に埋めながら読み進めることが出来る作品でした。

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    2026年09月25日
  • そして、バトンは渡された

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    主人公の優子は親が変わっても、いじめに遭っても深く悩むことはない。
    学校行事で責任のある役目に就いてもそつなくこなし、男子にもモテる。
    人間的に完成していて、冒頭で悩みがないのが悩みのようなことを言っていたのも納得だ。

    そんな彼女も森宮さんと一緒にいる時は年相応の子供に見える。
    二人の食卓漫才や優子が叱られる姿を見るとどこかほっとした。

    本作では森宮さんが一番好きだ。
    終盤では森宮さんと同調して、こんな奴に優子をやれるか!とキレそうになってしまった。

    ラストがあっけないという声も多いようだが、これ以上の尺があると本気で泣いてしまいそうなので、私には丁度良い頁配分だった。

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    2026年09月24日
  • 掬えば手には

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    ネタバレ

    平凡なことが悩みの主人公、梨木匠。
    匠という名前にも、両親の期待の重さを感じている。
    中学生のころに、同級生の心を読め、以来自分には人の心を読む力があると信じている。

    実際に心が読めなくても、あの性格の悪い店長の気持ちをおしはかるだけでなく、他の人に対しても実際に行動ができるところは本当にすごいと思う。
    秋音の声は...私にもあったのだろうか、と思ってしまった。
    二重人格かな、ぐらいの想像しかできなかった。冬香と元カレの話もフォーカスしてほしい。
    文庫限定なのか、店長にフォーカスしてくれたのが、とてもよかった。
    河野さんとのことも、多くをかたらず、彼女いますよね、ぐらいの感じで出てきたのもよかった。

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    2026年09月24日
  • 君が夏を走らせる(新潮文庫)

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    てっきり駅伝小説かと思いきや走るシーンは皆無。駅伝を想定して読み始めたから不満が募ると思いきやゼロ。読んで良かった。ホワホワした読後感。大田、きみは本当に高校生かい?

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    2026年09月23日
  • 掬えば手には

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    自分にとっての「普通」が、当たり前のことではない、むしろそれが強みなんだと教えてもらえる作品だった。
    主人公のような、相手に対して底知れない優しさで行動できる部分は本当に見習わないと行けないと思う。
    「この人の人生が好転するよう手伝いたい」という純粋な気持ちが人や周りを変えるんだな、と強く思った。

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    2026年09月22日
  • そして、バトンは渡された

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    ネタバレ

    大人の都合に振り回され7回も親が変わりながら育っていく少女が、彼女自身の結婚を迎えるまでのお話。

    宮森さんが好き。
    高校生の優子の父親としては若く、コミュニケーション能力が頗るいい訳でもない彼が、優子の父親を一生懸命に全うしようとしている様子がとても良かった。
    始業式の朝にカツ丼を作るとか、優子が虐められてる時はスタミナをつけなきゃ!って餃子ばかり作るとか。やる事はちょっとズレているのだけど、完璧ではないそこがいい。どの場面でも森宮さんは、父親業を真剣に、そして本当に楽しんでやっているんだなと。優子を最優先に、自分を犠牲にしなきゃ、みたいなのではなく、娘を育てる事が本当に生き甲斐になったんだな、幸せなんだろうなと。
    見ず知らずの人の子供の親になるなんて、なんで自分がそんな損な役割を担わないと行けないんだと思うのかと思いきや、
    「本当にちっとも嫌じゃなかった」
    「自分のために生きるって難しい。何をしたら自分が満たされるのかさえ分からないんだから。優子ちゃんが笑顔を見せてくれるだけで、育っていく姿を見るだけで、十分だって思える。これが俺が手にしたかったものなんだって」
    こう言い切るんですもんね。決して綺麗事を並べている訳では無いんですよね。これが彼の本音。子供は宝とかよく言いますけど、本当にそうなのかもしれないですね。

    暖かい愛のお話しでした。
    卒業、結婚を迎える時に、自分がいかに周りの人や家族に大事に歩む道を守ってもらってここまで来たのかを振り返りたい方、そして、自分がバトンを渡す側である人にも読んで欲しいお話ですね。

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    2026年09月21日
  • 天国はまだ遠く

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    ネタバレ

    のんびりしっとり。
    死を決意していた主人公が、結局死ぬことには失敗して、しばらく田舎の宿で過ごす。

    すごくゆったりと気が流れているような、主人公と一緒にのんびり過ごしているような気分になった。

    何か大きなことが起こるわけでもなく、ただ、田村さんと主人公が宿で過ごす日々が書かれているんだけど、それがなんとなくあったかさを感じる。

    疲れた時に読みたいと思った。

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    2026年09月21日
  • おしまいのデート

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    40ページほどの短編物語集。タイトルは「おしまいのデート」だから恋愛モノかなと思ってたけど、そればかりではなくて全てなんかこうジーンと来る話が多かった。おじいちゃんと孫、犬とお姉さん、昔の先生と生徒、色んな「ふたり」がデートに行く話。人とふたりきりで会うことを「デート」と読んでいて素敵な感性だなと思った。男子高校生ふたりの「デート」が可愛くて個人的に好きな話でした。

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    2026年09月20日