瀬尾まいこのレビュー一覧
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作者は『感染症』としか書いてません。一言もコロナだと明記しておりませんが、コロナだと仮定すると、2020年から2037年ぐらいまでのお話です。
『今でもふと思う。あの数年間はなんだったのだろうかと。』
と冒頭に書かれていますが、本当にそう思います。特に子供たちにとっては大切な数年間が奪われたのですから。
ですが、死亡率が高く、感染力も強い時がありましたし、生きていればこそ『何だったんだよ!』と思えるんだよな、と複雑な思いになります。
冴ちゃんのお母さんの、明るくてサバサバしたキャラクターが好きでした。それでいて人が困っていることを汲み取るのが上手いという。
心晴ちゃんの家庭教師の樋口さん -
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私も優子と同じく親が移り変っていく、高校生の頃までそんな家庭であった。
この本を読み始め、最初は自分と同じ境遇の女の子の物語だと思って読んでいた。けれど読み終えて残ったのは「こういうのがいいな」という、純粋な羨ましさと憧れであった。
優子が複雑な環境でも歪まずにいられたのは、逃げていたからではなく、関わった親たちから無償の愛を受け取り、大切にされている実感があったから。否定されず、愛されることの温かさに私はとても強く惹かれた。
不器用で誠実な森宮さんの愛、棄てられることなく受け継がれていくバトン。
誰かと向き合い、未来を共有することの美しさを教えてくれた一冊であった。
私もバトンを託したい -
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表紙のイラストもノスタルジック
どの作家さんの話も良かった。
特に気に入ったのは、
坂本司さんの《手に取ってみろよ》
凪良ゆうさんの《小鳥たち》
一穂ミチさんの《歌うように生きて》は
驚きの展開だった。
本屋を舞台に、登場人物達それぞれの
恋愛や失恋、結婚、離婚など、様々な事情が
描かれている。派手な出来事はないけれど
淡々とした日常の中の、ちょっとした出来事が
丁寧に描かれていて、とても優しい気持ちになった。
今、本離れや書店の減少など、いろいろと
問題になっているけれど、町の本屋さん、
本当に頑張って欲しい。
(本屋さんは私の心のオアシスです!)
出版取次という仕事を、この本を読ん -
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ネタバレ登場人物がみんな優しくてあたたかい心を持っているからこそ読みやすく、読み終わったあともほっと安心する気持ちになるんですよね。
PMSやパニック障害を取り扱う題材で私も結構センシティブな病気をテーマにするんだなあ、とドキドキしながら読みました。
十分にパニック障害のことを理解していなくて、急な関係のトリガーではなくても、気づいたらふと急に発症してしまうんだ、そうするとずっとまとわりついてしまって、自分を追い込んでしまうんだ、と読んでいても血の気が引いてしまうような心配な気持ちになりました。
藤沢さんと山添さんと奇遇にもお互いを徐々にリスペクトし合いながら相手の病気の事情も含んで自分にはどん -
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家族の形が何度も変わる主人公を、応援するような気持ちで読み進めた。環境に翻弄されながらも、その時々の家族との関係を大切に育てていく姿が印象的だった。
そしてラストでは、主人公が自分の意思で未来を選択できたことに、心からほっとした。
この本を読む直前に、岸田奈美さんの『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」を読んでいたこともあり、「家族とは何か」という問いが自然と重なった。
さらに思い出したのが、岸田さんの本の中で紹介されていた、カメラマン幡野広志さんの「家族は選択できないものから、選択できるものになっている」という言葉だった。
NASAでは、打ち上げ時の特別室に入れる「直系 -
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4.3
思わずぶんぶーとこちらも口真似したくなってくる。
子どもをもったことはないけれど、おいでと呼んだら笑顔で走ってこられたら、それだけで子育ての辛いこととか吹き飛んでしまうんだろうなあ。
小学生時の頃になぜ親戚のおじさんやおばさんはいつも会うたびに、こちらをにこにこと見ているのだろうと思うことがありました。
きっと、私が忘れているだけで、おじさんおばさんの中にも小さい頃の私の記憶や、思い出が残っているんだろうな。
だから、私がモジモジしだす年齢になっても、モジモジしている姿さえもおじさんおばさんにとっては、大きくなったなあ、可愛いと思える姿だったのかも知れないと思いました。
たく -
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『そして、バトンは渡された』を読んでまず感じたのは、これは複雑な家庭環境で育った少女の物語ではなく、「家族とは血のつながりではなく、愛情を受け渡していくものだ」ということを描いた作品だった。
主人公の森宮優子は、幼い頃から親が何度も変わるという特異な環境で育ってきた。普通なら不幸な境遇として語られそうな人生である。しかし、優子はその境遇を悲劇として振り返ることはない。それぞれの親には事情があり、それぞれの親なりの愛情があり、その思いは途切れることなく次の親へと受け継がれていく。物語は現在と過去を行き来しながら、その理由を少しずつ明らかにしていくが、読者の心を動かすのは驚きの展開ではなく、愛情