瀬尾まいこのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
人の辛い部分を知り、自分と比べて「自分はなんて恵まれてるんだろう」って考えてしまうのはあまり良くないとは思うけど、正直な気持ちを書くと、そう思わずにはいられなかったです。
当たり前の生活が急に送れなくなるなんて、恐ろしすぎます。本当に、悲しい。それでも、その生活の中で少しずつ希望を見つけていく姿に胸を打たれました。私にはできない。
職場に、コミュニケーション能力に問題ありの若手の子がいるけど、その子がただの無礼な子なのか、何か抱えているのか、ふとそんなことを考えました。
たぶん、ただの謝れない子…なんだけど、でも、分からないな。本を読んでいろんな世界や可能性を知ることの大切さを改めて知る本でした。
恋愛感情とは何か違う、相手が必要であると言う気持ちも素敵だと思いました? -
Posted by ブクログ
コロナ禍を思わせる書き出し。小学3年生の2人の女の子の物語。名前が出てくるのがうしろの方なのでどちらの話しか分からないうえに、10年以上あとの話しに度々飛ぶので、最初の方は混乱してしまう。途中から理解し始めてからはスムーズになり、瀬尾さんのいつもの展開に読むスピードが速くなる。
冴は父親を早く亡くし、母は水商売。この母親が立派だった。嫌な事を自ら引受け、近所の手伝いも惜しみなく行う。小学、中学で母親の事でイジメにあった冴を助けたのは、母親と一緒に援助した男の子。高校で母親を亡くしたときも皆が冴を助ける。
もう一人の心晴はコロナ禍で学校が休校になったりした中で、同じ机を共有する友だちができ、この友だちと会える寸前で父親の感染防止のために学校を休まされて以降は学校に行けなくなった。教育熱心な母親とも心が通わない。そこに現れた謎の家庭教師の助けにより、高校、大学と通信教育で学べた。
この二人の出会いは23歳の就職活動。交わることの無かった二人の関係が、深化するごとに好転していくのが嬉しくなってくる。二人だけでなく、周囲も巻き込んで幸せになって行き、読後も暖かい心持ちになる。 -
Posted by ブクログ
こういった、決して恋愛関係ではない男女の不思議で穏やかな関係にどうしても惹かれますね。
自分のためではなく自分以外の誰かのためにできることがあるということが、自分の力になってくれる。
外見で判断できない何かしらの悩みを抱えた人は多いと思います。このお話の場合はそれがPMSとパニック障害ですが、それ自体の重みはもちろんある上で、そこから派生する孤独感が一番つらいのではないかなと個人的に思います。分かってくれる人がいないというのは、寂しいことです。奇妙な関係ではありますが、自分の痛みや苦しみを理解しようとしてくれる人が1人でもいるということも主人公2人の、特に山添くんの拠り所になったのではないかなと思います。
物語自体は夜明けが訪れる前に終わりましたが、こういった終わり方は個人的に好きです。
主人公2人が物語のための登場人物として描かれるのではなく、ただ彼らの人生の一部を切り取って物語として見せてもらえただけであって、物語が終わった後も彼らの人生は続いていくような、そんな感じがあります。
読んだ後少しやさしくなれるお話だと思いました。 -
Posted by ブクログ
PMSを抱える藤沢さんとパニック障害を抱える山添くん。それぞれの視点から交互に物語が描かれます。自身の心と身体の問題に苦しむ主人公たちはお互いの苦しみをしることで、徐々に心の持ち方に変化がおとずれます。また、それぞれの心が持っていた長所が互いに影響を与え、過去・現在で関わりのある人達からの陰ながらの祈りも主人公たちを支え、背中を押してくれます。自分のことで精一杯だった彼らが、互いの為になら、自身の問題をとびこえていく。そんな姿勢にも力をもらえます。藤沢さんと山添くん。これから2人がどのように成長し、お互いどのような関係になっていくのか、ワクワクします。
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ネタバレ「夜明けの前が一番暗い」その言葉に励まされた。
瀬尾まいこの本を読むのは初めてだ。この話は、本当に大きな事件らしい事件も起きず淡々と進んでいく。お守りの謎も最後まで引っ張ることなく、あるときすんなり送り主がわかる。最初はそれに少しの不満もあったが、なぜか読めば読むほど引きつけられる。
最後には、自分の気持ちがとても前向きになっていることに気づいた。私も精神疾患を患っているが、それだっていつかなんとかなる、少しずつ試せることは試してやっていけばいい。そんな気分になってきて、読み終えた満員電車の中で安心感に包まれた。自転車に乗れた山添くんのように。
自分のことで気づかされたことも多かったし、本当に薬のような物語だった。たまにはこういう読書もいいなと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ他人の方が自分のことを 案外知ってるんだな
自分をのことを知ろうとする前に他人のことをわかろうとしてしまうんだな
いいことか悪いとかではなくて それに気づくこと
他人の気持ちがわかると思っていた主人公が他人の気持ちがわからない存在に出会う。
そこで関係を切るのではなく相手に寄りそう姿勢が面白いなと思った
自分が質問のボールを投げても相手が投げ 返してくれないような返答 ばかりでもそれでも少しずつ なんとか ボールが届くように努力する姿は微笑ましく 自分も一度きりのボールを投げて受け答えてもらえなくても主人公のようにして振る舞ってみたいなと思った -
Posted by ブクログ
ネタバレこの『私たちの世代は』は、感染症の流行(コロナ禍)により小学校生活の制限を受けた「マスク世代」の2人の少女、冴(さえ)と心晴(こはる)が大人になるまでの成長を描いた物語だ。
2人が小学3年生の春、未知のコロナウィルスの流行により、学校が長期休校になる。冴は父を亡くし、母と2人暮らし。明るい母のもとでたくましく育つ。また心晴は私立の小中一貫校に通う。休校をきっかけに学校へ馴染めず不登校になる。
2人の物語がパラレルに進むが、冴は、今度は病気がちだった母を亡くすという大きな悲しみに直面するが、互いに支え合ってきた男子生徒との絆を糧に強く生きていく。
一方で心晴はネット仲間のカナカナとの交流や家庭教師との出会いを通じて少しずつ外の世界と向き合い、自らの意思で歩み始める。
物語の中盤まではこの二人には接点がないのだが、10年以上が経過したのち、冴と心晴は、ある企業の採用面接の会場で偶然顔を合わせ、お互いが気になる。そして同じ時期に制限された子ども時代を懸命に過ごしてきたことを知り、思いを共有する。またある不思議なことが点と点が一つに繋がっていき、二人ともそれぞれの未来に向かい歩き出す…
『私たちの世代は』というタイトルは、これからの未来に向けて『新型コロナウィルスにより、様々な制限があった(世代は)…』という意味合いを含むのかな。立場も環境も異なる2人の視点が交互に描かれ、就職活動での出会いに向かって交錯していく流れがなかなか面白かった。
(ふたりは別々の仕事を選ぶが)
コロナの困難に直面しても、だからこそ出会えた人たちもいるという前向きな気持ち。他人にあたたかい手を差し伸べる周りの人に育まれ、成長してきた二人のこれからの幸せを祈りたくなるようないい小説でした。