瀬尾まいこのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ第一章はみちるがいじめに加担してしまった後悔とまた新たにいじめが始まるかもしれない予感で包まれていましたね。一章ではいじめが始まる予感程度だったが、第二章からは本格的にいじめが始まるようになってしまいました。しかも、「このままではダメだ」と訴えたみちるがいじめられるようになってしまった。事態が深刻さを増していく章だったように思えます。第三章はみちるがいじめに心が折れ、学校に行くのをやめそうになる話でしたが、父親に頼っていいことを学んだ彼女は、学校に通い続けて戦うことを決意する流れが綺麗でした。第四章は、優子が教室ではない場所に身を置いて、安全な場所で過ごす上で感じた怠惰な気持ちが描写されていま
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Posted by ブクログ
私はもともと教師になりたくて大学時代は教職を取った。学校という世界だけでは自分の視野を狭めるのではないかと一般企業に入ったが、そのまま教師になることなく今に至っている。
本書では瀬尾まいこさんの教師として経験した日々(学生時代もチラホラあるが)を書き綴ったエッセイである。多くの生徒や同僚の教師、保護者との関わりが今の瀬尾まいこを作り上げていることが分かり、そして何より文体や出来事が温かい。読めば読むほど教師としてのやりがいや喜びの一端を感じる。辛いことも多いことは言及されているが、それでも尚、教師という職業の素晴らしさが伝わる。特に好きなエピソードは『T先生』『図書室の神様』。
教師という道も -
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Posted by ブクログ
2024/11/17
瀬尾まいこさん入門編の本。(とあとがきに書いてありました笑)
とても読みやすい3つの短編からなるお話しです。
一つ目の話は、おそらくこのタイトルと1番関連が深いものだと思うのですが、通勤途中に駅で自分のことを探している喋ったこともない鈴木千波という大学生の女の子からもうアプローチを受けて、付き合うことになった永井タケル。千波の家に行くと、何で彼女が猛アプローチをしていたのかが明らかになる。
家族も巻き込んでみんなで音楽がきっかけで打ち解けていくようになるのだけど、何でそうなれたのかは読んでみてわかるので割愛。
二つ目の話は、不倫してる女の人の話。ある日不倫相手の平太と本妻 -
Posted by ブクログ
訳あって何人もの親がいる優子と、いまの優子の父親である森宮さんの今を軸にした物語。
優子の高校生活は平凡そのもので、決して大事件が起こるわけではないものの、小さないざこざやそれに向き合う優子や友人の心の動きが手に取るように分かり、古傷がチクチク。
その合間に描かれる優子の生い立ちは、平凡な高校生活とは対照的にダイナミックで、読み応えがある。
そして、何よりの魅力は、いつの間にか、通奏低音のように、その全てが大きな優しさに包まれていたことに気づいた瞬間の心地よさ。
瀬尾さんの小説はいつも優しさに溢れているけれども、この作品も例外ではなかったです。
夢中で読み進め、読み終えた瞬間はふと涙が