瀬尾まいこのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
優しい人たちの、優しい物語。
初登場時、女子校生である主人公は、フィクションの世界でもそうそう目にすることができないすごい過去、そして現在の生活を生きている。
しかも、その過去、現在の暮らしはおおむね不幸と結び付けて語られることが多いものだ。
ところが、当の本人はそう感じていない。
あまりにも波乱に満ちた人生で、主人公のメンタルが鍛えられたというのももちろんあるだろう。
しかし、それ以上に大きいのは、主人公の人生を一変する原因となる人たちがみんな優しいことだ。
誰もが主人公のことを愛している。
そんな、優しい世界の、優しい人たちの物語。 -
Posted by ブクログ
《人は人との関わりの中で成長していく》
「あと少し、もう少し」のスピンオフ。
以前「あと少し、もう少し」を読んだ時に、みなさまのレビューとコメント欄で教えて頂いた作品です✧*。
その節はありがとうございました♡
今年の新潮文庫の100冊には選ばれていなかったのですが、無事GETしてきました(σ´∀`)σゲッツ!!
タイトルに「夏」が入ってるので夏の間に読みたくて!なんとか滑り込めました⊂('ω'⊂ )))Σ≡
金髪にピアスでふらふらしている俺が先輩の子どもの面倒をみる羽目に。何とかひと夏を乗り切ろうとする16歳の出会いと別れの物語。
これは良すぎた…!
夏の空気と子どもの成長と、主人公の心の変化がじわじわ沁みてきて、最後にドッバー(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
幼い子どもを育てている今読んだからこそのこの破壊力!!!。゚(゚´ω`゚)゚。
現実の育児って、なかなか子どもの成長を愛でる余裕ってなくて。
でもこの物語は子どもの成長をその瞬間にしか見られないものとして、丸ごと味わうことの尊さを、ものすごく静かに突きつけてくる感じがあって。
私も彼みたいに戸惑いながら、悩みながらも子どもの成長を楽しめる親でありたかった。゚(゚´ω`゚)゚。
てか!16歳!育児うますぎない?
母である私よりも人間力高いし!!!
誰も勝負してないのに、なんか勝手に負けた気分になる←
子どもの成長を見守っているようで、実は大人も一緒に成長させてもらってるんだよなぁ、としみじみ感じた。
私も気付いてないだけで、子どもに成長させてもらってるのかな。
元料理人の夫によると、料理はうまくなったらしいけど←
タイトルも読み終わってから改めて見ると沁みる…!
まさに今出会えてよかった1冊です✧*。
でも子どもが大きくなって再読したらそれはそれで味わい深い1冊になりそう( ᴗ ̫ ᴗ ) -
Posted by ブクログ
読後にほっこりと心が暖まる3つの短編。表題の『夏の体温』は入院中の小学3年生の男の子たちの短い出会いと別れの物語。子供の時間の流れと密度は本当に大人のそれとは全然違うのだろうと思う。だからこそ瑛介と壮太の過ごした病院での夏休みは生涯忘れられない宝となっていくことだろう。退屈な病院の中でも楽しいことを探して遊ぶその好奇心とか創造性とか、かつての私たちも持っていたのだろうか…?そんな気もするような、忘れていたものを思い出させてくれたような気分になった。
大学生の女子が小説のアイデアのため、腹黒いという意味のストブラという異名で学内で呼ばれている男子に接近して話を重ねていくうちに友達になっていく『魅惑の極悪人ファイル』も面白かった。ユーモラスでありつつも切なさや若者ゆえの青さを包容する優しさがあってほっこりした。最後の『花曇りの向こう』は短いけれど、中学に進学したばかりでなかなかクラスメイトと仲良くなれないぎこちない空気のなかで、僅かにふれあってこころが開き会い始める喜びの瞬間が描かれていてとても良かった。リアルに人と人が出会ってふれあうことっていいなぁとしみじみ思いました。