瀬尾まいこのレビュー一覧
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ときめきはないけれど穏やかな婚約者との日常に、突然現れた見ず知らずの「兄」。本作は、封印していた過去の記憶に、他者との出会いを通して新たな光を当てていく物語です。婚約者が見せる、静かでありながらも確かな優しさが、頑なだった主人公の心をゆっくりと解きほぐしていく。そんな温かい心の機微が、深く胸に響きました。
特に、かつて住んでいた土地を婚約者が表現する場面は最高に良かったです♪主人公自身、そんな風に感じたことすらなかったその場所が、他者の視点を経ることで、かけがえのない大切な場所へと生まれ変わっていく。重苦しいだけだと思っていた過去の記憶が、未来を照らす温かい光へと変わっていくその瞬間は、読み -
Posted by ブクログ
自分や他人のために一生懸命頑張る生徒たちの姿は本当に微笑ましく可愛らしく輝かしい。
自分も教員になったとき、進路指導をしたいだとか、古文の面白さを伝えたいだとかいうことも思っていたけれど(今も思っているけれど)、今はそれ以上に、生徒と一緒に成長したいという気持ちの方が強い。「教室という仕事」の章を読みながら、自分が教員を目指したときのことを思い返していた。
そんなんだから〜とかつい言っちゃうけれど、学校という場でせっせと大きくなっている生徒たちは本当にキラキラしていて、そんな生徒たちと毎日一緒にいられる仕事は、やっぱりすばらしい、と思った。 -
Posted by ブクログ
穏やかな時間が過ごせるような物語が
読みたいなぁ と思っていました。
書店で探していると
紙飛行機が沢山飛んでいる中
子供達が手を繋いでいる優しい色彩の本を
みつけました。
瀬尾まいこさんの作品!
夏の体温
とても穏やかな気持ちで本を開きました。
全三遍の物語はどれも瀬尾まいこさんの
温かい世界観で溢れていて思っていた以上に
穏やかな優しい色彩を感じられる物語でした。
最初の 夏の体温
ずっと瑛介君の優しさを感じながらの
時間でした。自身の事で沢山の痛みや不安が
あるのに、こんなにも思い遣りをもてる強さ。
壮太君と超楽しかった時間を過ごせて
良かったです!
入院して何時 -
Posted by ブクログ
友達。
いつ、どこで、どんな人と、
友達になるかなんて誰にもわからない。
身長が違ったって、見た目が違ったって、
年齢が違ったって、性別が違ったって。
なにかきっかけがあれば誰とでも友達になれる。
自分はそう思ってなくても相手は友達と思っていてくれることだってある。
いつどこで″友達″になれる人と巡り会えるかを、考えるとなんだかわくわくする。
個人的に代表作の《夏の体温》が面白かった。
病院の中での話で低身長の検査の辛さとか、瑛介がいつ退院できるかわからないのに病院で過ごさなければいけない辛さとかは苦しい気持ちになったが、壮太との出会いから始まり、楽しい時間を過ごしてる姿が本当に心温かか