瀬尾まいこのレビュー一覧
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本当にめちゃくちゃ良かった。
読んだあと、今を受け入れて進むということの本当の意味に気づかされた。
今のままで十分だって自分を納得させられるところが、自分にもきっとある。
それは自分を慰めるような意味じゃなくて、本当に今のままの自分にちゃんと素敵な部分があるんだってこと。
自分ではなかなか気づけないけど、良い部分がきっとあるんだと、心から思わせてくれる物語だった。
それを踏まえて、それがあればまたちょっと先に進むこともできるんだと、温かいエネルギーをもらった。
そして、店長のキャラが最高。
最初に登場したときは「いくらなんでもこのキャラは好きになれるか不安…」って思っていたのに、読み進めるうちにむしろ一番好きなキャラになってた。
空回りすぎてユーモラスになるほどの不器用さが愛おしくなるほど。
だからこそ、その後の掌編『アフターデイズ』がめちゃくちゃご褒美感。
彼らのちょっと進んだ日常が読めてこれ以上ない幸せな余韻を感じられた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ最後のページを読み終えたとき、なんか幸せだなーと思った。瀬尾さんの作品は2作目!ドキドキハラハラな展開とは違うけど心が温かくなるお話でとても好き。
親が替わると聞くとだいたい可哀想なお話かなと思うのだけど、全然違った
それぞれの親がその人なりの愛情を注いでくれる
後半は自然に涙がこぼれた
号泣ではなく、ハラハラと
好きだったシーンは大家さんとのエピソード
妙におとなびた子どもだなと思っていたけれど川でこっそり泣いてたのを読んで胸がギュッとなった
家族の愛がバトンを繋いでいったのだな
優子、幸せになってね!と思わずにはいられない -
Posted by ブクログ
ネタバレ誰かと一緒に音楽を奏でたくなる、そして人に接したくなる一冊。
カフェで見つけ、短いし、息抜きに良さそうだと思い読んでみました。さらっとして、楽しげな文章で読みやすく、小一時間ほどで読めてしまいました。
神こと渡部くんとのやりとりも面白かったですが、何より、ホームの入居者さんたちとのやりとりが微笑ましかったです。主人公が彼らのために、悪態をつきながらも、差し入れの品を考えて渡したり、ウクレレを練習したりして、楽しみながら積極的に関わっていく様は、こちらまで嬉しくなりました。
作中に出てくる楽曲も話に合っていて、とてもよかったです。特に、グリーンデイのWake me up when September endsの歌詞とのリンクが素敵でした。
「無邪気じゃいられない。9月になったら起こしてくれ。」は主人公に、そして、「記憶を失っても、何を失ったかは、決して忘れない。」は彼と関わった入居者さんたちに繋がっています。
そして、最後の手紙はうるっときてしまいました。
主人公の演奏は、思ったのと違う方向、その恥ずかしさでですが、確かに1人の人の心を動かしていました。
この作品からは、音楽と人とのつながり、誰かのために楽器を弾き、歌うことの楽しさが詰まってきました。
この主人公が楽器を続けていたのは、自分の才能を示したいとか、本気でプロになりたいとかではなく、誰かと楽しい時間を過ごしたい、初めてバンドを組んだ時の青春をもう一度味わいたかったからなのでしょう。
そんな主人公と本庄さんとのウクレレ練習はまさに青春を感じました。ラストで、記憶を失っても、演奏の楽しさは忘れなかったんだなと、やっぱり少し泣いてしまいました。 -
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あの時から世界が一気に変わった。一人でも何不自由なく生きていける世界になった。いや、元からそうだったのかもしれないがそれに慣れて逆に人と関わることが難しいと感じてしまう、一人の方がどうしても居心地が良くなっている。
町から人が消え、その分携帯の中に人が溢れている当時の異様な光景。SNSで簡単に人と出逢えること。その分簡単に離れることが出来てしまうこと。目に見えないウイルスだからこそ人々がピリピリしていること。『やっぱり他人より自分』それだけが目に見えて怖かった。誰も悪くないからこそ誰も責めることが出来ないからこそぶつける所がなくやるせなかったこと。これから先一生忘れることはないと思うし、忘れてはいけないことだと思います。
幼少期から学生卒業までの時間は人をつくる一番大事で重要な時期だと思う。
よく、「今の若い子は~~」と悲しい言葉を聞くとがあるけど、そらそうだよな。そういう言葉を吐く大人たちは当たり前だと思っていたことが当時の子達はあたりまえなんかじゃなかったのだから。
人生の中で一番と言って良いほど大事な時期を家に閉じ込められ人との交流が出来ない状況で生きていなければならないこと。凄く心が痛かったです、その中で一生懸命自分を探しながら生きている子供たち、この先生活していくうえで生きづらいと感じることもあると思います、それでも生きていかなければならない、働かなければならない、そんな子どもたちを私は尊敬します。大人たちは少しでもそういう子達が生きやすく、働きやすくなる世界を一緒に作っていかなければならないのではないだろうかと思いました。
凄く考えさせられるお話でした。
始めは私の読解力がないため、時系列と人物がゴチャゴチャになってしまったりしたけど、読み進めるうちにいろんなことが繋がっていく感じもまたすごく面白くて気持ち良かったです。
出会えてよかったお話でした -
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シングルマザーであり、自身の母親との関係性の自縛に囚われながら過ごしている美空。一人娘のひかりはとても明るく、時に母である美空を元気付けるようなはっとするセリフを口にする。何に対しても、遠慮がちな美空は、幼稚園の周りのママ友にも気を使い、自身の母にも気を使い、とても生きづらさを感じながら過ごしていた。
フラフラと結婚してフラフラと外に出て行った美空の夫の弟である颯斗は、どうせ愛車であることをカミングアウトしながらも、兄の贖罪を果たすが如く美空と光の世話をする。
美空の母が、美空に対して愛を与えず育てていたが、それを最大の愛と解釈し、美空にはずっと金を無心し続けていた。
美空も周りに頼れる人がいない中、ようやく1人心の内を話せるママ友に出会ってから転機が訪れる。
登場人物のみんな一人ひとりがどこか1つ、生きづらい悩みを持っているような気がして、生きづらさの中に、必死にもがく姿、何とか心の平静を保とうとする姿に心打たれる。
特に最後、美空と母が会話するシーンがあるが、美空の名前の由来と、美空が、自身の子供をひかりと名付けた由来を聞いて、心がとても暖かくなった。 -
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ルイーズ吉田は占い師。実はいいかげんな占いだけど、よく当たると評判。
営業時代に培った記憶力と直感で相談者の悩みを聞き、適当なアドバイスを送るだけで客は満足して帰ってゆく。
ルイーズにはあらゆる占いで「強運の持ち主」とされる恋人・通彦がいる
そんなルイーズの元には、時おりちょっと変わった依頼もあり…。
落ち込んだ時、だれかに話を聞いてもらって、背中を押してもらう。それだけで、ちょっとだけ勇気がでるのです。
それは占いでも相談(最近ではAIに)でも、結局は同じことなのかもしれない。
人って結局、自分以外の誰かに話を聞いてもらえて、「大丈夫だよ」って言ってもらいたいんですね。それだけでほんの少し元気になれる。
「強運の持ち主」は、誰かに「大丈夫だよ」と言ってもらえるような、あったかい物語でした。