瀬尾まいこのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
2021.10.20
★5.0
「あと少し、もう少し」の2区を走ったヤンキー大田くんの高校生になったある時のお話。ひょんなことから知り合いの頼みで、1歳の鈴香の世話を任されることになる大田くん。
鈴香と一緒に過ごすひと夏の経験を通して大きく成長する物語。
最初はあたふたしたり、周りの目を気にしすぎたりする大田くんだったけど、鈴香と接してるうちに鈴香のことを第1優先に考えてる姿に涙ちょちょぎれた。人が成長するのを見るってすごくいい。ラストはちょっと切ないような寂しいような感じがしたけど、決意というか前向きな姿が見れて良かった。
大田くんの人柄がすごくいい不器用だけど優しい。
あと少し、もう少しのすぐあとに読んでよかった。
✍︎「あと少し、もう少し」どこかで苦しいそんな願いをもてるのはきっと幸せなことだ。
#さとの本棚 -
Posted by ブクログ
ネタバレ思わずバスの中で涙が出るほど心に残る作品だった。優子が多くの人に愛されながら育ってきたことに感動し、「こんなに愛されて育ってくれてよかった」と感じた。
特に印象的だったのは、最後に優子がバージンロードを歩く場面で、隣にいるのが森宮さんだったことだ。この描写から、血のつながりではなく、「旅立つ場所も、この先戻ってくる場所も森宮さんのところ」だという言葉がすごく感動した。物語の終盤は森宮さんの目線で描かれていることで、彼の優子に対する深い愛情がより伝わってきて良かった。
梨花さんも想像以上に優子のことを大切に思っていたことが印象的で、愛情の深さに驚いた。
現実ではなかなかないありえないかもしれないが、とても温かい物語だと感じた。
物語の中でも特に印象に残ったのは、「親になること」について語られる場面である。梨花さんはそれを「明日が二つになること」と表現していた。
314ページ
「自分の明日と、自分よりたくさんの可能性と未来を含んだ明日が、やってくるんだって。親になるって、未来が二倍以上になることだよって」
と森宮さんも、優子と暮らす中でその言葉を実感していた。
「自分のと、自分のよりずっと大事な明日が、毎日やってくる」
この場面を読んで、大切な人ができるということは、自分の人生だけでなく、その人の未来も一緒に考えていくことなのだと感じた。その考え方がとても素敵だと思った。
また、自分もそのように大切に思われている存在なのだとしたら、失敗を恐れず、さまざまなことに挑戦し、経験を積んでいきたいと感じた。
-
Posted by ブクログ
結婚を間近に控えた望月さくらのもとにある日兄を名乗る年下の男の子が現れる。まったく覚えのない(しかも年下の)兄にさくらは戸惑うもいつのまにかこの「お兄さん」のペースに巻き込まれて自然と心を許していく……と同時に過去のトラウマが顔を出す……。
再読。何回読んでもお兄さんの自由な振る舞いが可愛くて癒やされる。
瀬尾まいこの作品に出てくる男性って良い意味で現実味がなくて好き。生臭さがなくて掴みどころがなくてどこかおとぼけてて。こんな人がいたら絶対に仲良くなりたい!実際に見ず知らずの男から意味不明な理由で付きまとわれたら恐怖以外の何物でもないけど、さくらがお兄さんに心を許してしまうのもわかる。
引きこもっていた時期のことを鎖国と呼んだり和菓子屋に嫁ぐさくらのことを団子屋の一味になると表現したり言葉選びがユニークなのも面白くて好き。無駄にお姑さんに対抗意識を燃やしながら料理を作るシーンは笑った。
とりたてて大きな出来事が起きるわけじゃないんだけどじんわり心が温かくなるお話でした -
Posted by ブクログ
「仕事が大事だとか未来だ夢だ責任だとか。だけどさ、僕はここで二十年以上働いているけど、驚いたことに今まで目の前の命より大事なものなんて見たことがない。たった一度もだよ」
「亮太、どんな時だって食べなきゃもったいない。明日、お前のほうが食べられなくなるかもしれないのに」
「神様が乗り越えられる試練しか与えないって」
「もちろん。まあ、私はずいぶんと神様に過大評価されてるけどね」
「でも、昨日本を探してる時さ、すごいわくわくしたんだ。この本読んだら小春どんな顔するだろって。そしたら、もっといろんなことを小春に教えたいと思った。読んだことのない本とか、見たことのない景色とか、食べたことのないものとか。そうそう、ケンタッキーに新しい種類のチキンが出たんだよ。それだって食べさせたいし。とにかく俺の知らないことを小春がたくさん見せてくれたように、小春が知らないものをたくさん見せたいんだ」
「でも、これだけ種類があるってことは、明日のご飯はどれをかけようか楽しみになるね」
「本来三人の子どもに注ぐはずの愛情を、イエス一人に向けるんだから。イエスは重くてうんざりするだろうし、そのせいで何回もどろどろするだろうし。しかも、子どものためにも一緒にいなきゃっていう重しもないからなあ。イエスニ回は浮気するし、そのうちはげるし太るしだらしなくなるし大変。だけど、それでも、イエスだけに気持ちを注いだっていいんじゃないかなって思う。そんなことを、手術中ひたすら考えてたんだ」
「入院して思ったんだ。会いたい人とか一緒にいて楽しい人って何人かいるけど、でも、いろんなことを平気にしてくれるのはイエスだけだって。イエスがいたから点滴なんて朝飯前になったし、あんなに恐ろしいって思ってた手術も余裕だった。なんでも大丈夫にしてくれるのはイエスだけだよ。そう思ったら十分一緒にいる意味がある」 -
Posted by ブクログ
関西のボケとツッコミが日常にあふれていて、ものすごく面白いし、人情味があって暖かい話だった。
自分も3歳下に弟がいる。自分はどちらかというと、兄のヘイスケタイプだと思う。以前は、一生懸命人を笑わそうと考えても弟のほうが面白いし、弟は自由だなと思う事もあって、兄のヘイスケの気持ちがわかるような気がした。
でも、周りの人は、実は、差別しているつもりもないし、同じだけ愛情を持ってくれてると今では思う。同じ人間は、いないし、それでいいんだと思う。
私も、ヘイスケのように暖かく迎えてくれる故郷があるのも、ありがたいし、母、姉、弟にも感謝です。
そして、妻、二人の娘にも感謝してます。
みんな、ありがとう。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ平成19年生まれ。私たちの世代だな、と染み染み
出てきたような境遇に立ったことも、立っている子に出会っていないことは、幸か不幸か。
わたしが就活のときには、これだからマスク世代は…と言われてしまうんだろうか。
久しぶりの読書で視点転換についていけず老いを感じつつ、瀬尾さんの書く文章が優しくて読み切れた。
すぐに読み返したい気持ちと、読み返すのは勿体無いと思う気持ちの間で揺れてる。かなり迷う
冴ちゃんのお母さんのこと好きすぎて、当たり前にぼろぼろ泣いてた。
恩を感じている蒼葉と、純粋な恋愛感情の冴ちゃんのすれ違いがむず痒かった。お互いがお互いを大切に思っている事実は同じでも、ずれているような、ずれていないような。
家庭環境の違いは、世界の違いと言われると一理ある気もしてくる。同じ学区に住んでいるのに。
コロナ禍の教育現場を題材としながら、所謂“親ガチャ”も表現されている作品だった。
親から受ける愛情が経験である、という新しい視点を手に入れた。他人から与えられることでしか手に入れられないものは、一生手に入らないのかな。
蒼葉くん、わたしの旦那にならないか? -
Posted by ブクログ
とても、清々しく明るく希望をもてる作品でした。
「あと少し、もう少し」を読んだ後、サックスが上手な渡部くんが出てくる「その扉をたたく音」を勧められて読んでみた。
介護士として働いている渡部くんと、ミュージシャンの夢をだらだらと追い求めている宮路くんの話。
夢を少しあきらめているような青年がしっかりと信念をもつ青年と出会い、心を動かされていく。
また、老人ホームで出会った老人たちと関わりあい自分の夢に向かっていくような気持ちになり、老人たちにも希望をあたえる存在として成長していった。
最近になって、私は、これをやっていこうとすることに出会い挑戦することにした。この主人公のように前向きに夢や希望を持って生きていこうと思う。まだまだ、これからです。