瀬尾まいこのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
うう…泣かされました。号泣です。嗚咽です。
心を震わせる、涙腺を刺激するストーリー。それもわざと「泣け泣け」という感じではないんだよね。淡々と感情表現を抑えた筆致なのに泣かされる。不思議だ…。
でも、もちろん不快ではなくて。押し付けがましくないからこそ、とっても爽やかで、好みドンピシャでした。
瀬尾作品は小説はこちらが初読みなんだけど、なぜ今まで避けてきたんだろうと少し後悔するくらい。
嗚咽が我慢できないくらい号泣したのは「ランクアップ丼」です。少しネタバレすると、ちょっとネグレクトされたっぽく育った主人公の話なんだけど、母親への恨み言のようなものがほとんどない。もちろんらネグレクトは -
Posted by ブクログ
話題の作家のエッセイ。
本作を読んでいて気づいたんだけど、私、この作家さん初読みでしたわ。
もっと情緒的な文章やテーマを扱う方なのかと思っていたんだけど、感情的になりすぎず、なんだか飄々とした視線で自分の受け持つ中学生たちを描く、軽やかな文体でした。
解説によると「教える人、という立ち位置で、上から目線でなくフラットに学校のことを書くのは、実はとても難しい」んだそう。これを読んでハッとしたんだけど、そうなのよ、上から目線じゃないの、まったく!!
それが読んでいて心地よく感じさせるんだろうなーと思う。
ぜひとも小説も読まなくてはと思いました✨ -
Posted by ブクログ
瀬尾まいこさんの小説の中で、この作品は毛色が違う気がして後回しにしてしまったが、これはめちゃくちゃ面白い!傑作だ!
大阪弁のテンポが小気味よくて、会話がとにかく面白くずっと笑ってた。
瀬尾まいこさんはお笑いのセンスが抜群だなあ。
特に、『疲れたから屁こいて寝る』のくだりは、面白すぎて声出して笑ってしまった。
戸村飯店の次男コウスケは、単純でわかりやすい愛されキャラ。
兄のヘイスケは、器用で要領がよく、女の子にモテるタイプ。
全く真逆な二人だから、仲が良いわけでもなく会話もほとんどない。
大阪と東京に離れて、自分を見つめ直すうちに、お互いを認めて歩み寄っていく。
原点から飛び立って行くコウスケ -
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Posted by ブクログ
ネタバレ初めは嫌な主人公だと思ったし、なかなか適当な考えで生きているやつだなあと思ったけど、文芸部の顧問として1年をすごしていく中で、少しずつ、確実に変わっていく姿をみてなんだか元気を貰えました。
淡々とした口調で主人公の気持ちが語られるから、なんだかするすると読めるけれど、自分の置かれてる環境で燻ったりせずに成長しているのはとてもすごいことだと思う。たくさん悩んで悩んで辛い事があっただろうし、お墓参りを欠かさず行っていることからも、主人公の性格が読み取れる。それはそれとして友達にはしたくないタイプかな……
垣内君とのお互いに踏み込みすぎない感じや、主人公の生徒との関わり方が面白かった。結局垣内君