瀬尾まいこのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
読後にほっこりと心が暖まる3つの短編。表題の『夏の体温』は入院中の小学3年生の男の子たちの短い出会いと別れの物語。子供の時間の流れと密度は本当に大人のそれとは全然違うのだろうと思う。だからこそ瑛介と壮太の過ごした病院での夏休みは生涯忘れられない宝となっていくことだろう。退屈な病院の中でも楽しいことを探して遊ぶその好奇心とか創造性とか、かつての私たちも持っていたのだろうか…?そんな気もするような、忘れていたものを思い出させてくれたような気分になった。
大学生の女子が小説のアイデアのため、腹黒いという意味のストブラという異名で学内で呼ばれている男子に接近して話を重ねていくうちに友達になっていく『魅惑の極悪人ファイル』も面白かった。ユーモラスでありつつも切なさや若者ゆえの青さを包容する優しさがあってほっこりした。最後の『花曇りの向こう』は短いけれど、中学に進学したばかりでなかなかクラスメイトと仲良くなれないぎこちない空気のなかで、僅かにふれあってこころが開き会い始める喜びの瞬間が描かれていてとても良かった。リアルに人と人が出会ってふれあうことっていいなぁとしみじみ思いました。 -
Posted by ブクログ
2026/08/15
若いときに兄を亡くした高校生の葉山と、高校の同じクラスで米袋ジャンプという競技をきっかけに話すようになった上村の2人の物語を描いた本。
クラスでもずっと浮いていて誰とも話さない根暗の極みみたいな葉山は、上村という対極的な存在の人間と交流することで色々な新しい世界に身を投じていくことになる。
2人の人生の過程が描かれるのだが、この本の中で特に大きな何かが起こる訳ではなく、まあ、人生の中でこういう苦難とかには出くわしたりするよなぁ…みたいな感じなのだけど、話がストンと落ちてきてどんどん続きのページ、先のストーリーが気になるような不思議な感じになれる。
とにかく瀬尾さんの小説は安心して読むことができ、読後感もとてもあったかい感じになれるのでオススメです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ良かった。
最後にあれだけ泣かされるとは思ってなかったけど…
バラバラのようでいて、心の奥でちゃんと繋がっている。
誰も無理をしない、こういう家族の形もいいかもしれな
いと思った。
お父さんを辞めるという感覚も、なんとなくわかる。
直ちゃん同様、役割やら世間の”普通”から離れた結果、
自分自身や家族、環境を見つめる機会になったのかな。
選択肢があって、それが許される贅沢な環境は少しだけ
羨ましいと思った。
大浦くんの手紙が、声が聞こえてきそうなほど彼らしい
手紙で、ちょっと笑えて、とても悲しかった。
ヨシコもいい!姑に取り入ろうとするヨシコには注意
するよう母親に言う佐和子が面白い。
少し元気になった様子が窺えて嬉しかった。 -
Posted by ブクログ
テーマはものすごく重い⋯
昭和までのいじめは、どちらかと言うと家柄だったり体格や性格などで、方法も見えているところでやっていた(椅子に画びょうを置く、本人に向かってデブやブスと言い、なぜか男子VS女子の対立に発展)と違い、最近では誰が標的になるか分からないので、皆がおとなしく矢が飛んで来ないように身を潜めている
みちると優子はそれが出来なかった
小6〜中3迄を2人の視点から交互に描写され、学校(クラス)を良くするにはどうするべきなのか?
解決は出来ず、みちるは居続けたが、優子は逃げ出した
それでも2人は互いに認め合い離れずにいた
2025/1