瀬尾まいこのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
誰かのために料理をつくるすべての人に、心から贈りたい1冊です。
私の父母はずっと仲が良い夫婦だったのですが、歳をとって一緒にいる時間が増え、身体の自由も効かなくなってきて、少しずつお互いに怒りっぽくなってきています。料理上手な母が味が濃くなる度に父に小言を言われて落ち込んでいるのを見て、この本を贈りました。いつも家族のことを思って料理を作ってくれてありがとうという気持ちを込めたつもりです。
この本は料理がテーマですが、一方で父も高齢の母を心配して手伝おうとして、逆に嫌がられて落ち込んでいることもあります。父も母も、小憎らしいところもあるけれどどこか憎めない、この本に出てくるお年寄りたちと同じ愛らしさに満ちています。
読んでいて大切な人を思い出して何かしてあげたくなる、不思議な力を持った小説だと思います。 -
Posted by ブクログ
人が喜ぶのが見たくて 美味しいものを作る中森百合(リリー)
料理は本当は好きじゃないけどって…
好きと料理が上手はイコールじゃない に納得。
しかしながら
リリーの作る数々の料理や作るときのコツ
めっちゃ参考になった。
リリーは両親の離婚のとき 母親に選ばれなかった
というトラウマがずっと心にあり、
自信の持てない人生を送っているが
料理を通じて周りを幸せにしている
めちゃくちゃ凄い人!
離婚のとき離れた妹とのやり取り
この伏線も大事なストーリーの要になっている。
私の中では、
バイトしてた食堂あらきを最後まで訪れてくれなかったのが残念。
きっとこの後 行ったよね?
瀬尾まいこさんの作品らしい人物がたくさん出てきて、
口が悪かったり何となく周りと距離を置いてしまうリリー。
それでもお互いを思い遣ったり、どこかでずっと繋がっていたり
そんな交流に心が温まる。
リリーのヒントが詰まった料理本がほしい〜 -
Posted by ブクログ
中学に入学前に両親が離婚。中森百合(リリー)は父親、妹の花梨は母親と暮らすことになり、家事をするようになり、料理が得意に。しかし、母親が妹を選んだというトラウトからか、仕事は長続きせず、バイトと、料理コンテストの賞金稼ぎでギリギリの生活を8年も続けているが…。
大家のおばちゃんとリリーとの会話が最高。ひねくれ者同士で気が合うのか、ないのか。お互いがお互いを心配しているのに、素直に言えない。でも、たぶん、お互いが分かり合えてて、信頼関係が築けている。
私も恵実さん同様、飲食店の娘で小さい頃から店の手伝いをしていたせいか、あまり料理が好きじゃない。仕方なく作っているし、レシピ通りに作るのが面倒でセンスもない。
だから、作る相手の気持ちを読み取り、何を作れば喜んで食べてくれるのかを考えて、パパッとなんでも作れるリリーはすごいとしか言いようがない。
下野さん、あらきのご主人、娘の恵実さん、おばちゃんの孫の守くん、妹の花梨ちゃん、そして、大家のおばちゃん。出でくる人たちみんな素敵な人たちばかりだった。
「ゼリーって、透明で幸せな食べ物」って、わかるわかる。目の前にあったら、フルーツジュースより、フルーツゼリーの方が嬉しくなるもの。
最後のページ、最高によかった。 -
Posted by ブクログ
『風が強く吹いている』が大好き。
『一瞬の風になれ』も大好き。
走る話が好きなんだろう。
この本は、中学生の駅伝の話。
3kmずつタスキをつないで6人が走る。
その一人ひとりの独白がタスキでつながっていく。
ひとつの出来事でも視点が変わるとちがうこととして体験されていたり、気持ちの行き違いや誤解があったり。
ひとがみんなで何かに取り組むことってこうだよね、わかる、と感じることがたくさんある。
まだ未完成な自分自身と正面衝突している中学生たちの心中だから、痛いくらいに生々しい。
いまだから「まあ、それってさ」と割り切れることはあるけど、それが大人になったってことなのだろうか。
何か一所懸命やることで初めて出会える自分がいて、
その出会いがそののちの自分を作ってくみたいなところがある。
それは走ることにはもちろん限らないけれど、走る話が好きなのは、そのあたりがぎゅっと詰まってるからなのかも。 -
Posted by ブクログ
普段はおとなしいのに山添くんにはぐいぐい行っちゃう藤沢さん
お互い体の不調と付き合いながらの生活でいつの間にかお互いを支え合う関係に
これがまたドキドキしない!笑えるくらいに!
おぉこれが男女の友情ってやつ?いやそれとも違う
同士?戦友?なんだろうね
いつの間にか2人とも仕事にもやりがいを感じ始めちゃったりしてまだ20代の2人の苦しみを抱えながらもキラキラした未来が素敵だなぁとホンワカした
それにしても世の中心療内科の予約の取れなさ!!
軽く行ってみようなんて思えなくなるよね
かといってパニック障害は鬱とも違うし
前兆がなさすぎじゃない?
自分でブレーキをかけて休むことや体に気づいてあげること出来ないのかなあ -
Posted by ブクログ
本屋を舞台にしたアンソロジーだが、読み終えてみると、「人はどうやって人とつながるのか」「自分の居場所をどうつくるのか」を描いた一冊だったように思う。
印象に残ったのは、本が人と人との間に、ちょうどいい距離をつくっていることだ。
瀬尾まいこの「続きは書店で」にあった「本の中に友達って結構いますよね」という言葉が好きだった。登場人物が友達になり、本そのものが友達にも先生にもなる。本を読むことは一人ですることだけれど、実はたくさんの人と出会うことでもある。
「悩み事は口にした時点でほぼ解決に近い」という言葉も心に残った。すぐに答えを出したり、アドバイスしたりするだけが人を助けることではない。ただ話を聞いてもらうことにも意味がある。
一穂ミチの「勉強はずっとするものです」という言葉もいい。学校を卒業しても、仕事や読書、人との関わりの中で学びは続いていく。年齢を重ねるほど、この言葉の意味を感じる。
また、坂木司の、地域で商売するなら「先に自分が客になる」という考え方も印象的だった。相手や地域に何かをしてあげるのではなく、まず自分もその関係の中に入っていく。仕事にも通じる考え方だと思う。
凪良ゆうの「小鳥たち」では、「誰にも手出しできない私だけの居場所が欲しい」という思いと、「浮き輪を投げてくれる人が私にもいる」という言葉が心に残った。自分だけの居場所を持つことと、誰かに支えてもらうこと。その両方があっていいのだと思う。
そして最後の三浦しをんの「人の心の見晴らしを良くするのが本屋の務めだ」という言葉は、この本全体を表しているように感じた。
本屋は、一人になれるのに孤独ではない。知らない誰かの人生や考えに触れ、自分の世界を少し広げることができる場所だ。
だから私は本屋が好きなのだと思う。
この本を読み終えて、また本屋に行きたくなる。そして本を買う。