瀬尾まいこのレビュー一覧
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優子は現実主義だと考える。優子が大家さんと別れる場面では、「いつまでも過去にひたっていちゃだめだ。親子だとしても、離れたら終わり。目の前の暮らし、今一緒にそばにいてくれる人を大事にしよう。」
この優子の現実主義というのが、あらゆる場面で現れているなと思う。それこそ、ピアノ歴が長い人が多い中、他者との比較で落ち込むのではなく、自分自身に足りないものと分析して改善に繋げる姿勢や友達とのいざこざがあった際は時間が解決するのを待つ姿勢だ。
その一方で、森宮さん、向井先生がそれぞれ優子に対して、以下のようなことを言っているのが印象的だった。
「一歩引いているところがあるけど、何かを真剣に考えたり、誰か -
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ネタバレ本人は普通だと思っていることも、他人からしてみれば特別な力なのかもしれない。
主人公の力はどう考えても特別な力だけど、あまり本人にその気がなさそうなのが本書の魅力になっていると思う。人の気持ちが読めるのは思い込みだったかもしれないけど、霊と会話しておいて自分を平凡だと言うのは無理があるぞ梨木。
複数の登場人物との関わりが描かれる物語で、中でも香山との関係性が好きだった。
河野さんの存在は途中まで意味ありげで読み落としがあったのかと何度かページを往復してしまったけれど、中盤で詳細が明かされる仕組み。
文体もあっさりとしていて読みやすかった。
読み終わって表紙を見た時に、良い本に出会えたなと感じ -
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ネタバレ全体的に読みやすかった。まず表紙がかわいいし、私が好きなオムライス屋さんのお話しなのもグッドポイント◎
大竹さんすきー!実際関わるのは嫌かもしれないけど、普段ツンツンしてるのにさりげなく相手を思いやった行動ができるとこがすてき。私もさりげない優しさをもった人になりたいな。特にアフターデイズの3人のやりとりが面白い。
「きっと、おばあさん、思い残すこと一つもなく大竹さんに愛情を注いだんだと思います。心残りがないくらいに大事にできたんだと。だから、大竹さんのこと、きれいに忘れられたんじゃないでしょうか。不確かな頭で記憶を探ってわざわざ思い出す必要がないほど。そんなにも、誰かを愛しきれたってすごい -
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何事も卒なくこなす兄と、出来が悪くても皆んなに好かれる弟と、好対照な兄弟の物語。
大阪で中華料理を営む両親の元で、常に店を手伝う弟、小さい頃にトラウマとなって手伝わない兄。兄は明確な目的もなく東京で学校に通うが、すぐ辞めてアルバイト生活に。弟は家を手伝おうと進路も安易に考えていたが、親子面談で父親に怒られて進学へ。
この父親が素晴らしい。兄の東京行きに無言で大金を渡し、弟には家を出ることを薦める。最後は父親が密かに思い描いたところに落ち着いたように思う。
大阪生まれの作家が、吉本の漫才のノリで描いたような軽快にクスッと笑えて、ジーンと感動が来るような作品だった。 -
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「友情」をテーマに描かれた3作品。
「夏の体温」では病院に入院中の小学生の瑛介が、低身長の検査入院に来た壮太との短くても濃い友情を描いている。
検査や治療の不安の中、瑛介の芯の強さに胸がぎゅっとなった。
あとがきで瀬尾さんが、ご自身の娘さんも低身長の治療を受けていると語っている。
「魅惑の極悪人ファイル」では、空想癖のため、現実の人間関係がうまくいかない大原さんと、過去を引きずり自己肯定感が下がったままのストブラくんの大学生同士の恋愛とも違う心の繋がりにほっこりさせられた。
「花曇りの向こう」はサクッと短い作品だったが、転校生の緊張感、そして温もりが伝わってきた。
人間関