瀬尾まいこのレビュー一覧
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瀬尾さんの文章って、するする入ってきて心の中がじんわりあったかくなる
嫌な人が出てこないからいつでも安心して読めるし
そう、例えるなら……白湯のような……いや……上手いこと言おうと思ったけど無理でしたすみません……
私も女性でPMSには悩まされている立場なので、美紗のカーっと頭に血が上る感じはよくわかる!
婦人科行って先生に「生理前どんな感じ?涙とか出ちゃう?」って聞かれて「そういうのはなくて、ぶっ◯すぞ!みたいな感じです」と返してピル処方してもらったことが思い出されます
山添くんは良い人だけれども、どうしても娘を持つ母としては「美紗!男の部屋に1人で行くのはやめとけ!!!!!」とは思わず -
Posted by ブクログ
瀬尾さんらしいヒューマンストーリーで心がポカっと温かくなる小説でした。
主人公のどうしようもない宮路が老人ホームで働く渡部君との出会い、そしてなんだかんだ可愛がってくれる水木のばぁさん、はじめ多くの人とのかかわりの中で心や行動が変わって行く優しくて温かくて、どこにでもありそうでなさそうで、こんな出会いが沢山の人に訪れて欲しいと願いたくなる物語でした。
瀬尾さんの描く世界は目に浮かぶ、手に取れるそんな人物像の描写でどんどんのめりこんで行ってしまいました。こういう時間が小説の醍醐味。
最後は涙なくしては読めなくなってしまいました。
やっぱり瀬尾さんの本が好き!って思わせてくれる一冊です。 -
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相手のことを知ろうとしないと本当のことは何もわからない。
《彼がパニック障害だったことにまったく気づかなかった。どうして私は簡単に、彼のことをやる気のない人間だと決めてかかっていたのだろう。》
《PMSよりパニック障害の方が辛いに決まっている。いや、はたして本当にそうだろうか。僕はPMSどころか生理のことも知らない。実は想像以上にしんどいのかもしれない。》
お互い苦手同士だった、山添くんと藤沢さん。
ちょっとしたことがきっかけでお互いの病気のことを知る。
その中で何か自分にできることは何かを考え行動していく。大きなことは何もない。けど確実に相手を想って自分にできる小さなことを積み重ねる。
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誰かが誰かを想って走る。
ただ走るだけのバトンをつなぐリレーじゃなくて、思いやりのバトンをつなぐリレーだった。
だいすきな瀬尾まいこさんの本。
本当に瀬尾まいこさんが書く、登場人物たちの鮮明な感情が好きなんだよな。読書にハマったばかりの私にとって瀬尾まいこさんの本たちは、基本的に読みやすくて、そして共感もできて、この本もその中の一冊。
久しぶりに本に触れた一冊目でもあった瀬尾まいこさんの「その扉をたたく音」に出てくる渡部の幼少期が見れるということで気になって読み始めた。
私は、走ることが嫌いで学校行事のマラソンとかも本当に大嫌いなんだけど、この本に出てくる人物たいは、ただ走ることが大好き -
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やりがいのない代わりに負担も少なく、いざとなればいつ辞めても許される。
誰に何を言われようとどんとかまえられないのは、自信がないからだ。何か言われるたび、そのとおりだと、心が揺れてしまう。
いつ息を抜けばいいのかわからなくなることもある。ほかの人が入ることで、少し自分の前に隙間ができる。
ちゃんとした人は緊張させないって。親は安心を与えることはあっても不安を与えることはないから。
モラハラにパワハラにセクハラにカスハラに、世の中のハラを集めたやつだな。ハラを集めた人に刷り込まれた結果、勝手に緊張し体を弱らせることになったわけだ。
そこに理由はなく、自分では定められない、本能的な感情がある。
何 -
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後半を、近所のカフェで読んでいたのだが、颯斗君のくだりで涙がどうしたって出て、涙をこっそり拭いつつ読む。
シングルマザーの主人公が、娘のひかりを育てながら、周囲の人たちの裏表のないさっぱりした優しさに支えられ、強く成長していく話。
母からの支配、自信のなさからの迷いを、支えられ支えたいと思えるようになり、越えていく。
さっぱりした優しさを発揮できる人になりたい!
離婚した夫の弟である颯斗くん、そのパートナーの林田さん、ママ友の三池さん、職場の宮崎さん、義理の母。みんないい人。
とくに宮崎さんが好きすぎる。そんなふうに絶対なれないけど、なりたいものだ。
相変わらずの安定の瀬尾まいこ。 -
Posted by ブクログ
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仕事も人間関係も上手くいかず自殺を企む23歳の千鶴は、
辿り着いた山奥の民宿で睡眠薬を飲むが、失敗してしまう。
大自然や、民主田村の大雑把さや、大らかな村人に癒され、
少しずつ変化し、また、自分の居場所を見つめ直していく。
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瀬尾さんの作品はこれで三作目。今まではしっくり来ずで。
でもこれは好きでした。ベタな話かもだけど、とても好き。
(長編を読んだ後で、短くサクッと読める感じも良かった!)
まず、