瀬尾まいこのレビュー一覧
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どんな人生でも出会う人によって、人は良くも悪くも変わっていく。
美空はひかりの存在、颯斗くん達のお陰で強く生きていけるようになったけど、美空のお母さんは不憫だ。
確かに元々子どもがそんなに好きじゃなかったり、生き方が下手、人との関わり方が上手く出来なかったのかもしれないけど。
主人公・美空を苦しめる母だけど、悪人ではない。
不器用なんだ。
自分を強くしてくれる人の存在、守りたい人がいること、心の拠り所があるかないか、幸せっていろんな因子で構成されている。
何気ない日常がながれる穏やかな四季の中、そんなことを考えながら読み進めていける温かい物語だった。 -
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母のようにはならない、と心に決める美空。その気持ちがよく分かります。
美空の母親のように、子どもにあまり興味がない親はそれなりにいるのです。虐待されているわけではなく、ちゃんと育ててくれました。でも、一緒に喜んだり怒ったり心配したり楽しんだり、そういう記憶がほとんどないのです。あれは尽くしてもらったな〜などという経験が、記憶を遡っても思い出せないのです。これは美空のことであり、私自身の記憶でもあったので、なかなかに共感できるストーリーでした。
それにしても娘のひかりちゃんは信じられないほど可愛いくて、天使のよう。母親であり主人公の美空も、理性的で愛情深く穏やかな性格。
そして美空の母親以外の -
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『ありか』を読んで|家族のかたちは、心でつながるもの
ありかを読んで、人は一つの性質だけでできているのではないのだと、あらためて感じた。
明るさも暗さも、優しさも厳しさも、おしゃべりな面も寡黙な面も、本当は誰の中にもある。ただ、その中のどの部分が強く表に出るかで、「その人らしさ」が形づくられているのだと思う。
主人公の美空は、もともとは娘のひかりのように、無邪気で天真爛漫な子どもだったのではないだろうか。けれど、母親との関係の中で、「人に迷惑をかけてはいけない」「嫌われてはいけない」という思いを強く抱くようになり、「すみません」と繰り返す、自信のない大人へと変わっていった。
そんな美空 -
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コロナ禍に小学生で、
別々に育っていった二人の女の子の話
他の人のコメントで
どちらの話かわからなくなるとありましたが
話の切り替わりでの絵が目安になります。
リンゴマーク:冴ちゃんの話
チューリップ:心晴ちゃんの話
カバン:子供時代の話の合間の大人になった二人の面接の話
途中では「一年で辞める宣言ってなんなの」とか
「登校日、なんで行かせてあげないの?」とか、
「引きこもりのキッカケって、これ?それがこんなに長くなる?」とか、
ぷりぷりしながら読んでましたが、
全部読み終わって、いい本だったと。
登場人物の何人かには、
色々思うところがあるけど、
現実もそんなものかもね。 -
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本屋大賞ノミネート作。
瀬尾さんの著書を読むのはこれで3作目である。
少ししんどさのある家庭、それを重々しくなくポップに捉えるような雰囲気で生活する登場人物が印象的。
今作は登場人物が、毒親である実母1人を除いて本当にみんな優しい。
日常にある小さな幸せに「ラッキー」と言える強さと、それを明るく伝えてくれる優しさに心が軽くなる。
実母の愛をたくさん受けてきたわけではない、そんな事分かっているけど、大人にさせてもらった恩もある。
だから断ち切れない。
もしかしたら優しい言葉をかけてくれる日が来るかも、母だって大変だったんだし、そこまで悪い人ではない、そう信じたいから負のスパイラルから抜け出せ -
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ネタバレ瀬尾さんの作品本当にだいすき!
やさしい世界観なんだけど、ちょっぴり変わった登場人物たちに癒される。
今回は、通彦が特に印象的だったな〜
のんきでマイペースな性格と独特の料理センスで、通彦が出てくるたびに空気がふわっと緩む感じがすごく良かった。
短編の中だと、「ニベア」が1番好きでした。
一見ヘンテコな家庭に見えるけど、読み進めると切なくて温かい。優しい嘘という言葉がぴったりのお話だった。
結局、凄い占いの能力を持った人が問題を解決をするわけではなくて、人が人を思う気持ちが、少しずつ人生をやさしい方向に動かしていくんだなと思った。