瀬尾まいこのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
最高だった!心の中があたたかさで満たされた!
自分の居場所はここだと思っててもそうじゃなかったり、ここじゃないと思っててもそうじゃなかったり、そんなに仲良くないと思っていてもそうでもなかったり。離れてみてわかることってあるよなあ。
大地讃頌を“マジええ歌“と言えるコウスケに、アリさんからのダメ出しに変わろうとするヘイスケ。愛情を愛情として受け取って、そのことに感謝する。それが10代のうちにできる二人はとても素直だ。
それはやっぱり、合唱祭に横断幕を作って駆けつけようとするおっちゃんたち、受験先と違う大学の赤本をくれちゃうおばちゃんたち、こっそり秘密を打ち明けてくれた竹下の兄ちゃんなどなど、みんなの少し笑ってしまうような、でもやっぱりあたたかい愛のおかげなんだろうし、その土台にある父母の愛の大きさゆえなんだと思った。特に親父さんは、親父さん目線の語りはないけれど、その気持ちを想像して泣けてしまう場面が節々にあったなあ。
気にかけてくれる人の存在、それを素直に受け止めてみるということ。瀬尾さんの小説にはそういうものがいつも描かれていて、読んでいるうちに、疲れた心が確実に癒やされていくのが分かる。
大切な人に勧めたくなる話だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ血のつながりの有る無し問わず、強い絆で結ばれる家族の話。
どなたかの感想に「瀬尾まいこさんの、この手の人情物はもういいかな」とあって、それはとても腑に落ちた。
読み始めてしばらくは、美空とひかりと颯斗の平和なやり取りの描写が続き、私も「またこのパターンか」なんて思いながらするする読んでいたけど、最後まで読んで、温かい気持ちで読み終われて、やっぱり瀬尾まいこさんはいいなと思った。
クライマックスに向けての、颯斗が失踪する場面、そして颯斗を見つけた時の美空の言動が心に残った。
大切な人が、自分自身を大切に思ってくれない時、どう言葉をかければこちらの思いが伝わるんだろうか。今までもずっと悩みながら過ごしてきたけど、これから先も、生きていればこんな場面に出会いそうな気がする。でも、誠心誠意接していけば、いつかは「あなたが大切」というこちらの思いは届くんじゃないか。
そんな希望を持たせてくれる終わり方だった。 -
Posted by ブクログ
ぼんくらに生きてきた主人公の宮路。音楽を職業として生きていきたいと考えているがなかなか芽は出ず29歳無職という状態。そんな中ボランティアでそよかぜ荘でギターをひくが、老人たちは興味なさそうな様子。一方で渡部のサックスの音色が宮路や老人たちの心を掴む。
そよかぜ荘に通う日々を通してそして音楽を通して人を動かすものは何なのかを理解していく。老人たちの死を通して自分が嫌なものには目を背け好むものだけに目を向け続けていたことにも気づく。生きていくとは光だけでなく影も見ていかなければならないと。
そういうことに気づくのに少し人より遅れただけだと思う。なんとなく働き出すより素直な宮地にとってはそれらをきちんと理解して目覚めてから次へ踏み出すことが必要だったのだと思う。人によって考える時間は変わる。時間をかけてでもそういうことに気づけるって素敵だし大事だと思った! -
Posted by ブクログ
昔本屋大賞を受賞していたから読もうと思って手に取った本。
主人公が今まで短期間で何度も親が変わってきている中で、それぞれの親にそれぞれの形で愛情を注いでもらったと感じ取れていることがすごいなと感じた。私だったら、もっと被害者意識が芽生えたり、親が変わっていくことを素直に受け入れられなかったりすると思った。けれど、とても強いように見えた主人公もいちいち寂しさを感じていたら自分が壊れてしまうと、家族と一線を引いていたということを知り、主人公の中の葛藤を感じた。
最後、主人公から森宮さんに目線が変わるシーンで、今までの主人公の親たちがそれぞれ心から主人公のことを大切にしていることがよく読み取れて、素敵だなと感じた。