瀬尾まいこのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ男子中学生×陸上部(駅伝)という、王道の青春小説。
いじめられキャラでいつもオドオドしている子。
グレてしまい周囲に煙たがられている子。
陽キャで友達や先生に頼られすぎてしまう子。
本当の自分をさらけ出すのが怖くて斜に構えている子。
ある思いを秘めたまま、誰かの役に立ちたいと思う子。
周りとの調和を図るあまり自分を後回しにしてしまう子。
とまあ、いろんな事情を抱えた子たちが、それぞれぶつかり合いながら、慰められながら、励まされながら、いろんな思いを胸に走っていく。
温かい気持ちになりながら、「あーもう少しで読み終わっちゃう・・」と名残惜しい気持ちになりながら、最後は少し涙ぐんで、彼らと一 -
Posted by ブクログ
おもしろかった!
読みやすくてスイスイ読み進められた。
「単純明快に暗いところゼロで十代をやり過ごしているやつなんていないもんな」と香山君が言うとおり、
登場人物みんな何かしら抱えているけど、全体的に優しくて温かい空気感に包まれていてすごくよかった。
相手の考えてることがなんとなく分かる感覚って実際にあるけど、
そこから梨木君のように「なんとかしてあげたい」って動けることは凄いこと。誰にでも出来ることじゃないし少し勇気をもらえた。
それと自己開示。昔よりコミュニケーション迷子になることが多くなった自分にはより響いた。
そしてお気に入りは店長の誕生会。企画~当日のくだりまで面白くて何度も笑 -
Posted by ブクログ
大好きな瀬尾さんの本は、ほぼ制覇したと思っていましたが、
見覚えのない本を見つけて
うれしくてすぐに購入してしまいました。
題名からなんとなく想像がつく
内容だとは思いながら
読みはじめると
題名の感じより、すごくコミカルな感じがたくさんあって
あっという間に読んでしまいました。
ストーリー
主人公は
何もかも嫌になってどうでもよくなり死ぬつもりで来た地で、
出会った民宿の田村さんをはじめ
あふれんばかりの自然に癒され
自分を取り戻していく。
繊細そうな子なのかなぁとおもっていたら、すごくマイペースで
ちょっとどんくさくてでもすごくかわいい主人公と大雑把だけど優しい田村さんのやりとりに何度も笑 -
Posted by ブクログ
ネタバレ好きな言葉
「きっぱりさっぱりするのは楽じゃん。そうしてれば正しいって思えるし、実際間違いを起こさない。だけどさ、正しいことが全てじゃないし、姉ちゃんが正しいって思うことが、いつも世の中の正しさと一致するわけでもないからね」
「面白くなろう、楽しくしよう。そう思ってるんだけど、そう思えば思うほど、僕はだんだんつまらない人になってしまう。難しいですね」
「健全な人間は走らないと」
「文学なんてみんなが好き勝手にやればいい。だけど、すごい面白いんだ。それは言っておきたい。だから、僕は三年間、ずっと夢中だった。毎日、図書室で僕はずっとどきどきしてた。ページを開くたび、文学について言葉を生み出すたび、 -
Posted by ブクログ
瀬尾まいこ氏はすごい上手い作家だといつも思う。
自分の中では氏のデビュー作品『卵の緒』と並ぶベスト。
セリフが絶妙。
幼いときの弟のセリフ。
一度も泣いたことがない弟が泣いたシーン。
「どうしてこんな風になっちゃうの? チョコレート食べるのは悪いことじゃないのに。どうしてきいちゃんは痛い思いをしなくちゃだめなの?」
主人の清の運命がよく現れている、小説内ではちょうど中盤にくるセリフ。
しかし本作、吉川英治新人文学賞にノミネートされたが、某有名作家から「情熱を感じない。書くことの面白さを知ってほしいと思った。」と酷評…
いやあ、変に波を立てずに湖面のように語るのが瀬尾文学な気もするのだが…