瀬尾まいこのレビュー一覧
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なんとなく、はじめのナヨナヨした千鶴を見ていると、昔の自分を見ているようで少しイライラした。でも千鶴はパワフルだったし、ある程度の大胆さも持ち合わせていた。田村さんが言うように自己評価と実際の人柄は随分離れていた。
彼女の大胆さを表す行動に、記念に描いた絵を飾って貰おうと思ったが拒否された、とある。このシーンは好きだ。
彼女は良い人なのだと思う。車で数時間かかる場所までわざわざ来てくれる彼氏や、その彼氏に会わせるために封筒にマッチを入れた田村さんなどなど、彼女は良い人に恵まれていた。少しだけ精神が内に向きすぎていただけなのだ。
田村さんはとても優しい人だった。宿で自殺しようとしていたと打 -
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昨年「新潮文庫の100冊」で購入した作品。
「風が強く吹いている」は大学駅伝でしたが、こちらは中学駅伝です。
陸上部の名物顧問が異動となり、代わりにやってきたのは頼りない美術教師。部長の桝井は、中学最後の駅伝大会に向けてメンバーを募り練習をはじめるが…。
読み進めると見えてくるのは、メンバーの人間模様。
駅伝という同じ出来事、同じ時間を経験しているのに、見えている景色や抱えている不安、期待と劣等感の重さが一人一人全然違っていたことが印象的だった。
中学生ならではの繊細さをあちこちに感じられて、かつて私が経験したような思いも描かれていて、懐かしい気持ちになった。
誰かの正しさが、別の誰かの -
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ネタバレ暫くは主人公の呑気さに多少イライラしつつも、水木さんの手紙には涙を抑えられなかった。私もたまに、第三者としてじいさんばあさんの話し相手になる、みたいなボランティアとかあったらやってみたいなと思うことがあるが、何にせよ、介護士というのは本当に尊い仕事である。そしてじいさんばあさんというのは、どれだけボケてたとしてもやはり人生の先輩であり、酸いも甘いも我々よりよっぽどご存知なのである。だからこそ私たちは、いつまでも愚者でいてよくて、色んなしょうもないことを経験して、自分が先輩側になった時に、若い人に少しでも人生の助言ができればそれでよいのだろうと思った。
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直前に柚木麻子さんのBUTTERを読んで、濃厚で心かき乱されるような本だった(褒めてる)ので、その直後の『夜明けのすべて』が本当に癒しでしかなかった。
真逆だ。
どちらも小説というジャンルで、最後には救われるところもあるのだが、とにかく真逆で、淡々と、でも陽だまりのように優しさが、主人公たちをつつみ込んでいく。
元気のない友人に勧めるとしたら、『夜明けのすべて』だなと思う。
抱えているものはそれぞれ重いはずなのに、それを感じさせないのは、彼らの原動力が優しさだからかもしれない。
映画を読んだので、終始、もねちゃんの顔が浮かんでいたが、映画と違うところもあって、それはそれで面白かった。 -
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毎日朝ごはんをそろって食べる家族、
めちゃめちゃ理想的だと思ったのも束の間、
一人一人が自分の個を持つが故にバラバラじゃん
と思ったのが最初でした。
でも、エピソードが進むにつれて、
こういう家族の形も素敵だねと全肯定したくなる
家族の絆を感じました。
親は親であり1人の人で、
子供の子供であり1人の人であるという
当たり前のことを改めて考えました。
主人公の佐和子は空気を読むのがすごく上手で、
繊細な子だなと感じました。
中学生から高校生に年齢とともに成長していく様子に心が打たれながらも、自分の中高時代と比べると
あまりにも大人びていて、素直にすごいなと尊敬したくなるところもありました。 -
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人の気持ちって何となくわかることもあるけど、梨木のように、一歩踏み込んでその人のことを助けるという行動、とても勇気がいることだと思う。
本人は、自分は全てにおいて普通だと思っているけれど、最強の取り柄を持っていると思った。
今のわたしにはその勇気はないけど、少しずつでも持てるようになりたい。
当たり前だけど、深く心の傷を負う原因になるのは人だけど、そこから救い出してくれるのもまた人しかいないなと感じた。
アフターデイズもとてもよかった。
店長、梨木のこと大好きだね笑
店長と梨木のやりとりが大好き。
近い将来、ほぼ確実にこのお店から梨木はいなくなってしまうから、それを思って読むと切なかった..