瀬尾まいこのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「清く、正しく」生きることの難しさ。自分の「正」は他人にとっては正解ではないのかもしれない。
人を変えてしまうのは人間、けれども変えてくれるのも人間。
瀬尾作品に必ず出てくる「ぐいぐいプライベートに入り込んでくる善良キャラ」は弟さんでした。そして垣内くんいいな。自分の「正」を人に押し付けないところが「清」なんだと思う。
真面目に食生活やってたら、ジャンキーなものが食べたくなる。もう駄目だと思っていたら、偶然救われることもある。月並みだけど、人生は、毎日は、平坦じゃない。
もう一つの短編集「雲行き」は、瀬尾先生の「血縁じゃない家族愛」のルーツかもしれない。色々と語りたくなっちゃうけど、まずは -
Posted by ブクログ
瀬尾まいこさん、12冊目。
設定がとんでもなくて物語に入っていけない話が多い、とかブツブツ言っている割に結構読んでいるのだな、これが。
この本も迷った挙句に買ってしまったが、今回はスルスルサクサクと読めて、且つとても良い話だった。
小学3年生になる頃にコロナ禍に見舞われた二人の少女、冴と心晴の物語。
「夜の仕事」をする母親からたっぷりの愛情を注がれながら暮らす冴、教育熱心な母親と微妙に心を通わせられずにいる心晴。
母の仕事を理由にいじめを受ける冴、あることをきっかけに不登校になってしまった心晴。
同じコロナ禍を描いた辻村深月さんの「この夏の星を見る」とはまた違った視点で、感染症の流行で不自由 -
Posted by ブクログ
本屋でうろうろして購入。もっとコロナ禍(感染症、という表現だが)に焦点を当てた作品かと思ったが、コロナ禍以降を含めた、少女2名の成長記だった。
公立と私立で対応違うのか…確かに給食はライフライン…祖父母じゃ無く父親が病気ってのも気を遣ったよな…といった当時を振り返らせる記載は前半にあるが、中盤以降はコロナ関係ない、どの世代もぶつかりそうなもの。心晴の甘えっぷりコロナ関係ない。
コロナで失ったもの、得られなかったものは膨大だろうし、世界中の異常事態であった事に間違いない。しかし、家庭環境、学校の人間関係、進学…つまづく内容にコロナは関係なく、トリガーが引かれやすかっただけなのかもしれない。
瀬 -
Posted by ブクログ
親から別の親へ、子供というバトンが渡されていく。
血がつながっていなくても、つながっていないからこそ、親子の関係が適当な距離感を保ちながらも信頼し合った様子・会話で描かれる。
『本を読んだら散歩に行こう』(村井理子)で紹介されていて、本屋で手に取った。
わたし自身が子を持つ親だからなのか、小説に出てくる言葉の中で心に染みたものは:
(梨花が言ったという)親になるということは、
「明日が二つ」
「自分の明日と、自分よりたくさんの可能性と未来を含んだ明日が、やってくる。未来が倍になる。」
(森宮いわく)子を持つ充実は、
「恋愛より大事なものはけっこうあるし、何か一つ手にしていればむなしさな -
Posted by ブクログ
一つの小説で6人分の視点を追体験しても良いのだろうか。そんな贅沢な小説だった。
毎年、県大会に出場している中学の陸上部は今年も県大会出場を目指す。しかし、陸上部の熱血顧問は異動となり、新たにやってきた顧問は美術部。更に、出場メンバーがなかなか定まらない。追い討ちをかけるように、主力の不調。
そんな不協和音な状態でもなんとか、もがき苦しみ這いあがろうとする青春小説。
当たり前だが、一人一人が別のバッググラウンドを持ち、異なる価値観を持つ。そんなまだまだ成長段階の彼らの思考や見方の変化が丁寧に描写されている。
中学の部活がもたらす人間的成長。これが大会出場が叶おうが叶わなかろうが、1番大事 -
Posted by ブクログ
ネタバレ父はカメラマン、母はバイオリニスト、姉は画家を目指しアメリカにいる。そんな中、自分は何の取り柄もないと悩む梨木。小学、中学で困っていそうな同級生を助けたことで、人の心を読める能力があるね、と褒められる。
でも本当にすごいのは、気付いた異変に対してとことん考えて答えを出す辛抱強さ。そして、何とかしなきゃ!と、下手すると困っている本人より必死に解決策を出そうとする優しさと、行動に移せる勇気じゃないかな?
店長の大竹や、大学の友人たちと接するうちに、人の心なんて一緒にいれば図らずとも分かるものだ、誰かの思いに触れるのは何も特別なことではない、と気づき始める。それでも誰かを救っていることに変わりはない