あらすじ
『そして、バトンは渡された』『夜明けのすべて』の著者による書下ろし長編
いまを生きる私たちの道標となる物語の誕生!
「明日が怖いものではなく楽しみになったのは、あの日からだよ」
今でもふと思う。あの数年はなんだったのだろうかと。
不自由で息苦しかった毎日。
家で過ごすことが最善だとされていたあの期間。
多くの人から当たり前にあるはずのものを奪っていったであろう時代。
それでも、あの日々が連れてきてくれたもの、
与えてくれたものが確かにあった――。
【著者より】
何かと制限され思いどおりに過ごせない毎日を、大人も子どもも、
誰しもが困難を抱えながら進んできたと思います。
そして、これから、また違う日々に向かわないといけない中で、
ほんの少しでも明るいものを差し出せる物語になれれば。
そう思っています。
明日が怖いものではなく楽しみになったのは、あの日から――
『そして、バトンは渡された』『夜明けのすべて』の著者による書下ろし長編。
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Posted by ブクログ
コロナ禍で生活が一変したそれぞれの日々。
多くの制限、ルール、生きにくさの中、それぞれが歩みを進めたり止めたりもがいたりしながら、その期間があったからこそつながった縁を描いた物語。
出版されたのは2023年
描かれた最終章は15年後。
まだ2025年だけど、
主人公たちが社会に出る描かれた時代はまだ先だけど、こんなふうになったらいいなと思わずにはいられない。
いつの時代も、
「〇〇世代だから…」「この世代は…」と揶揄されることが多いけど、当時の大人や環境がつくったもので判断されるべきではない。とやかく言う必要ない。
明るい未来につながりますように。
Posted by ブクログ
短い話が主人公も時系列もなんだかランダムに出てくる。読書初心者の自分は、なかなか話が繋がらずに苦戦した。話の間にあるりんごとかのマークには意味があるんだ。と今更思う。
読み終えてみて…。
いつもながら考えさせられる、自分の知らない世界を擬似体験しているような。
やっぱり読書って素晴らしい!
瀬尾まいこさんの本は好きだなぁ。
今回もそう思えた。
Posted by ブクログ
コロナ禍で学校が休校になった小学校3年生の二人の女の子。
「当たり前」が「当たり前」じゃなくなって、新しい「当たり前」が作られていく日々。
コロナ禍終息後の時代に就職活動をしている二人の女性。
小学生の頃に経験したコロナ禍の影響を少なからず受けている。
二人の就活生は、コロナ禍の二人の小学生の「その後」だということは予想外つくけど、どちらがどちらなのかは途中までわからない。
二つの時代を行ったり来たりするので、若干頭が混乱…
でも、その混乱も含め、続きが気になって、あっという間に読んでしまいました。
私はコロナ禍の時にはすでにいい大人で、仕事もテレワークで対応可能で、さらに周囲に学校の通う年齢の子どももいなかったので、あまり大きな影響は受けませんでした。
でも、休校や行事の中止などを経験した子どもたちは、いわゆる「青春時代」を奪われて、いろんな影響を受けて、中には夢を諦めたり、人生を狂わされた人もいたんだろうな。
そんなことを改めて考えて、胸が切なくなりました。
特に中盤は重い部分があったので、ラストが温かくて救われました。
Posted by ブクログ
小学生の時代をコロナ禍を過ごした冴と心晴。
心晴が不登校になってしまうきっかけは読んでいて辛かったな…
あの時間がなかったら、2人は今とは違った人生を歩んだんだろうかなどなど考えてしまいます。
そして、蒼葉、冴のお母さん、カナカナ。登場するのは、いわゆる順風満帆とは真逆の人生を送ってきた人たちばかり。
けれどとても温かく愛情に溢れた素敵なお話しでした。
Posted by ブクログ
心配ごとがある時は瀬尾まいこさんの本が最高です。コロナ禍で不登校になってしまった女の子、母親が夜の仕事をしている事でターゲットにされた女の子、育児放棄でお腹を空かせた男の子、引きこもりの女の子など登場人物が最後には前向きになって行くストーリーに思わず知らず癒されてしまいます。人のせいにせず自分がまずはかわろうと自分を鼓舞して行く人達にエールを送るのは私だけでしょうか。
Posted by ブクログ
何かを理由に失ったものに目が行きがちだけど、そこで得ているものも確かにあるはず。人に、環境に、感謝の気持ちをもって、自分も誠実に向き合っていかないといけない。正直な気持ちって、ちゃんと相手に響くんだと思う。私も自分のそばにいてくれる人に、きちんと向き合いたい。嘘とか、適当な反応ではなく、しっかり対話できるようになりたい。
この本はあと5〜10年くらい先の話だけど、現実はどうなるかな。子ども時代にコロナ禍だった人たちを、そういう括りで見るのではなく、どう生きてきたのか想像したり、話してくれるなら聞いたりして、理解していきたいと思う。
Posted by ブクログ
おもしろかった!
小学校の時 コロナ禍を過ごしてたら...
たしかに大人でもあんなにしんどかったのに
小学生とかは本当に我慢我慢だったろうなと
思います...。
その中でもその経験を踏まえて大人になって
生きていこうとする姿はすごく心打たれました。
冴の母親のように子どものために
あそこまで自分はできるだろうか?など
いろいろ思いながら読み進めてしまいました。
Posted by ブクログ
たくさんの理不尽や苦しみがある世界で登場人物達が育っていく物語。ものすごく優しい話で心が揺さぶられた。読み終わりは外出先だったけど、思わず涙が滲んだ。
Posted by ブクログ
表紙のラムネ瓶2本。
何気ない景色が、当たり前のように存在する平和な世界を物語るような装丁。
コロナ禍を経てはや数年。
私たちはどう世界が変わったか?を考えさせられる優しい物語でした。
この物語に登場する若者たちは、コロナ禍でいろいろなものが変化した。
ただ、失っただけでもなく、それが居心地よく感じられるものだったりもするわけだが。
しかし、日常は戻りつつあり、その中でいかに自分を適応させていけるのか?と葛藤しつつ成長する姿に感動した。
自分の子どもたちはちょうどこの『世代』。
自然とマスクを外し、友だちもでき、青春を謳歌しているが、あの窮屈な時代、感じることはたくさんあったであろう。
数年前の事をリアルに感じさせつつも、未来を前向きに考えさせられる。
瀬尾さんらしい子どもの気持ちの変化を捉えた優しい物語でした。
Posted by ブクログ
めちゃくちゃよかった〜〜〜
コロナを生きていた小中学生はどう思うのか気になる。人に会えず顔も見れず他者との距離が縮まらない関係性とどう向き合っていたのだろう。
それが辛いことだったとして、それを誰かに言えてたりしたのでろうか。
冴や青葉をみているとどんな環境下の親のもとに生まれてもやっぱり人なんだなと思った。冴が愛情をもって育てられたことをちゃんと実感して生きていけるのは母との関係が良好だったからだと思うし、母がそうやって冴を愛情を込めて育てたことがちゃんと冴にも伝わっていたのがほんとうによかった。
青葉は親だけいったら恵まれて環境だったとはいえないけど、冴と冴の母親と過ごした時間が、青葉が人に愛情を与えたり人から愛情を受け取る唯一の体験だったことがほんとうに嬉しかった。(私が)ていうか冴と青葉の関係性がもうね本当にいいよ…
小晴の絶対に学校に行きたいという気持ちを親が反対し続けたことにもうちょっと耳を傾けてあげてもいいんじゃないかって思ったけど、親は親で心配だよな〜とも思って難しい。コロナ禍で大変だったのは子どもかもしれないけど多感な子どもと一番密接に過ごした家族も大変だっただろうなと思った。
学校に行けなくなるのも辛いけど行ったら行ったで全部が楽しいことばかりじゃないからさ、本当に難しいんだけど全く異なる時間を過ごしてきたふたりが出会ってあの時はこうだったよねって言い合えて本当によかったな〜〜
かんがえさせられる
コロナを設定にしてる本はあまり読んだことがなく新鮮だなぁ、と思いながら軽い気持ちで読み始めたら、、、物語の壮大さと温かさに感動。小説だから出来過ぎてる部分はあるものの、私の時もこんな憤りを感じたな、とか小学生であんなものを経験しなきゃいけないなんて、自分たちではどうにもできなくてつらかっただろうな、、、と思いながら、うなずきながら「うわぁ分かる~!!」の連続。私は外に出たいのに、感染者がそれほど出てなくても心配だからと行かせてくれない親、まんま我が家と同じ、あの行き場のない悲しみは忘れられない。
Posted by ブクログ
光 赤ちゃんや、幼い子の目には無条件の喜びや楽しみが光になって宿っていると思います。その光をできるだけ暗くさせないように、消さないように、出来るだけ明るい状態のまま成長させていくこと、それが大人や親の仕事じゃないかなって思います。私の二人の子どもも幼い時は光を宿していました。今もその目に光は宿っていると信じています。薄れている、消えていると感じるのなら大人として、親として明るい光を宿してあげられるように今一度接し方を考え直したいと思います。そう思わせる作品でした。
Posted by ブクログ
コロナ禍、過ぎてしまえば昔のこと
でもその中で、たくましく生きてきた2人が友達になっていくところがすごくいい
そして、カナカナと樋口君も幸せでいてね
「住む世界なんか違わない。もし、違ったっていい。私はずっと蒼葉のことが好きです。」思いを伝えて、結果いい方向にしていくのは当人同士。明日に向かえる力は大人になっても必要ですね
Posted by ブクログ
4.5くらい。
読んで良かった。
気持ちが前向きになる話。
あと、あの災禍をちゃんと残しておくためにも大事な本。
あー、そうそう!って感じになった。
Posted by ブクログ
だって瀬尾まいこだもの。
優しくてつらくて、切なくって強くって、温かいのだよ!最後は勇気が背中を押してくれるのだよ。涙。
コロナ禍に小学生時代を過ごし、コロナ後の生活でつまずいた2人の十数年にわたるお話。
夜のお仕事、をする母に愛されて育った冴と、コロナ明けの登校日に投稿させてもらえなかったことで大学卒業後一年までずっと不登校だった小晴の、物語が、過去と現在を行き来しながら語られる。
泣ける。のはもちろんだ。
Posted by ブクログ
思い通りにいかないことはたくさんあるけれど、子どもも大人もそれぞれの場所で一生懸命なんだと思えた。それでも子どもたちは限られた場所で行動の自由を制限されて苦しかったこと、そこからまた変化していく環境への切替えもしんどかっただろう。その中で支えてくれた人たちとの関係を大切にして前向きに頑張る冴ちゃんと心晴ちゃんの頑張りと成長に元気をもらいました!
Posted by ブクログ
多感な子供達にとって特に大切な学校生活であったり人との交流が、感染症の流行によって排除されてしまった。でもマイナスなことばかりではなくて、逆に感染症の流行がなかったら得られなかった経験や人との出会いもある。
そして貴重なその経験や人との出会いは、その後の人生において、なくてはならない財産になる。
そんなことを感じさせてくれた物語でした。
Posted by ブクログ
もうね、この本を若い人たちに読んでもらいたい。
特に引きこもっている子に、ダメ親の元に生まれて自分までダメな人間と思っている子に、何ならODしている子に。薬よりよっぽど効くと思う。
「人は誰でも必要とされる大切な存在であること。今はそうでなかったとしてもいつかはなれる」ということを知ってもらいたい。読後そう思った。
若い世代はコロナで本当に翻弄された日々だったと思う。そしてSNSが当たり前の世の中でさらに閉鎖的になることが増えたと思う。
でも人と直接話すことや手紙で思いを綴るなど以前それが当たり前だったことがとても大切であることを教えてくれている。
どうか自分の存在を軽く考えないで、どうか自分の価値を自分で決めないで。
必ずどこかに自分の価値を存在を認めてくれる人間がいる、現れることをこの作品で知って欲しい。
…と力説したくなる良い本でした。
Posted by ブクログ
どうしても親の目線で読んでしまう。
あのコロナ禍での自粛期間は、私も親として、試行錯誤していた日々だったから。
感染リスクはできる限り減らしたいし、そもそも不要不急の外出は許されていなかった。
でも、この自粛期間に子どもが失う色々な機会がたくさんあるだろうことを想像して焦り、それをなんとか埋めたくて、家でできる遊びを考えたり、夜に人のいない公園に出かけたり。
それでも子どもが心から楽しめているかどうかと心配したり。
だからこそ、この物語が救いになった。
あの頃、色々やりながらも、これでいいのだろうかと不安になっていた私を助けてくれた。
小学3年生の女の子二人が主人公。
家庭環境も学校も全然違う彼女たちが、大人になって、あの頃のことを振り返る。
不登校になってしまったり、ネグレクトを受けているクラスメートと知り合ったり、いじめられたり、早くに親を亡くしたり。
こんなに苦しいことはないんじゃないかと、彼女たちの気持ちを想像すると胸が痛くなるが、それでも立派な大人に成長した彼女たちを見ると、嬉しくてホッとして、涙が出てくる。
大人も子どもも心乱されたあの期間。
でも、あの時過ごしたあの時間が与えてくれたものも、確かにある。
そう教えてくれる救いの物語だった。
Posted by ブクログ
コロナ禍でもたくましく生きる登場人物。
SNSやオンラインの時代になっても
やはり人と人との繋がりは絶対的なもの。
人と関わることで自分という存在の輪郭を強くすることができる。
勇気をもらえました。
Posted by ブクログ
コロナ禍を扱った小説はあんまり好きではないのだけど、、、、
これは、それだけじゃなく、人生を扱ってたから読みやすく、好きだった
ただ、登場人物や、時間経過が、コロコロ変わりながら描かれるので、すこしわかりにくかった
人生って少しのことで大きく変わるよね
子供時代も、コロナのようなことも、人間関係も
Posted by ブクログ
主人公は、小4の時にコロナが流行して学級閉鎖となった女の子2人。同じ境遇の2人が大人になって就活で出会い…。
2人の視点、小4からの話と就活時(いま)が交互に描かれる。最初登場人物は1人思ってたので途中で、ん!?ってなった。
コロナがなければって思うけど、いい面も正直あって、時代が変わるにつれてそういう変化はコロナに限った話じゃないよなぁとも思って(SNSとかもそうだろうし)、奪われたもの以外にも目を向けてみようと思った。
Posted by ブクログ
同じ年齢の女の子ふたり
わたしと私の
コロナ禍と現在の生活が
行ったり来たりして
それぞれのエピソードが
度々こんがらがってしまい
少し読みにくかった…けれど
自己の利益を求めがちな世の中で
他人を思いやるあたたかさと
弱さや違いを
受け入れるやさしさにあふれ
今日よりもまた
明日を信じられるような
まっすぐな感じにじんわりした。