あらすじ
『そして、バトンは渡された』『夜明けのすべて』の著者による書下ろし長編
いまを生きる私たちの道標となる物語の誕生!
「明日が怖いものではなく楽しみになったのは、あの日からだよ」
今でもふと思う。あの数年はなんだったのだろうかと。
不自由で息苦しかった毎日。
家で過ごすことが最善だとされていたあの期間。
多くの人から当たり前にあるはずのものを奪っていったであろう時代。
それでも、あの日々が連れてきてくれたもの、
与えてくれたものが確かにあった――。
【著者より】
何かと制限され思いどおりに過ごせない毎日を、大人も子どもも、
誰しもが困難を抱えながら進んできたと思います。
そして、これから、また違う日々に向かわないといけない中で、
ほんの少しでも明るいものを差し出せる物語になれれば。
そう思っています。
明日が怖いものではなく楽しみになったのは、あの日から――
『そして、バトンは渡された』『夜明けのすべて』の著者による書下ろし長編。
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Posted by ブクログ
コロナ禍で学校が休校になった小学校3年生の二人の女の子。
「当たり前」が「当たり前」じゃなくなって、新しい「当たり前」が作られていく日々。
コロナ禍終息後の時代に就職活動をしている二人の女性。
小学生の頃に経験したコロナ禍の影響を少なからず受けている。
二人の就活生は、コロナ禍の二人の小学生の「その後」だということは予想外つくけど、どちらがどちらなのかは途中までわからない。
二つの時代を行ったり来たりするので、若干頭が混乱…
でも、その混乱も含め、続きが気になって、あっという間に読んでしまいました。
私はコロナ禍の時にはすでにいい大人で、仕事もテレワークで対応可能で、さらに周囲に学校の通う年齢の子どももいなかったので、あまり大きな影響は受けませんでした。
でも、休校や行事の中止などを経験した子どもたちは、いわゆる「青春時代」を奪われて、いろんな影響を受けて、中には夢を諦めたり、人生を狂わされた人もいたんだろうな。
そんなことを改めて考えて、胸が切なくなりました。
特に中盤は重い部分があったので、ラストが温かくて救われました。
Posted by ブクログ
めちゃくちゃよかった〜〜〜
コロナを生きていた小中学生はどう思うのか気になる。人に会えず顔も見れず他者との距離が縮まらない関係性とどう向き合っていたのだろう。
それが辛いことだったとして、それを誰かに言えてたりしたのでろうか。
冴や青葉をみているとどんな環境下の親のもとに生まれてもやっぱり人なんだなと思った。冴が愛情をもって育てられたことをちゃんと実感して生きていけるのは母との関係が良好だったからだと思うし、母がそうやって冴を愛情を込めて育てたことがちゃんと冴にも伝わっていたのがほんとうによかった。
青葉は親だけいったら恵まれて環境だったとはいえないけど、冴と冴の母親と過ごした時間が、青葉が人に愛情を与えたり人から愛情を受け取る唯一の体験だったことがほんとうに嬉しかった。(私が)ていうか冴と青葉の関係性がもうね本当にいいよ…
小晴の絶対に学校に行きたいという気持ちを親が反対し続けたことにもうちょっと耳を傾けてあげてもいいんじゃないかって思ったけど、親は親で心配だよな〜とも思って難しい。コロナ禍で大変だったのは子どもかもしれないけど多感な子どもと一番密接に過ごした家族も大変だっただろうなと思った。
学校に行けなくなるのも辛いけど行ったら行ったで全部が楽しいことばかりじゃないからさ、本当に難しいんだけど全く異なる時間を過ごしてきたふたりが出会ってあの時はこうだったよねって言い合えて本当によかったな〜〜