あらすじ
中学2年生の隼太は、この春に名字が変わった。シングルマザーだった母が、町で人気の歯医者と結婚したのだ。すごく嬉しかった。なのに…。優ちゃんはときどきキレて隼太を殴る。母さんは気づかない。隼太が、優ちゃんの抗議をものともせず全力で隠しているからだ。この孤独な闘いから隼太が得たものはなにか。友だち、淡い初恋、そしてこの家族に、選択の時が迫る。
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・人間がモラル的、法律的にタブーを犯した場合、それ以外の定められた枠組を著しく逸脱した時は、その行いと同等の贖罪が必要であることを再認識できた
・思春期に多い「こうではなきゃダメ」「これはダメ」という執着心がだんだんと薄れていく様子は現代人に刺さる描写のように思う
・なんとなく始めたことを頑張って続けて、なんとなく日常に成果が滲み出てきて、ふとした瞬間にようやく成果に気づく、それが本当の成長の仕方なんだと気付かされた
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読み終わって感じるものは本当にこれでいいのかと思ってしまうけれど、心が温かくなるようなほっこりするような気持ちだった。
継父による虐待、それは絶対に許されるものではないし文字にしたら悍ましいのに、それ以外の2人の時間はあまりにも穏やかで優しくて居心地が良さそうで、ずっと2人は一緒にいてほしいと思ってしまう。
でも、きっと自分の身近にこんな人たちがいたら、絶対に離れなくてはいけないと思うし、それが正しいのだろう。
優ちゃんに暴力を振るわせたものは、そしてそれをやめさせたものはなんだったのか。
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母親の再婚相手とその息子。中学生という多感な時期を血は繋がっていなくても、互いに相手が自分にとってかけがえのない存在だと気付いていく過程に、心を鷲掴みにされた。愛するということ。歳を重ねたからこそ、共感できる箇所が多かったのかもしれない。
人間の弱さ脆さと、強さを同時に感じられる作品。
#心友 #愛するということ #家族の絆 #子育て
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虐待の話だったのでかなり構えて読みました。でもやっぱり瀬尾さんの本でした。どんな理由があったとしても虐待の加害者を認めることなど絶対に有りませんが、このような大人は世の中に案外たくさんいるのではないかと思います。ただし、この様な子供は絶対にいません。虐待の被害者が虐待の加害者を救済するなどということは現実にはあり得ませんが、このフィクションの物語りでは何とか3人で暮らす日がまた来て欲しいと思い読み終えました。
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虐待という重いテーマなのかなと思いきや、読み進めていくと、少年が家族のぬくもりを守るために奮闘し、成長していくポジティブなストーリーで、面白かった。
意外だけど
優ちゃんとぼく、色々あったけど、上手くやってた。もちろん、色々の中身は、結構ハードだけど。淡々と語る内容は、あまり気分のいいものじゃない。生々しく語られても、いいものじゃない。でも、冷静な主人公に救われた。
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制御された悪の重要性。
臨床心理士・いわみやけいこさんのあとがきがとてもスッキリと説明してくれている。
本の内容には共感が多かった。
部活内での問題になるシーンについては、私が子供の頃に正しいと考えてやったことを怒られて親にまで話しが行った時のことを思い出した。
人生でした経験が、考え方に影響を与えているという感覚を私に与えてくれた。
お気に入り。
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人の感情がうまく描かれている。
知らない世界だからわからない世界でもある。
あったかいような切ないような変な気持ちになるけど後味は悪くなくて、サクサクと読まされたという感じ。
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母親はスナック勤めの為、長居夜を1人で暮らさなければいけなかった少年隼太。そんな時、母親が再婚する。しかし、それは虐待の始まりだった。
中学生だし、という理由で助けも呼ばず、虐待されても、血が繋がっていなくても家にいてくれる安心感、存在を必要とする健気な姿に胸を打たれた。虐待を振るってしまい逃げたくなってしまう優。
普段は虐待されているのを隠して、クールに生きる男子。
2人は虐待をなんとか終わらすため、日記を書いたり、本を読んだり。カルシウムたっぷりの料理を作ったりなど、頑張り、隼太は彼女も出来、進展はないものの、平和になる後半にホッとしたのに、
慎重に捨てたはずの虐待日記や本が母親に見つかり、激怒した母親により、優と隼太は引き離されてしまう。
それならもっと早く気づいて欲しかったんだろうなぁとか、隼太の気持ちが痛いほどわかった。
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虐待の話なはずなのに逃げてとか誰か助けてあげてとか思わない、なぜか爽やかな風が吹いている気すらする不思議な話だった。
もちろん優ちゃんがしたことは許さないしこれを知らされず知った時には息子から泣いて気持ちをぶつけられるお母さんの気持ちを思うと辛いどころの話ではないけど、優ちゃんと隼太にしか分からない事実がそこにはあった。
「戻ってくる」…どうかな、戻らない気はするしその方が良い気もする。
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子どもがもしできたら、
なるべく家にいれるようにしたいと思った
夜誰もいない孤独を知らないから、その寂しさを作品を通して感じることができた
ラストは、
暴力がなくなってこのまま幸せが続けば
と思ってた矢先に日記が見つかってしまい
父親が出て行く
精神病院に通ってでもカウンセリングを受けてでもまた許してもらえるよう戻ってくる
このシーンはグッと来た
辛い状況でも本人同士にしか分からないことがある
けど暴力はいけない
学びのある作品だった
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お母さんの再婚相手から虐待されている。
その事実だけだととてもヘビーな話題なのに、この2人はとても暖かく前向きだ。
いつも仲良しなのにキレると手がつけられなくなってしまう。そんな自分がコントロールできなくて苦しむ。
隼太はすごく父親というか一緒にいてくれる存在を求めているけど、なんというかドライだ。
ほとんどの虐待はこんな関係性じゃないんだろうけど、なんとかがんばって乗り越えよあとしている姿はいいなと思った。
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読みやすくてすぐ読み終えられた。
DV、ひとり親、思春期、反抗期、再婚、貧困、義務教育など色々な環境に影響される主人公の思いが描写されていて、1年ぶりくらいに久しぶりに小説を読んでみて、小説も良いなぁと改めて感じた。
自分と通ずる部分もあるし、読んでいて切なくなる部分、はたまた心が温まる部分もあった。
登場人物の物語って捉えるとそこで終わるけれど、主題が虐待じゃなくて善悪だという解説を読んで、そういう捉え方もできるのか、とびっくりした。
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一瞬で読めた 瀬尾さんの文章はほんとに読みやすい
虐待がテーマなのに、心がずしんと重くなったりしない。子と親で虐待を一緒に克服する斬新な視線。感想を書くには語彙力が足りない…隼人くんは誰よりも大人だ。
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僕と優ちゃんの関係が良くなっていく過程に一喜一憂しながら読んだ。
母の気持ちもわかる。大事なものを傷つけられたら親は我慢できない。
僕と優ちゃんで完結しないところがいい。
関下さんの存在には救われる。
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最後は希望が見える感じになるのがよかった。とは言え、原因は暴力。優しいタッチで描かれてはいたが壮絶なのだろう。それでも明かりのついてない部屋に一人でいるよりか、誰かを求めてしまう、という隼太の感情はわからなくはない。そして暴力を知ったお母さん。優ちゃんと一緒にいたいがための隼太の今までの苦労や想いが分かるだけに、お母さんの想いに思いっきり賛成できないのがややこしい。
タナケンのiPodd解決方法は秀逸だったな。
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虐待のテーマを扱っていて、瀬尾まいこさんの小説としては重い内容かなと思ったが、主人公である隼太の成長が描かれており、心温まる話であった。
ただ最後の結末には驚いたけど、決してアンハッピーな結末ではない。
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血の繋がっていない父の虐待を受ける中学2年の男の子の話。名前は優ちゃんと隼太。
急にキレて手を出してしまう優ちゃんは、感情をコントロールできない。隼太はそれでも周りには言わずに、2人で解決しようとする。
だんだん殴ることをしないようになる。
隼太は反抗期だが少しずつ成長してるように見えた。また、思春期だなーって思われるような描写もあった。
最後はまさかの展開だった。
私は円満に3人で終わって欲しかったな。
優ちゃんが戻って来ますように。
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虐待してくる義理の父。
それだけ聞くと最悪だと思ってしまう。
でも、それでもいてほしい、大好きな人だって事も当の本人達にとってはありえるのかもしれない。
幸せは周りが決めたり、押し付けたりするものではなくて、自分の心でわかるものなんだろうなぁ。
普通と違っても、それでもいいのかもしれない。
この作品、「虐待」や「暴力」「家族の在り方」がテーマかと思いきや、「善と悪」「優しさや正しさとは」など、壮大なテーマが潜んでいて、本気で道徳の教科書に載せてほしいぐらい、深い。。
それにしても、元中学校教諭の瀬尾さんだからこそ、中学生を描くのが毎回上手ですね( •ꙍ•́ )✧
人の心って複雑で、冷静に考えたらよくない行動をなぜか取ってしまったり、自分の本来の姿と他者の評価に差を感じて戸惑ったり、勝手に幻滅してしまったり。
自分が思っている善が、誰かの悪になりうることもあると気付かされた。
隼太の気持ちが痛いくらい伝わるのだけど、母親の気持ちも勿論わかる。
どの選択が正しいかは、人によって違うかもしれないけれど、この終わり方は清々しくて、ある意味ハッピーエンドと捉えることも出来るかもしれない。
それでも、優ちゃんが隼太に掛けた(ちゃんと大事に思っていて、嫌われたくなくて、愛している。だから戻ってくる。という)言葉は、嘘ひとつないと感じるから、これからも、二人の良い関係が続くことを願わずにはいられない。
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児童虐待の向き合い方として読むのは、さすがにリスキーだと思う。子供に解決を委ねるのはダメだろう。
でも思春期の少年の成長譚として読めばとても良いので、難しいところ。
周囲のおとなや同級生との関わりの中で、自ら気づき学び少しずつ変わっていく少年の様が、とても愛おしい。
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孤独という闇を抱える主人公・隼太と暴力を振るってしまう母親の再婚相手・優ちゃんのお話。最終的には闇を受け入れることで少しずつ前身していくようなそんな話。文章は読みやすくサクサク読めた。
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善の中に潜む悪、悪の中に潜む善。周りには善に見えてもその中に潜む悪は人それぞれでどちらが戦うに容易なのか、他者が判断できるものではないのだな〜と。取り上げられていた虐待はまさにそのひとつであって、それ以外の全てにおいて表面上の善悪で判断できないことってたくさんあるんだな〜と。
こうした方がいい、ああした方がいいと簡単に友達にも言えないなあと改めて思うなど。
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父親を亡くし、孤独な夜の寂しさと闘ってきた隼太に歯科医師をしている新しい父、優ちゃんがやってくる。
優しいけど、時々人が変わったように隼太に暴力を振るう優ちゃん。
それでも隼太はそんな優ちゃんを必要とし、優ちゃんがキレずに済むように本を読んで勉強したり食事を考えたりする。
優ちゃんもキレてしまう自分が許せずにいる。
ふたりの努力でなんとか暴力は振るわずに済む日々が続くものの、母親にバレてしまい、ふたりは離れ離れに。
虐待が行われるその奥に、もっと深い問題が潜んでいるのが恐ろしかった。
「善」と「悪」の複雑な絡まり合いは難しい問題として考えさせられた。
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虐待。報道でその言葉を聞くと「ひどい」「そんなことするなんて最低」そう思うけど、当事者達の葛藤もあるのだと気付かされた。ただ、本当に苦しい。胸がしめつけられる。
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虐待に耐えながらも優ちゃんを必要としている隼太はとても奇妙で、冒頭で惹かれ、レジへ持っていった。
第三者からすると完全な「悪」も、当事者により否定されることがある。
人間て不思議。
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僕の明日を照らして
瀬尾まいこさん。
義理の父からの虐待。
なんとも、悲しい始まりだったけど、
不思議な展開。
中学二年生の隼太。
揺れる気持ち。成長。
手に取るようにわかって、おもしろかった。
続きが知りたいです。
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「優ちゃんに殴られるより、もっと怖いことが僕にはあった〜」
世間の社会通念から考えると、優ちゃんと隼太の絆は児童虐待であり、当然引き離すべきな事
しかし被害者である隼太はそれを拒んで二人で克服しようと努力する
愛情は錯覚なんだろうか・・・
あくまで隼太視線のストーリーで優ちゃんと母親の関係は希薄
この家族3人が一緒に暮らす日は来ることはないだろう
う〜ん、どう頭の中を整理すればよいのか、危険な小説だった
Posted by ブクログ
瀬尾まいこさんの作品はどれも登場人物が憎めない。暴力を振う義父と聞くと最悪だが、素敵な面もあり憎みきれない。思っていた最後とは違ったが瀬尾まいこさんの本なのできっと良い未来が待っていると信じられる。