高田大介のレビュー一覧

  • 図書館の魔女 第四巻

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    ネタバレ

    文章は読み応えがあり、そして長い。しかし長いことが苦になることはない。
    むしろ、長さはこの物語の世界に長く居続けられることを意味し、すらすらとは理解できないことがある文章は、早く先を知りたいがために焦ってページをめくろうとする手を宥めてくれる。

    ファンタジーにカテゴライズされているのは、独自の地理と歴史を持った世界を描いているためと思われるが、物理や自然科学の法則は、この現実世界と何ら変わりない。魔法、超能力、異種族、モンスターといったものも出てこない。そういう意味では、これをファンタジーと呼んでいいものか迷う。

    一方で、アジア、ヨーロッパ、南洋地域を想起させるような国や地域が登場し、街の歴史や成り立ち、陸地や海の形などに由来する地政学が緻密に設定されている。こういう世界の成り立ちを想像しながら読むのも楽しい。

    マツリカとキリヒトのコンビもいい。キリヒトが鋭い感覚で何かを察知し、マツリカがそれを知識と結びつけて、思いもよらないところまで考察を深めていく。この連携が実に面白い。知識だけでも、感覚だけでもたどり着けないところに、二人だからこそたどり着け、それが物語を推進しているという感覚が得られる。

    あと、この物語では言語が重要な意味を持つ。言語とは、単に音声や文字で情報を伝えるためのものではない。言葉というものを、多角的に掘り下げて物語に組み込んでいるのが面白い。

    言葉を大事にしている作品だけあって、本文もまた、一つひとつの言葉が丁寧に選ばれ、編まれている。決して気軽に読み飛ばせる文章ではないが、それがいい。

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    2026年10月21日
  • 記憶の対位法

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    最後まで読んではじめて、タイトルの意味の深さに気づきました。推理小説?歴史小説?読んでいて面白く、主人公と上司との討論やフランスの歴史や現実を確実に把握したと思われる(著者はフランス在住でしたよね)叙述、地方と中央の捉え方、そして音符、記譜の歴史や音楽の成り立ちが、対位法のように重層的に展開されます。
    ほんとうにフランスをほんの少し旅したような、その懊悩を一欠片化でも知ることができたような気持ちになりました。
    ある意味、誰も犯人でもなく何も起こらない物語は作者が伝えたいことを訥々と語りながら、最後の最後に、心に重く響くメッセージを伝えて終わります。
    歴史とは何か?人が感じ、理解し、伝えるとは何か?
    果てしなく繰り返された問への一つの答えだと思いました。

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    2026年10月14日
  • 図書館の魔女 霆ける塔

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    ネタバレ

    「言葉というものはその言葉をもってしか説明することはできない、説明しようと他の言葉を尽くす程に本質から遠ざかってしまう」、このセリフが頭から離れなくなった。それこそ雷に打たれたようだった。これは言葉のみに当てはまるものではないように思う。本当にこの物語からは多くの学びがある。それでいて、面白い。キリヒトがでてきてくれた時なんて嬉しくて思わず小さい声がでたほど。それほど自分がこの物語に没入していると気付かされた。まだ終わりじゃないですよね?絶対次がありますよね?信じて楽しみに待っています!

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    2026年09月03日
  • 新しい法律ができた

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    ネタバレ

    推し活制限法
    日本国民に英語の勉強を義務付けへ
    つるべを取られて
    コロシヤとユキオンナ
    魔法罪
    もう、ディストピア
    自転車武装条例
    ありがとう、虎太郎
    ショートケーキの夜

    が好き

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    2026年08月23日
  • 図書館の魔女 霆ける塔

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    マツリカとタメ口をきく子が出てきて、ちょっと嬉しい。

    前作が気に入っていたので、その登場人物たちが出てきたのも嬉しい。

    次作が待ち遠しい。

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    2026年08月12日
  • エディシオン・クリティーク

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    襖の裏紙に書かれた古い文章、古書店で買った辞書に挟まれた書き付け、解読不能の古文書「ヴォイニッチ写本」。
    それらを文献学を軸に、会話劇で解き明かしていく。
    とても難解な内容がとてつもなく面白いのは、キャラクターの魅力ゆえかも。

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    2026年07月09日
  • まほり 下

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    #まほり 上・下
    #高田大介

    苦行とも思える古文書解読の果てに、最高の光景が待っている。
    囚われの幼女のこの世ならざる美しさを、流れるような筆致で描写。クライマックスで敵と対峙する裕を香織が見つめるシーンでは、フラッシュバックを交えた時間が止まったかのような心理描写で、ヒーロー登場のカタルシスを存分に演出する。そしてラスト1行。久々に全身が総毛立つ感覚を味わった。
    言葉の力を知り尽くした作者ならではの筆力。やはり天才。

    #読書好きな人と繋がりたい

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    2026年06月10日
  • 図書館の魔女 烏の伝言 (下)

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    一部の登場人物と同様に、なにが進んでいるのかもわからないまま止められない手で読み進めた先で、次々と明かされる真実、また真実、なるほどこういうことだったのか!! と驚く暇もあらばこそ、残されていた些細な疑問からまた新たな、そして重大な真実がたぐり寄せられていく爽快感!
    けっして楽しいお話じゃない。当事者になりたいなんてこれっぽっちも思えない。けれどもそこに確かな人間の手触りが、実在が感じられる物語にすごーく引き込まれる。

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    2026年05月23日
  • 図書館の魔女 第一巻

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    ふらりと入った本屋で、店員さんの手書きポップに「だまされたと思って買ってみてください」とあったので買ってみた。店員さんに感謝。

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    2026年05月20日
  • 図書館の魔女 第四巻

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    何度読んでも色褪せぬ感動!!!
    この切なくも希望ある終わり方!
    でもまだまだこれからなんだ、彼らの物語は、これほどの紙幅を費やしてなお、まだ始まったばかりなんだ。
    どうしてこう、理知的でありながら情緒的な物語がつくれるのか……。
    読んでない人は読むべき、読んだ人はもう一度読むべき、そしてなるだけたくさんの人に勧めるべき、そんな本なのだ………!!!!

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    2026年05月18日
  • 図書館の魔女 第三巻

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    何周もしている。
    結末に向けた「溜め」の巻ではあるけれど、国際政治の力関係がどっと示されるから、すごーく目まぐるしくて、すごーくおもしろい。
    マツリカやキリヒトを襲う個人的な苦難と、国や世界を平らかに収めようという壮大な展開とがコントラストに富んでいて、お話ってこんなふうに書けるんだ! と感動する。

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    2026年05月03日
  • 図書館の魔女 第一巻

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    何周したのかわからないくらいに読んでいる。
    初めに読んだときには、独特で古めかしい言葉の連続に、なかなか読み進むことができなかった。
    何周もした今となっては、それらがすべて必要な文章で、足したり引いたりできないもののように思える。
    壮大で、それでいて繊細な物語の第一巻。
    何度読んだってわくわくが薄れない!

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    2026年04月24日
  • 図書館の魔女 霆ける塔

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    マツリカの隠し方は想像つかない所から物語に引き込まれていた。
    途中難しい箇所もあるが、程よい負荷で読書できた達成感がある。
    「真上から焼菓子を眺めていると、ずっと乾き切った口内に唾液が湧き出てくるほかにどうしようもなく湧き出てくるものがあった。」
    食欲は人間の本能であり、それを意志の力ではねつけた。切なかった。

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    2026年04月12日
  • 図書館の魔女 烏の伝言 (下)

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    最後は一気読みでした。
    あの方が登場したときの興奮たるや!

    最初は番外編的な続編かと読んでいたけれど、やはりあの方に、一の谷・二ザマ・アルデシュの物語に繋がる話だったのか!と感動した。

    痛ましい被害も多かったなかで、黒幕の最期と牛目の登場が次巻への流れとして大いに繋がることになるのだろうと思った。

    カロイ、好きだなぁ
    黒も次巻で活躍するのかな?

    キリヒトの活躍が待たれる!

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    2026年03月24日
  • 図書館の魔女 霆ける塔

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    相変わらず難解難読の言葉が多い。
    なかなかキリヒトが出てこない。はるかぜの発想とかちょっと飛躍を感じるけれど、世界観が好きなので続編を待ちたい。

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    2026年03月24日
  • それはそれはよく燃えた

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    たくさんの作家さんの作品が一度に楽しめる1冊
    最初の1行は全員一緒なのに、ゾッとしたり、考えさせられたり、驚いたり、意外な結末だったり…次は何が燃えてしまうんだろうと気になるし、短編集なのでサクサク読めた

    私が好きなのは『黄金の森の神様』『燃えろ恋ごころ』『怪物どもの棲家』『レヴナント』『人形供養』

    『忌物を燃やす』は鳥肌たったなぁ…

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    2026年02月21日
  • 図書館の魔女 第二巻

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    何度も読んできた作品だが、第二巻の最後のやり取りはすっかり忘れていたというか読めてなかったことに気づく。

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    2026年02月13日
  • 図書館の魔女 第四巻

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    ひゃー!凄かった
    おもしろかった
    読んだなぁ…とりわけ3巻4巻は怒涛の付箋回収だったので、あっという間に読み進んで、もう終わってしまうのかと最後は何度かじらして遡ってみたりもした。
    回収しきらずに終えているのは、あえての事なのだろうと勝手にワクワクしている
    1巻の出だし数ページで、挫折するかと思ったけど、読み終えてまたすぐ最初から読みたいと思ってしまった

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    2026年01月27日
  • 図書館の魔女 第三巻

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    マツリカ様の小気味よい言霊がバシバシ入ってくる
    それまでの付箋回収と思いがけない展開に
    すっかりマツリカ様の虜です。
    読み返したくなる本のひとつになりました。

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    2026年01月25日
  • 図書館の魔女 霆ける塔

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    ネタバレ

    場所の特定までは地学、救出作戦は地理(気候)の知識と、これまで学んできたものってこうやって実践になるんだなぁと大変面白く読んだ。もちろんいつもの高田先生として言語学も混じる。

    なぜわざわざこんな難しい言い回しをするのか?と前から少し思っていたが、この物語の雰囲気というだけではなく、「赤」は「赤」をもってしか言い表せないように、あらゆる言葉は完全な言い換えができるものではない、というやりとりで腑に落ちた。

    マツリカが断食して限界に近づいた際、文章も平易に一文が短く改行が多くなったのは、マツリカの頭が回っていないことを視覚的にもわかりやすくしていて、苦しみがダイレクトに伝わってきた。

    キリヒトが武力チートすぎるけど、信仰に厚いという部族の設定がここに生きるか!と膝を打った。そもそもミツクビに忠誠を誓っているわけでもあるまいし、螺旋階段で敗走してそのまま逃げるかと思ったが、そこにダメ押しという形か。

    仲間が増えて、紅花とキリヒトのやりとりなども今後気になるところ。

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    2026年01月23日