あらすじ
手を汚さずして海峡に覇権を及ぼす、ニザマの宦官宰相ミツクビの策謀に対し、マツリカは三国和睦会議の実現に動く。列座したのは、宦官宰相の専横に甘んじてきたニザマ帝、アルデシュ、一ノ谷の代表団。和議は成るのか。そして、マツリカの左手を縛めた傀儡師の行方は?超大作完結編。第45回メフィスト賞受賞作。
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伏線回収の爽快感とともに、再読終了。
「花に嵐のたとえもあるさ。さよならだけが人生だ。」の名調子が頭をよぎる締め括り。
名前は、贈り物であり、祝福であり、愛であり、新しく名前を与えることは、呪いからの解放であり、生の肯定なのだね。
名前、大事だなぁ。
あと、主従関係にラブ線絡むと、かならーず「お前の意志で私を選べ!」っていう展開になるんだなぁ、と。二十年くらい前、全然別系統の小説でこの展開を見てたから、なんか懐かしかった。いつの間にか日本の小説で定番化してた?
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むせかえるような情報量と豊富な語彙で埋め尽くされる文章の結実。キリヒトとマツリカの感情がダイレクトに突き刺さり、終盤は胸がギュッと締め付けられたままだった。だからこそ、とても読後感が良い。
というかさ、これメフィスト賞受賞作だったわ…… すっかり忘れて読んどった。マツリカ様は魔術はないと言い切ってたけど、そんなロングタームの暗示とか実質魔術じゃないの? とか三巻読み終わるところまでにちょいちょい疑問があったけど、全部トリックであったか……
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語彙力皆無だが、マツリカの誰かへ送る言葉は一言で言えば粋。粋という単語に纏めてしまえるほど簡単なものではないが、言葉とは意思であり意志。と、私はそう感じました。
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最終章、第4巻を読み終えました。言葉に表して気持ちを伝えることが容易くないと言いましょうか、とにかく圧巻、感無量でした。1行で言い表すとすれば、言葉を呑むほど感動している…に尽きます。
ニザマ、アルデシュ、一ノ谷の三国和睦会議は固唾をのんで読み進めました。その量、軽い文庫本1冊分くらいはあるんじゃないかしら…! キリンの活躍は読んでいて爽快でした。
最終章、やはり魅せつけてくれますね。双子座の居城へと向かうマツリカ一行ら。面前でその様が繰り広げられているかのように臨場感が伝わってきます。焦りや恐怖といったもので支配され、呼吸も浅く早くなっていて、気づけば目を見張るように本を見つめていました。
個人的にコダーイ大佐は裏表がなく好感が持てるし、人として好きですね。アキームも勇敢でかっこいいと思いました。
やはり要となったのはマツリカとキリヒトの指話かなと。和睦会議で遺憾無く発揮していて爽快でした。相手に悟られず、どんな内緒話でも話すことができるんですからね。
いつの間にか夢中になって、前のめりになって(笑)、周りが見えなくなるくらい惹き込まれる世界観でした。続編もあるようなので、そちらもまた楽しみたいと思います。
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なんて面白い小説!!!一巻の読み始めたときは文章が堅くて読むのが大変だったけど四巻にもなると慣れたもんで先が気になって気になって寝る間も惜しまず一瞬で読み終わってしまった
この本には、ある世界が、学問が、人間が、言葉が、なんと鮮やかに渦巻いていることだろう!
こんなに知識欲を掻き立てられる小説は初めて
もう一度読み直したい
アニメ化をとてもしてほしい…
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終わってしまった。
ファンタジー小説ということで、家にあったものの読むつもりもなかった。でも、面白いと聞かされ半信半疑で読み始めたのだが、ここ数年で一番面白かった。
極端などんでん返しやトリックごあるわけではない。でも、ちゃんと仕掛けもある。「先が読めてしまう」という悪い意味ではない、想定通りに進む心地よいところと、斬新な進み方が共存してる。
烏の伝言、楽しみです。
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最終4巻。だいぶ長いが、それは今更感じません。
前半半分で広がっていた風呂敷がだいぶ畳まれた感が出て、もうここで完結ぞ?あとは帰るだけぞ?となったが、読み進めるとそんなことはない、あるべくして設けられた壮大なエピローグでした。
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言語学者、高田大介の超大作ファンタジー小説。
緻密に織り込まれた伏線がやがて一本の糸につながる。
裏打ちされた知識は膨大。面白い一冊であった。
確かにハリーポッターやロードオブザリングにも引けを取らない大作
Posted by ブクログ
片手にこの小説、片手に辞書、それでもわからないときはインターネットで言葉を調べながら読んだ作品です。これまで読んできた中で読み終わるまでに一番時間がかかりましたが、それに見合う読書体験ができました。人生で一番読み応えがあって、感動し、満足させてもらいました。こんなに趣味が読書で良かったと思ったことはありませんし、今小説を読んでいる!という充足感が最高です。
Posted by ブクログ
ニザマ帝による宦官中常侍との決別宣言の影響
アルデシュの説得プレゼン
戦争の過程と維持で必要になる物資と費用
領土を得た仮定の展望
新たな農地と農法の提案
揚水技術の説明
双子座の追跡
帰路のあれこれ
エピローグ
前半の交渉はキリン無双すぎ(笑)
いや、まぁこうなることはわかってたけどね
そして、間諜がいる事を前提に行動している人たちの凄さ
ニザマ帝とマツリカの頭の中はどうなってるのかね?
マツリカの交渉術というか、ピンチも全て利用して、それをさも最初から考えていたことかのような振る舞い
ほぼまとまった交渉の弱点を利用して、技術の価値を操作して情報を得るとかって、詐欺師のやり口ですよ?(笑)
双子座の追跡に関しては、描写が微に入り細に入り込んでいる
でも、何故かその場面が脳内に再生されない不思議
表現が冗長な気がするんだが、私の想像力や知識のなさが原因なのですかね
それにしても、ヴァーシャールヘイ……
ってか、あんな生物兵器のような疫神をどうやって管理運用してるんですかね?
あの人数をちゃんと適切な使い方をできるように管理するって、かなりコストがかかると思うんですが……
ま、そこはフィクションってことで
帰途のマツリカの強欲っぷり
ま、それが人を救う形になってるのが面白いところ
証文のやりとりの伏線がここで生きてくるとはねぇ
物語の構成というかキャラクターの配置の妙ですね
エピローグはマツリカらしいし、キリヒトらしい
全体を通じて
壮大なボーイミーツガール物語という理解がしっくりくる
そして、自分の存在意義を自分で選ぶという、自己実現の話なんだな
それでいて、知識エンターテイメントの要素や国家レベルの謀略など、知識と洞察力が必要だったりと懐が深い
あと、タイトルからはファンタジーな印象を抱くのに、作中では結果的に非現実的要素を全否定する超リアリズムな物語になっている不思議
架空の国のはずが、まるで世界史のどこか一部を切り取ったかのような、地理・歴史、キャラクターの設定が凄い
総じて冗長な表現が多いと思われるのは、著者が言語学者であるのが理由なのだろうか?
そのせいで頭の中でイメージ化するスピードと物語の内容の進行が大幅にズレている気がする
もっと簡潔な表現と描写で文量が半分くらいだと私に丁度いい感じだろうか?
Posted by ブクログ
終わった。
すごい話だった。
本当に面白い本を読んだ満足感でいっぱい。
長い長い物語で、言語学者だという作者が紡ぎ出す文章を読むのは結構大変だったけど、丁寧に読むことができてよかった。
魔女と呼ばれている人物が主人公だけど、魔法は出てこない。
架空の世界の外交小説でありつつ、少年少女が心通わせる物語、敵対する者や衛兵たちとの胸が熱くなる戦いと友情。
もう盛りだくさん。
終わるまで長かったけど、もう少しで終わり…となると、この世界から離れるのが淋しくなって、ちびちびと読んだ。
続編も出ているようなので、そちらも読んでみようと思う。
Posted by ブクログ
ほんと、一生のお願い!
この小説はぜひ読んでみて!
読んだ後に、もし面白くなかったという感想だったら、もう
『kazzu008に騙された!!』
とネット上で滅茶苦茶炎上させてもいいですから!!
この小説は、カテゴリー的にいうとファンタジー物になるんだろけど、そんじょそこらのファンタジーとは全くちがいますね。
火を噴くドラゴンも出てこなければ、魔法も出てきません。
雰囲気的には、古代ヨーロッパと中国を合わせたような世界が舞台。
そこで活躍するのが、
「高い塔の魔女」と恐れられている少女マツリカ
魔女と言っても、先ほど言ったように本当に魔法を使うわけではなく、その知識と知略で世界を変えてしまうような能力を持っているのです。
そのマツリカのもとに一人の少年が送られてくるところから物語は始まります。
その少年の名はキリヒト。
彼の役目は、マツリカの手話通訳。
そう、「高い塔の魔女・マツリカ」は声を出すことができないのです。
「声なき少女」が知恵と勇気で世界を動かすという壮大な物語なのです。
いや~。本当に面白かった。
しかもこの本は著者のデビュー作なんですよね。
そして著者の本職は『言語学者』。本書のなかでも民俗学に通じるような言語学の幅広い知識が散りばめられ、そちらの方でも満足度も半端ありません。
世界を動かすというストーリーも最高だし、マツリカとキリヒトの
ボーイミーツガール
的な要素もあり、そういった胸キュン(←死語)シチュエーションが好きな方も満足させてくれるはず(笑)。
文庫本で4巻。しかも内容は非常に濃いのでがっちり読み応えがあります。
それでも2巻の後半くらいからキリヒトがなぜマツリカのもとに送られてきたかという理由が明らかになっていくと、もうページをめくる手が止まりません。
おっと、これ以上はもう書けないなww
マジでおすすめの本ですから、ぜひ未読の方は手に取ってみてくださいね。
久しぶりのレビューでちょっと力の入ってしまったkazzu008からのお願いでした!
Posted by ブクログ
架空の世界の物語なのでそれだけでいうとファンタジーだけど、魔法や何やらは一切出てこなくて、外交、緻密に組み立てられたストーリーがすごく面白かった。最終巻は泣きつつ、締めくくりも本当にしっくりきて他の小説とはまた違った満足感。
Posted by ブクログ
何故こんなにこの作品は素晴らしいのだろうか。生まれて初めて「読み終わりたくない」と感じた小説だった。私が小説の中で特徴を感じる観点の1つして”科白以外の文”がある。ここでは客観的な文が多いが2種類ある。1つ目は”世界を俯瞰”している視点と”第三者の目”という視点である。特に後者は珍しいと感じる。この視点があることで、読者はまるでその場にいると感じ、臨場感や緊張感を肌で感じるかのように読み進めて行くことができる。更に、最後の場面は続きを匂わせる雰囲気で、読みたいなと思う。
Posted by ブクログ
面白かった‼
剣は人を分断する。言葉は人をつなげる。
マツリカが追い求める、”彼我の間に、言葉を交わすチャンスはなかったのか?”という問い。言葉によって世界を平らかにできる、という証明。
言葉が人を人たらしめているのならば、言葉でつながっていくことこそが、人の在るべき姿だと思った。
Posted by ブクログ
とうとう読み終わってしまった、というのが最初の感想です。
最終巻にして物語は一気に飛躍を見せ、これまでマツリカとキリヒトが体験した全ての出来事が意味を持つ。面白さのあまりこのボリュームを1日で読破してしまった。
全4巻で終わりだと思っていたのに新シリーズがあると知ったときの喜びは、読んだ人には分かると思います。
Posted by ブクログ
最高のファンタジー小説の一つです
最初はセリフも殆どなく、地の文章だらけできついですが、キリヒトとマツリカが出会ってからは一気に面白くなりました
Posted by ブクログ
本当に素晴らしい小説でした。評価の☆が5つまでしか無いのが惜しい。
壮大なファンタジーかと思いきや魔法も不思議な生き物も出てこない。(民族による体型などの違いはあるけれど。)でも、確実に質の高いファンタジー。巻末の解説に「指輪物語やハリー・ポッターに勝る物語」とあったのですが、まさにその通りだと思いました。
読み始めはページ数の多さと言葉の難しさに圧倒されて、読み終える事が出来るのかも怪しく感じました。でも、4巻を読む頃には早く先が知りたくもあり読み終えるのが寂くもあり。沢山の知識や考え方が入ってくるのだけれど決して押し付けがましくなく、読み手にちゃんと考える余地を与えてくれている。
沢山の人に読んでほしい物語です。
Posted by ブクログ
一の谷の一行は、ニザマの西の離宮で、和睦の会議に出席することになる。その席では、アルデッシュ側を説得する必要がある。どんな秘策を高い塔の魔女であるマツリカは用意しているのだろうか?難しい漢字や熟語が出てくる。言葉の世界を操る魔女が登場するからかな。
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これだけの長さでありながら、物語が終わってしまうことを惜しむような本に出会ったのは、とんでもなく久しぶりな気がします。ひょっとしたら初めてかもしれない。
世界観、設定、話の展開、伏線、学問的な裏付け、根拠に理論。何より、風景に気候、動植物に飲食物、建造物に道具類、そして人物描写と心理描写。物語に関わる一切において手を抜くことなく、細部にわたって考え抜き、大切に言葉を選び抜き、丁寧に綴られたということが伝わってきます。
登場する言葉が難解すぎて&政治的なやりとりが難しすぎて、浅学な私の頭ではついていけない部分もかなりあったのですが(涙)、それでもこの話は十分に面白かった。分からないでも分からないなりに読み込まないと大要が掴めないことは序盤で思い知ったので、他の本ならば読み飛ばしてしまいそうな説明部でも丹念に辿っていかざるを得ず、その結果、物語の中にどっぷりと浸ることが出来たようにも思います。
題名に「魔女」を謳いながら、本当の「魔法」は登場しないけれど、この話は間違いなく、幻想的で心躍るファンタジーでした。
余談ですが、各話の小題が平仮名なのが気になって、何かの暗号になっているのではとタテ読みしても特に何も読み取れずにいたら……まさか、作中で全く別のタテ読み暗号が出てくるとは(笑)
最後に一言。
キリヒトとマツリカが可愛すぎる……!!(太字強調)
Posted by ブクログ
展開がスピーディで、小難しい言葉遊びもなく、面白かった。後半でまさかの展開もあり、分厚いながらも一気に読めた。マツリカとキリヒトのキャラがいい。もう少しキリヒトの活躍するストーリーを読みたいな。
Posted by ブクログ
小難しいとか説明が長すぎるとかブツブツ言いながらも2巻以降の3冊は3日で読んじゃった。言葉と書物のアレコレの解説をされるよりも(それがこの本の魅力なんだけど!)たくさんの人がワイワイ言いながら色んなところに行って(舌鋒鋭く)戦う方が読み応えがあっていいね。話の山場はミツクビとの対決になるのかなと思ったけど違った。マツリカ、キリン、キリヒト、みんな若すぎるなと薄々思ってたところ、ご高齢のニザマ帝が出てきて彼の経験と深みを持った話し方に落ち着く。
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久々に長編ものを一気読みしてしまった。
あー楽しかった、どっぷり浸かった。
文庫本4巻の大長編。
ファンタジーというか、軍記物。言葉を操る少女による軍記物。
なにが起きるかと思ってワクワクしながら読んだけど、結局今回は三国の睨み合いを解いたくらいのことだった。(しかもまだ解決してない)
世界観の説明なのか、国同士の諍いや言語学やら
、ひたすら冗長でわかりにくいところが多々。地下通路の下り、あんなに長いの意味あった?
……と諸々とりあえず差し置いて、わたしの大好物のお話でした。キャラクターがとにかくよかった。
キリヒトの先生もタイキ先生も姿を現してくれなかったので、続き待ってます。
Posted by ブクログ
三つの国を又にかけた大冒険の回でした。意外な人物の裏切りが明らかになります。
マツリカにかけられた呪いを解く為に敵と対峙する場面では細かい描写で描かれていて、最初から最後までハラハラしました。
マツリカとキリヒトのやりとりも神秘的でした。
Posted by ブクログ
2021.1.10
この巻のためにこれまでがあったのかと納得の一冊でした。
恋愛にフレない所も好感もてたし、一人一人が、こう動くよな〜と思わせるシリーズ物独特の世界観がよかった。
Posted by ブクログ
言語への情熱は十分すぎるほど伝わった。
しかし残念ながらここで一旦本を置くことにした。
ますます描写が長くくどくなっていく。
著者の方には谷崎潤一郎氏の文章読本をお読みいただきたい。お読みならば御見解を聞きたい。
平易な言葉を使うこと。
文章の無駄を削ぎ落とすこと。
この作品の文章と真逆のことが心得として書かれている。
もちろん文章の正解は一つではないが、正直この心得を意識しながら推敲を重ねたなら、この作品は1/5のボリュームまで下がっただろう。
持てる限りの言葉を尽くして語るのも技術のうちだが、その持てる言葉の中から最適解のみを抜き出す努力も必要ではないか。
…などと文を綴る才覚のない者が言っても仕方ないが、この文を受け付けない人間が、ひとえに語彙力や読解力が無いため、とは思わない。
つまりは相性、といってしまえばそれまでだが。
Posted by ブクログ
一ノ谷の高い塔に住む魔女マツリカを中心とするファンタジー。読み終わったが、これって導入部なのだろう。
著者が言語学者のため、文章や単語が難しく読みづらかったのは俺だけ?とりあえず読み進めてきたが大変面白かった。時間を置いて改めて読んでみたい。
当然、次も読む。