高田大介のレビュー一覧
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#エディシオン・クリティーク
#高田大介
どういう物語かと問われると答えに困る。知的探求、知の洪水、言葉の奔流。大学の講義に例える人もいるけれど、それらに心地よく呑まれていることは間違いない。作者の叙述、筆致、語感、韻律全てが私の性癖に刺さる。
嵯峨野家での食事の風景や、修理と真理の関係を巡るコミカルなやり取りが彩りを加えている。マツリカにも通じる浮世離れしたディレッタントである修理が見せる知的探求と、それぞれが縦糸・横糸となって本作を綾なしている。
「本というものはある程度以上集まってしまって、空間内の本密度がある関値を超えると、あとは自動的に増えていくようになるものなのだ。そこで産まれている可能性すらあるのだ。それはそういうものなのだ。」
真理が語る真理。ほんとそれ。
#読書好きな人と繋がりたい -
Posted by ブクログ
ネタバレ文献学者の元夫、編集者の主人公の元夫婦が登場。
3話あり、読み切り型でした。1話は散逸しかけた民間説話の一部が襖から出てきて、一部分の情報から来歴や話の内容までを探り当てる。2話は古書店を絡めた辞典のこと。正誤表1つでよくもまあこんなに情報が出てくるものだと思いました。3話は主人公達が別れたにも関わらずそれなりの頻度で会うのはいかがなものか!という入りからのヴォイニッチ写本の解読を試す話(解読はできない)。
色んな情報を突き合わせてより集めて、「歴史から散逸した/忘れ去られた/隠された謎を解く」と言うのを3度味わえるので楽しかったです。
元夫は愛情表現は薄いですが、まあ人なんだなと。喧嘩腰の元妻で元夫婦ではありますが、なんだかんだ元妻は元夫に頼るし、元妻が持ち込む謎に付き合う仲良い2人でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレおなじみの一行目一緒ショートショートのシリーズ。今回は初読みの作家さんが多かった気がする。特に最初の方、ロボットとかAIとかが続いて、大丈夫かいな、と思ったけど、真梨幸子さんや東川篤哉さんはちゃんと違うテイストで来ててさすがと思った。殺人が罪ではないという世界から、死刑等の罪になるという法律ができた、という大沼紀子「もう、ディストピアじゃん」は皮肉が効いてて特に印象的。面白かった。五十嵐律人「革命夜話」も違う切り口でとても良かった。敗戦後の混乱の中、食うにも困っている頃に、理想を夢見て日本国憲法を作った人がいたんだ、ということに改めて気付かされたわ。ありがたいことだ。
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Posted by ブクログ
ネタバレ前作で姫御前救出の直前まで描かれていたが、わりとあっさり救出自体は成ってしまう。
成ってしまうっていうのもなんだか失敗することを想定していたようで辛辣かもしれないが、失敗しないにしてもなんらかのトラブルはあるものだと思っていたのでちょっと拍子抜けと言えばそうかもしれない。
この時点でまだこの本の半分くらいだったので、目的達しちゃったけどここから先どうするんだ?と疑問を抱いたまま読み進めていくと、物語の焦点はこの港町に渦巻く陰謀の真相に移っていくことに。
散りばめられていた伏線の数々がここで色を帯びてくる。私はいつものとおり頭空っぽで読んでいたので、伏線が伏線だと気づかないままここまで来ちゃったけどね……。
でも続編ではあるものの、完全に番外編で本編とは別の話だから、あのお方は出てこないものだと思っていたけど、物語の後半満を持して登場したときはさすがに声が出てしまいました。
このお方が出てくるだけで、すべての暗がりが詳らかになる安心感を覚えるのと同時に、長らく下々の者の立場で話が進んでいただけに、不遜な態度にちょっとイラッとしてしまいました(笑)。
しかし、真相を見破る足掛かりになったのが周囲から愚鈍と思われていたあの人物の機転のおかげだったとは思わなかった。今回はちょっと出番が少なかったけど……。
裏で糸を引いていた黒幕の最後は後味の悪いものだが、もしかしたらこれも後の作品の伏線にもなっているのだろうかと足りない頭で考えるものの、多分次を読む頃には忘れていることだろう。なんせ私は何も考えないで読書をしているからな!ワハハ!
人間が悪巧みをする理由といえばお金か保身だと相場は決まっているが、下手人側がここまで清々しく悪事を働いていたのとは裏腹に、被害者側の人生には暗い影が残り続ける。
前作と違って結構人も死んでいるし、近衛や子どもも痛めつけられてるから想像以上に重たい話でした……。
悪人が隠した財宝を手にしても、死んだもの、なくなったものは帰ってこない。被害者にとって、お金がなんの希望にもならないというのが命の重さを如実に表している。
物語の締めくくりは副題の『烏の伝言』に相応しいもので、
本筋の物語ではないものの、サプライズもあってすごくおもしろい作品でした。
現在刊行されている続編はすでに手元にあるので、遠くないうちに続きを読みたいと思います。 -
Posted by ブクログ
ネタバレXの他の読書垢の方々から激推しされたので、そこまでの作品なのかと思い早速読んでみることにした。
むつかしい!
そもそもファンタジー作品だと思っていなかったのでその心構えができていなかったというのもあるけど、世界観や風景の描写が細かくて長い……我々が今存在している世界とはまったく別の世界を舞台にしたお話なのだからそこの説明が密で長くなるのは仕方がないとは思いつつも飽き性で想像力に欠ける私としては読み進めるのが結構大変だった。
読めない漢字もたくさんあって調べながらだったのでなお時間がかかったよ……
しかし、新たな意思疎通の方法を生み出すための修練を行って、ちょっとした冒険に繰り出すために主人公と魔女のやりとりが増えてきた終盤の話からは、理解が及ばない部分はまだまだあるものの、ストーリーに没入することができた。
ファンタジー長編の第一巻なので、前述したとおり説明が多く、私と同じように序盤でダレてあきらめてしまう人もいるかもしれませんが、そこをなんとか堪えて読み続けてほしい。
主人公と魔女の関係性に変化が出てくるあたりからグ~ンとおもしろくなるから!
周囲を取り巻く登場人物たちの話もこれから深掘りされていくだろうから次巻以降も楽しみです!
想像力の欠如した私のような人間のためになんらかのかたちで映像化してくれればいいんだけどなぁ…… -
Posted by ブクログ
言語系の難しい授業をよくわかんないけど楽しく聞けたなあ、という本。今回は深掘り学術を語る人たちがいつにも増して魅力的で、部分的には小川糸?三浦しをん?を読んでたっけ、と感じるほど食べ物の表現と会話が軽妙だった。超天才の修理と真理の元夫婦に、修理の母で料理上手の妙、ずっと修理が好きなのに報われない真理の妹の佐江、そして妙の学生時代からの友人で真理と佐江の母、汐路。皆、頭の良すぎる個性派揃いで、話し合いが理系文系闘争になり、理路整然すぎてわらえました。この夫婦見てると、辻堂ゆめの"ミステリ作家、母になる"を思いだしました。
本が好きで言語をツールとしても愛せる人にはオススメ(高田大介の本全部そうだけど)。
夫婦の話題はでてくるものの、色艶なしなので、読めれば小学生でも良いけど、難易度的には高校くらいから。