高田大介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ
400ページを超える、フランスの分断と歴史、そして人種であり宗教、音楽の記憶と秘密。フランスという政教分離の国の中でのイスラム教徒たち。テロという社会的な問題と、イスラム教徒であるという理由で本質的な差別を受ける人々。主人公のジャン=バティスト(ジャンゴ)はバティスト(洗礼者)という名前を持ちながらキリスト教徒ではなく、北アフリカの血統に連なる容姿をしながら回教徒ではない。彼はジャーナリストだ。
ジャーナリストとして、キリスト教系の新聞社に務め、その中で差別というものと立ち向かおうとしている。だけど、かつては仲良く過ごしたはずのイスラム教徒の友人たちにとってはジャンゴは「裏切り者」だ。
フランスという国にも、宗教というものにも、どこにも属しきれないまま、ジャンゴは、かつて対独協力者として弾劾された祖父の遺品から黒檀の小箱を見付ける。そして、それが祖父の真実と、この国や差別、音楽や宗教というものと向き合わせていく。
記憶/歴史は、主観で変わる。起きた出来事は、たった一度のひとつきりかもしれないが、繰り返し呼び出されるたびに形や色彩は変わっていく。それはいい意味にも、悪い意味にもなっていくだろう。だけど、何かを語り残すには繰り返し呼び出し続けるしかなく、歴史も記憶も、決して同じ形で居続けることは出来ない。
かつて、ただひとつの真実を知ってしまい声を上げたゆえにコラボとして追われた教師であった祖父も、共にすごした仲間が一方的に差別されることに立ち向かおうと記者になったジャンゴが裏切り者と呼ばれることも、いつかいつか変わっていけるように。 -
Posted by ブクログ
話題作、人気の作家たちによる"新しい法律ができた"の一文から始まる短編集。同じような短編集の5冊目。めくる度にうわっ、今度はこの人か~とワクワクしながら読めます。個人的に一番良かったのは五十嵐律人さんの憲法のお話でした。
殺人や男女関係のエピソードあり、中学校から。
金子礼介「ルパちゃん」
日野瑛太郎「推し活制限法」
朱野帰子「日本国民に英語の勉強を義務づけへ」
阿部智里「つるべを取られて」
真下みこと「こんにちは、チャッテー」
須藤古都離「虚法」
嶋戸悠祐「国家殲滅フットボール法」
多崎礼「復讐者は振り向かない」
風森章羽「コロシヤとユキオンナ」
名倉編「Touch law if you can」
真梨幸子「ある死刑囚の回顧録」
東川篤哉「『ラ禁法』ディストピア」
霜月流「忘却加害」
矢樹純「密室の獣」
高田崇史「御首塚の風」
潮谷験「ネーミング」
献鹿狸太朗「試み」
高田大介「魔法罪」
大沼紀子「もう、ディストピア」
矢部嵩「自転車武装条例」
柾木政宗「ありがとう、虎太郎」
くどうれいん「ショートケーキの夜」
白井智之「ぜんぶミステリのせい」
赤川次郎「帰り道の行先は」
五十嵐律人「革命夜話」