畠中恵のレビュー一覧
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購入済み
欲って
人間や人ならざるものには欲があるんだなぁ
確かにひとに寄り添って大切に扱われて
100年近くが経ち付喪神としての
第2の人生を送ろうとしていた矢先
あろうことかひとの意趣返しによって
道具としての道を閉ざされてしまった
歳月を考えたら諦めきれない気持ちは分かる
もっと他に方法は無かったのだろうか
実際に反魂香なる薬なんて既にこの世に無い
一太郎坊ちゃんは地頭が良く剛の者だったけれど
思いやりに溢れてて他人事とは思えなかったんだね
多少の欲は誰しもあるだろうけれど
欲張って強欲になってはいけないってこと
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ネタバレ「こわい」「畳紙」「動く影」「ありんすこく」「おまけのこ」5作収録のしゃばけシリーズ第四弾。
「畳紙」良かったなあ。
前作で登場した材木問屋の跡取り息子・正三郎の許嫁であるお雛が主役のお話。圧倒的厚化粧でインパクトがあった彼女が、厚塗りするようになった経緯が明らかに。心優しい怪物めいたイメージから一転、等身大の娘さんへと印象を新たに、お雛の正体に迫ることができる一作。いつも舞台は長崎屋であるのだが、今回は一色屋に屏風のぞきが出張する珍しい展開に。二人の会話がかわいらしくて、くすくす笑いながらの読書となった。このコンビ、結構好きだ。
「動く影」も良かった。
これもちょっと異色なお話。一太郎の幼少期、三春屋の栄吉との仲を深めるきっかけにもなったであろう一幕。影女の正体を巡って、近所の子供たちが少年探偵団よろしく町を駆け回って謎に迫る。体の弱い一太郎は、ブレーンとして集まった情報から新しい事実を引き出していく。影女や飛縁魔の主軸もさることながら、一太郎にとって「特別」な秘密のおでかけがとても嬉しそうにわくわくと描かれていて、ほっこりした気持ちになった。長崎屋から離れた話は新鮮で、やっぱり面白い。
正直、どの話もとっても面白かった。
レギュラー役者陣がだんだん揃ってきて、群像劇のような風合いが出てきてそれがとても良い。江戸らしさを崩さずに、相変わらず仕上げてくるなあと感心しきり。いくらでも読めそう。 -
Posted by ブクログ
アニメから入って原作が知りたくなり、読んでみました。結果、どちらも面白かったです!
主人公の若旦那はとても弱々しいですが、周りの妖(あやかし)たちとのやり取りが思っていた以上にコミカル。お話の要所要所で良い味を出してくれるので、一気に読み進めることができました。
テンポよく事件が解決していくというよりは、若旦那の日常生活の中の出来事を中心に進んでいきます。この若旦那の性格だからこその、少しのんびりとした心地よい「時間の流れ」こそが、この作品の一番の魅力だと感じました。
(一番の山場である若旦那の頑張った見せ所は、アニメのほうが少し迫力があった気がしますが……それも含めてどちらも楽しめました!) -
Posted by ブクログ
ネタバレ「茶巾たまご」「花かんざし」「ねこのばば」「産土」「たまやたまや」5作収録の短編集。しゃばけシリーズ第3弾。
「たまやたまや」が特に良かったな。
三春屋のお春の縁談話をめぐっての一幕。巣立ちの切なさというか、言語化の難しい感情が胸を過ぎる。成長って地続きだけど、振り返ってみると子供時代は意外と遠い。その「ずいぶん遠くまで来てしまったなあ」と気付いた時に感じる甘酸っぱいノスタルジーのような感情を、文章だけでよく伝えられるなあと素直に感心した。一太郎がお春に抱く感情、結構よく分かる。
「産土」も良かった。
長崎屋の手代・佐助のお話。怪しげな集会に関係した商人たちが次々に倒産の憂き目に合っているという。そこに佐助の若旦那も巻き込まれて…というお話なのだが、それがまさかの一太郎ではなかったという、、、まんまと騙されて、若旦那が死んだ時には「え?」と声が出てしまった。こういうトリックも入れてくるんだ!すごい。ノーガードで騙されてしまった。
ちゃんと登場人物に厚みがあるのがこのシリーズの良いところである。一太郎と出会う前にも物語があって、一太郎をここまで大切にするのにもちゃんと理由をつけてくる。なぜかみんなに甘やかされるという、なぜかの部分にきちんと切り込むことで、物語に旨味が出るのだ。この出汁の部分をおろそかにすると、ぺらぺらでどこかみんな似通ったような話になってしまうのだなあと偉そうな感想も浮かんだ。 -
Posted by ブクログ
じゃばけシリーズ9冊目。
前作の「ころころろ」とおなじく、1冊を通して大きなストーリーはあるものの、それぞれは完結の短編集になっているので、好きな時間にも読みやすかった。
特徴的なのは、短編の時系列が最近から過去に向かって遡っていくところ。
毎度のごとくホロリと泣けるストーリーあり、兄やたちの頼もしさあり、新たに登場したキャラクターとの出会いあり、いつものメンバーの楽しさあり、若旦那のやさしさありで、今回も楽しめました。
ゆっくりペースで9冊目まできました。先は長いのでまだまだ楽しめそうですが、一通り読み終わったら1冊目からリピートしたいシリーズです。 -
Posted by ブクログ
長崎屋が遠くの妖達の間でも噂になっている。
妖がのんびり暮らせる場所として憧れの場所だそうだ。今長崎屋にいるあやかしを押し退けて自分たちが長崎屋に住みたいと、押しかけてきた。
勝負をしろ!などと穏やかでない。
最強の兄やたち、悪夢を食べる噺家の場久、貧乏神に猫又天狗河童、そしてきゅわきゅわーと家を鳴らす小鬼の鳴家たち。
勝負で押し退けてもその場は本人?たちの居場所になるわけではない。居場所を落ち着けたい気持ちは妖にもあるのだなあ、などと思った。
自分の特技やら何かとやれることをやって、誰かの役に立てるところで落ち着きたいのはみんな一緒。
最後の一編、若だんなは何不自由なく周りから大事にされているように見えて、実は健康でない点が不自由だったりする。若だんなもそこだけはかわいそうだなと思ったりした。
相変わらず可愛く仲良くほのぼのしていて、大好きな世界。また続きが楽しみ。