畠中恵のレビュー一覧
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長崎屋が遠くの妖達の間でも噂になっている。
妖がのんびり暮らせる場所として憧れの場所だそうだ。今長崎屋にいるあやかしを押し退けて自分たちが長崎屋に住みたいと、押しかけてきた。
勝負をしろ!などと穏やかでない。
最強の兄やたち、悪夢を食べる噺家の場久、貧乏神に猫又天狗河童、そしてきゅわきゅわーと家を鳴らす小鬼の鳴家たち。
勝負で押し退けてもその場は本人?たちの居場所になるわけではない。居場所を落ち着けたい気持ちは妖にもあるのだなあ、などと思った。
自分の特技やら何かとやれることをやって、誰かの役に立てるところで落ち着きたいのはみんな一緒。
最後の一編、若だんなは何不自由なく周りから大事にされてい -
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ネタバレしゃばけシリーズ第2弾。「ぬしさまへ」「栄吉の菓子」「空のビードロ」「四布の布団」「仁吉の思い人」「虹を見し事」6作収録の短編集。
雰囲気の妙。
2作目にして、しゃばけの雰囲気が確立されている。前作同様、小粋な江戸の町並みを背景に、事件解決に乗り出す一太郎と妖たちというスタイル。その繰り返しだとちょっと飽きてくるかもなあ、という時を見計らったように続く新技の連撃。「空のビードロ」で腹違いの兄・松之助の視点を織り交ぜたり、「仁吉の思い人」で仁吉の過去話をぶっ込んでくる。「虹を見し事」は、一太郎が妖絡みの事件に巻き込まれるのだが、スパイスがぴりりと効いていて、風味が違う。飽きさせない創意工夫に脱 -
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【短評】
「第13回日本ファンタジーノベル大賞」に輝いた畠中恵による時代小説。
江戸に大店を構える廻船問屋兼薬種問屋「長崎屋」の跡取り息子・一太郎は、「妖」に縁がある。どういう訳か、病弱な彼の周囲には妖が集い、手代の佐助と仁吉をはじめ、あれこれと甲斐甲斐しく世話を焼いてくれる。そんななか、江戸の町を「薬種屋殺し」が横行し始めーーという物語。
長大なシリーズであることは承知していたが、左もありなん、屋台骨である第一作は流石に面白かった。良質な落語を効いているような軽妙さで以て、江戸の町を活き活きと描写しており、町人になった気分で読書に浸ることが出来た。文章が非常に達者かつ流麗であり、時代掛かっ -
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ネタバレ江戸有数の廻船問屋の一人息子・一太郎は、病弱で外出もままならない。
ある日、彼は両親や店の者たちの目を盗んで出掛けた夜に人殺しを目撃してしまう。幼い頃から一太郎の周囲には妖怪が集まる。身の回りの世話をしてくれる手代の二人も、実は犬神と白沢という妖怪である。町を騒がす殺人事件を妖怪たちと共に解決する。日本ファンタジーノベル大賞優秀賞。
言わずと知れた名作である。
古い作品であるにも関わらず、昨年ノイタミナでアニメ化も果たした人気作。ずっとタイトルは知っていたが、手に取ったことはなかった。さすが息の長い作品というだけあり、安定感抜群。折に触れて時代小説は読んできたが、いつも瑞々しいタイムスリップ