坂木司のレビュー一覧
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女子的な生活をパワフルに描いた作品。
心は女子で、性別は男子。でも恋愛対象は女子という主人公みきの話。
辛い経験やあらゆる壁を乗り越えながら、自分らしくあることを選び、精一杯楽しんで生活するみきに、元気がもらえる。
女子力が高くて、見習いたい、、、。
男性がこれを読むと、女子の内心が少し理解出来るかもしれない。
私は無知は罪であり、恥だと思っている。
ただ、無知であるが故に、そのことにすら気づけない。子供の頃は「恥ずかしい大人」にならないために、大人が色々なことを教えてくれるけど、大人になってからは誰も教えてくれない。
いまの時代、LGBTQという言葉が広く知られるようにはなった。ただ、頭では理解していても、セクシャルマイノリティの実態は身近に感じきれないこともあるし、セクシャルマイノリティという言い方自体が差別的な用語な気もする。
特に日本は考え方が古いと言われる。人によって色んな性的嗜好はあるわけだし、もっと誰もが自由に、生きやすい世の中になったらいいな〜
なんて思った。(この作品自体は軽いタッチで読みやすいです!) -
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ネタバレ目次
・先生と僕
・消えた歌声
・逃げ水のいるプール
・額縁の裏
・見えない盗品
怖がりの大学生とミステリ大好き中学生のバディ物です。
家庭教師の大学生と、賢い中学生と言い換えてもよいでしょう。
でもってタイトルの先生とは、中学生の瀬川隼人の方。
注意力があって、頭の回転が速くて、物事の心理を突くような洞察力があって、見た目もよいうえに演技力もある。
大学の推理小説研究会に入ったものの、怖がりゆえ殺人事件を扱った小説は読めない伊藤二葉は、家庭教師をすることと引き換えに怖くない推理小説を紹介してもらっている。
しかしこの二人、一般的な家庭教師や教え子より頻繁に会っていませんか?
そして事件にも頻繁に遭う。
本屋さんの雑誌に貼られた付箋の謎。カラオケ店の7階にはなぜトイレがないのか。区民プールでバイトする友人の不審な行動。商店街にひっそりとあるギャラリーの展覧会で…。ネットでペット用品を買おうとすると…。
謎そのものは軽めで、全然怖くない…わけでもないな。
こころの弱っている人を巧妙に取り込もうとするやり口が恐ろしい話もあった。
けれど、二葉は怖がりだけど弱虫ではないし、隼人は出木杉君だけど根はよいこ。
隼人のお母さんも、中学生の息子に家庭教師をつけると言っても教育ママというわけではなく、おっとりとした、嫌味なく上流階級の方。
続編も出ているようなので、そのうち読んでみよう。 -
Posted by ブクログ
キラキラ女子の生活ストーリー
…かと思って読んでいたら、東京に上京して生活しているトランスジェンダー女子のお話でした。
さすがミステリ作家!
ストーリーにすぐ引き込まれた。
性を全うし、自分らしく生きる。
当たり前のように思えて実は難しいときもある。
女子あるある的な話もあり、毒付くというかドス黒いというか、誰もが一度は経験がある感情や出来事。
それを上手くかわしたり、ガツンとかましてやったり、読んでいて最高のデトックス本。
この本は様々な刷り込みに心をすり減らしている私達の気持ちを代弁してくれるからスカッとする。毒素が抜けて自分も変われそうなそんな気持ちにまでなった。
とても面白かった!
女子的生活は以前NHKの全4話ドラマで放送したことがあったそう。主人公役には志尊淳。
今回もまた素敵な本との出会いがありました。 -
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シリーズ3作目、完結編。
事件を解決しながら、人と人との関わりや考え方について考え、坂木が鳥井を解放してお互い独り立ちしようとするまで。
「僕の飼育係は僕だけなのだから、きちんと世話をしてやらないといけない」
「手をのばし続けること。誰かと関わり続けること。それが、これこそが生きているということ」
シリーズが進むにつれて色んな年代の人と友達の輪が広がり、皆あたたかく根のところでは素敵な人たちでほっこりした。
鳥井が作る料理の数々の描写には、いつもじゅるりと涎が出そうになった。こんな友人がいたら、そりゃあいつも帰りに寄っちゃうし人も集まるよなぁ。
人は皆自分自身の軸を持って考えたり行動したりしなければいけないけれど、それが全員同じであることはない。それでも他の人との意見の食い違いこそがコミュニケーションの端緒であり、理解しようと手を伸ばすことが生きる醍醐味、というようなこと。
完結したけれど、鳥井のその後が気になる。続編出ないかな〜 -
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たっくさん頭の普段使わない領域を使ってSF小説を読んだ後だったので、次は何か軽く楽しく読めるものを。そう思って選んだ一冊。
私の中で坂木さんはハズレのない作家さん。『和菓子のアン』シリーズが有名ですが、昔から穏やかで優しくて、でも少しだけほろ苦さを含んだ心理描写がとても上手な方という印象。この本はタイトルと表紙だけ見て、坂木さんの作品の中でも軽く読めそうだなと判断してまったく内容を確認せずに借りたのですが…!
いい意味で、期待を裏切られました。
主人公は東京のアパレル会社で働く、とても女子力の高い「みき」。ルームシェアをしていた友人に彼氏ができてシェアを解消することになり、そこに高校の友人だった後藤(♂)が転がり込んできて今度は後藤とルームシェアをすることになる。
ここまでで「ん?」と思った方。みきは別に身持ちの軽い女なわけではありませんよ〜。
「彼女」はかつては幹生という名前の「彼」であり、気持ちは女子、そして恋愛対象も女の子なトランスジェンダーなのです。
後藤と暮らすようになってからみきは、いろんな面倒くさい人と出会う。
それは合コンでマウンティングしてくる女子だったり、今のみきを「バケモノ」と下に見たくて会いに来た元同級生だったり。
普通なら面倒すぎて関わりたくなくてスルーするような人たちなんですが、みきは正面からぶつかる。これは別にトランスジェンダーというみきの個性は関係なく、みきがなんだかんだ優しくておせっかいな性格をしていて、後は自分の人生をすごく前向きに生きているから。
そしてその面倒くさい人たちを「論破」どころか力技で「突破」します。そのあたりはトランスジェンダーならではのやり方で。
いやまさか、口説き落として✕✕したり、〇〇させて夜の町を散歩したりなんて思いつきも実行もできないですもんね。
単純な意味で「男性」でも「女性」でもないからこそ、フラットな目で両方を見ているみきはすごく魅力的。友達になりたいなぁ。
特に、若さにあぐらをかいてたあの頃(遠い目)とかにガンガン突っ込んでほしかった…!
坂木作品の中ではおそらくかなり攻めた一冊、そしてすごーく面白い一冊でした。
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購入済み
旅に出て美味しいものを食べたい
旅行に行きたい!
多くの人が、そう思っているだろうな。
観光して、美味しいもの食べて…
そこには「人」がいる。
コロナ禍を過ごしてきたから、その大切さが理解できる。
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ネタバレ坂木さんと言えば、小説の中に出てくる食べ物がやけに美味しそうだなと思っていたけれど、おやつのエッセイ本なんて書かせたらやっぱりすごい。
だれもが知っているような超メジャーなお菓子から、初めて聞いたような珍しいお菓子、そしてフルコースで出てくるような敷居の高いお菓子から、100円で帰るような庶民的なお菓子まで、色とりどり。そしてそのどれもがとっても美味しそうで、愛を持って描かれているなと思う。
そして私も小学生の頃に鬼平犯科帳一気読みして、父から受け継いだ池波正太郎シリーズを本棚に大事に全巻揃えている身としては、そうそう、軍鶏なべがすっごく美味しそうだったんだよね〜と懐かしい気持ちに。
当時はそんな目で見たことなかったけど、食べ物観点で再読してみるのもありだな、なんて思ってみたりした。 -
Posted by ブクログ
8つのアンソロジーからなる作品。正直アンソロジー作品は多少はハズレがあるが、この本はそれがなくどれも当たりだなと思った。朝井リョウが大好きなので気になって買ったが、他の作家も良い作品だったのでこれを機会に読んでみたいなと思う。
各ページ冒頭の間取り図も見ていて楽しい。
1話目
◎朝井リョウ「それでは2人組を作ってください」
どうしてこんなに女子心がわかるんだろうと思うくらい、人の心の繊細さや機微を感じ取るのが上手だなと改めて感じた。『何者』を読んだことのある人だと余計楽しいと思う。朝井リョウ大好きすぎる。
2話目
◎ 飛鳥井千砂「隣の空も青い」
韓国出張に行く前と行った後の、主人公の心の変化がポジティブな形で細かく描かれていて良かった。高畑は帰国後、香奈とともに過ごしていくこの先の未来のために、同棲やお互いの国に対する考え方や抱えている思いを話し合うんだろうなと明るい気持ちになった。
3話目
○越谷オサム「シャイニングニー」
夢を追う男女が最後自分の道のために別れてしまうのはよくある設定だが、それが爽やかでお互い明るく吹っ切れたラストだったのが良かった。
4話目
◎ 坂木司「女子的生活」
小川さん(くん)が自分の性に対して自信と誇りをもって楽しく生きている姿が素敵だったし、部屋に転がり込むことになった後藤くんもいい意味で気を遣わなく気が回らないので、この2人なら自分たちらしく生活していくんだろうなと思った。小川さんが後藤くんに文句を言いつつも、後藤くんが気にしないで「でもこれも良いじゃん?」と笑顔で言ったことに「まぁしょうがないこれも良しか」となってる未来が見えて微笑ましく思った。
5話目
△徳永圭「鳥かごの中身」
これが一番平凡だったかも。多少抱いた同情で、隣のよく知らない子どもを無責任に勝手に預かって世話をするのはどうかと思った。よくあるテーマ説定感が否めなかった、、ななかちゃんは素直でいい子なんだと思った。
6話目
○似鳥鶏「十八階のよく飛ぶ神様」
SFと神話を盛り込んであるのに、厨二感がなくサラッと楽しく読めた。ミニどんでん返しがあるのも良かった。
7話目
○ 三上述「月の砂漠を」
戦争や昭和の文化観を感じながら読んだ。亡くなった大事な人が同じ男女が共に、そのつらさや思いを抱えて支え合って生きていくためには、時間と深い愛情と話し合うことが必要なんだと思った。
8話目
◎ 吉川トリコ「冷やし中華にマヨネーズ」
毎日一緒に過ごし、特別なことはしない。だらだらとつき合っているが、無意識化でかけがえのない存在だと感じる。結果的には別々の道を歩むことになったが大丈夫、やっていけるはずだと思った。リアリティがあって良かった。 -
Posted by ブクログ
読み始めてすぐに、かつてTVドラマで放映された作品だと気がついた。
明るい調子のドラマだったような記憶があって、だから原作もそれなりに明るくてポップな作品だろうと思いながら、流して読んでも良いかなと思っていました。
申し訳ありませんでした。
心と身体の不一致に悩む人々の思い、辛さ、不自由さ。けれどそんな圧にもめげずに自分らしく生きていく力。世の中と真正面に闘うだけではなく時には風に柳と受け流し、時には頭を使って立ち向かうその強さに圧倒され敬意を感じます。
かつてのクラスメイト後藤が意外にも理解者でありミニーさんこと高山田が主人公小川によって自分自身を探り出し心を開いていくのがなんとも暖かい。
自分は偏見を持たずに彼等、彼女達の理解者になりたい。
けれど中途半端な知識だけで応援した気持ちになることが彼等彼女等を傷つけることにもなりかねない。
「彼等、彼女等」という認識からしてもしかしたら間違っているかもしれないですね。