あらすじ
季節はめぐり、僕、坂木司と鳥井真一の間にもゆっくりと変化の兆しは訪れていた。ひそやかだが確実な羽ばたきの予感、それが僕を不安にさせる。鳥井がひどい風邪をこじらせたある日、僕は同僚の吉成哲夫から、同期の女性の様子がおかしいと相談される。病気の鳥井に代わって慣れない探偵役をつとめることになった僕は・・・・・・。また、木工教室を開くようになった木村栄三郎さんのもとで出会った男性、そして地下鉄の駅構内で見掛けた少年が抱える悩み、そして僕自身に降りかかる悪意の連続、それらの真実を鳥井はどう解くのか――。坂木と鳥井に加わる、新たな仲間と風。ひきこもり探偵シリーズ第二弾。
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Posted by ブクログ
登場人物全員愛おしくなる
生きてたら誰だって、落ち込んだり悩んだりすることもあるけど、いちばん近くにいる人に優しく出来たらそれで100点満点なのかも
こんなにも優しいミステリーがあるんだって坂木司作品を読んだら毎回思うけどまたこれもだ…
いつかトリイ食堂に足を運んでみたいな
Posted by ブクログ
「やはり、鳥井にとって僕はひとつの宗教なのかもしれない」
「だからこそ、僕はその日が怖い。彼が神を捨て去る、その日が」
最高すぎるだろ
真似したい文章すぎるよ
完全にキャラ萌えしているけれど、内容も濃くておもしろい……
ジェンダー的なことをすごく考えて作り込まれている……
安心して読める小説……すごい……
Posted by ブクログ
引きこもり探偵シリーズ二作目
個人的に坂木司さんの言葉の紡ぎ方がすごく好きで、読むたびに新しい価値観、自分にはなかった見方・考え方を知れる面白い作品。
精神的、身体的にハンディキャップを持った社会的弱者とされる人たちが登場する。作品の中でその人たちと関わり、いろんな生き方を知ることができるので素敵な物語だと感じました。
Posted by 読むコレ
もうね...なんていうか...。あざとさも、ベタベタなところも
ウソ臭い部分もね、分かってるんです。
でも好きなんなんです。仕方ないよね。
今回は地下鉄をキーワードにしながら彼等の
輪が少しづつ、ゆっくりと広がっていく様を
読んでるだけで楽しいんです。
文庫の解説で有栖川有栖氏が書いている
ような解釈が正しい読み方かもしれないですが、
自分のように純然たる単なるファンタジーとして
読んでる人間もいる。
自分にとっては絵本なんです。
さて次作で完結。そこまで涙はとっておこう。
Posted by ブクログ
鳥井&坂木コンビの2作目。人の心はこんなにも複雑なのだなあと思いました。知ってしまうとなるほどなのですが…表面だけ見ていてもわからないものなのだと改めてわかりました。
Posted by ブクログ
ひきこもり探偵シリーズ第二弾。「誰にもなつかない動物のオンリーワンであることを、杖にしてすがっているのか?」鳥井も坂木も救われないと思ってたことを滝本が言ってくれた。少しずつ関わる人も増えてきて状況がかわるだろうか?「目の前に相手がいなくても、その人のことを思いやったときから友達なんだよ」おばあちゃんの言葉も心に響いた。「困ってる相手に伝えればいいんだよ。」ひとりじゃない。そう教えてあげること。同じ時間を生きている人々。その人たちすべてが、どうぞ幸福な一瞬を誰かと分かち合うことが出来ますように。沁みる。
Posted by ブクログ
自称ひきこもりの人嫌い。
口も態度も悪く、友人である坂木司だけを信奉する鳥井真一。
そんな彼の周辺に少しずつ広がる人の輪。
きっかけは日常の謎でも、本当に嫌な奴と繋がり続けるお人好しはそういない。
心は開かないけど、ちゃんと言葉にしてくれる。
それこそが鳥井の美点だろう。
共依存ともいえる二人の関係がどう変化していくのか。
お互いのためには自立した方が良い。
だけど、このままでも良いんじゃない?と思ってしまうから困る。
Posted by ブクログ
引きこもりの名探偵鳥井と、彼とは特別な依存関係で繋がっている親友の坂木。二人とその周りの人々が織りなす日常に潜むミステリー小説第二弾。
第一弾と同様、事件を解決するだけではなく、今回も関わった人たちとの関係が優しさでどんどん連鎖していく。坂木くんにまつわる事件が多め。身近な問題で毎回考えさせられるけれど、読み終わったときには心がほわっと温かくなっています。
少しずつだけれど鳥井くんの行動範囲が広がっていますね。次がシリーズラストとのことで少し寂しいけれどそちらも楽しみです。
Posted by ブクログ
引きこもりの鳥井と保険会社営業マンの坂木司のホームズandワトソンコンビが日常のささいな事件を解決するお話。連作の2巻目です。
あたたかい気持ちになれる不思議なミステリー。
本作でも優しい人間関係やちょびっと美味しいご当地銘菓が登場してとても楽しめた。
Posted by ブクログ
シリーズ二作目。
一作目をちょっと忘れかけているけれど…鳥井が関わる人数が少しずつ増えているような。相変わらず坂木はいい人過ぎて、こんな友人がいて良かったねと思う。年齢も関係なく、友人のように思える仲間が沢山いるのは、とても良いなぁ。
それにしても鳥井は坂木と組んで探偵を仕事にしたらいいのでは。。笑
幼い頃に無条件に愛を注がれるのは、とても大切なことなんだなぁ。
次作が完結編なので、どうなるのか楽しみ。
Posted by ブクログ
目次
・野生のチェシャ・キャット
・銀河鉄道を待ちながら
・カキの中のサンタクロース
三部作の最初と最後を読んだのは10年以上前。
で、残っていた真ん中を読んだのですが…人間関係忘れてる。
もちろん鳥井と坂木の関係は覚えている。
最終的にどうなったのかも含めて。
けど、これは真ん中なので、どうにも宙ぶらりんなのよね、坂木の覚悟が。
坂木がいないとすべての人間関係を拒否して家から一歩も出ない鳥井。
そして自分が鳥井の唯一の世間との窓口であることに自身の存在意義を置く坂木。
この関係は歪である。
少なくとも坂木はそれをわかっていながら、鳥井の手を離す勇気が持てない。
だけど、誰かの一生をずっと保護するなんてできない。
それは親にだって出来ないことなのだ。
これらの作品で鳥井と坂木が出会った人たちがまた、彼らの世界を大きくしてくれる。
そしてそれが、二人の関係をも変えていく、その途中の話なのだった。
Posted by ブクログ
羽仁進の「学校で教えてくれないこと」や、「君たちはどう生きるか」みたいな本になれそうな部分が光ってる。むしろそっちを突き詰めた方が良いのでは?ミステリーは軽く読ませるための味付けにしてさ。あとは、ホモファビアという聞き慣れない言葉への解説やみんなの反応が面白かったです。
Posted by ブクログ
いろんな年齢のいろんな事情を抱えた人たちが、不思議な関係を築き上げながら、少しずつ成長していくところがいいと思える作品でした。少しずつ変わっているような変わっていないような鳥井と坂木の関係も面白いです。
Posted by ブクログ
ひきこもり探偵シリーズ第2段。
登場人物がみんな魅力的。年齢はバラバラだけど、こういう仲間に大人になってから出会えたら素敵だろうな。
でもやっぱり坂木と鳥井の関係、良いな。坂木さんの心の葛藤もわかる気がする。
印象的だったのは地下鉄の話。読んでからは地下鉄乗るたびに思い出す。
悲しいから泣く。それのどこがおかしいんだい。
2013年09月20日 22:54
Posted by ブクログ
「僕」坂木司の同僚の様子がおかしいー野生のチェシャ・キャット
地下鉄で1時間も立ち続ける少年の目的はー銀河鉄道を待ちながら
僕はなぜか女子高生に嫌がらせをされていてーカキの中のサンタクロース
以上、すべて登場人物や流れがつながった3本。
ひきこもり探偵鳥井と彼と外界のパイプである「僕」坂木司の、日常の謎シリーズ第2弾。
1作目より読みやすかったです。
それはたぶん、登場する「いい人」が増えてきたから。
このシリーズは最初鳥井と坂木だけの閉ざされた関係に、巣田さんが加わり、滝本と小宮君が加わり、安藤君が加わり、栄三郎さんが加わり、中川夫妻が加わり、マリオ親子が加わり、と回を追うごとにかかわった人間が増えてゆき、そして彼らは消えることなく鳥井と坂木に交わり続ける。
今回も地下鉄をメイン舞台にしてキャラクターが増えてゆきます。
ある回で加害者だった人が代えがたい友人になったり、敵対していた人が別の回では素晴らしい知恵を授けてくれたりする。
常に探偵が最上位(あるいは別次元)にいる従来のミステリーとは一線を画しているのはここではないかと。
(有栖川センセの解説読んだばかりだから、影響うけてるなぁ・・・)
個人的には栄三郎さんが出てくるとホっとして安心してお話が読める。だって鳥井は無礼で不安定なやつだし、坂木はお人好しですぐに泣くんだものー。
ほっこりと面白かったです。
未読の方はぜひ「青空の卵」を読んでからどうぞ。
Posted by ブクログ
ゲームは2作目以降低迷しはじめるけど、連作推理小説は2作目からノリがこなれてくる!なんて微妙な持論。
登場人物らの成長がかいま見られるからかなぁ。
相変わらず湿度は高めだけれど、救われる事も多かったから読んでいて鬱々とせずに済みました。
やっぱりあれです。木村のじーちゃんは最高なのです!
Posted by ブクログ
鳥井真一
ひきこもり気味の外出嫌いで、ときおり精神が不安定になる。
坂木司
外資系の保険会社に勤める。鳥井とは中学生のときに出会う。
吉成哲夫
坂木の同僚。がっちりとした体格に、短く刈り込んだ髪型がいかにも体育会系に見える男。
佐久間恭子
すらりと背の高い、知的美人。坂木の同期。
滝本孝二
鳥井・坂木と高校で同じクラス。警察官。
小宮弘幸
滝本の後輩。警察官。児童心理学をかじっている。
巣田香織
百貨店勤務。美人。男嫌い。
木村栄三郎
坂木の契約者。カルチャースクールで木工教室の先生をしている。
鳥井誠一
鳥井の父親。商社マンでバンクーバーに住んでいる。
塚田基
視覚障害者。安藤とバイクに乗っているときの交通事故により光を失った。
安藤純
石川助六という芸名の歌舞伎役者。
下島昭
地下鉄の駅員。塚田が一人で地下鉄に乗れるようになるまで面倒をみた。
土屋隆介
栄三郎の生徒。
斎藤
下島の同僚。
寺田結美
滝本の紹介で鳥井たちが知り合った土産菓子の送り主。バイク乗り。事件に巻き込まれ、電車に乗れない。
マリオ・佐藤
檜山利明
地下鉄で風船を持って立っていた。親の仕事の都合で転勤を繰り返す。
佐藤隆之
マリオの父。エル・ボルカン。
土屋登
隆介の息子。檜山との仲はよくなかった。
矢崎明日香
坂木を襲撃した女子高生。佐久間を「お姉ちゃん」と呼ぶ。ユカ、トモと称する2人の友人がいる。
Posted by ブクログ
仔羊は誰を指しているのか?その巣とは?
引きこもり探偵シリーズ二作目。坂木と引きこもり探偵の鳥井を取り巻く友人の滝本もアクセントになっている。日常的な謎解きストーリーだ。
坂木と同期の佐久間の関係はどうなるのか?同じく同期の吉成哲夫は?
木工教室の先生になった栄三郎さんの元に集う人たち。土屋さんと、銀河鉄道を待ちながらで登場した中学生の利明くんとの関係は?
坂木に危害を加えようとする女子高生の矢崎さんはなぜ坂木を狙うのか?
これらを鳥井が即座に解決するのは爽快である。
今回は栄三郎さんの言葉が重みがあり、助演男優賞をあげたくなる。
しかし、前作でも感じたことだが、あまりにもミステリーっぽさが薄く感じられてしまう。そのためページを捲る速度が落ちた。
Posted by ブクログ
やはり鳥井真一好きになれない。
主人公の坂木司もか…
物語中でも言及されているけどホモじゃないって、そう見えるよねぇ…
でも人死にのない日常の謎解きは良い。
最後の解説が、有栖川有栖って同じように主人公の名前が作者の話を書いてる人だった。
Posted by ブクログ
ひきこもり探偵シリーズ第二弾
相変わらずひきこもり探偵の鳥井と
坂木君の関係性は相変わらず
謎も殺人などの殺伐としたものではなく
普段の生活の中のささやかなミステリーを紐解く
時々登場するご当地おやつなどを楽しみながら
ゆっくりとした読書にピッタリだと思う
今回は梅むらの豆かん!←私の大好きなオヤツ!
ああ 食べたくなってきたな…
Posted by ブクログ
嫌なヤツが良い人ぶるよりも、良い人がとことん良い人でいる事の方が難しい事ってあると思う。
人ってなぜか、私はそんな良い人じゃありませんよって見せようとする所ありますよね。良い人でいる事が恥ずかしい様な、うしろめたい様な…。
だから、バカがつくほどいつでもお人好しの坂木はかっこいい。でも、そんな心を持った坂木だからこそ、今後が心配…。
少しずつ世界が広がっきた鳥井。それに引き換え坂木は…。鳥井の世界が広がれば広がる程心配になります…。
それにしても栄三郎さんの存在がありがたい〜
Posted by ブクログ
安定の(?)不安定な2人で、そわそわしながら読み進めてしまう。
自分に危害を加えられても「気持ちはわかるよ」で許してしまう坂木や周りの優しすぎる人の態度に、「それでいいのか?」ともやっとしたけど、栄三郎さんがガツンと喝を入れてくれたのでスッキリ。
他人の子どもの頭をゲンコツで殴るのは、今どき暴力事件にもとられそうだけど、子どもをしっかりと叱ってくれる親以外の大人がいてもいいじゃないか。
利明くんや矢崎さんは、叱られた上で、やり直す機会を与えられた、恵まれた子たちだと思う。
鳥井と坂木の交友関係が広がっていくのも良い傾向。不安定な2人のバランスを取るように、違う良さを持った人たちが集まる。それがこのシリーズの魅力の一つでもある。
Posted by ブクログ
読み終わってちょっと経ってしまって新鮮な感想ではないですが、一番心に残っているのは「地下鉄を止めてお説教程度でいいのか…?」「下手したら死んでたかもしれない暴行罪もそれでいいのか…?」です。
Posted by ブクログ
ひきこもり探偵シリーズ②
野生のチェシャ・キャット
坂木くんの同僚、佐久間さんがいつもと違う。どうした?
銀河鉄道を待ちながら
地下鉄ホームで風船を持ってる少年。一体何してる?
カキの中のサンタクロース
坂木くんが女子高生にイジワルされる。何したの?
前作と同じように坂木司目線で話が進み、
友人のひきこもってる鳥井が日常のミステリーを
解き明かしていく話。
今回はミステリー自体もあんまり好きじゃなかったー。
アレルギーとか、家族に言わないのー!?
そんな昔に発行されてるわけじゃないし、
ちょっと違和感あったなー。
あと、鳥井と坂木くんの友情が歪んでるように感じ、
あんまり好きになれなかった…。
とにかく、鳥井が好きになれないー(。´Д⊂)
偉そうな喋り方をしてるかと思えば、
坂木くんが悲しいと子供のように泣く鳥井。
ただ解説で有栖川有栖さんが
「鳥井が好きになれないことこそ、
このシリーズの眼目である」と言っている。
どうやら、鳥井は読者から嫌われてこそ、
鳥井らしい…笑
そうすると…あれ…私、作者の罠にはめられてる…笑
Posted by ブクログ
友人でありヒキコモリの鳥井が実は名探偵でという設定で、事件を解決ということではないのだが、主人公の周りの出来事を解決してく。同僚が実は自分が自分のことが好きだったり、父に愛されていないと思いこんでいる少年の父は食べ物にアレルギーを持っているだろうとか、そういうの。一話一話という形式ではなく、流れるように話が進みながら、登場人物たちが絡んでいく話の構成はうまいなあと思うが、そううまいんだけどあんまり面白くないなとも思った。
Posted by ブクログ
2人の関係性にも少し慣れて読みやすくなったひきこもり探偵シリーズ第二作目。
有栖川有栖の解説が非常にわかりやすく納得する点や気づきが多かった。ただ私は鳥井のこと好きです、、、。イラッとするけど憎めない感じ。
でも1番好きな登場人物はやっぱり栄三郎さん!
ほんとに下町のおじいさんって感じで、栄三郎さんが出てくる場面はどこも安心して読める気がする。
まぁこの物語は人も死なないしヒヤヒヤする場面も特にないんだけれども。
Posted by ブクログ
デビュー作ほどのインパクトはなくなってしまったものの、よくぞここまで日常から推理ネタを探したものだと驚かされる。また少ないヒントで隙もなく大団円となり新しい仲間が増えることには安心感がある。
Posted by ブクログ
青空の卵の続編。
僕、坂木と、ひきこもりの友人鳥井が、周りで起きる小さな謎を解くシリーズ。
今回は警察官の友人滝本が坂木に、木工教室の先生になった栄三郎さんが鳥井に、
良い感じに扉をノック(またはパンチ?)したなぁと思う。
謎解きのたびに新しい仲間が増え、二人だけの世界が少しずつ広がっていく様子が温かく気持ちよい。
続きが楽しみです。