感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
ひきこもり探偵シリーズ第二弾。「誰にもなつかない動物のオンリーワンであることを、杖にしてすがっているのか?」鳥井も坂木も救われないと思ってたことを滝本が言ってくれた。少しずつ関わる人も増えてきて状況がかわるだろうか?「目の前に相手がいなくても、その人のことを思いやったときから友達なんだよ」おばあちゃんの言葉も心に響いた。「困ってる相手に伝えればいいんだよ。」ひとりじゃない。そう教えてあげること。同じ時間を生きている人々。その人たちすべてが、どうぞ幸福な一瞬を誰かと分かち合うことが出来ますように。沁みる。
Posted by ブクログ
目次
・野生のチェシャ・キャット
・銀河鉄道を待ちながら
・カキの中のサンタクロース
三部作の最初と最後を読んだのは10年以上前。
で、残っていた真ん中を読んだのですが…人間関係忘れてる。
もちろん鳥井と坂木の関係は覚えている。
最終的にどうなったのかも含めて。
けど、これは真ん中なので、どうにも宙ぶらりんなのよね、坂木の覚悟が。
坂木がいないとすべての人間関係を拒否して家から一歩も出ない鳥井。
そして自分が鳥井の唯一の世間との窓口であることに自身の存在意義を置く坂木。
この関係は歪である。
少なくとも坂木はそれをわかっていながら、鳥井の手を離す勇気が持てない。
だけど、誰かの一生をずっと保護するなんてできない。
それは親にだって出来ないことなのだ。
これらの作品で鳥井と坂木が出会った人たちがまた、彼らの世界を大きくしてくれる。
そしてそれが、二人の関係をも変えていく、その途中の話なのだった。
Posted by ブクログ
ひきこもり探偵2冊目。
安定の共依存。
坂木が世界の全てである鳥井と、鳥井を手放すことができない坂木。
この関係を気持ち悪いと思う人はわりと多いんだろうけど、でも一度は憧れたりしない?わたしだけ?
誰かの鳥井、あるいは坂木になりたかった。恋人ではなく、特別なともだち。
それか、坂木みたいなひとを横で見ていたいとも思う。巣田さんポジションほしい。
滝本が坂木に言ったことがすべて。坂木は鳥井という杖にすがっている。
全体的にディスコミュニケーションのはなし?
もっとみんなコミュニケーションとろう、つながろう、みないな謎解きを、鳥井がしてるのがおもしろい。
坂木は本当にみんなもっと話して、友だちになったら楽しい!と思っているみたいで、なんだか健全だなあと思うのだけど、鳥井に対してだけ闇が深いのはなぜなのか…
Posted by ブクログ
安定の(?)不安定な2人で、そわそわしながら読み進めてしまう。
自分に危害を加えられても「気持ちはわかるよ」で許してしまう坂木や周りの優しすぎる人の態度に、「それでいいのか?」ともやっとしたけど、栄三郎さんがガツンと喝を入れてくれたのでスッキリ。
他人の子どもの頭をゲンコツで殴るのは、今どき暴力事件にもとられそうだけど、子どもをしっかりと叱ってくれる親以外の大人がいてもいいじゃないか。
利明くんや矢崎さんは、叱られた上で、やり直す機会を与えられた、恵まれた子たちだと思う。
鳥井と坂木の交友関係が広がっていくのも良い傾向。不安定な2人のバランスを取るように、違う良さを持った人たちが集まる。それがこのシリーズの魅力の一つでもある。