坂木司のレビュー一覧
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キラキラ女子の生活ストーリー
…かと思って読んでいたら、東京に上京して生活しているトランスジェンダー女子のお話でした。
さすがミステリ作家!
ストーリーにすぐ引き込まれた。
性を全うし、自分らしく生きる。
当たり前のように思えて実は難しいときもある。
女子あるある的な話もあり、毒付くというかドス黒いというか、誰もが一度は経験がある感情や出来事。
それを上手くかわしたり、ガツンとかましてやったり、読んでいて最高のデトックス本。
この本は様々な刷り込みに心をすり減らしている私達の気持ちを代弁してくれるからスカッとする。毒素が抜けて自分も変われそうなそんな気持ちにまでなった。
とても面白か -
Posted by ブクログ
シリーズ3作目、完結編。
事件を解決しながら、人と人との関わりや考え方について考え、坂木が鳥井を解放してお互い独り立ちしようとするまで。
「僕の飼育係は僕だけなのだから、きちんと世話をしてやらないといけない」
「手をのばし続けること。誰かと関わり続けること。それが、これこそが生きているということ」
シリーズが進むにつれて色んな年代の人と友達の輪が広がり、皆あたたかく根のところでは素敵な人たちでほっこりした。
鳥井が作る料理の数々の描写には、いつもじゅるりと涎が出そうになった。こんな友人がいたら、そりゃあいつも帰りに寄っちゃうし人も集まるよなぁ。
人は皆自分自身の軸を持って考えたり行動した -
Posted by ブクログ
たっくさん頭の普段使わない領域を使ってSF小説を読んだ後だったので、次は何か軽く楽しく読めるものを。そう思って選んだ一冊。
私の中で坂木さんはハズレのない作家さん。『和菓子のアン』シリーズが有名ですが、昔から穏やかで優しくて、でも少しだけほろ苦さを含んだ心理描写がとても上手な方という印象。この本はタイトルと表紙だけ見て、坂木さんの作品の中でも軽く読めそうだなと判断してまったく内容を確認せずに借りたのですが…!
いい意味で、期待を裏切られました。
主人公は東京のアパレル会社で働く、とても女子力の高い「みき」。ルームシェアをしていた友人に彼氏ができてシェアを解消することになり、そこに高校の友人 -
購入済み
旅に出て美味しいものを食べたい
旅行に行きたい!
多くの人が、そう思っているだろうな。
観光して、美味しいもの食べて…
そこには「人」がいる。
コロナ禍を過ごしてきたから、その大切さが理解できる。
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ネタバレ坂木さんと言えば、小説の中に出てくる食べ物がやけに美味しそうだなと思っていたけれど、おやつのエッセイ本なんて書かせたらやっぱりすごい。
だれもが知っているような超メジャーなお菓子から、初めて聞いたような珍しいお菓子、そしてフルコースで出てくるような敷居の高いお菓子から、100円で帰るような庶民的なお菓子まで、色とりどり。そしてそのどれもがとっても美味しそうで、愛を持って描かれているなと思う。
そして私も小学生の頃に鬼平犯科帳一気読みして、父から受け継いだ池波正太郎シリーズを本棚に大事に全巻揃えている身としては、そうそう、軍鶏なべがすっごく美味しそうだったんだよね〜と懐かしい気持ちに。
当時はそ -
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8つのアンソロジーからなる作品。正直アンソロジー作品は多少はハズレがあるが、この本はそれがなくどれも当たりだなと思った。朝井リョウが大好きなので気になって買ったが、他の作家も良い作品だったのでこれを機会に読んでみたいなと思う。
各ページ冒頭の間取り図も見ていて楽しい。
1話目
◎朝井リョウ「それでは2人組を作ってください」
どうしてこんなに女子心がわかるんだろうと思うくらい、人の心の繊細さや機微を感じ取るのが上手だなと改めて感じた。『何者』を読んだことのある人だと余計楽しいと思う。朝井リョウ大好きすぎる。
2話目
◎ 飛鳥井千砂「隣の空も青い」
韓国出張に行く前と行った後の、主人公の心の変 -
Posted by ブクログ
読み始めてすぐに、かつてTVドラマで放映された作品だと気がついた。
明るい調子のドラマだったような記憶があって、だから原作もそれなりに明るくてポップな作品だろうと思いながら、流して読んでも良いかなと思っていました。
申し訳ありませんでした。
心と身体の不一致に悩む人々の思い、辛さ、不自由さ。けれどそんな圧にもめげずに自分らしく生きていく力。世の中と真正面に闘うだけではなく時には風に柳と受け流し、時には頭を使って立ち向かうその強さに圧倒され敬意を感じます。
かつてのクラスメイト後藤が意外にも理解者でありミニーさんこと高山田が主人公小川によって自分自身を探り出し心を開いていくのがなんとも暖かい。 -
Posted by ブクログ
この父子にズキューンとやられました。
これには前作『ワーキングホリデー』というのがあるのを読み始めた後知ったのですが、読む順番が逆になっても十分楽しめます。
ホストを辞め、運送会社に勤めてからも、運送会社の仲間たち、そしてホストクラブで大和を教育し、導いてくれた人たちが、大和と息子の進のことを見守ってくれます。
ヤマトも単細胞みたいなところがあるけれど、周りの人に影響を受けながら成長していく姿も、父親大和も息子進もお互いを必要としているのに、会って間もないのでどうやって距離を詰めようかと考える姿も、キュンキュンしてしまいます。
寒い冬に温かな気持ちにさせてくれる、1冊でした。
元ヤンキー