坂木司のレビュー一覧
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坂木司さんらしい作風の一作。集まってダラダラお菓子を食べるという何とも羨ましい活動内容の部活に所属する4人組、通称おやつ部が舞台。主人公はそのうちの1人、アラタという男子高校生で終始彼の視点で語られる。4人ともおやつ部以外でそれぞれに好きな趣味がありそれに注力したいからゆる部に入っているが何となく馬が合い、放課後にお菓子を囲みジュースを飲んでダベる。
格別に陽キャではなく少しオタク気質が有る主人公たちに自分を重ねるのは容易く、性格がぶっ飛んでいないのでゆったり安心して読み進めるられる。サラッと読める短編がいくつか連なり、その一つ一つにテーマとなるおやつがある。普通の日常の中で少しのミステリー -
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高校の「おやつ部」が繰り広げるお菓子にまつわる?謎の5つの物語。
主人公は高校の喫茶部の中にある「おやつ部」の個性ある4人のメンバー。
それぞれ違う趣味があるのに、何かと気の合う4人。
うまい棒でお願いを聞いてくれるおじさんの謎を追ったり、おばあちゃんの家のブローチを探すと言う名目で、おばあちゃんに起きている困りごとを解決したり、いつもどおりの日常の謎もちゃんと盛り込んでいる。
ただ、高校生複数が主人公のせいか、途中で古典部とか小市民シリーズを読んでいる感覚に陥ってしまう。
その辺より、ずっとずっとライトなんだけど。
他の方のレビューにもあった気がするが、本のタイトルのセンスがイマイチなんじゃ -
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日々やけどちょいとズレたらスリリング/掌編集十八編/それぞれ一人称で軽く語られる、日常に忍び寄るなんとなく怖いもの、というよりスリリングという感じ話/多くの作品で、読み進めているとある瞬間、不意に裏返る。その瞬間がおそろしい/すれっからしな読者のための本なのかも。
■メモ
でも、それってきっと本当の話だからだよ。現実には、オチなんてつかない話の方が多いからね。(p.22)
けれど既存の単語について「なぜ」から考えることは、けっこう新鮮だと日々感じている。(p.30)
娘という、一冊の辞書。(p.30)
もしかすると鍵をぶら下げるということは、所有物を見せびらかすための行為なのだろうか -
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【要約】ヤマトは元ホストで、現在は配送業に従事している。ある日、かつての交際相手との間に生まれた息子・進が休暇中に訪ねてくる。ヤマトは進との交流を通して、親としての愛情や責任を感じ始める。日々の配送業務を通じて、人々が物に託した思いや感情に触れることで、自らのこれまでの生き方を見つめ直し、成長していく物語である。。
【感想】この作品を読み終えた後、シリーズの2作目であることを知る。ホスト時代のオーナー・ジャスミンの言葉、「どこまでも近づくだけの人間関係なんて存在しないのよ」「お手軽は馬鹿を作る近道」が非常に深く印象に残る。物語は元彼女との関係がハッピーエンド風に締めくくられるが、その結末がや -
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大好きなホリデーシリーズのサイドストーリー。
実はシリーズ本編の「ワーキング・ホリデー」は、私がお仕事小説の面白さに目覚めた思い出深い作品。
主人公の大和のキャラがかなり好き。元ヤンで元ホスト、バカだけど情にもろくて真っ直ぐなバカなのが愛しい。
本編につながる登場人物のエピソードを知れて嬉しい。
楽しくなったり、ちょっと切なかったり、しんみりしたり…。いろいろあるけど、どれも温もりのある余韻がいい感じ。
個人的に特に良かったのはジャスミンの短編でした。
坂木さんの作品は、読んでいて心が弾むような楽しさを感じる。
他作品「ショートケーキ」とか本当に読んでいて楽しくてめちゃくちゃ好き。
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ネタバレシリーズ3作目にして、椿店長が異動に……。
同い年の仕事ができる社員の女の子と出会って落ち込んだり、椿店長に彼氏ができてショックを受けたり。アンちゃんの自分に自信がなくて恋愛なんて興味ないなんて思うところとか、女の子の心の機微に共感できるし、応援したくなる。
そしてやっぱり和菓子の魅力がすごい。巻を重ねるごとに和菓子の知識がより奥深い。
椿店長が辞めたみつ屋もこのままではいられないし、立花さんとの恋愛の行方も楽しみ。
●印象に残ったところ
「癒やされるというか、この場合は美意識が変わったのかもしれません」
立花さんは、カウンターの上に生けてある一輪挿しを示す。
「破綻がなく、完全に整った