坂木司のレビュー一覧
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短編集。
坂木さんのどこかあたたかくて優しい物語が好きだ。
この短編集には、どちらかというとブラックな物語ばかりが収録されている。
最初に収録されている「カフェラテのない日」は、謎めいてはいるけれどけっしてブラックではない。
多少の歪みは感じるけれど、ちゃんと最後には良い気持ちで読み終わることができた。
ところが…。
読み進んでいくと、ブラックさは激しく加速していく。
ときに、「ちょっとこれは限度ギリギリ」と思ってしまう方向へのブラックさのある物語もあった。
本当にショートショートなので、1話ずつ読んでいくこともできる。
物語によって出来不出来のバラツキはあるようにも感じたけれど、中には「な -
Posted by ブクログ
ネタバレデパ地下の、和菓子屋のアンちゃんの物語を読んで
物語の雰囲気や文章の流れ、言葉の選択、
なんとなく気に入って、続けて読んでいます。
今回は『切れない糸』
子供の頃から困った動物や人が「困り顔」で寄ってくる
不思議な運命の主人公。
突然の父の死で、つぐ気持ちもなかった
商店街のクリーニング店を継ぐことに。
はじめは成り行きで、他の未来にも未練タラタラ。
しかし、家族や従業員、大学時代の知人に
助けられながら、困った事件を解決してゆくことに。
3冊目のなる「坂木司」さんの本ですが
やっぱ好き!いい感じです。
ほろり具合がいい、謎解きがスパイシー、
人の背景も魅力的。
登場人物がそれぞれに魅 -
Posted by ブクログ
6作品の短編。
ちらほらと見知った店名が出てきたりで
微妙なリンクが楽しかったです。
最初のインストラクターには驚きです。
体育大を出て…みたいな事は思ってましたが
まさか試験があるとは。
よくよく考えれば、語らないと分からない経歴より
そういうものがあった方がいいのかも?
逆もまた言える、という説もありますが。
言う事でストレス発散。
確かに男性や体験してない人には
分からない事かも知れません。
ラストに、ツンデレ? とか思ってしまった…。
社労士、というのは身近な職業。
しかしここに出てきた会社の人…すごいです。
まさかクレーマーもどきだけかと思ったら
すごい落ちが。
とりあえず、わけ -
Posted by ブクログ
ネタバレ1が思いの外良かったので読んでみた。
特に大きなことがなくても、問題が解決しなくても
ちょっとしたことで頑張ろうと思えるような平凡な中でも
自分にとっては大事だったり重大事だったりする日々。
それぞれの短編の世界が微妙に繋がって同じ世界になっていて
この世界で色んな人がいて、いろんな仕事をしながら
色んなことを経験しているのだなと思える。
そのリンク以外にも、たとえにジブリが出てきているのも
共通して出そうという試みだったのだろうか。
リアルで共感するし、読み終えてちょっとほっとできる。
多少オチがいまいちかな、などと思うものもなくなかったが
楽しんで読めた。