あらすじ
小説でしか表現できない〈奇妙な味〉が横溢した、短いけど忘れがたい、不思議なお話を読んでみませんか?――子供じみた嫉妬から仕掛けられた「いじわるゲーム」の行方、夜更けの酒場で披露される「怖い話」の意外な結末、バスの車内で静かに熾烈に繰り広げられる「勝負」、あなたの日常を見守るけなげな「洗面台」の独白、「鍵のかからない部屋」から出たくてたまらない“私”の物語――日常と非日常のあわいに見える18の情景をさまざまな筆致で描きだす、『青空の卵』や『和菓子のアン』の名手が贈る珠玉のショートストーリー集。巻末に「ホリデーが肉だと先生が困る」を特別併載。/解説=東雅夫
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
15周年4部作を読んだ事になるんだね、だいぶ読むの迷ったけど、終わりのない、不幸しかない、最悪な展開の作品初めてだろうか。和菓子のアンから遠すぎる真逆だ。色々アイデア出てからストックしていたのかな、苦手だからこういうのって、本当に坂木さんなのか今でも不思議。奥田さんの本が読んだけど具合悪くなって嫌いだったなあまさに最悪なだったな。この作品は奥田とは別だけども、今までハズレがなかったから意外でしかない。
Posted by ブクログ
何が困るかって、この本はジャンル分けできない(^ ^;
ショートショートと言うほど短くもないのかも、ですが、
十八編も入ってると「短編集」というには多いような(^ ^;
まず、間違いなく面白い一冊であることは間違いない。
ただ一作ごとにテーマもジャンルもテイストも違うので、
「一冊通しての感想」が語りにくい(^ ^;
共通しているのは「モヤモヤ感」か(^ ^;
スカッとした快刀乱麻の謎解き、みたいのは出てこず、
微妙な叙述トリックで「え、これって、もしや...」
みたいな印象のまま「ふつりと」終わる印象(^ ^;
あ、そうそう、全体を通して擬音も印象的。
擬音が豊富なのは日本語に特徴的なことだそうですが、
ぞくり、ざわり、ぶつり、ちょん、などなど、
随所に登場する擬音が独特の間を生み、
それが不安定なリズム感を呼び、読み手をざわつかせる。
また、短い文章の中で、的確な状況表現も助けている。
巻末の解説によると、「奇妙な味」という言葉が
ある一括りの小説群を指すために使われるそうで。
まさに「奇妙な味の一冊」と称するに相応しい本書。
モヤモヤ感がお好きな方には、ぜひお勧めです(^ ^
Posted by ブクログ
これは割とキモい。そして意味不明なのも多くて。それがむしろ恐怖を煽る面もあってますますキモい。
鍵のかからない部屋なんてホラー感が最高だし、都市伝説も胸糞悪いこと限りなし。いや勝手にこの人の作品に期待していた?感じからのギャップがもう突き落とされるようでまさにギャップ萌えではなかろうか。
表題作みたいになにか裏があるのかなぁと勘ぐりたくなるような意味不明さのものもあるけど、適当に読んで勝手に妄想するのがいとをかし、てな。
Posted by ブクログ
こっっっっっっっっっわいのが多かった。
特に怖かったのあれ、昔のやべーガキが更にヤベー大人になってるやつ。都市伝説のやつ。怖すぎてその怖さを誤魔化す為に「きょっっっっわ」って言いながら読んでた。きょっっっっっわ。
でも好き。振り幅すごいね作者。
Posted by ブクログ
ぞわぞわしたり、くすっとしたり、どきどきする18編の短編集
1話が短いのでさくさく読めます。
自分の読解能力が低いので内容が?????な作品もありました。
毎日乗車しているバスの中、降車ボタンを誰が押すか、押した人が負け、だからみんなギリギリまで降車ボタンを押さない。タイトル「勝負」18編の中でニコニコしながら読めて一番面白かった。
Posted by ブクログ
夜の光、大きな音が聞こえるか、から坂木さんの青春小説のファンになり手に取る。
短編小説だが意外だった、ゾッとする作品も多数あり「世にも奇妙な物語」だなと感じた。
おもしろかった、短編でここまで引き込まれる筆力と幅の広さに驚かされた。
Posted by ブクログ
坂木司の何が困るかってを読みました。
不条理をテーマにした、短編集でした。
例えば、バスの降車ボタンを押すタイミングを競う「勝負」は降りるバス停のギリギリまで降車ボタンを押さずに我慢できるかを2人のバス利用者が競います。
バスに乗っていると同じような感覚を持つことがあり、面白く読みました。
まあ、中には何を表現したいのか理解できない短編もあったんですけどね。
ホントは…
いい人の実は腹黒い一面を見てしまった、そんな感じ。
「青空の卵」での出会いから、ほんわかミステリーの作家さんだと思ってたから。
でも、その裏切りが面白かった。
これもギャップ萌え、ですかね(笑)
Posted by ブクログ
「短劇」に続くショート集第2弾。
読むほどに歪み、ゾワッとさせるイヤミス系から、
さすが坂木司なほんわか系まで盛りだくさん。
最後の一文までどうなるかわからない!!
そのスリルが魅力的。
「勝負」「何が困るかって」「洗面台」がお気に入り。
Posted by ブクログ
なんともレビューに困る本だ。全体的にはほんのりブラックで、後読感のイヤな作品が多い気がする。それでも1つ1つは短いので、余韻もそこそこにさくさく読める。どちらかと言うと明るい作品が多い印象の作者なので、意外な一面を見せて頂いた感じがします。
Posted by ブクログ
「奇妙な味の小説集」
巻末の解説にあったこの言葉に出会わなければ、そしてその解説で語られる「奇妙な味の物語の系譜」に触れなければ私はこの作品集を私には理解できない訳のわからないものとして頭の中から消し去っていたかもしれない。
だから文庫本って好きだ。
単行本には巻末の解説って無いもんね。
Posted by ブクログ
日々やけどちょいとズレたらスリリング/掌編集十八編/それぞれ一人称で軽く語られる、日常に忍び寄るなんとなく怖いもの、というよりスリリングという感じ話/多くの作品で、読み進めているとある瞬間、不意に裏返る。その瞬間がおそろしい/すれっからしな読者のための本なのかも。
■メモ
でも、それってきっと本当の話だからだよ。現実には、オチなんてつかない話の方が多いからね。(p.22)
けれど既存の単語について「なぜ」から考えることは、けっこう新鮮だと日々感じている。(p.30)
娘という、一冊の辞書。(p.30)
もしかすると鍵をぶら下げるということは、所有物を見せびらかすための行為なのだろうか。(p.179)
お釈迦さまの不幸って「持てる者」の一番になっちゃってたことだよね。(p.227)
家出をひっくり返すと出家。なんかね、やっぱり同じものな気がするなあ。(p.228)
Posted by ブクログ
ショートショートっぽい感じでサクッと読めました。
どんでん返しってほどではないですが、読んだ後…ん?となる感覚を味わえます。
ほっこり系からグロテスクな話、解説求む!な話まで、バラエティ豊かです。
Posted by ブクログ
“奇妙な味”を楽しむために読んだけれど、ダークサイドの次元が違った。
平凡な日常に潜む「人の悪意」や「残酷さ」を引きずり出すショートショートが18篇。
この言い様のない恐ろしさは何だろう。
淡々と進むストーリーがひどく不気味でゾッとしてしまう。
よくこんな話思いつくなあ。
Posted by ブクログ
坂木司のショートショート集
人の怖さを感じる話が多い
洗面所のあたりで「この後は楽しめな話が続くのかな?」と思ったけど、そうではなかった
う~ん、この手の話はちょっと苦手
短編集の「短劇」は前半がちょっと暗めの話で、後半は面白めという流れだったのでこれにも期待したのが間違いだったか
あっちだと「秘祭 青春なまはげ」なんかがツボだったんだけど、こっちはどれもこれもちょっとねぇ…
Posted by ブクログ
短編集。
面白いのもそうでないのもあるが、お気に入りはあるばず。
そして私のお気に入りは、『勝負』
路線バスに普段乗る人なら、一度は感じた事があるはず。
Posted by ブクログ
イヤミスって感じかな。一個一個が短いのでさくさく読める。
一番最後に、ホリデー・先生と僕・鶏小説・ともういっこなんだろ。番外編がついてて、それがわかるのが嬉しかった。
Posted by ブクログ
なるほど…確かにこれまで味わったことのないような短編群ではあるね。
坂木さんがあちこちにいて、いろんな人の心と同化して、その人の日々に寄り添わなくては書けないような。
いや、少し違うか。
寄り添うのではなく、あくまで見えない第三者。
なのにどの作品も、どこかであったかさが滲んでる。
毒のある話も破滅的な結末も救われぬ狂気も。
坂木さんらしくて、ほのかにあったかい。
巻末までたっぷりゆっくり楽しんで
私は最後のお話の妻が、特に好きです。
Posted by ブクログ
面白いけど内容は暗いし、不愉快なのでこの評価です!笑
一作一作は短いからすぐ読めるんだけど、とにかくパンチがあって不快感がすごい~
特に嫌いなのはカフェの話ね。死ねってみんな簡単に言い過ぎ!
ゾワっときたのは悪魔な小学生の話
悪意がない人が一番こわいんだな~
あとジビエ料理は展開は読めたけどやっぱオチが秀逸で気持ち悪い!!
褒め言葉です。
2018.02.04
Posted by ブクログ
全体的に不愉快‥著者の本は『和菓子のアン』しか読んだ事がなく、それがやたらとハートウォーミングだったので、帯に書かれた「こわい」をみても、まあまあまあ(笑)みたいに思ってたのに。読んだらほんと不愉快。すごくいいです。
そんななかで、『洗面台』と『リーフ』はちょっとウルっとしました。
Posted by ブクログ
ちょっと嫌な気分になる話が多い短編集。
それでも、元々は「生活の謎」作品や、ハートウォーミングな話をよく書いている作家なので、ほっこりする話も。坂木司という作家の幅広さを感じる。
1つ1つが短いのでとても読みやすいので簡単に読むにはいい短編集だ。