中山七里のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ【収録作品】もの言えぬ証人/像は忘れない/鉄の柩/葬儀を終えて/復讐の女神
単行本で読んだ作品の再読。
謹厳実直で自分に厳しい元裁判官・静と経済界の重鎮で横紙破りの暴走老人・玄太郎。どちらも他人の人生に大きな影響を与えてきたことを自覚し、覚悟して生きている。やり方は違えど勧善懲悪を是とする二人の姿は好もしく、玄太郎の暴走っぷりは小気味よい。
しかし、後半二作は重い。
悪いのは犯罪者であって、それを正当に裁いた者ではない。
さらに、犯罪者の身内や元犯罪者を排斥する社会の問題。そこに悪意を向けて鬱憤晴らしをしなければやっていけないような人間を生み出す社会がおかしい。
社会と言ってしまうと大 -
Posted by ブクログ
ちょっと題名から想像していた想定と違っていた物語(笑)
鉄オタの公務員・小日向が地下の廃駅に潜り込んだ先で出会った地下の生活者達、その数100人あまり!
なぜ、彼らは地下で生活しているのか?
そこで起きた殺人事件。
殺されたのは公安の女性捜査官。
公安、捜査一課含む事件に巻き込まれていきます。
公安に追われる住民たち
地下鉄内の逃走劇
そして、殺人事件の犯人は?
という展開ですが、あっけない真相でした。
ちょっと無理があります。
公安の女性が殺されなくても良かったのでは..
そこが焦点ではないと思います。
地下鉄を舞台に、廃駅が出てくる展開で、鉄道マニアの方々にはたまらない物語と思いま -
Posted by ブクログ
「闘う君の唄を」に続くシリーズ第二段!
これは幼稚園シリーズとなっていくのでしょうか?
だとすると、正直、幼稚園系での殺人事件とかやめてほしい!
子供が殺人事件系に巻き込まれる物語は好きではありません。
本作の主人公は神尾舞子。
冷静沈着なできる先生として、都内の幼稚園に赴任。
しかし、そこで様々な問題に巻き込まれます。
騒音問題による町内会長からの苦情、親同士の対立、待機児童問題で入園を迫る母親。
幼稚園の先生ってそんなところまで気を使わなきゃいけないの?
そして、発生する事件。
小動物が何者かに惨殺される事件が立て続けに発生。
事なかれ主義の園長と警察。
そんな中、ついに園児が犠牲に -
Posted by ブクログ
本作品は警視庁サイバー関係に特化した部署のお話。私の記憶によれば、これまでのシリーズものではないものと思われる。今までの作品と同様に、「警視庁サイバー犯罪対策課」は実在のもので、2011年に「ハイテク犯罪対策総合センター」から格上げされた。しかし、ハイテクって言葉を久々に聞いたな。
サイバー関係のテレビドラマだと、ビルの一室に多数のコンピュータと大型マルチディスプレイ、警察関係の秘密事項をハッカーのごとく不正入手、大物政治家の出世の道具など、既にサイバーのイメージが出来上がっている。本作品もその流れをひいているが、その規模はちょっとショボい、ショボすぎる。これでは捕まるべき犯人も逃してしまう