中山七里のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ戦後の農村・姫野村で、村民6人が襲われる凄惨な事件が起きた。その犯人・巌尾利兵衛は鬼のような形相で山の中へ消えてしまう。姫野村では令和の時代になっても鬼の呪縛に囚われ、恐れられていた。その村では今でも鬼が哭くと人が亡くなるという言い伝えがある。
令和の世に祟り?怨念?
非科学的じゃないっていう突っ込みをさせないほどの排他性がとてもリアルに感じられる。まるで宗教に心酔する信者のようだと思った。外との交流を拒み、うちの中で生きていくというのは常識や科学的な考え方から遠のいていくことだと気づく。
村の排他性や有無を言わせぬ世襲に嫌気が刺してしまう主人公の気持ちはよく分かる。彼に都会の価値観から物を言う大人たちとの交流も微笑ましい。微笑ましいだけで済ませてくれないとは思っていたし、中山先生は最後にやっぱりひっくり返してくれたなと頷きながら読み切った。
お母さんはきっと知っていたんだ。だから放っておいて欲しかったんだ、そう思ったら切なくなった。 -
Posted by ブクログ
「能面検事」というタイトルだが、主人公は新人事務官の惣領美晴。
彼女の視点で感情をまったく表に出さない不破俊太郎という検事の活躍を描いている。
テレビのドラマがスタートする前後で読み始めたので、違いを見つけたりキャストについて家族とあれこれ言ったりしている。楽しい。
狂言回しという言葉があるが、主役の惣領美晴はこれである。ただ、狂言回しになって会話を進める相手の不破が「能面」というより「壁」なので、彼女は狂言ではなく壁打ちをやっているテニス部の補欠みたいになっている。これも、とても楽しい。
相変わらず法に携わる人間は私情を挟むべからずという信条が打ち出されていて、読んでいて安心できる。続刊も読みます。