あらすじ
加茂北高校音楽科に転入した岬洋介は、その卓越したピアノ演奏でたちまちクラスの面々を魅了する。しかしその才能は羨望と妬みをも集め、クラスメイトの岩倉にいじめられていた岬は、岩倉が他殺体で見つかったことで殺人の容疑をかけられる。憎悪を向けられる岬は自らの嫌疑を晴らすため、級友の鷹村とともに“最初の事件”に立ち向かう。その最中、岬のピアニスト人生を左右する悲運が……。
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この作品も良かった!!事件が起きると、まさか犯人は、、??と気づいたら予想しながら読んでいます。中山作品にどハマり中。今回は予想は外れてしまいましたが、、加茂北高校がこれからどうなるかも気になるところ。登場人物たちが今後の作品に出てくるのかなあー??
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岬洋介さんシリーズ。
今回は高校生時代の話。
殺人事件が起きてすぐ犯人あの人か!と分かりましたが、それでもとても面白かったです。
岬洋介さんの過去が分かり、とてもとても辛くなり、涙しました。
音楽の描写の所は相変わらず難しいので読み飛ばしましたが、かなりお勧めの本です。
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中山七里先生、今回も期待を裏切らず、楽しませていただきました!
岬シリーズと御子柴シリーズが繋がっていたとは?
岬洋介の父親が、あの御子柴弁護士と対決した検察官とは?合点がいきました‼️
自分の夢を叶える為に努力をするのも大切だけれど、夢を諦める事もとっても勇気がいることを改めて考えさせられた!
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岬洋介の高校時代の物語。
17歳の岬洋介の苦悩が描かれる。
やはりその才能はクラスメイトの羨望と妬みを集めてしまうのですね…。
タイトルの意味がそういうことだったのか!
二人が再会したらどんな話をするのかなぁ。
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岬洋介のエピソード0的なお話で面白かった。先に『合唱』、『もういちどベートーヴェン』を読んでからこれを読んだため、ここがこう繋がるのかと考えながら読めて良かった。将来への不安、突発性難聴との付き合い方など完璧に見える岬洋介にも大きな試練を乗り越えてきていたというのもわかる作品だった。
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登場人物の潜在心理に迫る描写はとても興味深く読める。ピアノを奏でる描写も、よく知る名曲だけにぐいぐい引き込まれる。ミステリーの謎解きは比較的シンプル。
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岬洋介のエピソード・ゼロとなる高校生時代の最初の事件。
本作では岬洋介の持って生まれたピアニストとしての才能を遺憾なく発揮し、また検察官としての資質も垣間見せる。その後の人生を左右する突発性難聴が発症し、父親の岬恭介検事との確執も詳しく描かれているため岬洋介シリーズの中でも最重要な作品の一つではないだろうか。
ただし、本作は同級生たちの純粋なというよりも本能的なと言うべき、才能を持つ者への嫉妬と悪意、更には凡人である自己のアイデンティティを守るための醜い言動が読んでいて非常に不快に感じる。凡人である私自身も高校生の頃はこうだったんだろうなと顧みるとなお一層自己嫌悪で不快になる。(とは言え自分の周囲には岬洋介レベルの天才がいなかったのは幸いだが)。
ミステリ要素は他のシリーズに比べてそれほどでもないが、音楽描写の素晴らしさのせいか中山七里の作品中でも最も多くの作品が刊行されているシリーズであり、今後も継続してほしいと思う。
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才能への嫉妬や人気者の失墜を喜ぶ人の姿が印象的だった。
平凡な自分を正当化するために、頑張ってる人を笑って、下げて、自分の心を保とうとする心理は理解できる。
そんな部分を誰しも持ってるのだとは思う。
けど、そんな自分に負けず、尊重し合っていけるような人になりたいと強く思った作品でした。
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中山七里さんの岬洋介シリーズ。
前作の最後を受けての始まりで、思わず気分が高まったら、記憶を辿って高校時代だった。
これまでの作品で触れられてきた断片が明らかになり、物語の世界が広がること間違いなし。
しかし、なかなか登場人物に対して厳しい世界なのではある。
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今回も前回同様聴ける曲は聴きながら読んだ。
そして今回は岬先生の高校時代の話で岬洋介シリーズ0みたいで楽しく読めた。
鷹村くんとのやり取りは岬先生の初めての理解者が出来たみたいで嬉しかった。あんなにも理解して守ってくれる人がいるなんて素敵。それなのにあの別れ方は辛すぎる。せめて学校を出ていくことくらいは伝えて欲しかったけど伝えないのが岬洋介なんだよな。
そしてびっくりしたのが岬はこの時から突発性難聴を発症していたと言うこと。そして諦めたはずのピアノの世界にまたいること、次作はピアノとどう向き合うのか気になる。
・「楽聖と比べるのはおこがましいけど、彼と同じ立場になって改めて思い知らされる。聴力を失って、尚も音楽の世界に踏みとどまった彼は紛れもない超人だよ。彼を羅針盤にしたいなんて言ったけど、僕にはそんな資格すらない。片方の耳が数分使い物にならなくなる程度で、もう逃げ道を探そうとしている」
・「君を裏切った。それでも俺を赦してくれるのか」「赦さなきゃならないことなんて、ない」「じゃあ、責めるつもりもないのに俺を呼び出した理由って何なんだよ」「演奏を聴いて欲しくて」「そんなもの、いつだって聴いてやるよ」「これが最後の、演奏になると思う」
・「これでもう、悔いはない」 そう言って僕の肩に手を置くと、静かに音楽室を出ていった。それ以来、岬は僕たちの前から姿を消してしまった。あの日が彼の最終登校日だったのだ。
・それを見た瞬間、僕は彼が甦ったことを遅まきながら知ったのだ。懐かしさと歓喜が同時に訪れ、僕はしばらくテレビの前で目頭を熱くしていた。
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岬先生の昔の話。耳の問題だったり、卓越した事件解決能力の原点を知ることができる。今までの作品の中では1番納得感があって面白かった。才能についての描写がとても多く、自分の生き方を考えさせられる部分もある。
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岬洋介の過去が詰め込まれた話。
中山先生による音楽ミステリーの続編。
岬がどれだけの才能を持ったバケモノなのか、他の音楽科のクラスメイトと対比させる形で描かれる。
天才と凡人の間の越えられない壁があることに気づかなければならないなんて残酷だなあ。
自分はきちんと適所で勇気を持って決断できてるのかな。
選択すること、諦めることには勇気がいるというフレーズに共感した。決断する勇気の前に、それらと向かい合おうとすることもしんどい事だから、人生選択に幅があるうちに、勇気を出すべきタイミングがあるんだろうなあと思った。
左手でペン回しとわざわざ書いてあったので、犯人はあっさりと分かった。
ミステリーというよりかは岬の過去編をまとめたものというイメージで読んだ方が良いと思う。
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岬洋介の高校時代。
舞台が私の母の実家に近いので親近感。
事件よりも、高校生世代の複雑な感情や、努力と才能などの先生の言葉などが心に残る作品でした。
「全ての人間に自分を理解してもらおうなんて無理だよ」
「全員じゃなくたっていい。誰か一人でも自分を分かってくれて、感情を共有できる。それで充分じゃないか」
プロローグとエピローグは前作とつながっているので、合わせて読むことをおすすめします。
将来や友達関係に悩んでいる高校生には、この作品だけでもおすすめ。
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★4.0くらい
こういう作品が大好きだったから嬉しい。御手洗もそうだけど、一作目で既に活躍している探偵(役)の過去のお話が読めるとワクワクするし作品に深みが出るので個人的にすごく好きです。
岬のことがより好きになるお話でした。ミステリーとしては粗い気もしたけど良かったと思う。お話の終わり方も良い。
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さよならドビュッシーのシリーズとは知らず、この作品から読んでしまった(т-т)
シリーズ途中からでも楽しめました。岬洋介の高校生の頃の話です。とても読みやすいので一気読み。
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どう足掻いても適わない人間と対峙した時、自分という人間と向き合う機会を与えられる。そこで相手を否定するか、自身の才能に見切りをつけ身の丈に合った選択をするか、その才能に足掻いてみるかにその人の生き方そのものが出ると感じている。
特に音楽など、才能と努力どちらも必要とされる世界ではよりこの問題と対峙する機会が多いのだろう。その中での苦悩や葛藤がリアルに描かれていたため読んでいて興味深いものがあった。
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このシリーズを読むとクラシックに興味が湧く。
とにかく演奏シーンの熱量が凄まじく、実際どんな曲なのか聴いてみたくなる。
曲を知ることによって、より小説の世界に浸れるような気がする。
ああホント影響受け過ぎだな。
ストーリー自体はなかなか残酷。
どれだけ努力しようと天才には追いつけない。
これを10代に突きつけるとは手厳しい。
確かにミステリーしてるけど、今回は青春小説に近い気がした。
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中山七里さんのいろいろな作品に登場する、岬洋介の高校時代。
検事の父の転勤に伴い、音楽科とすごいピアノのある高校に転校し、天才的なピアノの才能と美貌で一躍話題をかっさらう岬。クラスメイトなどと軋轢もありつつ、理解者というか保護者的な友達もできて、それなりの学校生活を送る。この保護者的友達の鷹村の視点で語られる作品になっている。
夏の嵐の日、学校が土砂崩れに巻き込まれそうになり、鷹村と岬は助けを呼ぶために校舎を出て、岬は川の上にかろうじて渡された電柱を渡り、鷹村はクラスメイトに避難を促すために戻る。
そして岬が民家から助けを呼び、学校にレスキューが着く。しかしそのとき、岬と軋轢のあった少年が他殺体で見つかり、岬は容疑者になった。
ピアノに賭ける岬の思い、音楽科に居る少年たちの思い、天才と凡人の軋轢とそれぞれの苦悩、青春の挫折、そして殺人事件のミステリー。
大変盛りだくさんで面白かった。
青春もほろ苦い。
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岬洋介の高校生時代のお話。
岬洋介の耳の病気の真相が分かるお話でした。
彼がピアノを諦めるとき、悔しくてたまりませんでした。
辛くて悲しいお話なのだけど、爽快な読後感でした。
読んでみればきっと分かると思います。
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岬洋介シリーズ第4弾は、岬の高校時代を描いた物語。このシリーズは常にそうですが、殺人事件の要素はおまけのような感じで、主な主題は音楽に生きる若者たちの葛藤になっていました。
才能に恵まれた岬に対する周囲の嫉妬や劣等感が生々しく、音楽学校という閉ざされた環境がその心理をより濃く映し出していました。「努力」と「才能」、「個性」と「錯覚」というテーマが繊細に絡み合い、登場人物それぞれの苦しみが丁寧に描かれています。岬のまっすぐな信念や、他者の理解を求めすぎない姿勢にも静かな力強さを感じました。派手さはないものの、シリーズの中でも最も内省的で、人間の弱さと希望の両方を感じさせる一作だと思います。
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岬氏高校生時代のお話。
持つ者と持たざる者には大きな隔たりがある
それを理解できずして
芸術の道を選ぶのは避けるべきだ
岬くんがとんでもなく素敵なのは
他の作品でも出てきてたんだけど
今作ではそれ故に嫌われ妬まれ疎まれる
その上耳が…という
全体を通してピアノソナタ月光のような
重々しい暗さがたちこめている
天才には天才の
凡人には凡人の苦悩がある
岬少年に鷹村少年がいて本当に良かった
…で
彼が後の??え??
ていうのが今作一番のポイントでした(笑)
【追記】
大好きな合唱曲が登場して
うれしかった!
名曲!
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音楽ミステリーシリーズの主人公である天才ピアニスト岬洋介が高校生時代までさかのぼる。
その音楽シーンの描写やミステリー性が本シリーズの読みどころだけど、いずれももう一歩でした。
次作を期待します!
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シリーズ物なので買った一冊。
やはり音楽と殺人事件の話。
このシリーズの中心人物「岬洋介」の高校生時代の話。
この本で岬洋介の過去が知る事ができた。
やっぱり優等生だった。
音楽の部分はやはり知識がないのでわからない、共感できないだが、YouTubeで検索して音楽聞きながら読めば少しはなんとなくわかる様な気がする。
今回の事件の真相はちょっと無理があるんじゃないかとも思ったが、音楽の部分が若干少ない分読みやすい内容だった。
なんかこのシリーズに慣れてきた。
次の本の内容も気になる。
ほんの少しクラッシックに興味が湧いてきた小説でした。
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才能の残酷さと、才能という言葉で片づける残酷さ。今の自分にこの作品のテーマを投影してみる。自分は今、ビジネスという比較的努力の余地が大きな舞台にたち、打席に立つために必要な一定の才能は持つ状態にある。ここでいかに頑張れるか。それすらも才能なのかもしれないが。
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岬洋介の過去~高校生編~
高校生にしては達観しすぎでは?と思いましたが、父親とのシーンはちゃんと高校生でした。
動機は分かりませんでしたが、犯人は予想通りでした。
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シリーズものなのは分かってたけど1作目じゃなかった。間違った。豪雨の情景が臨場感溢れてて良かった。豪雨でもレスキュー隊は来てくれるのですね。
出版が古いわけでもないのに、所々表現が昭和っぽくて引っかかるところがありました。ノンケとか、女子生徒は〇〇くん、と読んでるのに男子生徒は呼び捨てだったりとか。あと他にも携帯とか気になるけど、全体的に面白かったのでまぁいいか。
Posted by ブクログ
「ベートーヴェン」から想像がつくとおり、岬さんの過去の事件のお話。音楽家の高校に岬さんが転入してきたところから始まる嫉妬、憎悪、そして事件。先生が生徒達にかける言葉は厳しい芸術の世界で生きて来た人だからこそで高校生の立場から考えてみると重く、苦しい。“各々が秘めている才能を探す期間が学生”という言葉にはハッとした。