【感想・ネタバレ】どこかでベートーヴェンのレビュー

ユーザーレビュー

Posted by ブクログ 2020年05月25日

このシリーズはこれ以前の4冊とも持っているが、読んだのが結構前で内容を忘れてしまっていたので新鮮な気持ちで読めた。シリーズ全て北澤平祐さんの装画で大好きなのだけど、中でも本作は一番好きな雰囲気で、飾ったおきたい感じ。

内容は、高校で起きた一つの事件を解き明かすのが主軸となっていて、合間合間で担任の...続きを読む棚橋先生が生徒たちに語る言葉がとっても深く、読んでいてグッとくるポイント。「才能」を持てる者と持たざる者について、報われない努力について、高校生に語るにはいささか赤裸々すぎる内容が、生徒たちへの誠実さと表裏一体になって綴られている。

特に「夢を追うことと夢で生きることは別物。才能も努力もできない人間が夢を見続けていると、いつか現実と闘う力を失くしてしまう」「誰にでも自分の闘える戦場がある。学生時代というのは、自分の戦場を探す時間」「諦める勇気が結局は可能性を広げる」といった言葉がグサグサきた。

「諦めなければ夢は叶う」とか「努力は裏切らない」とかそういう展開の本は多いけど、このような綺麗事では済まされない現実を真っ向から直視したものは、意外と少ない気がする。そういった意味で、何とも深い読後感を残してくれた本だった。

ミステリー的にもまさかの展開で予想できないオチだった。

また、こういった本は作中に出てくる曲を流しながら読むのが至高(今回はベートーヴェンのピアノソナタ「月光」「悲愴」)。演奏中の描写が事細かなので、むしろ曲を知らないと楽しめない面もあるかも。

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2019年02月04日

『栴檀は双葉より芳し。』
あの岬洋介氏の高校生時代を描く青春ミステリー。
おそらく岬氏が、最初に手掛けた事件ではないでしょうか。

まるで、小学生の運動会に、オリンピックのメダリストが参加したよう...
彼のピアノの技術は、他の同級生と余りに桁外れであった。それ故に、彼は同級生のいじめの対象になって...続きを読むしまう。

同級生を助けるため、豪雨の中、飛び出した彼に投げられたのは、感謝の言葉ではなく、犯罪者の眼差しであった。なんと、豪雨の中でいじめッ子の遺体が発見されるという異常事態が、...

ミステリーの要素は少ないですが、彼の際立つ才能の萌芽や、突然の難病で苦しむ姿など、人としての面も描かれており、胸を打ちます。

また、最終章では、検事である父親の難問をスラリと解く聡明さも見せています。

このレビューは参考になりましたか?
ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年05月13日

岬洋介の高校時代の物語。辺鄙な場所にある岐阜県加茂北高校音楽家に転校してきた岬。岬がこの学校に転校してきた目的はベヒシュタインに触れることができること・・・
しかしそのピアノで月光を弾いたとき音楽家の不文律が崩壊を始める。
そしてついに殺人事件が。その容疑者はなんと岬。
その後明かされる真犯人は、な...続きを読むんと!
どんでん返し度80%

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2020年05月24日

岬の高校時代の物語。父親の転勤で、岐阜の御嶽に来た岬はそこでもちょっと浮いた存在になっていた。ただそこで学校の手抜き工事での崩落事故の後に起こった殺人事件とその後の学校行事での出来事からいろいろな人間模様が見えてくる。音楽科だけではない作者の読者への売った母ちょっと心に痛いな。やはり中山七里はいいぞ...続きを読む。 ベートベンソナタ十四番悲愴を再度聴きたくなって聞いてみたらこれはよく知っている曲だった。娘が良く練習していたのを思い出した。
また第2楽章はビリージョエルが歌っていた"this time "だね。これも名曲。 どんでん返しがなかったこともありということで4つ。

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2020年05月16日

岬く洋介の高校時代を描いた、ミステリーよりも青春の側面が色濃くでている作品。
先生の言葉が重かったけど、若いときにこの言葉を聞けていたら、としみじみ‥

音楽の表現はどうしても恩田陸さんの蜜蜂と遠雷で衝撃を受けているだけに、うーん‥となってしまった。

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2020年04月20日

「さよならドビュッシー」の岬洋介シリーズの最初の事件です。
とにかく「天才と凡人」が顕著に描かれており、子どもの頃に読んでいたら打ちのめされただろうなと思いました。
天は彼に一物も二物も与え、、、いや、三物かな。
ただ、同時に試練も与える。
それでも乗り越える強さを持つ、まさに天才。
なのに奢らず、...続きを読む真っ直ぐな岬洋介というキャラに好感を持てます。
後半の「中山七里」さん、きゅんとしました。
最近出た続編「もういちどベートーヴェン」も、楽しみです。

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2020年03月22日

ミステリ
かかった時間120分くらいかなあ

中山七里の、このミス大賞?かその候補?だった作品。
青春×才能×ミステリということで、やっぱりおもしろい。

ピアニスト岬洋介(岬検事の息子)の話で、天才性とそれゆえの軋轢、みたいな。

この人は裁判や司法解剖もそうだけど、書き方が上手い。なんかのあとが...続きを読むき的なやつで、取材はほとんどせずに資料を読み込んでいろいろな専門分野を書く、とあったけど、その能力が遺憾なく発揮されている。

続きのベートーベンも読みたいぞ!

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2019年09月15日

【抜粋】
知悉

凡人がどれだけ努力し、どれだけの涙と汗を流そうとも、決して頂点に届かない最後の一歩。

おそらく岬洋介という男は徹底的に無自覚なのだ。
岬の周囲にはまるで結界が張り巡らされているようだった。嫉妬と憎悪、羨望と憧憬、排斥と白眼。様々な思惑が襲ってきても岬自身は何の痛痒も感じていないら...続きを読むしい。

全員じゃなくたっていい。誰か一人でも自分を分かってくれて、感情を共有できる。それで充分じゃないか。

孤独だから、自分の努力が形やカネで賞賛されないから縋りついた偏見

逆に羨ましいとか他人が成功したとかの理由で選んだら苦労するし、正しい努力ができなくなる

遥子の何が自分を惹きつけたのか、今となっては説明が難しい。己の持ち得ないものに憧れがあったのかもしれないし、あるいは魔が差したのかもしれない。確かなことは、遥子とともに暮らした十数年間が不思議に充実していた事実だった。

本棚は持ち物の知性を表し、部屋の散らかり具合は精神状態を表す。

【感想】
岬洋介が魅力的。凡人が昏くショボすぎる。
才能とは。。

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2019年06月16日

Although he can only play the piano well, he is bullied for that reason.I got angry to a classmate who bullies him who can play the piano better than ...続きを読むthemselves.

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2019年04月21日

■天才ピアニスト・岬洋介、最初の事件!

加茂北高校音楽科に転入した岬洋介は、その卓越したピアノ演奏でたちまちクラスの面々を魅了する。しかしその才能は羨望と妬みをも集め、クラスメイトの岩倉にいじめられていた岬は、岩倉が他殺体で見つかったことで殺人の容疑をかけられる。憎悪を向けられる岬は自らの嫌疑を晴...続きを読むらすため、級友の鷹村とともに“最初の事件”に立ち向かう。その最中、岬のピアニスト人生を左右する悲運が……。

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2019年04月19日

岬洋介が、ある田舎の高校の音楽科に転校してきた。
音楽科は、普通高校よりも、勉強ができないから入る人もあり、
必ずしも音楽が好きとは言えないところがあるが、
音楽好きな生徒もちゃんといた。
そして、岬洋介が、ピアノをクラスメイトの前で、
弾くことにより、その才能のすごさに、みんな唖然とする。
相手に...続きを読むならないのだ。比較にならないのだ。
そして、クラスメイトの変化をほとんど感じず、
音楽ということだけを考えている岬洋介だった。

音楽という神様は、努力するだけでは得ることのできない
才能を 岬洋介に、授けているようだ。
高校の校舎が、山を切り開いたところに立てられ、
大雨が降ることで、土砂が崩れ落ちる。
岬洋介は、土砂降りの雨の中で、クラスメイトを助けに
救助を呼びにいくが、日頃 岬洋介をいじめていた高校生が、死体となって発見された。

岬洋介は、みんなを助けた英雄だったが、
殺人の容疑をかけられるのである。
そのざわつきの中で、音楽教師の棚橋先生の
苦渋に満ちた 言葉の数々。いやはや、素晴らしい先生だ。
現実を正しく見据えることを、堂々と言い切る。
それは、音楽の才能にざさつすることによって
得た自分なりの音楽観なのだ。
このメッセージが 実に深いので、
また違ったものを見出すことができる。

このレビューは参考になりましたか?
ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年05月03日

岬洋介シリーズ前日譚。本作はピアニスト探偵、岬洋介が高校生の時を描いたもの。ラノベとは言えないが本シリーズのメインターゲットを考えれば、この設定は正解だろうし、実際本流にしっかりつなげるナイスな傍流作品となっている。

ミステリーのトリックとしてはちょっと好みじゃない類(好みでいうと巻末収録の、父岬...続きを読む恭平が活躍する番外編のトリックの方に軍配が上がる)なんだが、大人が読むティーンズ小説としては絶妙にオモロい。

誰もがもってるであろう苦い思い出、後で振り返ると赤面物の若気の至り。いわゆる厨二病。そんな生意気盛りの若造が鼻っ柱をベキベキへし折られる描写を読む楽しみ…と書くと、なんてイヤミなオヤジやねん!と眉をひそめられるところだが、鼻をへしおられている若者というのは、自分の恥ずかしき十代が投射されているわけで。「近頃の若いモンは…」というよりは、「黒歴史を掘り返すのは止めて」な方のMッ気快感なのである。

クラシック音楽に詳しい人なら、王道の楽しみ方をできる本シリーズ。そして、俺のように音楽に造詣が浅くても面白い本シリーズ。是非刊行順に読んでもらいたいが、実は本作は一番最初に読んでも違和感がないので、とっつきにも丁度よいとさらにお勧めなのだ。

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2019年04月10日

天才ピアニスト高校生岬くん。
様々な経緯を経て岬の保護者役的存在になったクラスメイトの鷹村くん。
ある日大雨の中助けを呼びに行った岬くんが殺人事件に巻き込まれ、容疑者にされる。
その結末はいかに、、、、

天才と凡人の描き方にこだわりがある。
自分の歩いていくべき道を見つけて社会人になっていくのが学...続きを読む生時代という言葉はそのまま子供達に伝えてあげたい。
天才には天才の悩みがあり、凡人には凡人の、、、
何がいいかではなくそれをどう受け入れていくか。

ただのサスペンスではなく人間としての生き方が描かれていたので4星にしました。
終わり方も濁されることなるスッキリ終わりました。

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2019年04月06日

 様々なストーリーを詰め込んだミステリー小説だ。殺人事件が扱われているのだが暗くない。むしろ原色系の明るいタッチを感じた。
 ストーリー展開は読ませるものがあり惹きつけられる。ただ人物描写は類型的である。語り手が説明的過ぎる気もする。しかし、これは読み手のハードルを下げるのに奏効しているというべきな...続きを読むのだろう。気になるのはプロローグで示した伏線が完全には回収されていないことだ。ベートーベンではなくショパンコンクールなのはなぜか。ワルシャワのテロ事件解決との関係性は何か。など説明不可能な飛躍がある。
 だだこの作家の筆力が強いことは確かだ。最後まで読ませる力がある。私はこの作者の作品を初めて読んだが既にたくさんの作品集を書いている。それらを読まずに書評を書いている私には説得力などあり得ない。
 その上でこの作家の作品はもっとよくなる可能性を感じるので、期待しているのである。

このレビューは参考になりましたか?
ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年03月24日

久しぶりに読んだこのシリーズ。これ読むと岬先生時を重ねて少しは人の機微とか考えるようになったのねと思う。少しね。
どうでもいいけど、岬と言えば太郎を思い浮かべ(世代的に)、洋介といえば斎藤洋介を思い浮かべてた(時期的に)

このレビューは参考になりましたか?
ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年02月27日

岬洋介シリーズ第五弾、といってよいだろうか。

ミステリー色はかなり薄い。
音楽が主題であることは変わりないが、
かなり青春小説。
岬洋介自身が若い高校生だから当然かもしれないが。
自分自身の可能性を信じながら、
肥大化しがちな自己像と現実の姿の乖離に苦しむ青い高校生たち。

がけ崩れという災害に見...続きを読む舞われる、
突発性難聴を発症する、というドラマチックな展開はまだ良いとして、
協奏曲の部分は必要だったのだろうか。
もうちょっと本筋、高校生殺人事件の方の分量を増やしてほしかった。

さらには、主人公を「中山七里」としたのはなぜか。
他の著書と交錯しているらしいのでそちらを読めばわかるのだろうか。
いや、この作品だけでも充分面白かったのだが。

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2018年11月19日

相変わらず、圧巻の音楽描写。演奏シーンを読んだ後、速攻で悲愴を聞かずにいられなかった。
才能の話は身につまされる。
努力できる才能、欲しかったなあ。

このレビューは参考になりましたか?
ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年08月10日

岬洋介の高校時代の話。初事件か?
ベートーベンのピアノ3部作「月光」「熱情」「悲愴」を聴きたい。難聴になってしまうくだりは、あの、いつも落ち着いている岬がパニックになる様子が読んでいて辛い。

頑張らなくていいとか、成績だけで人の価値は決まらないとか無限の可能性があるとか、教えられてきたんだろうな。...続きを読むこの際はっきりと言ってやる。努力を放棄するやつや、根拠のない自信を後生大事にするヤツには神様は絶対ほほえまない。〜
という、先生の言葉とても心に残っています。

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2018年06月17日

岬洋介エピソード0のようですね(このシリーズ、まだ読んでなかったので、これを機に読み始めたいかな)。地方の高校音楽科に転校してきた岬。のんびりとしたクラスの中で天才的な才能を発揮する。天災が起き、岬は危険を冒し救助のための行動に出るが、その時、岬をいじめていた男子生徒が殺され、容疑者とされてしまう。...続きを読む犯人は誰か、そして岬の将来を左右する病魔も襲いかかり…。ミステリーではあるけれど、才能が主題な気がする。圧倒的な天才がやってきたときの周りの反応。劣等感、嫉妬、自分の才能を自覚すること、それでも努力し続けること。社会的な問題を織り交ぜて書く中山さん、今回は芸術やらスポーツで頂点を目指そうとする世界の過酷さ、残酷さ、軋轢を描き、読ませました、音楽の流れに乗りながら、最後までリズム良く読めました、中山さんの作品をさらに読みたくなるような勢いです。

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2018年03月23日

さよならドビュッシー、どこかでベートーヴェンと読みました。どちらも最後にえっ!?っと驚く内容でした。

このレビューは参考になりましたか?