あらすじ
県警内部、全員敵!? 「どんでん返しの帝王」が贈る、息をもつかせぬノンストップ・ミステリー。単独で麻薬密売ルートを探っていた刑事が、銃で殺された。千葉県警刑事部捜査一課の高頭班が捜査にあたるが、事件の真相を知った警部・高頭冴子は真犯人に陥れられ、警官殺しの濡れ衣を着せられる。自分の無実を証明できるのは、事件の目撃者である八歳の少年のみ。少年ともども警察組織に追われることになった冴子が逃げ込んだ場所とは!? そして彼女に反撃の手段はあるのか!? 息をもつかせぬノンストップ・ミステリー。
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中山七里『逃亡刑事』PHP文芸文庫。
先に続編の『越境刑事』を読んでしまったので、遅ればせながら、本作『逃亡刑事』を読むことにした。
『越境刑事』より遥かに面白い。県警のアマゾネスの名を欲しいままに高頭冴子が暴れまくるのだからたまらない。
完成度が非常に高く、続編の『越境刑事』など書く必要などなかったのではないかと思うくらいだ。何しろ、本作でこれ以上無い程の最大の悪である警察組織の腐敗を描き、それに県警のアマゾネスが立ち向かい、徹底的にぶっ壊してしまうのだから、続編の必要など無いのだ。
単独で麻薬密売ルートを探っていた生田刑事が、カーディーラーのショールームで射殺される。その犯人を目撃したのは養護施設での暴力から逃れるために脱走した8歳の御堂猛だった。
千葉県警刑事部捜査一課のアマゾネスの異名を持つ高頭冴子が率いる高頭班が捜査にあたるが、猛の証言から早々と事件の真相に辿り着く。あろうことか、生田刑事を射殺したのは薬物銃器対策課の玄葉課長で、押収した薬物を市場に格安で流し、売上を懐に入れていたのだ。
しかし、玄葉の罠に嵌められた冴子は警官殺しの濡れ衣を着せられ、やむなくヤクザの山崎の手を借り、猛と共に逃亡を図る。
山崎の手引きで大阪のドヤ街に潜り込んだ冴子と猛だったが、やがて警察の手がドヤ街にも迫る。
本体価格920円
★★★★★
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警官殺しの犯人を目撃した8歳の少年と警官殺しの濡れ衣をかけられた捜査一課の高頭冴子班長は、警察から逃げながら犯人を追い詰めなくてはならなくなる
苦境に陥る逃避行を社会の日陰に住む人びとが警察憎しで協力するさまは痛快
果たして真犯人を逮捕し膿を出し切れるのか?
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児童養護施設〈光の子〉に保護されている御堂猛(八歳)、
父については随分前に死んだと聞かされていて、詳しいことはほとんど教えてもらっていない。
たった一人の母親も病院に入院しているので猛とは一緒に住めないのだという。死んでいるのではないから、猛は会いたいと思う。それにしても施設の職員から謂れなき虐待を受け耐えているときは余計にそう思う。
では自分が病院に行く。
そして消灯後に脱出を試みた。
暗がりの道をひたすら歩いた。
駐車場の広い完全撤退したカーディーラーにたどり着いた。
非常灯の明かりさえない。店舗の敷地に入り込んだ時、中には二人の男が向かい合わせに立っていた。
『待て』制止の声と同時に音がした。
ぱんという乾いた音だった。拳銃で撃たれた。
猛は、撃った男を目撃したのだ。
これが事件の始まり。
もう一人の主人公は高頭冴子(三十二歳)千葉県警刑事部捜査一課所属、警部。
罵声も振る舞いも荒っぽいが、当の本人は、無駄に美人顔なので違和感が凄まじい。
事件以来、捜査一課の班長を拝命してこの方、これほど心がざわついたことはない。それこそ全国の警察組織にとって拭い難い汚点になると感じていた矢先、逃亡せざるを得なくなる。逃亡先は、大阪のA地区ってか!⇐これ以上は書けない。あらまっ!
読書は楽しい
説明が不十分なので補完すると、警察官の不祥事を描いた小説です。
安価なヤクが出回る苦情がマル暴に情報として入るのです。あらま❗️(今時小説の中では珍しくもありませんが
Posted by ブクログ
『逃亡刑事』中山七里
主人公魅力 ★★★★★
痛快さ ★★★★★
エンド ★★★★★
中山七里さんファンにもオススメです。
主人公は、県警部長、身長180センチ、腕ぷしが強い女性です。通称「アマゾネス」。反社会的勢力界隈でも名をとどろかす。
【はじまり】
児童養護施設から子供が抜け出す。日常化された虐待からの逃避、そして入院する母親にただ会いたくて。
この逃避中に、彼がある事件を目撃する。そう、殺人事件である。被害者は、県警の薬物取締の捜査官であるとわかる。
【犯人は?】
目撃者の子供を取り調べる県警。担当はアマゾネス。彼女は、彼の目撃者は、県警内部にいることを知る。
部下を殺めた内部の犯行。おそらく目撃者にも手は伸びるだろう・・・。
アマゾネスは、重要参考人の子供を護るため、2名で逃亡することを決意する。
【醍醐味】
中山さんの作品は、最初に犯人が明かされてからの展開にある。この逃亡刑事も同じ。
そこからラストまでのテンポ、スピード感は心地良いくらいに速い。
【読み終えて】
主人公/アマゾネスの魅力。それは刑事として役割、犯罪者を逮捕し、検察に引き渡すことに執着していること。そのためには、組織のルールから逸脱することも支障なしと考えている。
アマゾネスが同僚に対して「自分の頭で考えろ。組織・上層部が誤った判断をしていることがわかっても従順するのか?」という場面がある。
中山さん小説の登場人物は、琴線に触れる言葉を投げてくる。
だから、また、読みたくなる。
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千葉県警捜査一課の「アマゾネス」と呼ばれる高頭冴子と殺人事件を目撃した8才の少年猛が正義のために立ち向かうのは千葉県警。
本当の悪玉は誰なのか?ハラハラしながら迎える中山七里のどんでん返し❗️
高頭を助けるヤクザや一般市民たちの破天荒な闘いぶりも痛快でした。
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警察殺しの濡れ衣をきせされた千葉県警のアマゾネスこと高頭警部。途中ヤクザとのやり取りとか、潜伏先の佐古じいさんとかキャラクターが良い。最後50ページくらも面白すぎてすごいゆっくり読んだ。
あと解説の東京の書店員の高頭さんの話もあって、より中山七里先生を好きになった。
有隣堂しか知らない世界で中山先生をしって、ほんと最近しったばかりなので、楽しみすぎる。
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他の中山作品で見かけた高頭冴子が今作の主人公でした。中山先生は組織のはみ出し者を描くのが、本当に上手い!冴子はもちろん、部下の郡山も好きになりました。猛の真っ直ぐさも良いですね。そして、ヤクザの山崎。美味しいところをいつも持っていきますね。また、冴子の作品が読みたいです!
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面白かった。
玄葉にジリジリ追い詰められていく冴子。
信用できる仲間はいるのか?
何も無い状態での逃亡 無事解決できるのか?
山崎 佐古ジイ センセイ達のここぞという場面での活躍嬉しくなる。
「指揮官が不在でも兵隊は動く」高頭班の掟
辛い事情聴取にも屈しない郡山 冴子との信頼関係が伝わる。
終盤が特に面白かった。
Posted by ブクログ
*単独で麻薬密売ルートを探っていた刑事が銃殺された。千葉県警刑事部捜査一課の高頭班が捜査にあたるが、事件の真相を知った警部・高頭冴子は真犯人に陥れられ、警官殺しの濡れ衣を着せられる。自分の無実を証明できるのは、事件の目撃者である八歳の少年のみ。少年ともども警察組織に追われることになった冴子が逃げ込んだ場所とは!?そして彼女に反撃の手段はあるのか!?息をもつかせぬノンストップ・ミステリー*
痛快です!
身長180㎝、男勝りの剛腕と体格を持つ県警のアマゾネス。
その設定だけでも期待させてくれますが、なにせ性格まで型破りの破天荒さ。
ヤクザを脅したり、特殊地域に潜り込んだり、まあその立ち回りの派手なこと。
鮮やかな展開とスピード感で、あっという間に読み終えてしまいました。
途中、A地区でのドンパチが荒唐無稽と思われる向きもありましょうが、いや…あり得るな。
あのA地区ですよね?妙にリアリティを感じてしまいました。
細かいところはさて置き、刑事モノをスカッと気分良く読みたいと言う方にお勧めしたい作品。
Posted by ブクログ
千葉県警のアマゾネスと呼ばれる女警部の高頭冴子。評判通りの傍若無人振りにちょっと引いてしまうが、逃亡が始まると、その解決にどうするのかハラハラしてしまった。小さい目撃者を保護しながらの逃避行。逃げた先が大阪のあの地域。昔、出張で知らずに宿泊したことがあるが、早朝の散歩で見た光景を重ね合わせて見てしまう。捕まった先の警察署が群衆に襲撃されるというド派手な演出。追いつ追われつの大活劇。最後の黒幕に納得のストーリーだった。
Posted by ブクログ
単純に面白かった。第一章の最後でがっつり興味を持ち、その勢いで一気に読み進めました。良い意味で予想通り(期待通り)の展開で面白かった。2時間ドラマにしたら良さそうです。
Posted by ブクログ
冴子刑事、その部下、郡山。
8歳の子供猛。殺人現場を目撃してしまう。
冴子は子供と逃亡する。大阪の下町に。
ホームレスが助けてくれて潜伏成功。
センセイや、ヤクザや冴子の味方は沢山いた。
名前だけ御子柴弁護士が出てきた。
登場もしてほしかったな。
Posted by ブクログ
千葉県警捜査一課の高頭冴子が警官殺しの濡れ衣を着せられ事件の目撃者である8才の少年と逃亡を繰り広げるノンストップ・ミステリーで、無実の証明と汚職の追及を晴らす様は読み応えたっぷりでした。
続編も楽しみです。
Posted by ブクログ
千葉県警、警部である高頭冴子は警官殺しの捜査の指揮をとることになった。
目撃者である少年の証言から犯人が組対課長の玄葉だった。
玄葉に先手を打たれ、冴子が警官殺しの容疑をかけられてしまう。
最後の最後でヤクザを利用しての大逆転。ハラハラして最後まで一気読みだった。
Posted by ブクログ
麻薬密売ルートを探っていた刑事が銃殺さえる事件が発生。
千葉県警刑事部捜査一課の高頭班が捜査にあたるが、
事件の真相を知った警部・高頭冴子は、真犯人にハメられ、
警官殺しにされてしまう。無実の罪をを晴らすために、事件のカギを握る少年
とともに、逃亡する。
少年の賢さ、物わかりの良さが、高頭警部のピンチを救う場面や
逃亡の手助けや、逃亡先で出会う人たちのとの関わりなど、
人間ドラマ的な部分もあったり、高頭警部の通り名である、
「県警のアマゾネス」を実感できるアクションシーンなど
見どころ満載でした。
協力者の持ち出したあるものがぶっ飛んでたのもある意味良かった(笑)。
終わり方は、デビュー作のさよならドビュッシーに似た感じで、
ジーンときてしまいました。
Posted by ブクログ
登場人物がみんなキャラ立ってて良い!
ストーリーもハラハラ、たまにクスりと笑ってアツくなれる。
毎日少しずつ読もうと思ってたのに結局一気読みしちゃいました…
Posted by ブクログ
冴子さん、カッコ良すぎます。
作者の既読作品60冊中、最も男前なキャラクターかも。
濡れ衣を着せられた冴子と事件の目撃者・猛との逃亡生活は、まさに緊張の連続。
息をもつかせぬ展開にハラハラさせられたと思えば、心が温かくなる場面や快哉を叫びたくなる瞬間もあってホント面白かった。
養護施設での虐待やA地区の実情なども織り交ぜつつ、最後まで読者を楽しませてくれる。
ラストシーンで泣きそうになったから、いつか成長した猛の話も読んでみたいなあ。
Posted by ブクログ
同僚を殺されて、罪を着せられ逃亡!
愛称?アマゾネス:千葉県警刑事部捜査一課 高頭冴子警部。
目撃者は、子供。この子の命もやばいので、連れてく〜
行き先は、大阪のA地区(まぁ、どう考えても、あ◯り◯地区やけど)
今回は、はみ出しもんが活躍。
主人公の高頭警部
893の山崎さん
A地区のおじいちゃん
しかし…少しこの地区だけやなく、大阪に対して…ちょっと…
「…ここ、日本だよね。」
「さあな。大阪というのは、日本語が通じる外国だという話もある。…」
とかまで、書いてあると…
めっちゃオモロい〜!
日本ちゃうで〜大阪やで〜w
(自己主張の塊w)
この前、バラエティで、
「東京タワーが見えて、それが近くなるにつれ、レストランなどの値段が高くなるのに、通天閣が近くなるほど、安くなるのはなんで?」
って言っててウケた〜w
(西成、A地区は、通天閣の近所)
基本、この辺の人らは、どんなにそういうコトを言われも怒らない。但し、条件がある!それは!
オモロい〜こと!
これないと、非難轟々…笑(お笑いの街)
話は脱線したけど、警察は敵!が染み込んでる街での潜伏はええかも?ガラ悪いかもしれんけど。
そんなに、西成署が襲撃されたのかは知らんけど、暴動は多々あったみたい。
はみ出しもんばかりで、真犯人を追い詰める…しかし、警察の正義ってなんなんやろな…
押収した麻薬を売って資金作って、また、犯人探し…本末転倒って感じ。
組織の論理で動くのも、組織が正常であってこそ!
まっ!裏金作りは、警察だけやなく、国を運営する方もやけどね〜何か、こっちの方が酷そうやけど(~_~;)
一般の国民が幸せになれるように動いて欲しいもんやな。
警察も永田町も!
キャラ立ちしてるから、続編読みたいけど、あったかな?
Posted by ブクログ
中山さんは決して平易な文体ではないのに読みやすい。佐古ジイやセンセイなど本来関わることのなかった生活保護受給者たちの漢気が熱い。猛もなかなか逞しい。十数年後、警察官になった続編なんかが書かれるんだろうな。迫撃砲で警察署襲撃などハチャメチャだが、突き抜けていて面白かった。ぶっ飛んだエンタメ作品。8歳でミルク臭いと感じるか?とそこだけ引っかかった。
Posted by ブクログ
かっこいい女刑事、高頭冴子。
無謀だけど賢くて健気な少年猛。
くたびれたおっさん風のヤクザの幹部。
人情に篤いが生活には恵まれないおじいちゃん2人。
みんな大好き。
ストーリーもサスペンスフルで、先へ先へと読みたくなる。
面白かった。
Posted by ブクログ
警官を殺した犯人が警察内部にいるとか、それを目撃した少年を保護するために主人公が逃亡するとか、映画「目撃者」を彷彿とさせる。
悪者が徹底的に悪く、主人公が絶体絶命に追い込まれながら最後に大逆転する図式的は普遍的だが爽快。
主人公を救出するために大阪のドヤ街のおっさんたちが警察署を迫撃砲で攻撃するとか、主人公が逃亡の手助けを暴力団に頼るとか弾けぶりも楽しい。
Posted by ブクログ
単独で麻薬密売ルートを捜査していた刑事が、銃殺された。
専従班として指名されたのが〈県警のアマゾネス〉と渾名で呼ばれている、身長180センチ、化粧っ気なし、独身。ショートボブで無駄に美人。
千葉県警刑事部捜査一課警部、高頭冴子。
その事件を目撃したのが、8歳の猛。
猛の証言により、銃撃犯にたどり着いた途端に、警察殺しの濡れ衣を着せられた冴子は、猛と二人で、逃亡したところは、意外な場所だった。
息もつかせぬ展開で、ようやく解決。
冴子が猛に
「一日も早く忘れろ」と言うと
猛が
「警察官になって、絶対また会いにきてやるからっ。憶えてろっ」
猛が大人になつて、警察官になり、再会する場面が想像され、続編として読みたくなった。
Posted by ブクログ
どうしてこれほどまでに読者を惹き込むのが上手いんだろうか…いつも中山七里の作品を読むたびに思ってしまう。屈強な女性刑事の逃避行、なんてつまらないわけがない❗️その構図を中山七里が描くんだから尚更❗️
ハードさだけではなく、女性として繊細な母性の琴線の表現なんて物語の濃淡を見事に作り出して素晴らしい
誰が敵で誰が味方⁉︎
久々に爽快なアクションサスペンスを読んだ。
とにかく、誰が味方で誰が敵なのか。
読んでてハラハラするけど、主人公の女性刑事がわりとハチャメチャで肝が座ってて、そのくせ子供への接し方の不器用さなど、人間味に溢れていて、読んでいてついつい感情移入してしまう。
Posted by ブクログ
A地区の書き方が大阪を知っている人間としてはニヤリとする描写が多く、見る視点が変わるとそう感じるかもしれない、そんな気持ちで読めて面白い。
正義とは本当に厄介なもの。100人いれば100通りの正義があるのに、みんな自分の正義が正義だと思っている滑稽さ。
Posted by ブクログ
中山先生風女ハードボイルド。
西成のおっちゃん達優しい。
あの鯖江?がロケット弾持ってきたの本当に笑えた。
そうはならんやろはあるけどハラハラさせられて面白い。
Posted by ブクログ
相変わらずの中山七里作品の明快なストーリーの流れ、ドキドキ感をともなう展開!とても楽しく読ませていただきました!最後の逆襲からの話の流れが痛快で一気読みしてしまいました。ありがとうございました。
Posted by ブクログ
主人公:冴子は男性顔負けの力強さを兼ね備えるが、上司にの罠に嵌まり、逃亡せざるを得なくなる。
黒幕の正体も中山氏の作品の読者であれば見当がつき、大きなどんでん返しもなく終結する。
冴子が警察に捕まってから奪還までの経緯はかなり現実離れしている感は否めないが、これはこれでスリリングな展開ではあった。
個人的には冴子にまだ魅力を感じていない。刊行されている続編を読んだ後で冴子が魅力的な主人公になっていることを期待したい。
Posted by ブクログ
2時間もののテレビドラマ原作にならないかな
筋は読めたものの、物語のスピード感に振り回
されたものでラストの脱出の経過がカドカワの
映画の様な気分で楽しめた
実際のトコ「そんなんならんわ~」と言いたい
のだが目まぐるしい状況の前に許してしまった